今日も、ピアース,C.L.編/マチャレロ,J.A.編/山脇秀樹編/上田惇生訳/小林薫訳/藤島秀記訳/大木英男訳/高木直二訳/森里陽一訳 ドラッカー・ディファレンス クレアモントの授業の中から、第3章の知識時代のリーダー-脱「統制」のマネジメントを紹介します。
http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/bc91deca30e469d47268cd51b751c72a/
リーダーシップには大きくわけて、垂直型と水平型があります。知識労働者の知識やスキルを十分に生かし切るには、双方のリーダーシップをきちんと理解しなければならないそうです。
垂直型は従来の上から下へという階層的なリーダーシップになります。チーム医療の形態で例えれば、医師が中心で他職種より上にいる古典的医療型や多職種参加型におけるリーダーシップがこれにあたります。
一方、水平型はシェアード・リーダーシップとして以下の4つの類型が紹介されています。
①方向指示型:広く意思決定に参画させる
②取引型:報酬を戦略的に付与する
③変革型:はじめにビジョンあり
④権限委譲型:自主性を何より重視
この中で最も知識労働に重要なものは最後のタイプだそうです。各チームメンバーが自主的にリーダーシップを発揮できるようにするので、チーム医療の形態で例えれば、医師と他の職種が対等・水平な関係にある多職種連携型や超職種型におけるリーダーシップとなります。
仲間の激励や支援、自己目標、自己評価、自己報酬査定、自己啓発などによって権限移譲型リーダーシップは発揮されるそうです。職務に主体性を求める知識労働者にとって、最適のリーダーシップです。
また、科学的根拠もあります。調査の結果、従来の階層型リーダーシップのみの組織よりも成果を上げるチームが多いそうです。NSTを見ていても多職種連携型や超職種型のNSTのほうがうまくいっていると私は感じています。
ただし、知識労働で水平型リーダーシップだけで何でもうまくいくかというと、そうではなくて垂直型との使い分けが必要になります。知識社会とは垂直型か分担型の二者択一ではないそうです。
コーチングがとても有用な心構え・方法であるといっても、それだけですべてがうまくいくわけではないのと同じですね。リーダーシップというと私も含めて、垂直型か水平型かどちらか1つしか発揮できない方が少なくないと思いますが、両方とも使い分けて発揮できるようにすることが、知識社会兼組織社会では重要です。
2010年10月31日日曜日
2010年10月28日木曜日
International Encyclopedia of Rehabilitation
リハのインターネット上の辞典として、International Encyclopedia of Rehabilitation(リハ国際百科事典)があります。下記のHPで無料で様々なリハに関連する項目を見ることができます。残念ながら英語、フランス語、スペイン語しかありませんが。
http://cirrie.buffalo.edu/encyclopedia/index.php?language=en
この中にNutritional Aspects of Disability and Rehabilitationという項目があります。
http://cirrie.buffalo.edu/encyclopedia/article.php?id=127&language=en
最初にNutrition as a Factor Contributing to Disabilityということで、栄養障害がいかに障害(特に筋萎縮、筋力低下による移動能力低下、呼吸機能低下、心機能低下、咀嚼機能低下と免疫機能低下)に悪影響を与えるかが解説されています。このあたりはリハ栄養そのもので、私がリハ栄養で言いたかったことがそのまま記載されているようです。嬉しくなりました。
次にNutritional Aspects of Rehabilitation in People with Disabilitiesということで、主にRoberto Aquilaniらの研究論文を引用して、慢性心不全、脳外傷、脳卒中、慢性腎不全に対する栄養サポートやBCAA補給の有用性を示しています。ちなみにこれらの疾患について、近刊のリハビリテーション栄養ハンドブックの中でも疾患別のリハ栄養として紹介しています。
その中でmetabolic rehabilitationという言葉を使用しています。この言葉は正確な概念がはっきりしません。代謝機能を改善させるリハということになりますが、生活習慣病の運動療法にも使えますし、がんの代謝改善にも使えますし、リハ栄養の意味でも使えます。当面、私は使用しないで様子を見るつもりです。
私は自分でエビデンスをほとんど作っていないので、このように自分の先行研究を紹介しながらリハ栄養の開設ができることは実に素晴らしいと思います。一方で、栄養サポートやBCAA補給の有用性について、批判的吟味をしたほうがよいかと感じましたので、後日引用された論文についてブログで紹介していきます。
このような無料のリハの百科事典があることと、その中にリハ栄養的な記事があることは素晴らしいです。日本語でも使えるようになればもっと素晴らしいと思います。
http://cirrie.buffalo.edu/encyclopedia/index.php?language=en
この中にNutritional Aspects of Disability and Rehabilitationという項目があります。
http://cirrie.buffalo.edu/encyclopedia/article.php?id=127&language=en
最初にNutrition as a Factor Contributing to Disabilityということで、栄養障害がいかに障害(特に筋萎縮、筋力低下による移動能力低下、呼吸機能低下、心機能低下、咀嚼機能低下と免疫機能低下)に悪影響を与えるかが解説されています。このあたりはリハ栄養そのもので、私がリハ栄養で言いたかったことがそのまま記載されているようです。嬉しくなりました。
次にNutritional Aspects of Rehabilitation in People with Disabilitiesということで、主にRoberto Aquilaniらの研究論文を引用して、慢性心不全、脳外傷、脳卒中、慢性腎不全に対する栄養サポートやBCAA補給の有用性を示しています。ちなみにこれらの疾患について、近刊のリハビリテーション栄養ハンドブックの中でも疾患別のリハ栄養として紹介しています。
その中でmetabolic rehabilitationという言葉を使用しています。この言葉は正確な概念がはっきりしません。代謝機能を改善させるリハということになりますが、生活習慣病の運動療法にも使えますし、がんの代謝改善にも使えますし、リハ栄養の意味でも使えます。当面、私は使用しないで様子を見るつもりです。
私は自分でエビデンスをほとんど作っていないので、このように自分の先行研究を紹介しながらリハ栄養の開設ができることは実に素晴らしいと思います。一方で、栄養サポートやBCAA補給の有用性について、批判的吟味をしたほうがよいかと感じましたので、後日引用された論文についてブログで紹介していきます。
このような無料のリハの百科事典があることと、その中にリハ栄養的な記事があることは素晴らしいです。日本語でも使えるようになればもっと素晴らしいと思います。
2010年10月27日水曜日
サルコペニアによる摂食・嚥下障害の課題
以前から何度かこのブログでサルコペニアによる摂食・嚥下障害を取り上げています。臨床場面での実感としては二次性サルコペニアで考えれば、脳卒中の次に多い摂食・嚥下障害の原因疾患・状態だと私は考えています。
二次性サルコペニアには神経筋疾患(ALS、多発性筋炎など)による嚥下筋の筋萎縮だけでなく、廃用性の筋萎縮、低栄養(飢餓)の筋萎縮、高齢者の筋萎縮、他疾患(侵襲、悪液質含む)による筋萎縮も含みます。COPDや大腿骨頸部骨折後の嚥下障害もこの中に含まれますので、その評価と治療はとても重要だといえます。
しかし、サルコペニアによる摂食・嚥下障害には課題が多いのが現状です。
①サルコペニアによる摂食・嚥下障害の診断基準がない。
サルコペニアは四肢筋肉量が若年の2SD以下で、筋力もしくは歩行能力が低下していれば診断するという基準がありますが、これを満たした嚥下障害患者をすべてサルコペニアによる摂食・嚥下障害と判断するわけにはいきません。例えば神経性食思不振症ではこのサルコペニアの基準を満たしても、嚥下障害を認めることは少ないです。
そのため、嚥下筋の筋肉量もしくは筋力の低下を評価する何らかの指標が必要です。例えばですが、頭部挙上ができない、舌圧が弱い、首回りが細い、甲状軟骨の形が体表からよく見えるなどが候補になるかと思います。臨床現場では廃用症候群と同様に主観的に判断しているのが現状ですが、要改善です。
②サルコペニアによる摂食・嚥下障害の有病割合がわからない。
診断基準ができれば研究できますが、現状では2番目に多いというのも仮説にしかなりません。
③サルコペニアによる摂食・嚥下障害の原因が何かわからない。
原発性(加齢)と二次性(活動、栄養、疾患)のいずれかを判断する明確な基準がありません。
④サルコペニアによる摂食・嚥下障害に対する適切な治療方法がわからない。
原因の判断基準ができれば研究できますが、現状では低栄養→栄養管理、加齢・廃用→筋トレ、疾患→原疾患の治療+栄養管理+廃用予防のリハといった漠然とした方針しか示すことができません。
⑤サルコペニアによる摂食・嚥下障害の予後が何かわからない。
診断基準ができて一定の治療方法がはっきりしないと、予後を調べる研究もできません。
ということでないない尽くしです。廃用症候群の診断基準作成がなかなか難しいために臨床研究が進みにくいのと似ていると感じます。リハ栄養的にはまずは、サルコペニアによる摂食・嚥下障害という概念を明らかにして、その診断基準を作ることが重要だと考えています。現在行っている研究が一段落したら、着手できればと思っています。
二次性サルコペニアには神経筋疾患(ALS、多発性筋炎など)による嚥下筋の筋萎縮だけでなく、廃用性の筋萎縮、低栄養(飢餓)の筋萎縮、高齢者の筋萎縮、他疾患(侵襲、悪液質含む)による筋萎縮も含みます。COPDや大腿骨頸部骨折後の嚥下障害もこの中に含まれますので、その評価と治療はとても重要だといえます。
しかし、サルコペニアによる摂食・嚥下障害には課題が多いのが現状です。
①サルコペニアによる摂食・嚥下障害の診断基準がない。
サルコペニアは四肢筋肉量が若年の2SD以下で、筋力もしくは歩行能力が低下していれば診断するという基準がありますが、これを満たした嚥下障害患者をすべてサルコペニアによる摂食・嚥下障害と判断するわけにはいきません。例えば神経性食思不振症ではこのサルコペニアの基準を満たしても、嚥下障害を認めることは少ないです。
そのため、嚥下筋の筋肉量もしくは筋力の低下を評価する何らかの指標が必要です。例えばですが、頭部挙上ができない、舌圧が弱い、首回りが細い、甲状軟骨の形が体表からよく見えるなどが候補になるかと思います。臨床現場では廃用症候群と同様に主観的に判断しているのが現状ですが、要改善です。
②サルコペニアによる摂食・嚥下障害の有病割合がわからない。
診断基準ができれば研究できますが、現状では2番目に多いというのも仮説にしかなりません。
③サルコペニアによる摂食・嚥下障害の原因が何かわからない。
原発性(加齢)と二次性(活動、栄養、疾患)のいずれかを判断する明確な基準がありません。
④サルコペニアによる摂食・嚥下障害に対する適切な治療方法がわからない。
原因の判断基準ができれば研究できますが、現状では低栄養→栄養管理、加齢・廃用→筋トレ、疾患→原疾患の治療+栄養管理+廃用予防のリハといった漠然とした方針しか示すことができません。
⑤サルコペニアによる摂食・嚥下障害の予後が何かわからない。
診断基準ができて一定の治療方法がはっきりしないと、予後を調べる研究もできません。
ということでないない尽くしです。廃用症候群の診断基準作成がなかなか難しいために臨床研究が進みにくいのと似ていると感じます。リハ栄養的にはまずは、サルコペニアによる摂食・嚥下障害という概念を明らかにして、その診断基準を作ることが重要だと考えています。現在行っている研究が一段落したら、着手できればと思っています。
信州大E-learning教材
下記のHPで信州大のE-learning教材を見ることができます。
http://sugp.int-univ.com/GPHP/e_learning/list.html
この中には医学系として下記の項目のE-learning教材があります。
•地域社会福祉学
•加齢病態学
•加齢遺伝学
•リハビリテーション医学
•e-医学概論
•運動構造機能学
•運動生理学
•トレーニング学
•スポーツ栄養学
•こころの医学
•スポーツリハビリテーション
•健康管理情報学
•健康機器開発工学
•遺伝疫学
リハ栄養・サルコペニア関連としては特に、運動構造機能学、運動生理学(この中の運動生理学の測定方法の原理とデータ解釈(筋力)にサルコペニアが出てきます)、トレーニング学、スポーツ栄養学、スポーツリハビリテーションが参考になります。
これらの資料は充実していて自己学習に向いていますので、関心のある方は一度見て学習されることをお勧めします。最近はいくつかの大学でこのようにE-learning教材を自由に見ることができるのでありがたいです。
http://sugp.int-univ.com/GPHP/e_learning/list.html
この中には医学系として下記の項目のE-learning教材があります。
•地域社会福祉学
•加齢病態学
•加齢遺伝学
•リハビリテーション医学
•e-医学概論
•運動構造機能学
•運動生理学
•トレーニング学
•スポーツ栄養学
•こころの医学
•スポーツリハビリテーション
•健康管理情報学
•健康機器開発工学
•遺伝疫学
リハ栄養・サルコペニア関連としては特に、運動構造機能学、運動生理学(この中の運動生理学の測定方法の原理とデータ解釈(筋力)にサルコペニアが出てきます)、トレーニング学、スポーツ栄養学、スポーツリハビリテーションが参考になります。
これらの資料は充実していて自己学習に向いていますので、関心のある方は一度見て学習されることをお勧めします。最近はいくつかの大学でこのようにE-learning教材を自由に見ることができるのでありがたいです。
2010年10月26日火曜日
外来リハ患者におけるビタミンD欠乏の割合
外来リハ患者におけるビタミンD欠乏の有病割合の論文を紹介します。
Pellicane, AJ. et al: Prevalence of 25-Hydroxyvitamin D Deficiency in the Outpatient Rehabilitation Population. American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation: November 2010 - Volume 89 - Issue 11 - pp 899-904
後ろ向きの症例集積の論文ですが、ビタミンDを内服していない患者群で血中ビタミンD濃度が正常だったのは33%、不十分Insufficientだったのは53.2%、欠乏Deficientしていたのは13.8%でした。当然ですがビタミンDを内服していた群では、血中ビタミンD濃度が有意に高いという結果でした。
外来リハ患者でさえこれだけビタミンDが不足している患者が多いということは、入院リハ患者ではさらにビタミンD不足患者が多いことが推測されます。ビタミンDが欠乏していればビタミンD内服の適応になりますが、今の日本の保険医療制度ではビタミンDの測定が難しいことが難点です。低栄養患者ではビタミンD不足を常に疑えということになりますでしょうか。
Objective: To assess the prevalence of 25-hydroxyvitamin D insufficiency and deficiency in the outpatient rehabilitation setting and to identify patient characteristics associated with low serum 25-hydroxyvitamin D levels.
Design: 25-Hydroxyvitamin D levels from 136 rehabilitation outpatients at an academic rehabilitation facility obtained from April 2007 to December 2008 for patient care purposes were captured via retrospective electronic medical record review.
Results: Considering only those subjects not receiving 25-hydroxyvitamin D supplementation at time of evaluation, 33.0% were 25-hydroxyvitamin D Sufficient while 53.2% were Insufficient and 13.8% Deficient. Those outpatient subjects receiving supplementation at time of evaluation had significantly higher 25-hydroxyvitamin D levels compared with those not receiving supplementation (34.1 ± 14.2 ng/ml vs. 25.9 ± 15.2 ng/ml; P = 0.005). Blacks had significantly lower 25-hydroxyvitamin D levels compared with whites (18.0 ± 10.6 ng/ml vs. 31.3 ± 14.3 ng/ml; P < 0.001). Subjects not on vitamin D supplementation assigned to diagnostic groups, Spinal Cord Injury, Brain Injury, and Hereditary Musculoskeletal, all had average 25-hydroxyvitamin D levels well below the lower limit of Sufficiency.
Conclusions: Sixty-seven percent of rehabilitation outpatients are 25-hydroxyvitamin D Insufficient or Deficient. Supplementation significantly affects 25-hydroxyvitamin D levels in the outpatient rehabilitation population. Non-white race and history of Spinal Cord Injury, Brain Injury, or Hereditary Musculoskeletal diagnosis seem to be associated with lower 25-hydroxyvitamin D levels.
Pellicane, AJ. et al: Prevalence of 25-Hydroxyvitamin D Deficiency in the Outpatient Rehabilitation Population. American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation: November 2010 - Volume 89 - Issue 11 - pp 899-904
後ろ向きの症例集積の論文ですが、ビタミンDを内服していない患者群で血中ビタミンD濃度が正常だったのは33%、不十分Insufficientだったのは53.2%、欠乏Deficientしていたのは13.8%でした。当然ですがビタミンDを内服していた群では、血中ビタミンD濃度が有意に高いという結果でした。
外来リハ患者でさえこれだけビタミンDが不足している患者が多いということは、入院リハ患者ではさらにビタミンD不足患者が多いことが推測されます。ビタミンDが欠乏していればビタミンD内服の適応になりますが、今の日本の保険医療制度ではビタミンDの測定が難しいことが難点です。低栄養患者ではビタミンD不足を常に疑えということになりますでしょうか。
Objective: To assess the prevalence of 25-hydroxyvitamin D insufficiency and deficiency in the outpatient rehabilitation setting and to identify patient characteristics associated with low serum 25-hydroxyvitamin D levels.
Design: 25-Hydroxyvitamin D levels from 136 rehabilitation outpatients at an academic rehabilitation facility obtained from April 2007 to December 2008 for patient care purposes were captured via retrospective electronic medical record review.
Results: Considering only those subjects not receiving 25-hydroxyvitamin D supplementation at time of evaluation, 33.0% were 25-hydroxyvitamin D Sufficient while 53.2% were Insufficient and 13.8% Deficient. Those outpatient subjects receiving supplementation at time of evaluation had significantly higher 25-hydroxyvitamin D levels compared with those not receiving supplementation (34.1 ± 14.2 ng/ml vs. 25.9 ± 15.2 ng/ml; P = 0.005). Blacks had significantly lower 25-hydroxyvitamin D levels compared with whites (18.0 ± 10.6 ng/ml vs. 31.3 ± 14.3 ng/ml; P < 0.001). Subjects not on vitamin D supplementation assigned to diagnostic groups, Spinal Cord Injury, Brain Injury, and Hereditary Musculoskeletal, all had average 25-hydroxyvitamin D levels well below the lower limit of Sufficiency.
Conclusions: Sixty-seven percent of rehabilitation outpatients are 25-hydroxyvitamin D Insufficient or Deficient. Supplementation significantly affects 25-hydroxyvitamin D levels in the outpatient rehabilitation population. Non-white race and history of Spinal Cord Injury, Brain Injury, or Hereditary Musculoskeletal diagnosis seem to be associated with lower 25-hydroxyvitamin D levels.
大腿骨頸部骨折にn3脂肪酸は有効か?
今日は、大腿骨頸部骨折にn3脂肪酸は有効か?をこれから検証する研究の臨床研究デザイン論文を紹介します。
Miller MD, et al: A TriaL Assessing N-3 as Treatment for Injury-induced Cachexia (ATLANTIC trial): Does a moderate dose fish oil intervention improve outcomes in older adults recovering from hip fracture? BMC Geriatr. 2010 Oct 22;10(1):76. [Epub ahead of print]
下記のHPで全文見ることができます。ランダム化比較試験に興味のある方は、このような臨床研究デザインの論文を熟読すると、かなり学習になると思います。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2318-10-76.pdf
まず内容に関係ありませんが、ATLANTIC trialという名称はカッコいいです(笑)。研究の頭文字をとって○○トライアルと省略することはありますが、カッコいいだけでポイント高いです。
研究としては大腿骨頸部骨折で栄養管理がうまくいかないことの理由の1つに、Injury-induced Cachexiaがあるのではないかという仮説を立てています。そのため、n3脂肪酸を投与することで悪液質の予防、治療につながり、アウトカムとして栄養状態、移動能力、ADL、QOLが改善するのではないかと推測しています。
研究デザインはランダム化比較試験で、手術後7日以内の65歳以上の大腿骨頸部骨折患者を対象に、介入群は魚油20ml(EPA3.6g、DHA2.4g)、対象群は魚油20ml(EPA0.36g、DHA0.24g)をそれぞれ12週間投与ということで、EPA、DHAの投与量が10倍異なっています。
個人的には、大腿骨頸部骨折で悪液質になるとは考えていません。骨折や手術は侵襲ではあっても悪液質ではないと思います。ただ、大腿骨頸部骨折になる患者は併存疾患による悪液質や二次性サルコペニアを合併していることがありますので、そのような患者ではEPA、DHAの投与によって栄養状態の悪化が少なくなり、リハのアウトカムが改善するかもしれません。どのような結果になるか今から楽しみです。
あと、感心したのはEPA、DHAの投与量ですね。介入群でEPA3.6g、DHA2.4gとかなり多めの印象です。これより臨床で悪液質の患者にn3脂肪酸を使用する場合、少なくともグラム単位でなければいけないと感じました。1グラム未満では足りないと考えます。例えばエパデールでも1日2-3g程度の投与が望ましいかもしれません。悪液質の患者にn3脂肪酸を使用するかどうかは、まだ賛否両論ではありますが。
ABSTRACT:
BACKGROUND: Proximal femoral fractures are associated with increased morbidity and mortality. Pre-existing malnutrition and weight loss amongst this patient group is of primary concern, with conventional nutrition support being largely ineffective. The inflammatory response post proximal femoral fracture surgery and the subsequent risk of cachexia may explain the inability of conventional high energy high protein management to produce an anabolic response amongst these patients. Omega-3 fatty acids derived from fish oils have been extensively studied for their anti-inflammatory benefits. Due to their anti-inflammatory properties, the benefit of fish oil combined with individualized nutrition support amongst proximal femoral fracture patients post surgery is an attractive potential therapeutic strategy. The aim of the ATLANTIC trial is to assess the potential benefits of an anti-inflammatory dose of fish oil within the context of a 12 week individualised nutrition program, commencing seven days post proximal femoral fracture surgery.
METHODS: This randomized controlled, double blinded trial, will recruit 150 community dwelling elderly patients aged [greater than or equal to]65 years, within seven days of surgery for proximal femoral fracture. Participants will be randomly allocated to receive either a 12 week individualized nutrition support program complemented with 20ml/day anti-inflammatory dose fish oil (~3.6g eicosapentaenoic acid, ~2.4g docosahexanoic acid; intervention), or, a 12 week individualized nutrition support program complemented with 20ml/day low dose fish oil (~0.36g eicosapentaenoic acid, ~0.24g docosahexanoic acid; control).
DISCUSSION: The ATLANTIC trial is the first of its kind to provide fish oil combined with individualized nutrition therapy as an intervention to address the inflammatory response experienced post proximal femoral fracture surgery amongst elderly patients. The final outcomes of this trial will assist clinicians in the development of effective and alternative treatment methods post proximal femoral fracture surgery which may ultimately result in a reduction in systemic inflammation, loss of weight and lean muscle and improvements in nutritional status, mobility, independence and quality of life among elderly patients. Trial Registration: ACTRN12609000241235.
Miller MD, et al: A TriaL Assessing N-3 as Treatment for Injury-induced Cachexia (ATLANTIC trial): Does a moderate dose fish oil intervention improve outcomes in older adults recovering from hip fracture? BMC Geriatr. 2010 Oct 22;10(1):76. [Epub ahead of print]
下記のHPで全文見ることができます。ランダム化比較試験に興味のある方は、このような臨床研究デザインの論文を熟読すると、かなり学習になると思います。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2318-10-76.pdf
まず内容に関係ありませんが、ATLANTIC trialという名称はカッコいいです(笑)。研究の頭文字をとって○○トライアルと省略することはありますが、カッコいいだけでポイント高いです。
研究としては大腿骨頸部骨折で栄養管理がうまくいかないことの理由の1つに、Injury-induced Cachexiaがあるのではないかという仮説を立てています。そのため、n3脂肪酸を投与することで悪液質の予防、治療につながり、アウトカムとして栄養状態、移動能力、ADL、QOLが改善するのではないかと推測しています。
研究デザインはランダム化比較試験で、手術後7日以内の65歳以上の大腿骨頸部骨折患者を対象に、介入群は魚油20ml(EPA3.6g、DHA2.4g)、対象群は魚油20ml(EPA0.36g、DHA0.24g)をそれぞれ12週間投与ということで、EPA、DHAの投与量が10倍異なっています。
個人的には、大腿骨頸部骨折で悪液質になるとは考えていません。骨折や手術は侵襲ではあっても悪液質ではないと思います。ただ、大腿骨頸部骨折になる患者は併存疾患による悪液質や二次性サルコペニアを合併していることがありますので、そのような患者ではEPA、DHAの投与によって栄養状態の悪化が少なくなり、リハのアウトカムが改善するかもしれません。どのような結果になるか今から楽しみです。
あと、感心したのはEPA、DHAの投与量ですね。介入群でEPA3.6g、DHA2.4gとかなり多めの印象です。これより臨床で悪液質の患者にn3脂肪酸を使用する場合、少なくともグラム単位でなければいけないと感じました。1グラム未満では足りないと考えます。例えばエパデールでも1日2-3g程度の投与が望ましいかもしれません。悪液質の患者にn3脂肪酸を使用するかどうかは、まだ賛否両論ではありますが。
ABSTRACT:
BACKGROUND: Proximal femoral fractures are associated with increased morbidity and mortality. Pre-existing malnutrition and weight loss amongst this patient group is of primary concern, with conventional nutrition support being largely ineffective. The inflammatory response post proximal femoral fracture surgery and the subsequent risk of cachexia may explain the inability of conventional high energy high protein management to produce an anabolic response amongst these patients. Omega-3 fatty acids derived from fish oils have been extensively studied for their anti-inflammatory benefits. Due to their anti-inflammatory properties, the benefit of fish oil combined with individualized nutrition support amongst proximal femoral fracture patients post surgery is an attractive potential therapeutic strategy. The aim of the ATLANTIC trial is to assess the potential benefits of an anti-inflammatory dose of fish oil within the context of a 12 week individualised nutrition program, commencing seven days post proximal femoral fracture surgery.
METHODS: This randomized controlled, double blinded trial, will recruit 150 community dwelling elderly patients aged [greater than or equal to]65 years, within seven days of surgery for proximal femoral fracture. Participants will be randomly allocated to receive either a 12 week individualized nutrition support program complemented with 20ml/day anti-inflammatory dose fish oil (~3.6g eicosapentaenoic acid, ~2.4g docosahexanoic acid; intervention), or, a 12 week individualized nutrition support program complemented with 20ml/day low dose fish oil (~0.36g eicosapentaenoic acid, ~0.24g docosahexanoic acid; control).
DISCUSSION: The ATLANTIC trial is the first of its kind to provide fish oil combined with individualized nutrition therapy as an intervention to address the inflammatory response experienced post proximal femoral fracture surgery amongst elderly patients. The final outcomes of this trial will assist clinicians in the development of effective and alternative treatment methods post proximal femoral fracture surgery which may ultimately result in a reduction in systemic inflammation, loss of weight and lean muscle and improvements in nutritional status, mobility, independence and quality of life among elderly patients. Trial Registration: ACTRN12609000241235.
2010年10月25日月曜日
第2回チーム医療推進全国会議のお知らせ
以前もお知らせしましたが、より詳細なプログラムが出来ましたので、改めて紹介させていただきます。個人的には自分が参加するシンポジウムよりも、“草の根”コンペでの神奈川NST専門療法士連絡会の発表が大切です。皆様のご参加の程、よろしくお願い申し上げます。
『一般社団法人チーム医療フォーラム』主催にて、来る11/13に東京ビッグサイトで『第2回チーム医療推進全国会議』を開催します。
(http://teamforum.or.jp/bigsight2010/index.html)(通称「台場会議」)
医療人の生きがいを支援するというコンセプトのもと、一般の学術集会とは一味も二味も違う内容の企画となっております。
午前中のシンポ(医療人のキャリア・アップ)では、
4人の新進気鋭の医療人が自らのキャリア、スキルを開陳します。
ランチョンセミナーでは東口髙志先生が「チーム医療と私」について語ってくださいます。
午後の草の根コンペでは、全国から集まった4つの草の根勉強会がプレゼンテーションを行い、
会場投票にて今年の“草の根”アワード(賞金20万円)を決定します。
教育セミナーでは、ビジネス界からリチャード金杉氏をお招きし
「プロフェッショナルの条件」を熱く語っていただきます。
かなり賑わいのあるイベントになりそうです。
まだ席に余裕はありますが、
400名の先着順となりますので
お早目のご登録をお願い致します。
皆様のご来場を心待ちにしております。
プログラム
1. 開会の辞 (10:00-10:05)
2. シンポジウム
「医療人のキャリア・アップ―私の歩いてきた道/自分ブランドのつくり方」
座長 秋山和宏 東葛クリニック病院 副院長
若林 秀隆 横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科
田村 佳奈美 福島労災病院 NSTディレクター
倉田 なおみ 昭和大学薬学部薬剤学教室 教官 臨床薬剤師
中山 法子 国際医療福祉大学大学院修士課程 NP養成分野在籍
3. ランチョンセミナー
「チーム医療と私」 東口 高志 藤田保健衛生大学 外科学・緩和ケア講座教授
座長 徳永慶子 東葛クリニック病院 薬剤部
4. “草の根”コンペ
座長 浦田克美 東葛クリニック病院 看護部
*会場参加者の投票により優勝者を決定し、“草の根”アワードとして表彰
① 「東葛透析栄養セミナーの歩みと透析医療機関の連携栄養サマリーの試み」
東葛クリニック病院 栄養部 髙﨑美幸
② 「医療と福祉と介護の融合?真庭に「学び」の歴史を作りたい?」
社会医療法人金田病院 三村卓司
③ 「神奈川NST専門療法士連絡会の取り組み
~共に学びあい、教えあい、そして広がるネットワーク~」
神奈川県NST専門療法士連絡会 長谷川 聰
④ 「パターナリズムを打ち破れ なにわ栄養士のプロジェクトX」
NNCC(なにわ栄養・ひよこクラブ) 武庫川女子大学生活環境学部 鞍田三貴他2名
5. 教育セミナー
「プロフェッショナルの条件」 リチャード・金杉 ローリングZip代表
座長 蓑手 哲 チーム医療フォーラム アソシエイト
6. 閉会の辞 (16:15-16:30)
第3回 台場会議開催案内
“草の根”アワード発表
プレゼンテーター 浦田克美 東葛クリニック病院 看護部(昨年アワード受賞者)
(主催:一般社団法人チーム医療フォーラム)
『一般社団法人チーム医療フォーラム』主催にて、来る11/13に東京ビッグサイトで『第2回チーム医療推進全国会議』を開催します。
(http://teamforum.or.jp/bigsight2010/index.html)(通称「台場会議」)
医療人の生きがいを支援するというコンセプトのもと、一般の学術集会とは一味も二味も違う内容の企画となっております。
午前中のシンポ(医療人のキャリア・アップ)では、
4人の新進気鋭の医療人が自らのキャリア、スキルを開陳します。
ランチョンセミナーでは東口髙志先生が「チーム医療と私」について語ってくださいます。
午後の草の根コンペでは、全国から集まった4つの草の根勉強会がプレゼンテーションを行い、
会場投票にて今年の“草の根”アワード(賞金20万円)を決定します。
教育セミナーでは、ビジネス界からリチャード金杉氏をお招きし
「プロフェッショナルの条件」を熱く語っていただきます。
かなり賑わいのあるイベントになりそうです。
まだ席に余裕はありますが、
400名の先着順となりますので
お早目のご登録をお願い致します。
皆様のご来場を心待ちにしております。
プログラム
1. 開会の辞 (10:00-10:05)
2. シンポジウム
「医療人のキャリア・アップ―私の歩いてきた道/自分ブランドのつくり方」
座長 秋山和宏 東葛クリニック病院 副院長
若林 秀隆 横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科
田村 佳奈美 福島労災病院 NSTディレクター
倉田 なおみ 昭和大学薬学部薬剤学教室 教官 臨床薬剤師
中山 法子 国際医療福祉大学大学院修士課程 NP養成分野在籍
3. ランチョンセミナー
「チーム医療と私」 東口 高志 藤田保健衛生大学 外科学・緩和ケア講座教授
座長 徳永慶子 東葛クリニック病院 薬剤部
4. “草の根”コンペ
座長 浦田克美 東葛クリニック病院 看護部
*会場参加者の投票により優勝者を決定し、“草の根”アワードとして表彰
① 「東葛透析栄養セミナーの歩みと透析医療機関の連携栄養サマリーの試み」
東葛クリニック病院 栄養部 髙﨑美幸
② 「医療と福祉と介護の融合?真庭に「学び」の歴史を作りたい?」
社会医療法人金田病院 三村卓司
③ 「神奈川NST専門療法士連絡会の取り組み
~共に学びあい、教えあい、そして広がるネットワーク~」
神奈川県NST専門療法士連絡会 長谷川 聰
④ 「パターナリズムを打ち破れ なにわ栄養士のプロジェクトX」
NNCC(なにわ栄養・ひよこクラブ) 武庫川女子大学生活環境学部 鞍田三貴他2名
5. 教育セミナー
「プロフェッショナルの条件」 リチャード・金杉 ローリングZip代表
座長 蓑手 哲 チーム医療フォーラム アソシエイト
6. 閉会の辞 (16:15-16:30)
第3回 台場会議開催案内
“草の根”アワード発表
プレゼンテーター 浦田克美 東葛クリニック病院 看護部(昨年アワード受賞者)
(主催:一般社団法人チーム医療フォーラム)
目からウロコのコーチング
今日は、播摩早苗著、目からウロコのコーチング―なぜ、あの人には部下がついてくるのか?、PHP文庫を紹介します。アマゾンでは中古品を50円前後で入手できるようです。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9B%AE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0%E2%80%95%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AF%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%92%AD%E6%91%A9-%E6%97%A9%E8%8B%97/dp/4569637647
目からウロコとタイトルにありますが、目新しいコーチングの書籍というよりは、コーチングの基本~初級者向けの比較的わかりやすい書籍だと思います。ビジネスコーチングの視点が多いですが、銀座No1ホステスに見るコーチングという視点もあります。
モテる男性、女性になるには、外見を磨くよりコーチングの心構えとスキルを身につけて実践したほうがよいかもしれません。でも個人的には、銀座のクラブに行ってコーチングを学ぶ気にはあまりなりません(笑)。
コーチングスキルにはさまざまなものがありますが、私はよく「コーチングは質問して、聴いて、受け入れるだけ。ただそれだけ」と第3章のはじめにあります。この3つのスキルを持っていればコーチングはある程度機能するそうです。それだけ、適切な質問ができない、聴けない、受け入れられない人が多いのかもしれません。私も他人事ではありませんが。
ただ、これらのスキルだけ身につけてもコーチングの心構え(人間には無限の可能性がある、答えは相手の中にある、答えを見つけるパートナーになる、唯一絶対の正解はない、相手を信じる、受け入れる、共感する)がなければ、相手を操作するだけのテクニックになってしまい、コーチングにはなりません。
コーチングの基本を理解するにはよい書籍だと思います。ただ、ティーチングとの使い分けに関してはあまり書かれていませんので、現場で活用する際にはその点の留意は必要だと感じています。
目次
1. コーチングとは何か
2. 部下をのばすコーチング
3. 聴くことと受け入れること
4. 承認(褒めることと叱ること)
5. Iメッセージの力
6. 聴くことと信じる能力
7. コミュニケーションから生まれるエネルギー
8. ページングはコミュニケーションの入り口
9. コーチングを妨げているもの
10. 達成目標のビジュアライズ
11. 質問をクリエイトする
12. コーチングにおけるアドバイス
13. エネルギーロスを自覚する
14. コーチングのストラクチャ
15. 相手を人生の主人公にする
http://www.amazon.co.jp/%E7%9B%AE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0%E2%80%95%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%81%82%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AF%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E6%92%AD%E6%91%A9-%E6%97%A9%E8%8B%97/dp/4569637647
目からウロコとタイトルにありますが、目新しいコーチングの書籍というよりは、コーチングの基本~初級者向けの比較的わかりやすい書籍だと思います。ビジネスコーチングの視点が多いですが、銀座No1ホステスに見るコーチングという視点もあります。
モテる男性、女性になるには、外見を磨くよりコーチングの心構えとスキルを身につけて実践したほうがよいかもしれません。でも個人的には、銀座のクラブに行ってコーチングを学ぶ気にはあまりなりません(笑)。
コーチングスキルにはさまざまなものがありますが、私はよく「コーチングは質問して、聴いて、受け入れるだけ。ただそれだけ」と第3章のはじめにあります。この3つのスキルを持っていればコーチングはある程度機能するそうです。それだけ、適切な質問ができない、聴けない、受け入れられない人が多いのかもしれません。私も他人事ではありませんが。
ただ、これらのスキルだけ身につけてもコーチングの心構え(人間には無限の可能性がある、答えは相手の中にある、答えを見つけるパートナーになる、唯一絶対の正解はない、相手を信じる、受け入れる、共感する)がなければ、相手を操作するだけのテクニックになってしまい、コーチングにはなりません。
コーチングの基本を理解するにはよい書籍だと思います。ただ、ティーチングとの使い分けに関してはあまり書かれていませんので、現場で活用する際にはその点の留意は必要だと感じています。
目次
1. コーチングとは何か
2. 部下をのばすコーチング
3. 聴くことと受け入れること
4. 承認(褒めることと叱ること)
5. Iメッセージの力
6. 聴くことと信じる能力
7. コミュニケーションから生まれるエネルギー
8. ページングはコミュニケーションの入り口
9. コーチングを妨げているもの
10. 達成目標のビジュアライズ
11. 質問をクリエイトする
12. コーチングにおけるアドバイス
13. エネルギーロスを自覚する
14. コーチングのストラクチャ
15. 相手を人生の主人公にする
2010年10月24日日曜日
第11回横浜南部地域一体型NST勉強会
12月14日(火)18時から神奈川県立こども医療センター本館2階講堂で、第11回横浜南部地域一体型NST勉強会が開催されます。
http://www.peg.or.jp/news/information/kanagawa/101214.pdf
第10回を超えて継続して開催できることは、とてもありがたいです。これだけ回数を重ねてくると、顔の見えるネットワークつくり以上の成果が問われていることは確かなので、地域連携、NST加算などで先駆的な取り組みができればと思っています。
今回は地域栄養ケアPEACH 代表 江頭文江先生による「地域での栄養・食事支援-病院から在宅への取り組み-」の講演があります。病院と在宅・地域の連携は、横浜南部地域一体型NSTでもまだまだ課題ですが、厚木での取り組みを多職種で拝聴させていただくことで、よりより連携を具体化していきたいと考えています。
■NST 勉強会 18:00~19:00
■横浜南部地域一体型NST 連絡会 19:00~20:00
■懇親会 20:00~
※懇親会は病院内広浜食堂にて予定しております。(会費¥2000 程度)
当日の参加も受け付けておりますが、会場整理の都合上12 月7日(火)までに必要事項を明記の上、上記のPDNのHPから用紙を入手してFAXをお願いします(懇親会は事前申し込みでお願い致します)。皆様のご参加の程、よろしくお願いいたします。
http://www.peg.or.jp/news/information/kanagawa/101214.pdf
第10回を超えて継続して開催できることは、とてもありがたいです。これだけ回数を重ねてくると、顔の見えるネットワークつくり以上の成果が問われていることは確かなので、地域連携、NST加算などで先駆的な取り組みができればと思っています。
今回は地域栄養ケアPEACH 代表 江頭文江先生による「地域での栄養・食事支援-病院から在宅への取り組み-」の講演があります。病院と在宅・地域の連携は、横浜南部地域一体型NSTでもまだまだ課題ですが、厚木での取り組みを多職種で拝聴させていただくことで、よりより連携を具体化していきたいと考えています。
■NST 勉強会 18:00~19:00
■横浜南部地域一体型NST 連絡会 19:00~20:00
■懇親会 20:00~
※懇親会は病院内広浜食堂にて予定しております。(会費¥2000 程度)
当日の参加も受け付けておりますが、会場整理の都合上12 月7日(火)までに必要事項を明記の上、上記のPDNのHPから用紙を入手してFAXをお願いします(懇親会は事前申し込みでお願い致します)。皆様のご参加の程、よろしくお願いいたします。
2010年10月23日土曜日
ドラッカー・ディファレンス
今日は、ピアース,C.L.編/マチャレロ,J.A.編/山脇秀樹編/上田惇生訳/小林薫訳/藤島秀記訳/大木英男訳/高木直二訳/森里陽一訳 ドラッカー・ディファレンス クレアモントの授業を紹介します。
http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/bc91deca30e469d47268cd51b751c72a/
この書籍は、ドラッカーが勤めていたクレアモント大学院/ドラッカースクールの必修科目の授業の一部を書籍にしたものです。ドラッカーが執筆した書籍ではありませんが、ドラッカーの教えを活用してこのような授業を行っているのかと思うと、実に興味深いです。
知識社会の一般教養としてのマネジメントを学ぶのに適した書籍です。医療人にとってもマネジメントは当然、一般教養の1つです。スキルとしてのマネジメントよりも、フィロソフィー・心構えとしてのマネジメントを学べます。マネジメントスキルの書籍はたくさんありますが、心構えの書籍はほとんどありません。
特に第8章「知識労働者のためのセルフ・マネジメント」はためになります。ドラッカーの書籍で脳科学について触れている書籍はあまり見たことがありませんが、ここでは脳科学的見地から「集中」の重要性が紹介されています。時間管理・貢献・強み・集中・意思決定が成果をあげる基本ですが、やはり集中は大切です。
固定型思考と成長型思考という2つの思考も第8章で紹介されています。固定型思考は、防衛的で過ちを許さない、完全を期す意識が学びやリスク適応を妨げるそうです。一方、成長型思考は、人に何かを印象付けるより、自らを高めるほうを選ぶ、何にでも関心を示し、間違えたからといって自分も他人も責めないそうです。
1人の中に両者が共存しうるそうですが、日本の義務教育、受験戦争の中で育つと多くの人は固定型思考になってしまうのではないかと思います。失敗を恐れる、失敗を許さない風潮があります。
しかし、成長型思考はドラッカーの説く継続学習を具現化するものであり、知識社会における必須の姿勢だそうです。私の中にも両方の思考がありますが、"no venture, no glory"をモットーにするなど工夫することで、なるべく成長型思考をメインにしたいと考えています。
すでに「プロフェッショナルの条件」などドラッカーの書籍を読んだことがある方に、応用編としてお勧めできる書籍です。ドラッカーを読んだことがない方はぜひ「もしドラ」と「プロフェッショナルの条件」を読んでみてください。
目次
推薦の辞――知識社会のリベラル・アーツ(野中郁次郎)
日本版への序文――ドラッカーとその他大勢を分けるもの(ジョゼフ・A・マチャレロ)
序文(チャールズ・ハンディ)
第1章 教養としてのマネジメント(カレン・E・リンクレター/ジョゼフ・A・マチャレロ)
第2章 ドラッカーならば何と言うだろうか――政府と企業と非営利組織の世界で起こっていること(アイラ・ジャクソン)
第3章 知識時代のリーダー――脱「統制」のマネジメント(クレイグ・L・ピアース)
第4章 企業の目的とは何か(リチャード・R・エルスワース)
第5章 企業戦略の適否診断(ビジャイ・サテイ)
第6章 ソーシャルセクターの世紀(サラ・スミス・オー)
第7章 「すでに起こった未来」の探索(山脇秀樹)
第8章 知識労働者のためのセルフ・マネジメント(ジェレミー・ハンター/J・スコット・シェラー)
第9章 ドラッカー・マーケティングの原点――「顧客の創造」を考える(ジェニー・ダロック)
解説に代えて――今、ドラッカーを学ぶ意味(上田惇生)
http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/bc91deca30e469d47268cd51b751c72a/
この書籍は、ドラッカーが勤めていたクレアモント大学院/ドラッカースクールの必修科目の授業の一部を書籍にしたものです。ドラッカーが執筆した書籍ではありませんが、ドラッカーの教えを活用してこのような授業を行っているのかと思うと、実に興味深いです。
知識社会の一般教養としてのマネジメントを学ぶのに適した書籍です。医療人にとってもマネジメントは当然、一般教養の1つです。スキルとしてのマネジメントよりも、フィロソフィー・心構えとしてのマネジメントを学べます。マネジメントスキルの書籍はたくさんありますが、心構えの書籍はほとんどありません。
特に第8章「知識労働者のためのセルフ・マネジメント」はためになります。ドラッカーの書籍で脳科学について触れている書籍はあまり見たことがありませんが、ここでは脳科学的見地から「集中」の重要性が紹介されています。時間管理・貢献・強み・集中・意思決定が成果をあげる基本ですが、やはり集中は大切です。
固定型思考と成長型思考という2つの思考も第8章で紹介されています。固定型思考は、防衛的で過ちを許さない、完全を期す意識が学びやリスク適応を妨げるそうです。一方、成長型思考は、人に何かを印象付けるより、自らを高めるほうを選ぶ、何にでも関心を示し、間違えたからといって自分も他人も責めないそうです。
1人の中に両者が共存しうるそうですが、日本の義務教育、受験戦争の中で育つと多くの人は固定型思考になってしまうのではないかと思います。失敗を恐れる、失敗を許さない風潮があります。
しかし、成長型思考はドラッカーの説く継続学習を具現化するものであり、知識社会における必須の姿勢だそうです。私の中にも両方の思考がありますが、"no venture, no glory"をモットーにするなど工夫することで、なるべく成長型思考をメインにしたいと考えています。
すでに「プロフェッショナルの条件」などドラッカーの書籍を読んだことがある方に、応用編としてお勧めできる書籍です。ドラッカーを読んだことがない方はぜひ「もしドラ」と「プロフェッショナルの条件」を読んでみてください。
目次
推薦の辞――知識社会のリベラル・アーツ(野中郁次郎)
日本版への序文――ドラッカーとその他大勢を分けるもの(ジョゼフ・A・マチャレロ)
序文(チャールズ・ハンディ)
第1章 教養としてのマネジメント(カレン・E・リンクレター/ジョゼフ・A・マチャレロ)
第2章 ドラッカーならば何と言うだろうか――政府と企業と非営利組織の世界で起こっていること(アイラ・ジャクソン)
第3章 知識時代のリーダー――脱「統制」のマネジメント(クレイグ・L・ピアース)
第4章 企業の目的とは何か(リチャード・R・エルスワース)
第5章 企業戦略の適否診断(ビジャイ・サテイ)
第6章 ソーシャルセクターの世紀(サラ・スミス・オー)
第7章 「すでに起こった未来」の探索(山脇秀樹)
第8章 知識労働者のためのセルフ・マネジメント(ジェレミー・ハンター/J・スコット・シェラー)
第9章 ドラッカー・マーケティングの原点――「顧客の創造」を考える(ジェニー・ダロック)
解説に代えて――今、ドラッカーを学ぶ意味(上田惇生)
2010年10月22日金曜日
短期間の床上安静はアミノ酸が誘導する蛋白同化を障害する
今日は、短期間の床上安静はアミノ酸が誘導する蛋白同化を障害するという論文を紹介します。先日の第2回神奈川NST合宿の特別講演で大村健二先生が使用された論文です。
Biolo G, et al: Short-term bed rest impairs amino acid-induced protein anabolism in humans. J Physiol. 2004 Jul 15;558(Pt 2):381-8.
下記のHPで全文見ることができます。
http://jp.physoc.org/content/558/2/381.full.pdf+html
9人の健康若年ボランティアを対象に、14日間の床上安静(筋肉の不活動、廃用)が蛋白代謝に及ぼす影響を実験しました。食事は蛋白も含め十分摂取しています。今回の研究では床上安静と安静でない時と比較して、蛋白異化に統計学的有意差はありませんでしたが、蛋白同化に有意差がありました。
私は廃用による筋萎縮は筋蛋白同化の低下よりも筋蛋白異化の亢進によるものだと思っていたのですが、両方の要素がありそうです。そうすると、床上安静、廃用のみでは栄養障害が生じないとは言えません。筋蛋白同化の低下は栄養障害の1つといえますので、不要な安静、廃用を避けること自体が栄養悪化の予防につながる可能性があります。
Abstract
Diminished muscular activity is associated with alterations of protein metabolism. The aim of this study was to evaluate the effect of short-term muscle inactivity on regulation of whole-body protein deposition during amino acid infusion to simulate an experimental postprandial state. We studied nine healthy young volunteers at the end of 14 day periods of strict bed rest and of controlled ambulation using a cross-over design. Subjects received a weight-maintaining diet containing 1 g protein kg(-1) day(-1). l[1-(13)C]leucine was used as a marker of whole-body protein kinetics in the postabsorptive state and during a 3 h infusion of an amino acid mixture (0.13 g amino acid (kg lean body mass)(-1) h(-1)). In the postabsorptive state, bed rest decreased (P < 0.05) the rate of leucine disposal (R(d)) to protein synthesis and tended to decrease leucine rate of appearance (R(a)) from proteolysis, whereas the rate of leucine oxidation did not change significantly. Amino acid infusion increased leucine R(d) to protein synthesis and oxidation and decreased leucine R(a) from proteolysis in both the bed rest and ambulatory conditions. Changes from basal in leucine R(d) to protein synthesis were lower (P < 0.05) during bed rest than those in the ambulatory period, whereas changes in leucine R(a) from proteolysis and oxidation were not significantly different. During amino acid infusion, net leucine deposition into body protein was 8 +/- 3% lower during bed rest than during the ambulatory phase. In conclusion, short-term bed rest leads to reduced stimulation of whole-body protein synthesis by amino acid administration. Results of this study were, in part, presented at the meeting, Experimental Biology, 2004, Washington DC.
Biolo G, et al: Short-term bed rest impairs amino acid-induced protein anabolism in humans. J Physiol. 2004 Jul 15;558(Pt 2):381-8.
下記のHPで全文見ることができます。
http://jp.physoc.org/content/558/2/381.full.pdf+html
9人の健康若年ボランティアを対象に、14日間の床上安静(筋肉の不活動、廃用)が蛋白代謝に及ぼす影響を実験しました。食事は蛋白も含め十分摂取しています。今回の研究では床上安静と安静でない時と比較して、蛋白異化に統計学的有意差はありませんでしたが、蛋白同化に有意差がありました。
私は廃用による筋萎縮は筋蛋白同化の低下よりも筋蛋白異化の亢進によるものだと思っていたのですが、両方の要素がありそうです。そうすると、床上安静、廃用のみでは栄養障害が生じないとは言えません。筋蛋白同化の低下は栄養障害の1つといえますので、不要な安静、廃用を避けること自体が栄養悪化の予防につながる可能性があります。
Abstract
Diminished muscular activity is associated with alterations of protein metabolism. The aim of this study was to evaluate the effect of short-term muscle inactivity on regulation of whole-body protein deposition during amino acid infusion to simulate an experimental postprandial state. We studied nine healthy young volunteers at the end of 14 day periods of strict bed rest and of controlled ambulation using a cross-over design. Subjects received a weight-maintaining diet containing 1 g protein kg(-1) day(-1). l[1-(13)C]leucine was used as a marker of whole-body protein kinetics in the postabsorptive state and during a 3 h infusion of an amino acid mixture (0.13 g amino acid (kg lean body mass)(-1) h(-1)). In the postabsorptive state, bed rest decreased (P < 0.05) the rate of leucine disposal (R(d)) to protein synthesis and tended to decrease leucine rate of appearance (R(a)) from proteolysis, whereas the rate of leucine oxidation did not change significantly. Amino acid infusion increased leucine R(d) to protein synthesis and oxidation and decreased leucine R(a) from proteolysis in both the bed rest and ambulatory conditions. Changes from basal in leucine R(d) to protein synthesis were lower (P < 0.05) during bed rest than those in the ambulatory period, whereas changes in leucine R(a) from proteolysis and oxidation were not significantly different. During amino acid infusion, net leucine deposition into body protein was 8 +/- 3% lower during bed rest than during the ambulatory phase. In conclusion, short-term bed rest leads to reduced stimulation of whole-body protein synthesis by amino acid administration. Results of this study were, in part, presented at the meeting, Experimental Biology, 2004, Washington DC.
2010年10月21日木曜日
リハビリテーション栄養ハンドブック予告
医歯薬出版のHPに書籍「リハビリテーション栄養ハンドブック」の予告、案内が掲載されています。
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=218630
HPに掲載されている内容の紹介を改変引用します。
「栄養ケアなくしてリハなし.リハなくして栄養ケアなし」.本書では,医師,看護師,理学学療法士,作業療法士,言語聴覚士,歯科医,管理栄養士,など多職種の執筆陣による,リハ効果を高めるための栄養知識をコンパクトにまとめた一冊.
●サルコペニア(骨格筋減少症)の評価と介入に重点を置くとともに,実際の現場で役立てやすい,代表的な29疾患・障害のリハ栄養のポイントを収録しました.
●日本静脈経腸栄養学会のNST専門療法士は,2010年によりこれまでの対象職種である管理栄養士,看護師,薬剤師,臨床検査技師に加え,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,歯科衛生士が追加となりました.リハと栄養の距離が近づいているなか,ぜひ本書でそのエッセンスを学んでください.
コンパクトな書籍を目指してB6版としたのですが、ページ数は約290と増えてしまいました。11月出版を目指して頑張っています。出版しましたらまた宣伝しますが(笑)、皆様よろしくお願い申し上げます。
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=218630
HPに掲載されている内容の紹介を改変引用します。
「栄養ケアなくしてリハなし.リハなくして栄養ケアなし」.本書では,医師,看護師,理学学療法士,作業療法士,言語聴覚士,歯科医,管理栄養士,など多職種の執筆陣による,リハ効果を高めるための栄養知識をコンパクトにまとめた一冊.
●サルコペニア(骨格筋減少症)の評価と介入に重点を置くとともに,実際の現場で役立てやすい,代表的な29疾患・障害のリハ栄養のポイントを収録しました.
●日本静脈経腸栄養学会のNST専門療法士は,2010年によりこれまでの対象職種である管理栄養士,看護師,薬剤師,臨床検査技師に加え,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,歯科衛生士が追加となりました.リハと栄養の距離が近づいているなか,ぜひ本書でそのエッセンスを学んでください.
コンパクトな書籍を目指してB6版としたのですが、ページ数は約290と増えてしまいました。11月出版を目指して頑張っています。出版しましたらまた宣伝しますが(笑)、皆様よろしくお願い申し上げます。
2010年10月20日水曜日
第2回神奈川NST合宿
遅くなりましたが、10月16-17日に湯河原で第2回神奈川NST合宿を開催しました。神奈川NST専門療法士連絡会の企画で、NST専門療法士のNST専門療法士によるNST専門療法士のための学習会です。ただ、医師・歯科医師の参加も10人強あり、参加者の合計は60人弱でした。
昨年より質・量ともに充実したNST合宿になったと個人的には感じています。臨床栄養に関しても、FDに関しても多くを学ぶことができましたし、顔の見えるネットワークが参加者同士で大いに強化できたと思います。問題点があったことも事実ですが、来年の第3回神奈川NST合宿も企画できることになりました。
来年は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士のNST専門療法士も誕生するはずですので、これら4職種のNST合宿への参加があると、より多職種で楽しくなると考えます。ぜひ多くの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士にNST専門療法士を目指してほしい、NST合宿に参加してほしいと思います。
また、臨床検査技師の参加が今年は1人しかありませんでしたので、来年はより多くの臨床検査技師に参加してほしいと感じています。先月のNST専門療法士志望者向け勉強会には数多くの臨床検査技師が参加していましたので、期待しています。
NST専門療法士取得後の学習機会、顔が見える関係作りの機会として、3年前に神奈川NST専門療法士連絡会を神奈川NST研究会の下部組織として立ち上げました。これだけ立派なNST合宿を企画できたこと、NST専門療法士が資格取得後に学習と成長を続けていることを見て、私は誇りに思います。
私は来月で神奈川NST専門療法士連絡会の会長を退任することになっています。今後はJSPEN首都圏支部でのNST専門療法士部会の活動により力をいれていくつもりです。来年4月16日(土)にJSPEN首都圏支部でのNST専門療法士セミナーを開催予定です。NST専門療法士の学習、成長、活躍が、NSTの発展に重要だと考えています。
昨年より質・量ともに充実したNST合宿になったと個人的には感じています。臨床栄養に関しても、FDに関しても多くを学ぶことができましたし、顔の見えるネットワークが参加者同士で大いに強化できたと思います。問題点があったことも事実ですが、来年の第3回神奈川NST合宿も企画できることになりました。
来年は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士のNST専門療法士も誕生するはずですので、これら4職種のNST合宿への参加があると、より多職種で楽しくなると考えます。ぜひ多くの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士にNST専門療法士を目指してほしい、NST合宿に参加してほしいと思います。
また、臨床検査技師の参加が今年は1人しかありませんでしたので、来年はより多くの臨床検査技師に参加してほしいと感じています。先月のNST専門療法士志望者向け勉強会には数多くの臨床検査技師が参加していましたので、期待しています。
NST専門療法士取得後の学習機会、顔が見える関係作りの機会として、3年前に神奈川NST専門療法士連絡会を神奈川NST研究会の下部組織として立ち上げました。これだけ立派なNST合宿を企画できたこと、NST専門療法士が資格取得後に学習と成長を続けていることを見て、私は誇りに思います。
私は来月で神奈川NST専門療法士連絡会の会長を退任することになっています。今後はJSPEN首都圏支部でのNST専門療法士部会の活動により力をいれていくつもりです。来年4月16日(土)にJSPEN首都圏支部でのNST専門療法士セミナーを開催予定です。NST専門療法士の学習、成長、活躍が、NSTの発展に重要だと考えています。
EPCRCのがん悪液質ガイドライン
今日は、EPCRC(European Palliative Care Research Collaborative、ヨーロッパ緩和ケア研究協働)のがん悪液質ガイドラインのドラフトを紹介します。この情報は愛生会山科病院外科の荒金英樹先生から教えていただきました。どうもありがとございました。
下記のHPからPDFファイルをダウンロードできます。
http://www.epcrc.org/publication_listfiles.php?id=PMsIkFZHZny8tSrjqwBd
EPCRCの中にはESPENも主要メンバーに含まれています。今回のガイドラインの特徴は、悪液質をprecachexia、cachexia、Refractory cachexia(難治性or不応性悪液質)の3つのステージに分類したことです。Refractory cachexiaがいわゆるターミナルのイメージで、通常の悪液質とターミナルは別の概念となります。このことはとてもよいと私は考えています。
一方、悪液質の診断基準として、過去6カ月で体重が5%以上減少、もしくはBMI20未満で2%以上の体重減少、もしくは骨格筋筋肉量がサルコペニア相当(若年の2標準偏差以下)で2%以上の体重減少とあります。
私は、これではsimple starvationやprimary sarcopenia(加齢によるサルコペニア)との鑑別が難しいのではないかと思います。食思不振やCRP陽性が入っているほうが、これらとの鑑別をしやすいと感じます。ただ、これらを入れると悪液質の見落としが増えるということも一方でわかりますので、感度、特異度の関係で悩ましいところかもしれません。
個人的には前悪液質の診断基準(悪液質の基礎疾患あり、過去6カ月で体重が5%以上減少、食思不振、CRP陽性の4項目すべて該当)で、前悪液質の判断を臨床でしていきたいと思っています。来年のJSPENでの演題発表(予定)でもこの基準のまま行きます。 これでリハ栄養とつなげたいと考えています。
あと、今回はがんの悪液質ということで書かれていますが、がん以外の悪液質を生じる疾患でもある程度同じように応用できると思います(慢性感染症、CHF、COPD、CRF、肝不全、膠原病など)。
治療に関しても記載されていますが、全体に薬物療法は厳しめです。栄養療法、運動療法、薬物療法、心理療法などを含めたmultimodalな治療が重要のようです。
下記のHPからPDFファイルをダウンロードできます。
http://www.epcrc.org/publication_listfiles.php?id=PMsIkFZHZny8tSrjqwBd
EPCRCの中にはESPENも主要メンバーに含まれています。今回のガイドラインの特徴は、悪液質をprecachexia、cachexia、Refractory cachexia(難治性or不応性悪液質)の3つのステージに分類したことです。Refractory cachexiaがいわゆるターミナルのイメージで、通常の悪液質とターミナルは別の概念となります。このことはとてもよいと私は考えています。
一方、悪液質の診断基準として、過去6カ月で体重が5%以上減少、もしくはBMI20未満で2%以上の体重減少、もしくは骨格筋筋肉量がサルコペニア相当(若年の2標準偏差以下)で2%以上の体重減少とあります。
私は、これではsimple starvationやprimary sarcopenia(加齢によるサルコペニア)との鑑別が難しいのではないかと思います。食思不振やCRP陽性が入っているほうが、これらとの鑑別をしやすいと感じます。ただ、これらを入れると悪液質の見落としが増えるということも一方でわかりますので、感度、特異度の関係で悩ましいところかもしれません。
個人的には前悪液質の診断基準(悪液質の基礎疾患あり、過去6カ月で体重が5%以上減少、食思不振、CRP陽性の4項目すべて該当)で、前悪液質の判断を臨床でしていきたいと思っています。来年のJSPENでの演題発表(予定)でもこの基準のまま行きます。 これでリハ栄養とつなげたいと考えています。
あと、今回はがんの悪液質ということで書かれていますが、がん以外の悪液質を生じる疾患でもある程度同じように応用できると思います(慢性感染症、CHF、COPD、CRF、肝不全、膠原病など)。
治療に関しても記載されていますが、全体に薬物療法は厳しめです。栄養療法、運動療法、薬物療法、心理療法などを含めたmultimodalな治療が重要のようです。
2010年10月19日火曜日
ASPENの腎障害の栄養管理ガイドライン
ASPENの腎障害(急性腎不全、慢性腎不全)の最新の栄養管理ガイドラインの全文を、下記のHPで見ることができます。
A.S.P.E.N. Clinical Guidelines: Nutrition Support in Adult Acute and Chronic Renal Failure
http://pen.sagepub.com/content/34/4/366.full.pdf
英語のままで申し訳ありませんが、ガイドラインの概要を引用します。エビデンスレベルはAが最も高く、Eが最も低いのですが、残念ながらCからEのエビデンスしかありません。
1. Patients with renal disease should undergo formal nutrition assessment, including evaluation of inflammation, with development of a nutrition care plan. D
2. Standard amino acid parenteral nutrition formulations should be used in acute kidney injury. C
3. Intradialytic parenteral nutrition should not be used as a nutritional supplement in malnourished chronic kidneydisease-V hemodialysis patients. C
4. Patients with renal failure who require nutrition support therapy should receive enteral nutrition if intestinal function permits. E
5. Energy requirements in patients with renal disease should be evaluated using indirect calorimetry when possible. If indirect calorimetry is not possible, individualized assessment of energy intake goals, as with other nutrition support patients, is recommended. D
6. To promote positive nitrogen balance in patients with acute kidney injury, protein intake should be adjusted according to catabolic rate, renal function, and dialysis losses. D
7. Electrolyte intake in patients should be adjusted by monitoring serum concentrations of K, Mg, P, and Ca. D
A.S.P.E.N. Clinical Guidelines: Nutrition Support in Adult Acute and Chronic Renal Failure
http://pen.sagepub.com/content/34/4/366.full.pdf
英語のままで申し訳ありませんが、ガイドラインの概要を引用します。エビデンスレベルはAが最も高く、Eが最も低いのですが、残念ながらCからEのエビデンスしかありません。
1. Patients with renal disease should undergo formal nutrition assessment, including evaluation of inflammation, with development of a nutrition care plan. D
2. Standard amino acid parenteral nutrition formulations should be used in acute kidney injury. C
3. Intradialytic parenteral nutrition should not be used as a nutritional supplement in malnourished chronic kidneydisease-V hemodialysis patients. C
4. Patients with renal failure who require nutrition support therapy should receive enteral nutrition if intestinal function permits. E
5. Energy requirements in patients with renal disease should be evaluated using indirect calorimetry when possible. If indirect calorimetry is not possible, individualized assessment of energy intake goals, as with other nutrition support patients, is recommended. D
6. To promote positive nitrogen balance in patients with acute kidney injury, protein intake should be adjusted according to catabolic rate, renal function, and dialysis losses. D
7. Electrolyte intake in patients should be adjusted by monitoring serum concentrations of K, Mg, P, and Ca. D
2010年10月14日木曜日
維持透析患者ではAMCが大きいほどQOLと生命予後がよい
維持透析患者ではAMCが大きいほどQOLと生命予後がよいという論文を紹介します。
Nazanin Noori, et al: Mid-Arm Muscle Circumference and Quality of Life and Survival in Maintenance Hemodialysis Patients. Clin J Am Soc Nephrol 5, 2010. doi: 10.2215/CJN.02080310
この論文は下記のHPで全文見ることができます。
http://www.asn-online.org/press/files/kalantarzadehstudy.pdf
慢性腎不全、透析患者でもObesity Paradoxの報告があります。今回はLBMの代替指標としてのAMCのほうが脂肪量の代替指標としてのTSFより、QOLと生命予後との関連が強いのではという仮説を検証した論文です。
AMCが高いほどSF-36(包括的QOL指標)のmental health scaleが高いという結果でした。また、死亡のハザード比は、AMCが少ないほうから4分割したときにそれぞれ1.00, 0.86, 0.69, 0.63ということで、AMCが大きいほど死亡が少ないという結果でした。
以上より、維持透析患者ではAMCが大きいほどQOLと生命予後がよいといえます。つまり、サルコペニアの維持透析患者では、QOLと生命予後が悪いことが推測されます。それだけサルコペニア対策が重要と考えます。
Abstract
Background and objectives: Maintenance hemodialysis (MHD) patients with larger body or fat mass have greater survival than normal to low mass. We hypothesized that mid-arm muscle circumference (MAMC), a conveniently measured surrogate of lean body mass (LBM), has stronger association with clinical outcomes than triceps skinfold (TSF), a surrogate of fat mass.
Design, settings, participants, & measurements: The associations of TSF, MAMC, and serum creatinine, another LBM surrogate, with baseline short form 36 quality-of-life scores and 5-year survival were examined in 792 MHD patients. In a randomly selected subsample of 118 subjects, LBM was measured by dual-energy x-ray absorptiometry.
Results: Dual-energy x-ray absorptiometry–assessed LBM correlated most strongly with MAMC and serum creatinine. Higher MAMC was associated with better short form 36 mental health scale and lower death hazard ratios (HRs) after adjustment for case-mix, malnutrition-inflammation-cachexia syndrome, and inflammatory markers. Adjusted death HRs were 1.00, 0.86, 0.69, and 0.63 for the first to fourth MAMC quartiles, respectively. Higher serum creatinine and TSF were also associated with lower death HRs, but these associations were mitigated after multivariate adjustments. Using median values of TSF and MAMC to dichotomize, combined high MAMC with either high or low TSF (compared with low MAMC/TSF) exhibited the greatest survival, i.e., death HRs of 0.52 and 0.59, respectively.
Conclusions: Higher MAMC is a surrogate of larger LBM and an independent predictor of better mental health and greater survival in MHD patients. Sarcopenia-correcting interventions to improve clinical outcomes in this patient population warrant controlled trials.
Nazanin Noori, et al: Mid-Arm Muscle Circumference and Quality of Life and Survival in Maintenance Hemodialysis Patients. Clin J Am Soc Nephrol 5, 2010. doi: 10.2215/CJN.02080310
この論文は下記のHPで全文見ることができます。
http://www.asn-online.org/press/files/kalantarzadehstudy.pdf
慢性腎不全、透析患者でもObesity Paradoxの報告があります。今回はLBMの代替指標としてのAMCのほうが脂肪量の代替指標としてのTSFより、QOLと生命予後との関連が強いのではという仮説を検証した論文です。
AMCが高いほどSF-36(包括的QOL指標)のmental health scaleが高いという結果でした。また、死亡のハザード比は、AMCが少ないほうから4分割したときにそれぞれ1.00, 0.86, 0.69, 0.63ということで、AMCが大きいほど死亡が少ないという結果でした。
以上より、維持透析患者ではAMCが大きいほどQOLと生命予後がよいといえます。つまり、サルコペニアの維持透析患者では、QOLと生命予後が悪いことが推測されます。それだけサルコペニア対策が重要と考えます。
Abstract
Background and objectives: Maintenance hemodialysis (MHD) patients with larger body or fat mass have greater survival than normal to low mass. We hypothesized that mid-arm muscle circumference (MAMC), a conveniently measured surrogate of lean body mass (LBM), has stronger association with clinical outcomes than triceps skinfold (TSF), a surrogate of fat mass.
Design, settings, participants, & measurements: The associations of TSF, MAMC, and serum creatinine, another LBM surrogate, with baseline short form 36 quality-of-life scores and 5-year survival were examined in 792 MHD patients. In a randomly selected subsample of 118 subjects, LBM was measured by dual-energy x-ray absorptiometry.
Results: Dual-energy x-ray absorptiometry–assessed LBM correlated most strongly with MAMC and serum creatinine. Higher MAMC was associated with better short form 36 mental health scale and lower death hazard ratios (HRs) after adjustment for case-mix, malnutrition-inflammation-cachexia syndrome, and inflammatory markers. Adjusted death HRs were 1.00, 0.86, 0.69, and 0.63 for the first to fourth MAMC quartiles, respectively. Higher serum creatinine and TSF were also associated with lower death HRs, but these associations were mitigated after multivariate adjustments. Using median values of TSF and MAMC to dichotomize, combined high MAMC with either high or low TSF (compared with low MAMC/TSF) exhibited the greatest survival, i.e., death HRs of 0.52 and 0.59, respectively.
Conclusions: Higher MAMC is a surrogate of larger LBM and an independent predictor of better mental health and greater survival in MHD patients. Sarcopenia-correcting interventions to improve clinical outcomes in this patient population warrant controlled trials.
糖尿病を合併する慢性心不全ではObesity Paradoxを認めない
今日はDMを合併する慢性心不全患者ではObesity Paradoxを認めないという論文を紹介します。
Chris Adamopoulos et al: Absence of obesity paradox in patients with chronic heart failure and diabetes mellitus: a propensity-matched study. Eur J Heart Fail (2010)
doi: 10.1093/eurjhf/hfq159 First published online: October 7, 2010
慢性心不全やCOPDでは、肥満患者ほど生命予後がよいObesity Paradoxを認めるという報告がされています。今回、糖尿病のあるCHF患者とないCHF患者でマッチングして、肥満群と非肥満群の予後を調べました。
その結果、DMのCHF患者では死亡率が肥満群38%、非肥満群39%、ハザード比0.99で有意差なしでした。一方、DMでないCHF患者では死亡率が肥満群23%、非肥満群27%、ハザード比0.77で統計学的有意差がありました。
以上より、糖尿病を有する慢性心不全患者ではDMコントロールの問題などで、Obesity Paradoxを認めない可能性があります。ただ、減量すれば生命予後がよくなるかどうかはわかりません。少なくとも糖尿病を有する慢性心不全患者の場合、体重増加を勧める必要はなさそうです。一方、DMのないCHF患者では体重増加を勧めたほうがよいかもしれません。
Abstract
Aims Obesity is paradoxically associated with survival benefit in patients with chronic heart failure (HF). However, obesity complicates the management of diabetes mellitus (DM), which is common in HF. Yet, little is known about the impact of obesity in HF patients with DM. Therefore, we examined the association between obesity and outcomes in propensity-matched cohorts of HF patient with and without DM.
Methods and results Of the 7788 participants with chronic mild to moderate HF in the Digitalis Investigation Group trial, 7379 were non-cachectic [body mass index (BMI) ≥20 kg/m2] at baseline. Of these, 2153 (29%) had DM, of whom 798 (37%) were obese (BMI ≥30 kg/m2). Of the 5226 patients without DM, 1162 (22%) were obese. Propensity scores for obesity were used to separately assemble 636 pairs of obese and non-obese patients with DM and 770 pairs of obese and non-obese patients without DM, who were balanced on 32 baseline characteristics. Among matched patients with DM, all-cause mortality occurred in 38 and 39% of obese and non-obese patients, respectively [hazard ratio (HR) when obesity was compared with no obesity 0.99; 95% confidence interval (CI) 0.80–1.22; P = 0.915]. Among matched patients without DM, all-cause mortality occurred in 23 and 27% obese and non-obese patients, respectively (HR associated with obesity 0.77; 95% CI 0.61–0.97; P = 0.025).
Conclusion In patients with chronic mild to moderate HF and DM, obesity confers no paradoxical survival benefit. Whether intentional weight loss may improve outcomes in these patients needs to be investigated in future prospective studies.
Chris Adamopoulos et al: Absence of obesity paradox in patients with chronic heart failure and diabetes mellitus: a propensity-matched study. Eur J Heart Fail (2010)
doi: 10.1093/eurjhf/hfq159 First published online: October 7, 2010
慢性心不全やCOPDでは、肥満患者ほど生命予後がよいObesity Paradoxを認めるという報告がされています。今回、糖尿病のあるCHF患者とないCHF患者でマッチングして、肥満群と非肥満群の予後を調べました。
その結果、DMのCHF患者では死亡率が肥満群38%、非肥満群39%、ハザード比0.99で有意差なしでした。一方、DMでないCHF患者では死亡率が肥満群23%、非肥満群27%、ハザード比0.77で統計学的有意差がありました。
以上より、糖尿病を有する慢性心不全患者ではDMコントロールの問題などで、Obesity Paradoxを認めない可能性があります。ただ、減量すれば生命予後がよくなるかどうかはわかりません。少なくとも糖尿病を有する慢性心不全患者の場合、体重増加を勧める必要はなさそうです。一方、DMのないCHF患者では体重増加を勧めたほうがよいかもしれません。
Abstract
Aims Obesity is paradoxically associated with survival benefit in patients with chronic heart failure (HF). However, obesity complicates the management of diabetes mellitus (DM), which is common in HF. Yet, little is known about the impact of obesity in HF patients with DM. Therefore, we examined the association between obesity and outcomes in propensity-matched cohorts of HF patient with and without DM.
Methods and results Of the 7788 participants with chronic mild to moderate HF in the Digitalis Investigation Group trial, 7379 were non-cachectic [body mass index (BMI) ≥20 kg/m2] at baseline. Of these, 2153 (29%) had DM, of whom 798 (37%) were obese (BMI ≥30 kg/m2). Of the 5226 patients without DM, 1162 (22%) were obese. Propensity scores for obesity were used to separately assemble 636 pairs of obese and non-obese patients with DM and 770 pairs of obese and non-obese patients without DM, who were balanced on 32 baseline characteristics. Among matched patients with DM, all-cause mortality occurred in 38 and 39% of obese and non-obese patients, respectively [hazard ratio (HR) when obesity was compared with no obesity 0.99; 95% confidence interval (CI) 0.80–1.22; P = 0.915]. Among matched patients without DM, all-cause mortality occurred in 23 and 27% obese and non-obese patients, respectively (HR associated with obesity 0.77; 95% CI 0.61–0.97; P = 0.025).
Conclusion In patients with chronic mild to moderate HF and DM, obesity confers no paradoxical survival benefit. Whether intentional weight loss may improve outcomes in these patients needs to be investigated in future prospective studies.
2010年10月13日水曜日
[新版]自分を高め会社を動かす99の鉄則
今日は、新将命著、[新版]自分を高め会社を動かす99の鉄則、PHP文庫を紹介します。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-67300-4
成功する人は一定の原理原則を身につけているそうです。その原理原則に関して、自分の価値を高める原理原則と会社を動かす原理原則がわかりやすくユニークに紹介されています。気にいった言葉をいくつか紹介します。
滅私奉公ではなく活私奉公(Win-Win)
転職をチェックするための三C・二D・一E(Credo, Commitment, Chemistry, Delegation, Direction, Expetation)
”コツコツ”が昇進に勝つ”コツ”
目標を立てて自己啓発を(自分株式会社の中期計画を立てる)
自分は他人とどこが違うか Unique Selling Proposition
四〇歳の老人と八〇歳の若者
快適ゾーンを打ち破れ(comfort zone)
すーっと読んでしまいがちな原理原則が少なくありませんが、一つ一つしっかり噛みしめると味がだんだん出てきます。ロングセラーで今回新版となったそうですが、原理原則は長く通じるということですね。
目次
1 自分の価値を高めるためのAからZ(「できる人」と「できた人」―Ability
「異見」も意見―Agree To Disagree
評価されるためにやるべきこと―Appreciate
知識・見識・胆識―Action ほか)
2 会社を動かすためのAからZ(「責務」と「責任」の違い―Accountability
「資産」としての社員、「道具」としての社員―Asset
何事も基本が肝心―Basics
「会社にとって何がベストか?」―Best For The Company ほか)
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-67300-4
成功する人は一定の原理原則を身につけているそうです。その原理原則に関して、自分の価値を高める原理原則と会社を動かす原理原則がわかりやすくユニークに紹介されています。気にいった言葉をいくつか紹介します。
滅私奉公ではなく活私奉公(Win-Win)
転職をチェックするための三C・二D・一E(Credo, Commitment, Chemistry, Delegation, Direction, Expetation)
”コツコツ”が昇進に勝つ”コツ”
目標を立てて自己啓発を(自分株式会社の中期計画を立てる)
自分は他人とどこが違うか Unique Selling Proposition
四〇歳の老人と八〇歳の若者
快適ゾーンを打ち破れ(comfort zone)
すーっと読んでしまいがちな原理原則が少なくありませんが、一つ一つしっかり噛みしめると味がだんだん出てきます。ロングセラーで今回新版となったそうですが、原理原則は長く通じるということですね。
目次
1 自分の価値を高めるためのAからZ(「できる人」と「できた人」―Ability
「異見」も意見―Agree To Disagree
評価されるためにやるべきこと―Appreciate
知識・見識・胆識―Action ほか)
2 会社を動かすためのAからZ(「責務」と「責任」の違い―Accountability
「資産」としての社員、「道具」としての社員―Asset
何事も基本が肝心―Basics
「会社にとって何がベストか?」―Best For The Company ほか)
家庭医療サマーフォーラムin福島2010@いわき
先月ですが9月11・12日に小名浜オーシャンホテルで行われた「家庭医療サマーフォーラムin福島@いわき」の様子が、「なぜ、ふくしま? → いま、ふくしま。」のブログに掲載されています。
http://fmu-comfam.blogspot.com/2010/09/in2010.html
私が行った「家庭医ができる転倒予防を学ぼう‐リハビリテーション栄養の視点から‐」のワークショップの写真は掲載されていませんが、フラ体験が転倒予防ということでフラ体験の写真は掲載されています。残念ながら私はフラガールの陰になっていますが…。興味のある方は上記のブログをご覧ください。
あと、懇親会の大クイズ大会ではくじ運に恵まれ、ウミガメのぬいぐるみを頂きました(笑)。
http://fmu-comfam.blogspot.com/2010/09/in2010.html
私が行った「家庭医ができる転倒予防を学ぼう‐リハビリテーション栄養の視点から‐」のワークショップの写真は掲載されていませんが、フラ体験が転倒予防ということでフラ体験の写真は掲載されています。残念ながら私はフラガールの陰になっていますが…。興味のある方は上記のブログをご覧ください。
あと、懇親会の大クイズ大会ではくじ運に恵まれ、ウミガメのぬいぐるみを頂きました(笑)。
リハ病院の高齢入院患者では低栄養に注意
今日はオーストラリアのリハ病院における高齢者の低栄養の頻度を調査した論文を紹介します。
Charlton KE, et al: Older rehabilitation patients are at high risk of malnutrition: evidence from a large Australian database. J Nutr Health Aging. 2010;14(8):622-8.
オーストラリアの2つのリハ病院に入院した65歳以上の患者2076人、平均年齢80.6歳を対象にMNAとMNA-SFで栄養評価を行いました。
結果として33%が低栄養、51.5%が低栄養のリスクありで、栄養状態良好は15.5%しかいませんでした。低栄養やリスクありの群は、栄養状態良好群と比べて入院期間も有意に長いという結果でした。以上より、リハ病院では低栄養および低栄養のリスクありの患者が極めて多く、入院期間と関連するという結論です。
リハ病院では急性期病院と同様かそれ以上に低栄養や低栄養のリスクありの患者が多いため、すべての患者にMNA-SFなど栄養アセスメントまで行うべきです。そして低栄養の患者には、積極的なリハ栄養介入が必要になります。そうしなければ十分なリハの成果を引き出すことは困難です。
また、栄養状態が悪ければ入院期間が長くなりますが、これは原疾患の重症度がある程度は交絡になっていると考えます。脳卒中でも大腿骨頚部骨折でももとの疾患が重症であればそれだけ栄養状態は悪くなりますし、重症患者は入院期間が長くなります。
Abstract
Background/objectives: Routine nutrition screening is recommended for all older patients admitted to hospital however data on the prevalence of malnutrition in rehabilitation settings is sparse. This study assessed the nutritional status of older patients admitted to rehabilitation hospitals over a 5 year period and described the association between nutritional status and length of hospital stay (LOS) in this context. The usefulness of a recently revised version of the shortened MNA (MNA-SF) was also investigated. Methods: A retrospective analysis was conducted of patients aged 65 + y admitted to two rehabilitation hospitals in New South Wales, Australia between 1st March 2003 - 30th June 2004, and 11th January 2005 - 10th December 2008. Nutritional status was determined on admission by trained dieitians using the full MNA instrument and the MNA-SF. Information on diagnosis-related grouping and length of stay (LOS) was obtained. Results: Data was available for 2076 patients with a mean age of 80.6 (27.7) y. Thirty-three percent and 51.5 % of patients were classified as malnourished and at nutritional risk, respectively. Controlling for date of admission and diagnosis related grouping, LOS was higher in malnourished and at risk groups compared to their well nourished peers (P < 0.001) by 18.5 and 12.4 days, respectively. MNA-SF demonstrated high sensitivity but relatively low specificity against the full MNA. Conclusion: The majority of older patients in the rehabilitation setting are nutritionally compromised which adversely influences LOS. In order to encourage more widespread screening, the MNA-SF may be able to replace the full MNA.
Charlton KE, et al: Older rehabilitation patients are at high risk of malnutrition: evidence from a large Australian database. J Nutr Health Aging. 2010;14(8):622-8.
オーストラリアの2つのリハ病院に入院した65歳以上の患者2076人、平均年齢80.6歳を対象にMNAとMNA-SFで栄養評価を行いました。
結果として33%が低栄養、51.5%が低栄養のリスクありで、栄養状態良好は15.5%しかいませんでした。低栄養やリスクありの群は、栄養状態良好群と比べて入院期間も有意に長いという結果でした。以上より、リハ病院では低栄養および低栄養のリスクありの患者が極めて多く、入院期間と関連するという結論です。
リハ病院では急性期病院と同様かそれ以上に低栄養や低栄養のリスクありの患者が多いため、すべての患者にMNA-SFなど栄養アセスメントまで行うべきです。そして低栄養の患者には、積極的なリハ栄養介入が必要になります。そうしなければ十分なリハの成果を引き出すことは困難です。
また、栄養状態が悪ければ入院期間が長くなりますが、これは原疾患の重症度がある程度は交絡になっていると考えます。脳卒中でも大腿骨頚部骨折でももとの疾患が重症であればそれだけ栄養状態は悪くなりますし、重症患者は入院期間が長くなります。
Abstract
Background/objectives: Routine nutrition screening is recommended for all older patients admitted to hospital however data on the prevalence of malnutrition in rehabilitation settings is sparse. This study assessed the nutritional status of older patients admitted to rehabilitation hospitals over a 5 year period and described the association between nutritional status and length of hospital stay (LOS) in this context. The usefulness of a recently revised version of the shortened MNA (MNA-SF) was also investigated. Methods: A retrospective analysis was conducted of patients aged 65 + y admitted to two rehabilitation hospitals in New South Wales, Australia between 1st March 2003 - 30th June 2004, and 11th January 2005 - 10th December 2008. Nutritional status was determined on admission by trained dieitians using the full MNA instrument and the MNA-SF. Information on diagnosis-related grouping and length of stay (LOS) was obtained. Results: Data was available for 2076 patients with a mean age of 80.6 (27.7) y. Thirty-three percent and 51.5 % of patients were classified as malnourished and at nutritional risk, respectively. Controlling for date of admission and diagnosis related grouping, LOS was higher in malnourished and at risk groups compared to their well nourished peers (P < 0.001) by 18.5 and 12.4 days, respectively. MNA-SF demonstrated high sensitivity but relatively low specificity against the full MNA. Conclusion: The majority of older patients in the rehabilitation setting are nutritionally compromised which adversely influences LOS. In order to encourage more widespread screening, the MNA-SF may be able to replace the full MNA.
魁!!五島塾☆のご案内
来年1月9日夜(~1月10日朝)に東京都東中野のクロスウェーブ東中野で魁!!五島塾☆の第1回集会が開催されます。詳細は下記のHPを参照してください。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/GOTOH-Dental/gotojuku.htm
塾長は熱血歯科医師の五島朋幸先生で、私も師範?ということで参加させていただきます。参加希望の方は上記HPで参加方法を確認の上、メールで申し込んでください。在宅ケアや地域ケアについてとことん語りあいたい方のご参加をお待ちしております。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/GOTOH-Dental/gotojuku.htm
塾長は熱血歯科医師の五島朋幸先生で、私も師範?ということで参加させていただきます。参加希望の方は上記HPで参加方法を確認の上、メールで申し込んでください。在宅ケアや地域ケアについてとことん語りあいたい方のご参加をお待ちしております。
2010年10月12日火曜日
日本電産 永守イズムの挑戦
今日は日本経済新聞社編、日本電産 永守イズムの挑戦、日経ビジネス人文庫を紹介します。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19445/
日本電産といえば、バンクーバーオリンピックでメダルを獲得した長島圭一郎選手と加藤条治選手が所属する会社、日本電産サンキョーでなじみがあるかと思います。この会社はもともと三協精機製作所という会社名だったのですが経営が悪化して、日本電産の永守重信氏が経営を立て直したことで、日本電産サンキョーという会社名に変わりました。
タイトルの通り、熱い永守イズムが伝わってくる書籍です。ナンバー1にとてもこだわりがあり、2番ではビリと同じというくらいダメという考え方です。「ナンバー1にならなくてもいい もっともっと特別なオンリー1」という歌が昔流行りましたが、きっとこの歌のことは嫌いだと思います(笑)。
オンリー1だって差別化したその世界ではナンバー1でなければいけないのですから、この歌詞の意味がわからないということになります。最近は某政治家のおかげで2番ではダメという風潮になってきましたが。
私にはとてもすべて真似することはできませんが、参考になることは少なからずあります。喝を入れてもらいたい人には特にお勧めできる書籍です。語録からいくつか紹介します。
・一流企業と三流企業の差は製品の差ではなく、”社員の品質”の差である。それは6S(整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾)がいかに基本に忠実にできているか否かによるものと思う。
・成長の陰には必ずハードワーキングがある。ソフトワーキングで成長している企業はない。
・チャレンジのないところから決して成功は生まれない。何もいない者より、何かをしようとした者を応援する。
・”能力は一流、人間は三流”の部門長の下では、業績は五流いかである。
・「ノー」の連発からは何も生まれない。「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」という、常に前向きな姿勢を持ってこそ、すばらしい成果が待っている。
目次
まえがき
第1部 ドキュメント三協精機製作所再建
1 胎 動
2 三協精機の迷走
3 深刻化する危機
4 打 診
5 始 動
6 トップ会談
7 仕掛け人
8 買収交渉
9 光 明
10 決 断
11 記者会見
12 短期決戦
13 躍 動
14 激 震
15 本 丸
16 発 信
17 踏み絵
18 スービック工場
19 3Q6S――永守流意識改革の真髄
20 もうひとつの再建物語・ロボット事業
21 伝統のスケート部
22 永守社長インタビュー 三協再建を振り返る
第2部 永守イズムの源流
1 母親の教え
2 人生を決めた出来事
3 職業訓練大学校
4 就 職
5 子 分
6 独立への助走
7 創 業
第3部 永守流経営のエキス
1 採用の苦労
2 三つの不渡り
3 3Q6S事始め
4 米3M
5 はじめてのM&A
6 国内M&A第一号
7 「永守流」象徴する信濃特機のM&A
第4部 素顔の永守重信
1 人間・永守重信
2 インタビュー 一兆円企業へ、その先には十兆円
永守重信語録
あとがき
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19445/
日本電産といえば、バンクーバーオリンピックでメダルを獲得した長島圭一郎選手と加藤条治選手が所属する会社、日本電産サンキョーでなじみがあるかと思います。この会社はもともと三協精機製作所という会社名だったのですが経営が悪化して、日本電産の永守重信氏が経営を立て直したことで、日本電産サンキョーという会社名に変わりました。
タイトルの通り、熱い永守イズムが伝わってくる書籍です。ナンバー1にとてもこだわりがあり、2番ではビリと同じというくらいダメという考え方です。「ナンバー1にならなくてもいい もっともっと特別なオンリー1」という歌が昔流行りましたが、きっとこの歌のことは嫌いだと思います(笑)。
オンリー1だって差別化したその世界ではナンバー1でなければいけないのですから、この歌詞の意味がわからないということになります。最近は某政治家のおかげで2番ではダメという風潮になってきましたが。
私にはとてもすべて真似することはできませんが、参考になることは少なからずあります。喝を入れてもらいたい人には特にお勧めできる書籍です。語録からいくつか紹介します。
・一流企業と三流企業の差は製品の差ではなく、”社員の品質”の差である。それは6S(整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾)がいかに基本に忠実にできているか否かによるものと思う。
・成長の陰には必ずハードワーキングがある。ソフトワーキングで成長している企業はない。
・チャレンジのないところから決して成功は生まれない。何もいない者より、何かをしようとした者を応援する。
・”能力は一流、人間は三流”の部門長の下では、業績は五流いかである。
・「ノー」の連発からは何も生まれない。「すぐやる」「必ずやる」「出来るまでやる」という、常に前向きな姿勢を持ってこそ、すばらしい成果が待っている。
目次
まえがき
第1部 ドキュメント三協精機製作所再建
1 胎 動
2 三協精機の迷走
3 深刻化する危機
4 打 診
5 始 動
6 トップ会談
7 仕掛け人
8 買収交渉
9 光 明
10 決 断
11 記者会見
12 短期決戦
13 躍 動
14 激 震
15 本 丸
16 発 信
17 踏み絵
18 スービック工場
19 3Q6S――永守流意識改革の真髄
20 もうひとつの再建物語・ロボット事業
21 伝統のスケート部
22 永守社長インタビュー 三協再建を振り返る
第2部 永守イズムの源流
1 母親の教え
2 人生を決めた出来事
3 職業訓練大学校
4 就 職
5 子 分
6 独立への助走
7 創 業
第3部 永守流経営のエキス
1 採用の苦労
2 三つの不渡り
3 3Q6S事始め
4 米3M
5 はじめてのM&A
6 国内M&A第一号
7 「永守流」象徴する信濃特機のM&A
第4部 素顔の永守重信
1 人間・永守重信
2 インタビュー 一兆円企業へ、その先には十兆円
永守重信語録
あとがき
2010年10月11日月曜日
コーチングのプロが教える質問の技術
今日は、齋藤淳子著、コーチングのプロが教える質問の技術、ダイヤモンド社を紹介します。下記のHPでまえがきと最初の10ぺージ程度を立ち読みできます。
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-36061-3
コーチングのスキルは大きく分けて、傾聴、承認、質問、提案があると思います。難易度もこの順番に上がっていきますので、適切な質問のスキルというのは意識しないと身につけることができません。
私が質問のスキルの重要性を痛感したのは、質的研究でフォーカスグループインタビューを行ったときです。初めて行った時には、自分が相手の回答を途中で遮っている、ここで深い質問をすれば思いや経験をより引き出せたのに掘り下げずに別の話題に行ってしまった、沈黙に耐えられない、などありがちなミスをたくさんやっていました。インタビューを何回か繰り返す中で、少しずつ質問のスキルが改善した気がします。
この書籍では具体的な質問のスキルは第5章に紹介されています。目次だけ紹介します。
・確認をとり、コミットメントを高めるクローズド・クエスチョン
・考えさせ、発見を促すオープン・クエスチョン
・オープン・クエスチョンは5W1Hを使って聞く
・情報を整理する限定質問
・思考を広げる拡大質問① WHATを使う
・思考を広げる拡大質問② WHYを使う
・思考を広げる拡大質問③ HOWを使う
・かたまりをほぐす(チャンクダウン)質問
・かたまりにする(チャンクアップ)質問
・広く情報をとる(スライド)質問
・現状を肯定的に認識させる質問
・未来に夢を抱かせる質問 未来質問と仮定質問
・成功のビジョンをつくる質問① モデリングする
・成功のビジョンをつくる質問② リソースを探す
・実際に質問するときの5つのステップ(現状を明確にする質問、望ましい状態を明確にする質問、ギャップを起こしている背景・理由を明確にする質問、行動を決定する質問、フォローのための質問)
WHY、WHAT、HOWの質問を上手に活用することは極めて重要です。1回だけでなく3~5回くらいはこれらの質問を繰り返して掘り下げることが有用です。実際に質問するときの5つのステップは、まさに問題発見・解決のサポートです。コーチングだけでなく、仮説思考、問題発見・解決も知っておくと、より適切な質問ができます。
コーチングでスキルより大切なことは心構えです。第1章に
・答えは必ず相手のなかにある
・答えが返ってこなくても聞き続ける
・厳しい質問をしても信頼関係は壊れない
があります。このような心構えがなければ、質問のスキルだけ身につけてもうまく活用できません。もし答えは相手のなかに全くないと思ったら、それはコーチングではなくティーチングの対象でしょう。TPOでコーチングトティーチングを使い分けることが大切です。医療人はティーチングに走りがちですが、コーチングすべき相手にティーチングしても逆効果となる可能性があります。
今週末の神奈川NST合宿でも、コーチングのミニレクチャーがあります。コーチングの重要性は、医療人のなかで高まる一方という印象です。
目次
1 コーチングは質問からはじまる(質問はコーチングのコアスキル
人を育てる質問、育てない質問 ほか)
2 質問力を高めるコミュニケーション術(部下の話を聞く上司になる
ストーリーに沿って話を引き出す ほか)
3 ひとつの質問から職場が変わる(小さな質問からコミュニケーションが変わる
質問は部下へのメッセージ ほか)
4 同じ質問をしても反応が違うのはなぜ?(それぞれ反応が異なる4つのタイプ
コントローラータイプ ほか)
5 質問のスキルを学ぼう(確認をとり、コミットメントを高めるクローズド・クエスチョン
考えさせ、発見を促すオープン・クエスチョン ほか)
http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-36061-3
コーチングのスキルは大きく分けて、傾聴、承認、質問、提案があると思います。難易度もこの順番に上がっていきますので、適切な質問のスキルというのは意識しないと身につけることができません。
私が質問のスキルの重要性を痛感したのは、質的研究でフォーカスグループインタビューを行ったときです。初めて行った時には、自分が相手の回答を途中で遮っている、ここで深い質問をすれば思いや経験をより引き出せたのに掘り下げずに別の話題に行ってしまった、沈黙に耐えられない、などありがちなミスをたくさんやっていました。インタビューを何回か繰り返す中で、少しずつ質問のスキルが改善した気がします。
この書籍では具体的な質問のスキルは第5章に紹介されています。目次だけ紹介します。
・確認をとり、コミットメントを高めるクローズド・クエスチョン
・考えさせ、発見を促すオープン・クエスチョン
・オープン・クエスチョンは5W1Hを使って聞く
・情報を整理する限定質問
・思考を広げる拡大質問① WHATを使う
・思考を広げる拡大質問② WHYを使う
・思考を広げる拡大質問③ HOWを使う
・かたまりをほぐす(チャンクダウン)質問
・かたまりにする(チャンクアップ)質問
・広く情報をとる(スライド)質問
・現状を肯定的に認識させる質問
・未来に夢を抱かせる質問 未来質問と仮定質問
・成功のビジョンをつくる質問① モデリングする
・成功のビジョンをつくる質問② リソースを探す
・実際に質問するときの5つのステップ(現状を明確にする質問、望ましい状態を明確にする質問、ギャップを起こしている背景・理由を明確にする質問、行動を決定する質問、フォローのための質問)
WHY、WHAT、HOWの質問を上手に活用することは極めて重要です。1回だけでなく3~5回くらいはこれらの質問を繰り返して掘り下げることが有用です。実際に質問するときの5つのステップは、まさに問題発見・解決のサポートです。コーチングだけでなく、仮説思考、問題発見・解決も知っておくと、より適切な質問ができます。
コーチングでスキルより大切なことは心構えです。第1章に
・答えは必ず相手のなかにある
・答えが返ってこなくても聞き続ける
・厳しい質問をしても信頼関係は壊れない
があります。このような心構えがなければ、質問のスキルだけ身につけてもうまく活用できません。もし答えは相手のなかに全くないと思ったら、それはコーチングではなくティーチングの対象でしょう。TPOでコーチングトティーチングを使い分けることが大切です。医療人はティーチングに走りがちですが、コーチングすべき相手にティーチングしても逆効果となる可能性があります。
今週末の神奈川NST合宿でも、コーチングのミニレクチャーがあります。コーチングの重要性は、医療人のなかで高まる一方という印象です。
目次
1 コーチングは質問からはじまる(質問はコーチングのコアスキル
人を育てる質問、育てない質問 ほか)
2 質問力を高めるコミュニケーション術(部下の話を聞く上司になる
ストーリーに沿って話を引き出す ほか)
3 ひとつの質問から職場が変わる(小さな質問からコミュニケーションが変わる
質問は部下へのメッセージ ほか)
4 同じ質問をしても反応が違うのはなぜ?(それぞれ反応が異なる4つのタイプ
コントローラータイプ ほか)
5 質問のスキルを学ぼう(確認をとり、コミットメントを高めるクローズド・クエスチョン
考えさせ、発見を促すオープン・クエスチョン ほか)
2010年10月10日日曜日
ビジネスパーソンの時間割‐集中とアイディアを生む時間投資術
エドワード・M・ハロウェル著、田口未和訳、ビジネスパーソンの時間割‐集中とアイディアを生む時間投資術、バジリコ株式会社を紹介します。アマゾンでは中古品を50円から購入できます。
http://www.basilico.co.jp/book/books/9784862381491.html
まずは上記HPにある書籍内容の紹介を引用させていただきます。
内容 「忙しくなければいけない」と思い込んでいませんか?
「携帯を手放せない」「いつも焦っている」誰にでも当てはまる現代人特有の「忙しい」病。
医師である著者はあるとき、このような現代人の症状が、自らの専門分野である「注意欠陥障害(ADD)」(遺伝的に発生)の症状とよく似ていることに気がついた。
このスパイラルから抜け出すには、時間を質的に管理することが必要である――
「注意欠陥障害(ADD)」の専門医が、ADDの治療・対処の経験から、現代人の「忙しい病」の害を説明し、その対処法と、さらにはスピーディーな情報化社会をうまく味方につける方法を提案!
専門医が教える、ビジネスパーソンのための、究極の現代生活スケジューリング術。
私も他人事とは言えませんが、純粋に仕事が忙しいこと以外に、テレビ、ゲーム、メール、携帯、インターネット(ブログ、ツイッター、ミクシィなど)などのたくさんの時間をとられていませんか?自分なりの意識やルールを持って自分が活用していればよいですが、逆に使われてしまっている要素はありませんか?
携帯、メール、インターネットなしでは仕事も遊びも成立しにくいので、これらなしの生活は私には考えられませんが、一方でこれらに依存、中毒のようになってしまっては、かえって忙しすぎてゆとりのない生活になりかねません。純粋に仕事のみで1日16時間以上勤務しているような人は別ですが…。
この書籍では、自分の一番大切なことが何かを見つけてそれに時間をかけることの重要性が繰り返し紹介されています。自分の一番大切なことを見失っている場合と、大切なことはわかっていてもそれに時間をかけることを見失っている場合があります。
第28章には現代生活をうまく管理するための10原則が紹介されていますので、簡単に引用します。
1 自分にいちばん大切なことが何かを明らかにし、それを実行する。
2 ポジティブな感情環境を作る。人間関係の構築が最もよい方法。
3 リズムをつかむ。賢い時間管理と1日の計画作りから始め、それが見つかるまで調整する。
4 自分の時間をどう投資するかに意識的に注意を向ける。
5 スクリーンサッキングで時間を浪費しない。
6 できる限りゲンメルスマーチを減らす。
7 不得意なことは人に頼む。効果的に相互依存する。
8 スローダウンする。立ち止まって考える。
9 消耗しない。効果的なマルチタスキングが意味することを学ぶ。
10 遊ぶ。
よくわからない用語もあるかと思いますが、まずは自分の大切なものを見つけ時間を注ぐことが最も重要です。もっと時間があればこんなことがしたいなあと本気で思うことは、早々に時間を作ってやるべきです。本気で思わないのであれば構いませんが、人間の一生の時間は限られています。私の75歳までの残り時間は、18396000分です。このことはもっと真剣に考えるべきでしょう。
この書籍を読んでいて思ったのは、ドラッカーの経営者の条件に出てくる成果を上げる人の習慣です。時間管理、貢献、集中、強み、成果を上げるような意思決定。やはりこれらが大切なんだと改めて認識しました。
ということでいつかブログを書くことが自分にとって重要でなくなったら、その時はやめるかもしれませんのでよろしくお願いいたします(笑)。
http://www.basilico.co.jp/book/books/9784862381491.html
まずは上記HPにある書籍内容の紹介を引用させていただきます。
内容 「忙しくなければいけない」と思い込んでいませんか?
「携帯を手放せない」「いつも焦っている」誰にでも当てはまる現代人特有の「忙しい」病。
医師である著者はあるとき、このような現代人の症状が、自らの専門分野である「注意欠陥障害(ADD)」(遺伝的に発生)の症状とよく似ていることに気がついた。
このスパイラルから抜け出すには、時間を質的に管理することが必要である――
「注意欠陥障害(ADD)」の専門医が、ADDの治療・対処の経験から、現代人の「忙しい病」の害を説明し、その対処法と、さらにはスピーディーな情報化社会をうまく味方につける方法を提案!
専門医が教える、ビジネスパーソンのための、究極の現代生活スケジューリング術。
私も他人事とは言えませんが、純粋に仕事が忙しいこと以外に、テレビ、ゲーム、メール、携帯、インターネット(ブログ、ツイッター、ミクシィなど)などのたくさんの時間をとられていませんか?自分なりの意識やルールを持って自分が活用していればよいですが、逆に使われてしまっている要素はありませんか?
携帯、メール、インターネットなしでは仕事も遊びも成立しにくいので、これらなしの生活は私には考えられませんが、一方でこれらに依存、中毒のようになってしまっては、かえって忙しすぎてゆとりのない生活になりかねません。純粋に仕事のみで1日16時間以上勤務しているような人は別ですが…。
この書籍では、自分の一番大切なことが何かを見つけてそれに時間をかけることの重要性が繰り返し紹介されています。自分の一番大切なことを見失っている場合と、大切なことはわかっていてもそれに時間をかけることを見失っている場合があります。
第28章には現代生活をうまく管理するための10原則が紹介されていますので、簡単に引用します。
1 自分にいちばん大切なことが何かを明らかにし、それを実行する。
2 ポジティブな感情環境を作る。人間関係の構築が最もよい方法。
3 リズムをつかむ。賢い時間管理と1日の計画作りから始め、それが見つかるまで調整する。
4 自分の時間をどう投資するかに意識的に注意を向ける。
5 スクリーンサッキングで時間を浪費しない。
6 できる限りゲンメルスマーチを減らす。
7 不得意なことは人に頼む。効果的に相互依存する。
8 スローダウンする。立ち止まって考える。
9 消耗しない。効果的なマルチタスキングが意味することを学ぶ。
10 遊ぶ。
よくわからない用語もあるかと思いますが、まずは自分の大切なものを見つけ時間を注ぐことが最も重要です。もっと時間があればこんなことがしたいなあと本気で思うことは、早々に時間を作ってやるべきです。本気で思わないのであれば構いませんが、人間の一生の時間は限られています。私の75歳までの残り時間は、18396000分です。このことはもっと真剣に考えるべきでしょう。
この書籍を読んでいて思ったのは、ドラッカーの経営者の条件に出てくる成果を上げる人の習慣です。時間管理、貢献、集中、強み、成果を上げるような意思決定。やはりこれらが大切なんだと改めて認識しました。
ということでいつかブログを書くことが自分にとって重要でなくなったら、その時はやめるかもしれませんのでよろしくお願いいたします(笑)。
2010年10月9日土曜日
がん悪液質による心筋変化
今日は、がん悪液質による心筋変化をみた動物実験の論文を紹介します。
Min Tian, et al: Cardiac alterations in cancer-induced cachexia in mice. International Journal of Oncology 37(2):347-353, 2010
悪液質は広義のサルコペニアの要因の1つになり、骨格筋の減少が著明となります。しかし、がん悪液質が心不全の原因になるかどうかは明らかになっていません。
この動物実験の結果は、がん悪液質のマウスは心機能が低下し、その原因として線維化や心筋の変化だったそうです。仮説としては悪液質は骨格筋だけでなく、心筋も減少させて心機能を悪化させると言えます。
ただ、これも仮説ですが、悪液質に限らずすべてのサルコペニアで骨格筋だけでなく心筋も減少する可能性があります。病態的にはありうる話かと思いますが、十分な検証が今後必要です。
私が経験したのは、神経性食思不振症の方が肺炎などで重度侵襲となった結果、骨格筋だけでなく心筋も減少(心臓超音波で心筋が明らかに薄くなっていることで確認)して心不全となっていました。心不全の原因は心筋減少だけではないと思いますが。
サルコペニアをみたら心筋減少症・心機能障害を疑えという時代が来るかもしれません。まずは悪液質をみたら心筋減少症・心機能障害の可能性を考えましょう。
Abstract:
Cachexia is a common syndrome in advanced cancer patients and causes up to 22% of cancer-related deaths. It remains elusive whether cancer cachexia causes heart failure. We investigated the effect of cancer cachexia on heart function and cardiac muscle structure in a mouse model. Male CD2F1 mice were inoculated with either colon-26 adenocarcinoma cells (Tumor group) or vehicle (PBS) (No Tumor group and Pair-fed group). Heart function as measured by fractional shortening in vivo using transthoracic echocardiography was performed on day 14 after tumor or PBS inoculation. At necropsy (day 17), hearts were collected for histology, transmission electron microscopy, RT-PCR and SDS-PAGE analysis. Mice from the Tumor group displayed a significantly reduced fractional shortening compared to mice in the No Tumor and Pair-fed groups. In hearts of the Tumor mice compared to the other groups, there was marked fibrosis and transmission electron microscopy revealed disrupted myocardial ultrastructure. Gene expression of troponin I, a regulator of cardiac muscle contraction, was reduced. Moreover, both mRNA and protein levels of myosin heavy chain (MHC) were altered whereby MHCα (adult isoform) was decreased and MHCβ (fetal isoform) was increased indicating reactivation of the fetal gene expression pattern. In conclusion, heart function was diminished in mice with tumor-induced cachexia, and this impaired function was associated with increased fibrosis, disrupted myocardial structure and altered composition of contractile proteins of cardiac muscle.
Min Tian, et al: Cardiac alterations in cancer-induced cachexia in mice. International Journal of Oncology 37(2):347-353, 2010
悪液質は広義のサルコペニアの要因の1つになり、骨格筋の減少が著明となります。しかし、がん悪液質が心不全の原因になるかどうかは明らかになっていません。
この動物実験の結果は、がん悪液質のマウスは心機能が低下し、その原因として線維化や心筋の変化だったそうです。仮説としては悪液質は骨格筋だけでなく、心筋も減少させて心機能を悪化させると言えます。
ただ、これも仮説ですが、悪液質に限らずすべてのサルコペニアで骨格筋だけでなく心筋も減少する可能性があります。病態的にはありうる話かと思いますが、十分な検証が今後必要です。
私が経験したのは、神経性食思不振症の方が肺炎などで重度侵襲となった結果、骨格筋だけでなく心筋も減少(心臓超音波で心筋が明らかに薄くなっていることで確認)して心不全となっていました。心不全の原因は心筋減少だけではないと思いますが。
サルコペニアをみたら心筋減少症・心機能障害を疑えという時代が来るかもしれません。まずは悪液質をみたら心筋減少症・心機能障害の可能性を考えましょう。
Abstract:
Cachexia is a common syndrome in advanced cancer patients and causes up to 22% of cancer-related deaths. It remains elusive whether cancer cachexia causes heart failure. We investigated the effect of cancer cachexia on heart function and cardiac muscle structure in a mouse model. Male CD2F1 mice were inoculated with either colon-26 adenocarcinoma cells (Tumor group) or vehicle (PBS) (No Tumor group and Pair-fed group). Heart function as measured by fractional shortening in vivo using transthoracic echocardiography was performed on day 14 after tumor or PBS inoculation. At necropsy (day 17), hearts were collected for histology, transmission electron microscopy, RT-PCR and SDS-PAGE analysis. Mice from the Tumor group displayed a significantly reduced fractional shortening compared to mice in the No Tumor and Pair-fed groups. In hearts of the Tumor mice compared to the other groups, there was marked fibrosis and transmission electron microscopy revealed disrupted myocardial ultrastructure. Gene expression of troponin I, a regulator of cardiac muscle contraction, was reduced. Moreover, both mRNA and protein levels of myosin heavy chain (MHC) were altered whereby MHCα (adult isoform) was decreased and MHCβ (fetal isoform) was increased indicating reactivation of the fetal gene expression pattern. In conclusion, heart function was diminished in mice with tumor-induced cachexia, and this impaired function was associated with increased fibrosis, disrupted myocardial structure and altered composition of contractile proteins of cardiac muscle.
2010年10月8日金曜日
愛は自転車に乗って―歯医者とスルメと情熱と
今日は、五島朋幸著、愛は自転車に乗って―歯医者とスルメと情熱と、一橋出版を紹介します。一橋出版は2009年に自己破産されたとのことで、書籍はアマゾンから入手するのがよい気がします。他によい入手ルートがありましたら教えてください。
http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%81%AF%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%81%A3%E3%81%A6%E2%80%95%E6%AD%AF%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%81%A8%E6%83%85%E7%86%B1%E3%81%A8-%E4%BA%94%E5%B3%B6-%E6%9C%8B%E5%B9%B8/dp/483480223X
五島先生が何冊も書籍を出していることは知っていましたが、この書籍は今回初めて拝読させていただきました。タイトルに愛や情熱が入っていること自体すごいですが、中身は感動的です。食べること、嚥下リハに関わって生きてきた人なら、共感できることが多いはずです。そうでなくても共感できると思います。
「なぜ食べるための努力をしないのか。食べることは生きることである。われわれ医療者の目的は人が生きることを支えることであって人を生かすことではない!」と絶叫して訴えている様子が目に浮かびます。まあ、3日前にラジオ収録と飲み会で五島先生とご一緒させていただいたので、目に浮かびやすい状況ですが…。
なぜ嚥下が専門でもない医療人が安易に「一生食べることは絶対にできません」などと断言できるのでしょうか。禁食安全妄想(禁食にすると誤嚥性肺炎になりにくい)が蔓延している医療界ですが、実際には少しでも経口摂取できる能力がある方の場合には、適切に経口摂取しているほうが肺炎になりにくいというエビデンスがあります。「経口摂取をしないと肺炎になるリスクが高くなりますよ」ということが、これからの常識です。
在宅医療の魅力、素晴らしさもよく伝わってきます。生活を切り離した病院での治療とは大違いです。もちろん急性期病院で生きるか死ぬかというときには、生活密着よりも生活を切り離して治療に専念することのほうが重要なこともありますが。私も在宅リハに関わらせていただいていて、これは必ず継続したいと考えています。
嚥下リハは大変なこともありますが、やりがいがとても大きな領域です。この本を読んで改めてやりがいの大きさを実感しました。多くの人に読んでいただき、多くの人に口から食べることに真剣に関わってほしいと思います。
http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%81%AF%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%81%A3%E3%81%A6%E2%80%95%E6%AD%AF%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%81%A8%E6%83%85%E7%86%B1%E3%81%A8-%E4%BA%94%E5%B3%B6-%E6%9C%8B%E5%B9%B8/dp/483480223X
五島先生が何冊も書籍を出していることは知っていましたが、この書籍は今回初めて拝読させていただきました。タイトルに愛や情熱が入っていること自体すごいですが、中身は感動的です。食べること、嚥下リハに関わって生きてきた人なら、共感できることが多いはずです。そうでなくても共感できると思います。
「なぜ食べるための努力をしないのか。食べることは生きることである。われわれ医療者の目的は人が生きることを支えることであって人を生かすことではない!」と絶叫して訴えている様子が目に浮かびます。まあ、3日前にラジオ収録と飲み会で五島先生とご一緒させていただいたので、目に浮かびやすい状況ですが…。
なぜ嚥下が専門でもない医療人が安易に「一生食べることは絶対にできません」などと断言できるのでしょうか。禁食安全妄想(禁食にすると誤嚥性肺炎になりにくい)が蔓延している医療界ですが、実際には少しでも経口摂取できる能力がある方の場合には、適切に経口摂取しているほうが肺炎になりにくいというエビデンスがあります。「経口摂取をしないと肺炎になるリスクが高くなりますよ」ということが、これからの常識です。
在宅医療の魅力、素晴らしさもよく伝わってきます。生活を切り離した病院での治療とは大違いです。もちろん急性期病院で生きるか死ぬかというときには、生活密着よりも生活を切り離して治療に専念することのほうが重要なこともありますが。私も在宅リハに関わらせていただいていて、これは必ず継続したいと考えています。
嚥下リハは大変なこともありますが、やりがいがとても大きな領域です。この本を読んで改めてやりがいの大きさを実感しました。多くの人に読んでいただき、多くの人に口から食べることに真剣に関わってほしいと思います。
嚥下・栄養の学習に有益なHP紹介
今日は、嚥下・栄養の学習に有益なホームページを3つ紹介します。皆様の学習のお役になれば幸いです。
①埼玉県難病医療連絡協議会 神経難病と栄養
http://www.hosp.go.jp/~esaitama/nanbyo/HP_NANBYOU4.pdf
神経難病患者の栄養・嚥下・褥瘡などについて、医療人、介護者向けに説明されています。医療人にはわかりやすいと思いますが、介護職にはやや難しいかもしれません。
②北海道 介護者のための摂食・嚥下障害対応マニュアル
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/10CEAE6A-087A-4879-8D35-9A02D298D171/0/kaigoenngemanyuaru.pdf
介護者向けに摂食・嚥下障害の基本について、とてもわかりやすく解説されています。
③施設・在宅での窒息事故を予防するためのチームアプローチ
http://www.pref.miyagi.jp/sn-hohuku/seijin/reha211222shiryou.pdf
東北大学リハ科の瀬田拓先生が研修会で作成されたPPT原稿をPDFにしたものです。これは医療人向けにどのように窒息リスクを発見するか、チームアプローチをどう行うかなど記載されていて、私も勉強になります。さすが瀬田先生です。
①埼玉県難病医療連絡協議会 神経難病と栄養
http://www.hosp.go.jp/~esaitama/nanbyo/HP_NANBYOU4.pdf
神経難病患者の栄養・嚥下・褥瘡などについて、医療人、介護者向けに説明されています。医療人にはわかりやすいと思いますが、介護職にはやや難しいかもしれません。
②北海道 介護者のための摂食・嚥下障害対応マニュアル
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/NR/rdonlyres/10CEAE6A-087A-4879-8D35-9A02D298D171/0/kaigoenngemanyuaru.pdf
介護者向けに摂食・嚥下障害の基本について、とてもわかりやすく解説されています。
③施設・在宅での窒息事故を予防するためのチームアプローチ
http://www.pref.miyagi.jp/sn-hohuku/seijin/reha211222shiryou.pdf
東北大学リハ科の瀬田拓先生が研修会で作成されたPPT原稿をPDFにしたものです。これは医療人向けにどのように窒息リスクを発見するか、チームアプローチをどう行うかなど記載されていて、私も勉強になります。さすが瀬田先生です。
2010年10月7日木曜日
リハビリテーションとマネジメント
「総合リハビリテーション」の10月号で「リハビリテーションとマネジメント」が特集されています。
リスクマネジメントと安全学
チームマネジメントと人材育成
医療の質のマネジメントとP4P
リハビリテーション医療機能評価とマネジメント
病院経営とマネジメント
特に関心をもったのは、井出睦先生のチームマネジメントと人材育成と、及川忠人先生のリハビリテーション医療機能評価とマネジメントです。
チームマネジメントと人材育成では、PDCA cycle、employee satisfaction(従業員満足度)、単位制導入の功罪、人材養成の3層構造-院内、リハ部内、院外などが記載されています。
私も含めてそうですが、1つの病院・施設内での卒後教育で1人前にはなれますが、それ以上の学習と成長は院外に出ないと難しいのが現状です。しかし、PT・OT・STの一部は、ほとんど院外で学んでいないと推測します。卒後3年目までに1回でも研究会・学会発表した人数の割合、卒後年数を問わず原著論文を1つでも執筆した人数の割合を出したら、厳しい数字が出ると思います。
このあたり院外での学習機会を、経験年数に見合ったものを活用するという姿勢は参考になります。インプットする研修会に出るのが大好きでも、学会発表や原著論文のようにアウトプットする機会を作らなければ、卒後4年目以降の学習と成長の伸びは少なくなると考えます。
及川忠人先生とは昨年のトルコ・イスタンブールの国際リハビリテーション学会(ISPRM)でご一緒させていただきました。及川先生のリハビリテーション医療機能評価とマネジメントでは、ドラッカーが参考文献に紹介されているので、それだけで嬉しくなりました(笑)。以下、引用です。
ドラッカーは企業の成果について、「我々の事業は何か」を問うのは苦境に陥ったときにしか問わないが、むしろ成功している時こそそれを考えることが必要であると述べている。
部門に限らずチーム医療でも、我々の事業は何か、顧客は誰か、顧客が価値ありとするものは何か、成果は何か、計画は何かの5つの質問を自問自答することは、とても大切だと考えます。5つの質問に自問自答できれば、チーム医療はよりうまくいくと私は信じています。
リスクマネジメントと安全学
チームマネジメントと人材育成
医療の質のマネジメントとP4P
リハビリテーション医療機能評価とマネジメント
病院経営とマネジメント
特に関心をもったのは、井出睦先生のチームマネジメントと人材育成と、及川忠人先生のリハビリテーション医療機能評価とマネジメントです。
チームマネジメントと人材育成では、PDCA cycle、employee satisfaction(従業員満足度)、単位制導入の功罪、人材養成の3層構造-院内、リハ部内、院外などが記載されています。
私も含めてそうですが、1つの病院・施設内での卒後教育で1人前にはなれますが、それ以上の学習と成長は院外に出ないと難しいのが現状です。しかし、PT・OT・STの一部は、ほとんど院外で学んでいないと推測します。卒後3年目までに1回でも研究会・学会発表した人数の割合、卒後年数を問わず原著論文を1つでも執筆した人数の割合を出したら、厳しい数字が出ると思います。
このあたり院外での学習機会を、経験年数に見合ったものを活用するという姿勢は参考になります。インプットする研修会に出るのが大好きでも、学会発表や原著論文のようにアウトプットする機会を作らなければ、卒後4年目以降の学習と成長の伸びは少なくなると考えます。
及川忠人先生とは昨年のトルコ・イスタンブールの国際リハビリテーション学会(ISPRM)でご一緒させていただきました。及川先生のリハビリテーション医療機能評価とマネジメントでは、ドラッカーが参考文献に紹介されているので、それだけで嬉しくなりました(笑)。以下、引用です。
ドラッカーは企業の成果について、「我々の事業は何か」を問うのは苦境に陥ったときにしか問わないが、むしろ成功している時こそそれを考えることが必要であると述べている。
部門に限らずチーム医療でも、我々の事業は何か、顧客は誰か、顧客が価値ありとするものは何か、成果は何か、計画は何かの5つの質問を自問自答することは、とても大切だと考えます。5つの質問に自問自答できれば、チーム医療はよりうまくいくと私は信じています。
チーム医療の大切さを伝えようーIPEの今
最新号の医学界新聞で、チーム医療の大切さを伝えようーIPEの今という特集記事が掲載されています。一読の価値があります。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02898_01
IPEという言葉は聞きなれないと思いますので、医学界新聞での解説を以下に引用します。
IPE(Interprofessional education;専門職連携教育,関連職種連携教育)
チーム医療の重要性を伝えることをめざした教育法。世界中で実施されており,中でも英国では,General Medical Councilが発行する医学部卒前教育改革の指針「Tomorrow's Doctors」2009年版で,医学生のIPE必修化が明記されたのをはじめ,多くの医療専門職養成課程でIPEが必修となっている。さらに,世界保健機関(WHO)も今年,各国のIPE実施事例をもとに,教員養成,カリキュラムづくり,職種間の情報共有法などのモデルケースを示した「Framework for Action on Interprofessional Education & Collaborative Practice」を公表。IPEを推奨する方向性を打ち出している。
臨床現場でチーム医療が重要なことは言うまでもありません。というか現代医療できちんとした成果を出そうと考えたら、チーム医療は必要条件です。昔、医師と看護師だけで医療をしていた時代であればチーム医療といっても2職種だけですから、今ほど重要ではなかったと思われます。
今は10職種以上でチームを組むこともあります。職種が増えたということはそれだけ専門知識が進化して細分化したということですので、1職種だけで大きな成果を出すことは難しくなっています。知識社会が進めば進むほど、組織社会(=チーム医療社会)にならざるをえないということです。
その点で紹介されている昭和大,筑波大,国際医療福祉大の取り組みは大したものだ感じる一方、当然のことだと感じます。臨床で成果を上げるためには、専門知識や技術を身につけるだけでは不十分で、組織社会であることやFDが必要でありその基本を、学生のときに教えることが必須です。
ただ実際には、多職種の学生がいる大学であっても縦割りで、学科を超えた付き合いがほとんどないところが少なくなありません。リハ栄養でいえば、少なくとも管理栄養士とリハ関連職種の両方を養成している大学なら、お互いに行き来して学生の時からリハ栄養の重要性を知る機会を作れるはずです。ところがリハ栄養を大学で学ぶ機会は今のところ皆無です。
チーム医療の重要性は早いうちに体験したほうがより身につきます。私は学生時代、チーム医療について学ぶ機会は全くありませんでしたが、より多くの大学でIPEが実践されることを期待しています。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02898_01
IPEという言葉は聞きなれないと思いますので、医学界新聞での解説を以下に引用します。
IPE(Interprofessional education;専門職連携教育,関連職種連携教育)
チーム医療の重要性を伝えることをめざした教育法。世界中で実施されており,中でも英国では,General Medical Councilが発行する医学部卒前教育改革の指針「Tomorrow's Doctors」2009年版で,医学生のIPE必修化が明記されたのをはじめ,多くの医療専門職養成課程でIPEが必修となっている。さらに,世界保健機関(WHO)も今年,各国のIPE実施事例をもとに,教員養成,カリキュラムづくり,職種間の情報共有法などのモデルケースを示した「Framework for Action on Interprofessional Education & Collaborative Practice」を公表。IPEを推奨する方向性を打ち出している。
臨床現場でチーム医療が重要なことは言うまでもありません。というか現代医療できちんとした成果を出そうと考えたら、チーム医療は必要条件です。昔、医師と看護師だけで医療をしていた時代であればチーム医療といっても2職種だけですから、今ほど重要ではなかったと思われます。
今は10職種以上でチームを組むこともあります。職種が増えたということはそれだけ専門知識が進化して細分化したということですので、1職種だけで大きな成果を出すことは難しくなっています。知識社会が進めば進むほど、組織社会(=チーム医療社会)にならざるをえないということです。
その点で紹介されている昭和大,筑波大,国際医療福祉大の取り組みは大したものだ感じる一方、当然のことだと感じます。臨床で成果を上げるためには、専門知識や技術を身につけるだけでは不十分で、組織社会であることやFDが必要でありその基本を、学生のときに教えることが必須です。
ただ実際には、多職種の学生がいる大学であっても縦割りで、学科を超えた付き合いがほとんどないところが少なくなありません。リハ栄養でいえば、少なくとも管理栄養士とリハ関連職種の両方を養成している大学なら、お互いに行き来して学生の時からリハ栄養の重要性を知る機会を作れるはずです。ところがリハ栄養を大学で学ぶ機会は今のところ皆無です。
チーム医療の重要性は早いうちに体験したほうがより身につきます。私は学生時代、チーム医療について学ぶ機会は全くありませんでしたが、より多くの大学でIPEが実践されることを期待しています。
2010年10月4日月曜日
これから5年・かしこい頭の使い方
今日は、堀 紘一著、これから5年・かしこい頭の使い方―堀紘一の実践ビジネス講座、PHP文庫を紹介します。アマゾンで中古書を1円から購入できます。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?select=4-569-66243-9
目次を見ればわかりますが、自己変革、挑戦、失敗(なんとか取り返しはつく程度の)、差別化、信頼、時間の重要性を繰り返し紹介しています。私のモットーである、No venture, no gloryの重要性を再認識させてくれました。
特に差別化の重要性は以前から言われていますが、それを実践している医療人はまだ少ないと感じています。他の人と同じことをしていれば並にはなれますが、卓越することはできません。リクルート社の旧社訓である「自ら機会を作り、機会によって自らを変えよ」を実践できれば十分なのですが、言うは易く行うは難しです。まずは自ら機会を作りましょう。
お金に関しては、信頼、時間、能力と得意技の次に大切と紹介されています。そして、「知恵とお金」は「蜜と蟻」の関係だそうです。「知恵さえあればお金も集まってくる」とのことです。お金を追い求めてもなかなか得られませんが、自分の経験、思考、歴史などから知恵を作って発信して成果を出せばお金が追い求めてくるそうです。お金は目的ではなく手段ですし。大事な手段ではありますが。
2004年の書籍ですが今からこの書籍に書いてあることを5年間実践できれば、少なからず成果を出せることは確実です。読んで終わりではなく、実践してほしいと思います。
目次
序章 自己変革のできない人材に明日はない(「三つの神話」が崩壊した
外資による日本経済の植民地化が進む ほか)
第1章 ビジネス成功の要諦は「頭の使い方」にあり(サンウッドの「差別化戦略」
徹底的に「差別化」にこだわった日経新聞 ほか)
第2章 一流のビジネスパーソンになる法(通勤途中の「行進曲」の意外な効用
口約束を軽んじるベンチャー経営者たち ほか)
第3章 競争に勝てる組織をつくれる人つくれない人(「三本の矢」はビジネスには通用しない
目指すべきは「日本一給料の高い会社」 ほか)
第4章 あなたの「心」を構造改革せよ(改革とは「心」の問題である
社長の最大の敵は社内にあり ほか)
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?select=4-569-66243-9
目次を見ればわかりますが、自己変革、挑戦、失敗(なんとか取り返しはつく程度の)、差別化、信頼、時間の重要性を繰り返し紹介しています。私のモットーである、No venture, no gloryの重要性を再認識させてくれました。
特に差別化の重要性は以前から言われていますが、それを実践している医療人はまだ少ないと感じています。他の人と同じことをしていれば並にはなれますが、卓越することはできません。リクルート社の旧社訓である「自ら機会を作り、機会によって自らを変えよ」を実践できれば十分なのですが、言うは易く行うは難しです。まずは自ら機会を作りましょう。
お金に関しては、信頼、時間、能力と得意技の次に大切と紹介されています。そして、「知恵とお金」は「蜜と蟻」の関係だそうです。「知恵さえあればお金も集まってくる」とのことです。お金を追い求めてもなかなか得られませんが、自分の経験、思考、歴史などから知恵を作って発信して成果を出せばお金が追い求めてくるそうです。お金は目的ではなく手段ですし。大事な手段ではありますが。
2004年の書籍ですが今からこの書籍に書いてあることを5年間実践できれば、少なからず成果を出せることは確実です。読んで終わりではなく、実践してほしいと思います。
目次
序章 自己変革のできない人材に明日はない(「三つの神話」が崩壊した
外資による日本経済の植民地化が進む ほか)
第1章 ビジネス成功の要諦は「頭の使い方」にあり(サンウッドの「差別化戦略」
徹底的に「差別化」にこだわった日経新聞 ほか)
第2章 一流のビジネスパーソンになる法(通勤途中の「行進曲」の意外な効用
口約束を軽んじるベンチャー経営者たち ほか)
第3章 競争に勝てる組織をつくれる人つくれない人(「三本の矢」はビジネスには通用しない
目指すべきは「日本一給料の高い会社」 ほか)
第4章 あなたの「心」を構造改革せよ(改革とは「心」の問題である
社長の最大の敵は社内にあり ほか)
2010年10月3日日曜日
科学のクオリア
今日は、茂木健一郎、日経サイエンス編、科学のクオリア、日経ビジネス人文庫を紹介します。アマゾンでは中古品を1円から入手できます。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19422/
科学のいろんな領域を知ることができるという意味でも面白いですが、科学的思考についても意識的に紹介されている点が学びになります。特に、「プリオン説のミステリーに挑む」の福岡伸一氏との対談で、科学的思考がよく記述されていると感じました。科学的思考や論理的思考の基本をおさえておくことは、研究だけでなく臨床でも役に立つと考えます。
昔は地球や宇宙の本もそれなりに読んでいたのですが、最近はご無沙汰することが多いです…。もっといろんな領域の書籍を読まないとなあと感じます。
医療人はサイエンスとアートの両方が必要です。医療人はどちらかというとサイエンスは身につけているがアートが足りないと言われることがありますが、個人的にはアートは身につけているがサイエンスを身につけていない医療人も少なくないのではと感じています。いずれにせよ両方とも磨き続けることが大切です。
まえがき
第1部 脳の中の宇宙
現在は錯視のルネサンス
数学する脳、文学する脳
人間はなぜ言葉を覚えられるのか
第2部 科学する脳
プリオン説のミステリーに挑む
高エネルギー加速器が拓く新たな物理の地平
複雑な世界を読み解く“渋滞学”
“遺体科学”が目指す文化としての解剖学
日本人の身体が生んだ複雑系としての楽器
第3部 宇宙、地球、生命、人間・・・
生命の起源を秘めた“フロンティア”を探る
人類は桃源郷を創造できるか
青空の向こうの見えない宇宙を見る
水から地球を考える
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19422/
科学のいろんな領域を知ることができるという意味でも面白いですが、科学的思考についても意識的に紹介されている点が学びになります。特に、「プリオン説のミステリーに挑む」の福岡伸一氏との対談で、科学的思考がよく記述されていると感じました。科学的思考や論理的思考の基本をおさえておくことは、研究だけでなく臨床でも役に立つと考えます。
昔は地球や宇宙の本もそれなりに読んでいたのですが、最近はご無沙汰することが多いです…。もっといろんな領域の書籍を読まないとなあと感じます。
医療人はサイエンスとアートの両方が必要です。医療人はどちらかというとサイエンスは身につけているがアートが足りないと言われることがありますが、個人的にはアートは身につけているがサイエンスを身につけていない医療人も少なくないのではと感じています。いずれにせよ両方とも磨き続けることが大切です。
まえがき
第1部 脳の中の宇宙
現在は錯視のルネサンス
数学する脳、文学する脳
人間はなぜ言葉を覚えられるのか
第2部 科学する脳
プリオン説のミステリーに挑む
高エネルギー加速器が拓く新たな物理の地平
複雑な世界を読み解く“渋滞学”
“遺体科学”が目指す文化としての解剖学
日本人の身体が生んだ複雑系としての楽器
第3部 宇宙、地球、生命、人間・・・
生命の起源を秘めた“フロンティア”を探る
人類は桃源郷を創造できるか
青空の向こうの見えない宇宙を見る
水から地球を考える
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