2010年7月29日木曜日

チームリーダーの教科書

今日は藤巻幸夫著、大改訂:図解:チームリーダーの教科書、ダイヤモンド社を紹介します。

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-01335-9

目次を見るだけでも参考になりますが、リーダーに関してわかりやすく紹介されています。そしてリーダーを激励してくれる書籍です。この書籍ではリーダーを以下のように定義しています。

「リーダーとは、あるものごとを自分から「やろう」と切り出して、人々をその方向へと全力で導いていく存在だ。」

私は、Managers do things right. Leaders do right things.でマネージャーとリーダーを区別しています。違い、わかりますよね。

他の書籍で私が見たことがなかったのは、CHAPTER 09/規模別リーダーの役割です。確かに30人未満と1000人以上では、同じリーダーシップのスタイルでやれるわけがありません。30人と100人とでも違うと思います。

ただ、それを使い分けて実践できているかというと…さっぱりですね…。でも、このことに気付いただけでもよかったと感じています。

CHAPTER 10/モチベーションを保つためには?は優しい言葉が多いですが、全体的にはなかなか手厳しい内容が多いです。リーダーをやっている人、リーダーに興味のある人に読んでいただきたい書籍です。

目次

はじめに

CHAPTER 01 /事前準備が大事だ!

1 リーダーとは?
2 リーダーvs管理者
3 ゴールまでのイメージを描け
4 革新こそがリーダーの使命
5 想いを届けよ
COLUMN 1 バルス 代表取締役社長 島郁夫

CHAPTER 02 /チーム編成が成否を分ける

1 チームをつくる
2 人選のポイント1
3 人選のポイント2
4 人選のポイント3
5 オファーをかける
6 シミュレーションをする
7 新メンバーを決める
8 新メンバーを迎える
COLUMN 2 岡野工業 代表社員 岡野雅行

CHAPTER 03 /ビジョンを掲げよう

1 ビジョンとは?
2 現場に即したビジョンにする
3 夢のあるビジョンにする
4 社会性のあるビジョンにする
5 ビジョンへの不安を拭い去る
6 ビジョンのプレゼンテーション
7 ビジョンを広める
COLUMN 3 品川女子学院 校長 漆 紫穂子

CHAPTER 04 /戦略を固める

1 戦略を練る
2 余白のある戦略を提示する
3 メンバーのアイデアを引き出す 1
4 メンバーのアイデアを引き出す 2
5 メンバーのアイデアを引き出す 3
6 チームの戦略の決定
7 戦略の検証
COLUMN 4 ユーハイム 関西支社長 河本英雄

CHAPTER 05 /チームの士気を高める

1 士気を上げる!
2 メッセージを更新する
3 プロセスを評価する
4 評価の軸を定める
5 コミットメントを与える
6 褒める・感謝する
7 メンバーへの賞賛を集める
8 怒る・活を入れる
9 怒ったあとにフォローする
10 メンバー同士を結びつける
11 スピード感を演出する
12 チームの一体感を強める
13 リーダーとしてふるまう
COLUMN 5 サッポロドラッグストアー 代表取締役社長 富山睦浩

CHAPTER 06 /トラブルを防ぐには?

1 深刻なトラブルとは何か
2 誤解や聞き漏らしを防ぐ
3 問題にすぐ対応できる体制にする
4 問題を繰り返さないチームにする
5 個々のメンバーの失速を抑える
6 不穏な噂に対処する
7 下の世代との溝を埋める
8 上の世代との溝を埋める
9 距離を置く人との関係を改善する
10 混乱の要因をチームから取り除く
11 メンバーを外の風当たりから護る
12 上からの横ヤリに対処する
13 自分のミスにケジメをつける
COLUMN 6 東京グラフィックデザイナーズ 代表取締役社長 尾形次雄

CHAPTER 07 /リーダーが陥りやすいワナ

1 自分の成功体験におぼれる
2 緊張感が薄れていく
3 お金の使い方を誤る
4 権力に固執し始める
5 下の人材が育たない
COLUMN 7 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(1)

CHAPTER 08 /次のリーダーを育てる

1 次期リーダーを育成しよう
2 リーダー候補を見きわめる
3 リーダーの視点に触れさせる
4 リーダーの役割を教える
5 これまでの仕事を手放させる
6 プロジェクトの進行をフォローする
7 課題を自分で見つけさせる
8 次期リーダーを支援する
9 哲学や信念を引き渡す
COLUMN 8 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(2)

CHAPTER 09 /規模別リーダーの役割

1 30人未満のチームのリーダー
2 100人前後のチームのリーダー
3 数百人規模のチームのリーダー
4 1000人以上のチームのリーダー
5 チームの拡大や縮小に備える
COLUMN 9 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(3)

CHAPTER 10 /モチベーションを保つためには?

1 リーダーとして孤独を感じたとき
2 プレッシャーに負けそうなとき
3 チームがまとまらないとき
4 リーダーであることがつらくなったら
5 結果が伴わなかったとき

臨床栄養2010年8月号

臨床栄養2010年8月号で「適切な栄養管理はリハビリテーションの第一歩」という特集記事を執筆させていただき、発行になりました。

http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/eiyo/EiyoBookDetail.aspx?BC=061172

リハ栄養を特集した雑誌は今回が初めてのはずです。上記のHPでも一部中身を見れますし、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

目次(敬称略)
「リハビリテーション栄養」の考え方 若林秀隆
リハビリテーションで問題となる栄養不良
筋力低下 倉田由季
持久力低下 石田直子
嚥下障害 園田明子
病棟でのADL低下 浅田友紀
口腔・咀嚼機能障害 藤本篤士
管理栄養士とリハビリテーション 熊谷直子
NSTにおけるリハビリテーション関連職種の役割 湧上聖
トピックス
サルコペニアと悪液質 鈴村里佳
病棟・訓練室での臨床栄養評価 嶋津さゆり

2010年7月28日水曜日

若手リハ科医師座談会

日本リハ医学会で発行しているリハニュースNo46に、若手リハ科医師座談会:目指せ”enjoyリハ科医”!という記事が掲載されています。下記のHPで見ることができますので、リハ科医がどんな医師なのか謎の方は、一度見ていただけるとリハ科医のイメージがつきやすいと思います。

http://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_RN46.pdf

この記事の中でも提案されていますが、学会の中に若手医師だけが集まる場があることは賛成です。私は医学部卒業と同時に日本リハ医学会の会員となりましたが、参加型企画がほとんどないことや、学会の人口重心が50代にあることなどのために、自分の医局以外のリハ科医と知り合う機会はほとんどありませんでした。もっぱら別の学会でリハ科以外の医師や他職種と交流していました。今でもそうですが…。

もっと若いうちから全国のリハ科医で交流する場が学会内にあれば、リハ科医としてのアイデンティティの危機に悩む若手リハ科医が少なくなると思います。この座談会の若手リハ科医師たちが本気になれば、若手医師だけが集まる場を作ることはすぐにできるはずですし、勝手に期待しています。私はもう若手ではありませんが…。

食事パターンと転倒による骨折の関連

今日は、日本人高齢者で食事パターンが転倒による骨折と関連するという論文を紹介します。

Monma et al: Dietary patterns associated with fall-related fracture in elderly Japanese: a population based prospective study. BMC Geriatrics 2010, 10:31

下記のHPで全文を見ることができます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2895588/pdf/1471-2318-10-31.pdf

食事内容から、食事パターンをThe Vegetable pattern(野菜が多い食事)、The Meat pattern(肉が多い食事)、The Traditional Japanese pattern(伝統的な和食に近い食事)の3つに分類しています。

この3群で転倒による骨折が多いか少ないかを前向きに調査した結果、肉が多い食事群で転倒による骨折が少なく、野菜が多い食事で転倒による骨折が多いという結果でした。ただ、統計学的有意差はありますが95%信頼区間は1に近いので、実際にはあまり差はない偶然の可能性もあります。

転倒による骨折はinsurance claim records(レセプトですよね)で評価して、例えば交通外傷による骨折は、転倒による骨折には含めないようにしています。ただ、厳密には区別できない場合もあるかもしれません。

なお単変量解析では、転倒による骨折は高齢者に多く、BMIやエネルギー摂取量には有意差はありませんでした。

この論文だけで転倒による骨折を防ぐために肉をたくさん食べましょう、と指導する気には私はなりません。ただ、野菜ばかりを好んで食べる高齢者には肉や魚も食べるように話したほうがよいのかもしれません。

転倒予防と栄養(特にビタミンD)の関連は無視できませんが、やはり運動療法、補装具、環境整備、薬剤調整などと組み合わせて行うべきだろうと思います。

Abstract
Background: Diet is considered an important factor for bone health, but is composed of a wide variety of foods containing complex combinations of nutrients. Therefore we investigated the relationship between dietary patterns and fall-related fractures in the elderly.

Methods: We designed a population-based prospective survey of 1178 elderly people in Japan in 2002. Dietary intake was assessed with a 75-item food frequency questionnaire (FFQ), from which dietary patterns were created by factor analysis from 27 food groups. The frequency of fall-related fracture was investigated based on insurance claim records from 2002 until 2006. The relationship between the incidence of fall-related fracture and modifiable factors, including dietary patterns, were examined. The Cox proportional hazards regression model was used to examine the relationships between dietary patterns and incidence of fall-related fracture with adjustment for age, gender, Body Mass Index (BMI) and energy intake.

Results: Among 877 participants who agreed to a 4 year follow-up, 28 suffered from a fall-related fracture. Three dietary patterns were identified: mainly vegetable, mainly meat and mainly traditional Japanese. The moderately confirmed (see statistical methods) groups with a Meat pattern showed a reduced risk of fall-related fracture (Hazard ratio = 0.36, 95% CI = 0.13 - 0.94) after adjustment for age, gender, BMI and energy intake. The Vegetable pattern showed a significant risk increase (Hazard ratio = 2.67, 95% CI = 1.03 - 6.90) after adjustment for age, gender and BMI. The Traditional Japanese pattern had no relationship to the risk of fall-related fracture.

Conclusions: The results of this study have the potential to reduce fall-related fracture risk in elderly Japanese. The results should be interpreted in light of the overall low meat intake of the Japanese population.

ヨーロッパにおける高齢者栄養ケア


シーバー先生の第25回日本静脈経腸栄養学会ランチョンセミナー「ヨーロッパにおける高齢者栄養ケア」の記事が、月刊ナーシングVol.30 No.7、2010.6に掲載されていて、HPでみることができます。

http://www.nursing-gakken.com/pdf/seminar_kiji/1006_1.pdf

「悪液質とサルコペニアの区別」の項目が特に私には興味深いです。ここでは、以下のようにサルコペニアは紹介されています。サルコペニアには原発性と二次性がありますが、原発性(狭義)となっています。

「ESPEN内の組織SIG(special interest group)は,「サルコペニアは筋肉量が加齢により減少する病気で,身体的なパフォーマンスが低いこと」と定義し,「同時に機能性や自立性も失われ,最終的に生活の質も損なわれる」としている。」

「サルコペニアの診断は,①筋肉力計測(DXA法を推奨),②機能障害の判断(4m歩いたうち,1m/秒未満の歩行速度が該当)によって行うと合意した。」

一方、悪液質に関しては以下のように記載されています。診断のフローの図も引用します。

「悪液質は年齢関連の筋肉減少と異なり,「筋肉の減少は,脂肪の減少が伴う場合と伴わない場合がある」という米国の研究グループによる報告を紹介した.体重の減少,疲労,食欲減少,そのほか異常検査値から診断可能で,機能性は無関係であるという.」

最後に同じ筋肉減少症でも、サルコペニアと悪液質を区別し治療を行うことが大切だということで、下記のようにまとめています。ここでは原発性サルコペニアと悪液質(二次性サルコペニアの一部)を区別することの重要性が紹介されています。

「サルコペニアは高蛋白食とビタミンDの補給による治療が可能です.必ずしも
体重は減少しないので,栄養の介入より身体活動が重要なのです.一方,悪液質は,がんやCOPDなどの慢性疾患や中等度・高度の炎症がみられますが,体重の減少と筋量の喪失をみて栄養介入することが必要で,機能性は診断不要です.しかし,サルコペニアも悪液質も,栄養と身体活動による治療を組み合わせて,栄養状態の介入を行うことが重要です。」

リハ栄養的にとても重要なことが紹介されていますので、ぜひHPで記事を呼んでいただければと思います。

2010年7月27日火曜日

転倒予防とリハ栄養

以前バランス障害(中枢性の運動失調、進行性疾患ではありません)に対するリハを行っていた患者さんが、最近週1回は転ぶようになったということで、外来リハの再開を希望して外来を受診されました。

運動失調自体の治癒は困難でレジスタンストレーニングやバランス訓練で代償していたのですが、何らかの原因で代償が難しくなってきたということです。

一目見てかなりやせていることがわかりました。1年前は167cm、77kg(一時は80kg以上)で少しやせたほうがよいと指導していたのですが、なんと54kgになっていました…。これだけやせれば体幹や下肢の筋力低下が生じて、転びやすくなります。実際、筋力も低下していました。

3食しっかり食べているといっていましたがよく聞くと、やせる目的で1日1食は低カロリーの配食サービスを使用したいました。そこで、早速それは中止するように伝えました。あとは体重減少を生じる原疾患がないかどうかを精査することにしました。もちろん運動療法の指導は行いませんでした。

転倒予防というとレジスタンストレーニングやバランス訓練も含めた運動療法、装具、環境整備が中心で、栄養面ではビタミンDだけが注目されています。実際、Minds医療情報サービスの骨粗鬆症の予防と治療GL作成委員会/編(06年)/ガイドライン転倒予防には、以下のような記述があります。

http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_0021.html

上記HPからの引用です。

①地域在宅高齢者に対して,転倒予防のために運動介入あるいは薬物指導や家屋内の物的環境チェックなどの多角的介入は,確実に転倒発生を抑制することから推奨される(グレードA)。

②高齢期の筋力低下に基づく転倒発生に対して,血中ビタミンD(25(OH)D)の低下している場合にはビタミンD(活性型ビタミンD)の投与を考慮してもよい(グレードB)。

③ヒッププロテクターの装着による大腿骨頸部骨折予防については,特に施設高齢者で十分なコンプライアンスの管理が可能な場合は推奨してもよい(グレードB)。

多角的介入が必要なことは転倒予防で強調されています。その中にはリハ栄養の視点が必要だと私は考えます。

2010年7月26日月曜日

日本摂食・嚥下リハ学会e-ラーニング

日本摂食・嚥下リハ学会e-ラーニングの申し込みが今日から可能となりました。

http://www.jsdr.or.jp/e-learning/

以下、HPから一部引用します。

全78項目からなるこのeラーニングのコンテンツは、嚥下リハ学会認定士76名によって作られ、作成者がコンテンツ管理者となりました。1コンテンツあたりの学習時間を30分から60分に想定して作成されています。

スライドとその横に表記される解説文を読み進め、最後の確認問題を行って1コンテンツが終了します。78コンテンツのすべてを受講すると修了証が発行されます。この修了証は認定試験受験資格に必要なものです。

e-ラーニングの受講資格は日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員であることです。

e-ラーニングの修了は認定士資格の取得、更新に必要となります。

e-ラーニングには受講者数に定員(500名)があり、先着順に対応させていただきます。定員を超える申請があった場合には、受講をお待ちいただくことになります。

当面の学会認定士試験受験、もしくは更新の予定が無い方等でコンテンツの閲覧を希望される方は、履修履歴の残らないeラーニング(試用版)のご利用をお願いいたします。eラーニング(試用版)には会員用共用IDおよびパスワードの入力が必要です。

受講方法(PDF)に従って受講申請が認められると、e-ラーニングのログインID とパスワードが発行されますので、ログインID
とパスワードの有効期限内(申し込み月の翌月1日より1年間)に受講を終了してください。有効期限内に修了できない場合は再度受講申請が必要となりますので、ご注意ください。

受講方法http://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/e_learning/manual.pdf

500人限定で期間が1年ですので、最初の500人に入れないと1年待ちになる可能性が高いと思います。興味のある方は早めの申し込みをお勧めします。

重症疾患後の患者に対するPTと栄養リハの併用

今日は、重症疾患後の患者に対するPTと栄養リハの併用の論文を紹介します。

LG Salisbury, et al: The development and feasibility of a ward-based physiotherapy and nutritional rehabilitation package for people experiencing critical illness. Clinical Rehabilitation 2010; 24: 489–500

この論文は、本格的な研究の前のパイロット研究といえるものです。まず、現状での重症疾患後の入院患者(廃用症候群といえると思います)に対して、どのようなPTと栄養リハ(nutritional rehabilitation、この論文では栄養士が病棟に訪問することとして用いています)を行っているかを調査しました。PT中央値が1週間に3.2回、栄養士訪問の中央値が1週間に0.8回でした。

次にPTと栄養士の回数を増やす介入群と従来の対象群に比較したRCTを行っています。介入群ではPT中央値が1週間に8.2回、栄養士訪問の中央値が1週間に4.9回とかなり増えています。対象群ではPT中央値が1週間に2.6回、栄養士訪問の中央値が1週間に1.2回でした。

その結果、エネルギーや蛋白の摂取量が介入群で増加し、移動能力も介入群でより改善傾向にありましたが、サンプルサイズが小さかったので統計学的有意差はありませんでした。1群100人のRCTを行えば、統計学的有意差が出るようです。

つまり、土日も含めて1日1回強程度のPTと平日1日1回の栄養士訪問を、重症疾患後の廃用症候群患者に併用して行うことで、より移動能力や栄養状態が改善する可能性があるといえます。

NSTの回診は1患者週1回が目安かと思いますが、さらに1職種(NST専門療法士レベルであればよいと私は感じています)が毎日栄養に関して評価、介入することが、栄養改善により効果的な可能性があります。

PT、OT、STが基本的な栄養に関する知識を持って、訓練のたびにごく簡単な栄養評価(食事摂取量や体重もしくは上腕・下腿周径)をして、何か問題があればNSTや管理栄養士と連携して早期栄養介入するという形が望ましいと感じています。

OBJECTIVE: To investigate ward-based rehabilitation after critical illness and undertake a pilot study exploring the feasibility of delivering enhanced physiotherapy and nutritional rehabilitation. DESIGN: Service evaluation (part A) and pilot feasibility randomized controlled trial (part B).

SETTING: Hospital inpatient wards following discharge from intensive care. PARTICIPANTS: Part A involved 24 people with an intensive care stay of four days or more. Part B involved 16 participants randomized into a control (n = 8) or intervention (n = 8) group.

INTERVENTIONS: Part A defined the current 'standard' physiotherapy and nutritional interventions. In part B the control group received this 'standard' service while the intervention group received this 'standard' service plus enhanced rehabilitation.

MAIN MEASURES: Part A collected process outcomes of current interventions and outcomes that included calorie and protein intake and the Rivermead Mobility Index. In part B process outcomes determined differences between groups. Outcomes included those undertaken in part A plus an incremental shuttle test, handgrip dynamometry and visual analogue scales.

RESULTS: Part A found low levels of ward-based physiotherapy (walking and transfer practice once per week) and dietetic input (0.8 visits per week). Part B found an increased frequency of both physiotherapy (P = 0.002) and dietetic (P = 0.001) visits in the intervention group. Physical and nutritional outcomes were suitable for use after critical illness, but no statistically significant differences were found between groups. Power calculations indicated 100 participants per group would be required for a definitive study.

CONCLUSIONS: This feasibility pilot work has informed the design of a larger study to evaluate enhanced rehabilitation following critical illness.

2010年7月25日日曜日

HMBの筋肉量増加に関する効果

今日はHMB(β-hydroxy β-methylbutyrate、BCAAのロイシンの代謝産物)の効果に関する論文を紹介します。

https://www.degruyter.com/view/j/jpem.2010.23.7/jpem.2010.23.7.641/jpem.2010.23.7.641.xml

Shawn Portal, et al: Effect of HMB Supplementation on Body Composition, Fitness, Hormonal Profile and Muscle Damage Indices. Journal of Pediatric Endocrinology & Metabolism, 23, 641-650 (2010)

BCAA製剤の摂取が筋肉量増加に有効と言われていて、その中でもロイシンが最も重要と考えられています。ただ、ロイシン20gでHMB1g、HMBの推奨量が1日3gを分2-3ですので、単純計算ですとロイシン1日60gというありえない数字になります。

そこでBCAAではなくHMBを筋肉量増加のサプリメントに使用するという選択肢が出てきます。エビデンスレベルとしてはまだ十分とは言えないと思いますが、クレアチンと同等かそれ以上の効果は期待されています。

ただ、筋肉量増加を要するリハ栄養の場面で、ルーチンにクレアチン、BCAA、HMBといったサプリメントを使用する必要はないと考えます。通常の栄養管理とリハを行ってもなかなか改善が得られない場合に、オプションの1つとして考えるのはよいかもしれません。

There is a huge market for ergogenic
supplements for athletes. However, only a few
products have been proven to have ergogenic
effects and to be effective at improving muscle
strength and body composition. One such
supplement is β-hydroxy β-methylbutyrate
(HMB). Derived from the amino acid leucine
and its keto acid α-ketoisocaproate (KIC),
HMB has been well documented as an oral
ergogenic supplement commonly used by
athletes. Several studies have shown that
combining exercise training with HMB
supplementation leads to increased muscle
mass and strength, and there is some anecdotal
evidence of aerobic improvement. However,
HMB supplementation has been found to be
effective mainly for untrained individuals.
While previous reviews have emphasized three
main pathways for HMB's mode of action: 1)
enhancement of sarcolemmal integrity via
cytosolic cholesterol, 2) inhibition of protein
degradation via proteasomes, and 3) increased
protein synthesis via the mTOR pathway,
more recent studies have suggested additional
possible mechanisms for its physiological
effects. These include decreased cell apoptosis
and enhanced cell survival, increased
proliferation, differentiation and fusion via the
MAPK/ERK and PI3K/Akt pathways, and
enhanced IGF-I transcription. These are
described here, and hormonal interactions are
discussed, along with HMB dosage and safety
issues.

2010年7月23日金曜日

第7回NST専門療法士スキルアップセミナー

JSPENのHPに、9月19日に開催される第7回NST専門療法士スキルアップセミナーの案内が掲載されています。

http://jspen.jp/semi/skill_up/no7_skill.html

今回は私がFDの教育講演させていただくことになりました。臨床栄養やリハ栄養のスキルの話は最低限にして、FDのスキルアップを中心に話したいと考えています。NST専門療法士の方はぜひ参加していただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

PT、OT、ST、DHの皆様はまずはNST専門療法士を目指していただきたいと思います。そして取得後にぜひNST専門療法士スキルアップセミナーにご参加ください。資格更新にもスキルアップセミナーか更新セミナーへの参加が必要ですし。期待しています。

■日 時: 2010年9月19日(日曜日) 9:30~16:40(予定)
■会 場: 大田区産業プラザPiO 3階 特別会議室
〒144-0035 東京都大田区南蒲田一丁目20番20号
京浜急行線・空港線京急蒲田駅から徒歩約4分
JR京浜東北線蒲田駅から徒歩約12分
詳しくはこちら↓
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/pio/index.html

■主 催: 日本静脈経腸栄養学会
■参加条件: 日本静脈経腸栄養学会 認定NST専門療法士の資格を有すること
■受講料: 12,000円(昼食はご用意します)
■参加人数: 48名(定員になり次第締め切らせていただきます)
■内 容: *教育講演「NST専門療法士のためのFaculty Development」
講師:若林 秀隆 先生
横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科
*スモールグループディスカッションでの症例検討と全体討論

なお、受講は1更新期間中、お1人一回限りとさせて頂いております。

2010年7月22日木曜日

口腔機能へのアプローチ‐リハビリテーション栄養の視点から‐

 リハビリテーション(以下リハ)=機能訓練と解釈されることが多いが、機能訓練はリハのごく一部でしかない。リハとは人間らしく生きる権利の回復(全人間的復権)であり、QOLをより向上させるよう人生を再構築することである。

 リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行った上で、適切な予後予測のもとでリハ栄養ケアプランを実践することである。口腔機能障害患者は栄養障害の合併が多く、この場合、リハと栄養管理の併用が必要となる。

 口腔機能には、口輪筋、頬筋、咀嚼筋、内舌筋、外舌筋など多くの筋肉が関わっている。口腔機能障害の原因の1つに、これらのサルコペニアがある。サルコペニアとは、狭義では加齢に伴う筋肉量の低下、広義ではすべての原因による筋肉量と筋力の低下である。以下、広義で考える。

 広義のサルコペニアの原因には、加齢、活動(廃用性筋萎縮)、栄養、疾患(侵襲、悪液質、原疾患)がある。加齢に伴い口腔も含めた筋肉量は低下する。廃用性筋萎縮は禁食で生じる二次的障害である。エネルギー消費量よりエネルギーや蛋白質の摂取量が不足する飢餓では、口腔も含めた筋肉が分解する。侵襲は手術、外傷、骨折、感染症など生体の内部環境の恒常性を乱す刺激であり、筋肉の分解が著明となる。悪液質はがん、慢性心不全、慢性閉塞性肺疾患などで生じ、筋肉の喪失が特徴である。原疾患には、多発性筋炎や筋萎縮性側索硬化症がある。

 サルコペニアによる口腔機能障害に対しては、これらの原因の有無を判断した上で、栄養管理と口腔の筋肉のレジスタンストレーニング(以下RT)など機能訓練を適切に行う。加齢や廃用性筋萎縮が原因の場合、主な治療はRTである。飢餓が原因の場合、主な治療は適切な栄養管理による栄養改善である。栄養改善なしにRTを行うのは逆効果である。疾患が原因の場合、原疾患の治療が最も重要である。原疾患のコントロールが不良な場合、適切な栄養管理と廃用予防の機能訓練を行っても、口腔機能の維持さえ難しい。実際には複数の原因を認めることが多く、栄養管理と機能訓練の適切な併用を要する。特に誤嚥性肺炎では活動、栄養、疾患が重複することが多く、サルコペニアが著明になりやすい。

 口腔機能の悪化で十分に摂食できず栄養状態が悪化し、その結果さらに口腔機能が悪化するという悪循環が生じる。これを断ち切るには、口腔だけをみるのではなくリハ栄養の視点が大切である。

第3回NST専門療法士志望者対象勉強会

今度、9月18日に神奈川NST専門療法士連絡会で、第3回NST専門療法士志望者対象勉強会を行います。NST専門療法士を目指している多くの方にご参加いただければと思います。下記のPDNのHPに案内状が掲載されています。

http://www.peg.or.jp/news/information/kanagawa/100918.pdf

● 内 容:
〔午 前〕模擬試験 ー 本試験を想定して問題数100問(120分)で実施予定
〔午 後〕講 義 ー 栄養療法理解のための基礎知識(講師は未定)

● 日 時:平成22年9月18日(土) 9:00~16:30
● 会 場:神奈川県立保健福祉大学
〔所在地〕所在地:横須賀市平成町1-10-1、〔TEL〕046-828-2500
(代表)
● 会 費:3,000円(昼食の弁当代1,000円を含む)

●申込方法
申込先
nst.senmon@gmail.com 第3回志望者勉強会窓口
申し込み用紙ダウンロード先
https://sites.google.com/site/kanagawanst2010/file
≪申し込み用紙≫に沿って、未入力のないようご入力お願いいたします。
入力された≪申し込み用紙≫を添付の上、申込先へメールを送付ください。
※ 事前申し込みの際にご提供いただきました個人情報は、勉強会のご出席の確認、および、NST専門療法士連絡会からの連絡以外には使用致しません。

応募者多数の場合は、先着順とさせて頂きます。
申し込み頂きました方全員に、申し込み用紙記入のアドレスへご連絡をさせて頂きます。
 最終申し込み期限:平成22年8月31日

●持ち物
コメディカルのための静脈経腸栄養ハンドブック (南光堂 ,日本静脈経腸栄養学会編)、筆記用具、会費 3,000円(昼食の弁当代含む)

●会場アクセス
 京浜急行「県立大学」駅から 徒歩約5分
京浜急行「横須賀中央」駅から 徒歩約15分
※駐車場はありませんので公共交通機関でお越し下さい

●お問い合わせ先
nst.senmon@gmail.com 第3回志望者勉強会窓口

2010年7月21日水曜日

看護技術2010年8月号

看護技術2010年8月号の特集は「実践!栄養アセスメント」で、私も「リハビリテーションと栄養アセスメント」という原稿を書いています。

http://www.medical-friend.co.jp/biblioDetail.php?b_id=473

雨海先生の看護栄養学序説は面白いです。もともと栄養は看護の中に含まれていましたが(ナイチンゲールの功績は大きいです)、機能分化して看護と栄養に分かれてきました。それを看護栄養学という形で再統合する試みです。

他に特徴としては、MNAとサルコペニアの紹介がかなり多いです。私もサルコペニアのことを書きましたが、MNAによる栄養アセスメント、サルコペニアのアセスメントがトピックと言えると思います。

看護師向けの雑誌ですが、栄養アセスメントに関心のある多職種にご一読をおすすめします。

●目次
実践!栄養アセスメント(編集協力/吉田貞夫)
【1】看護と臨床栄養―看護栄養学序説
   (雨海照祥/武庫川女子大学大学院)
【2】栄養アセスメントの進め方
   (宮澤 靖/社会医療法人近森会近森病院)
【3】褥瘡の栄養アセスメント
   (田村佳奈美/特定医療法人アガペ会福島労災病院)
【4】高齢者の栄養アセスメント
   (吉田貞夫/北中城若松病院)

≪コラム≫   
①急性期患者の栄養アセスメント(櫻木ゆり・他/新日鐡八幡記念病院)
②胃瘻造設と栄養アセスメント(伊藤明彦/社会医療法人誠光会草津総合病院)
③リハビリテーションと栄養アセスメント(若林秀隆/横浜市立大学附属市民総合医療センター)
④微量元素と栄養アセスメント(湧上 聖/医療法人緑水会宜野湾記念病院)

2010年7月20日火曜日

非小細胞肺癌での骨格筋減少とn-3脂肪酸の関連

非小細胞肺癌での骨格筋減少とn-3脂肪酸の関連に関する論文を紹介します。

Rachel A. Murphy, et al: Skeletal Muscle Depletion Is Associated with Reduced Plasma (n-3) Fatty Acids in Non-Small Cell Lung Cancer Patients. J. Nutr. (July 14, 2010). doi:10.3945/jn.110.123521

結論としては、非小細胞肺癌患者では、サルコペニア(ここでは広義のサルコペニアで、悪液質による二次性サルコペニアの要素が大きいと考えます)の場合に、EPA、DHA、n-3脂肪酸の血中濃度が低いという関連を認めたということです。

EPA、DHA、n-3脂肪酸が少ないから骨格筋が減少するのかどうかの因果関係は断言できませんが、少ないために全身炎症が生じやすく、その結果サルコペニアになりやすい可能性はあります。

一方、悪液質による二次性サルコペニアだからEPA、DHA、n-3脂肪酸が少ないという可能性もあります。

悪液質による二次性サルコペニアでは、EPA、DHA、n-3脂肪酸を投与することで全身炎症が少なくなり、筋肉量をより保つことができる可能性があります。

Upwards of 50% of newly diagnosed advanced lung cancer patients have severe muscle wasting (sarcopenia). Supplementation with eicosapentaenoic acid (EPA) and docosahexaenoic acid (DHA) in advanced cancer has been shown to attenuate lean tissue wasting. However, the relationship between muscle mass and plasma (n-3) fatty acids in the absence of supplementation is unclear. We aimed to determine how plasma phospholipid (n-3) fatty acids relate to sarcopenia and change in muscle mass in non-small cell lung cancer patients receiving chemotherapy. Computed tomography images were used to measure muscle mass. Patients were classified as sarcopenic or nonsarcopenic based on sex-specific cutpoints. Change in muscle mass during chemotherapy (2.5 mo) was calculated and patients were divided into quartiles based on the rate of muscle loss or gain. Patients with sarcopenia had lower plasma EPA (16.7 ± 2.1 µmol/L vs. 31.6 ± 4.4 µmol/L; P = 0.001), DHA (36.6 ± 4.0 µmol/L vs. 55.3 ± 4.0 µmol/L; P = 0.003), and (n-3) fatty acids (63.6 ± 5.6 µmol/L vs. 95.0 ± 7.7 µmol/L; P = 0.002) than nonsarcopenic patients. Patients with maximal muscle loss (mean –3.5 kg) had lower plasma EPA (12.2 ± 3.3 µmol/L vs. 35.0 ± 7.1 µmol/L; P = 0.03), DHA (26.9 ± 8.7 µmol/L vs. 59.6 ± 5.3 µmol/L; P = 0.01), and (n-3) fatty acids (57.8 ± 13.5 µmol/L vs. 104.6 ± 11.1 µmol/L; P = 0.005) compared with patients who were gaining muscle (mean +1 kg). Plasma (n-3) fatty acids are depleted in cancer patients with sarcopenia, which may contribute to accelerated rates of muscle loss.

日本人成人男女を対象としたサルコペニア簡易評価法の開発


もう1つ、真田樹義、他:日本人成人男女を対象としたサルコペニア簡易評価法の開発.体力化学59:291-302,2010を紹介します。下記のHPで全文を見ることができますので、抄録は掲載しません。

http://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/59/3/291/_pdf

日本人成人男女1894人を対象に、身体計測、DEXA法による体組成、簡易体力測定を実施して、サルコペニア簡易評価法を開発した論文です。

結論として、日本人を対象としたサルコペニア参照値は、SMI(骨格筋指数、四肢除脂肪軟組織量÷身長÷身長)で男性6.87、女性5.46、サルコペニア予備軍の参照値は、男性7.77、女性6.12でした。

また、サルコペニアは男性ではBMI、腹囲、年齢、女性ではBMI、握力、腹囲の変数を用いて精度よく推測できるという結果です。表が推測式になります。

DEXAやBIA、CT、MRIを用いなくても、BMI、腹囲、年齢、握力でSMIを推測してサルコペニアの有無を一定の精度で判断できるという点で、とても意味のある論文です。これらの機器で評価することは難しいセッティングが多いので、かなり参考になります。

ただ、誤差の問題はありますが、上腕周径や下腿周径でサルコペニアを簡易に評価できる方法も検討していただけるとなおありがたいなあと感じました。

低栄養のCOPD患者に対する栄養療法+低強度運動療法

今日は、低栄養のCOPD患者に対する栄養療法+低強度運動療法の論文を紹介します。日本からこのような論文が世界に発信されるのは嬉しいことです。

Sugawara K et al: Effects of nutritional supplementation combined with low-intensity exercise in malnourished patients with COPD. RespiratoryMedicine(2010),doi:10.1016/j.rmed.2010.05.008

結論としては、低栄養のCOPD患者に対する、12週間の栄養療法+低強度運動療法は、体重増、エネルギー摂取量増、呼吸機能改善、大腿四頭筋筋力改善、6分間歩行距離改善、QOL改善、CRP改善、IL-6、IL-8、TNF-α低下につながるというランダム化比較試験です。ややよくなりすぎな感じもしますが…。

栄養療法は1日400ml、400kcalの栄養剤を経口摂取です。特徴はn-3系多価不飽和脂肪酸を0.6g、ビタミンAを248μg含んでいることです。

COPDに対するリハの有用性は十分エビデンスがありますが、それにEPAを含めた栄養療法を併用することで、全身炎症が軽減し、より改善を期待できるといえます。

COPDの低栄養患者のかなりが悪液質ですので、単なる飢餓でなく悪液質の場合には、エネルギー摂取量を増やすだけでなく、EPAを含む栄養剤もしくはEPA製剤(エパデールなど)を投与したほうがよいと考えます。

Abstract
STUDY OBJECTIVES: The first aim of this study was to investigate the effects of nutritional supplementation combined with low-intensity exercise on body components, exercise tolerance, and health-related quality of life (HRQOL) in malnourished patients with COPD. The second aim of this study was to examine the degree of systemic inflammation and the actual changes in levels of systemic CRP, TNFalpha, IL-6 and IL-8 actual changes after a combination of nutritional supplementation and low-intensity exercise in these patients. DESIGN: A prospective randomized trial. PATIENTS: Thirty-two moderate to severe, clinically stable malnourished COPD patients.

METHODS: Patients were randomly divided into a nutritional supplementation with low-intensity exercise group and a control group. Lung function, maximum inspiratory and expiratory muscle force, the Chronic Respiratory Disease Questionnaire (CRQ), the 6-min walking distance (6MWD), and the Borg scale were measured at baseline and were re-assessed at 3 months after intervention. The degree of systemic inflammation and the changes in levels of systemic CRP, TNFalpha, IL-6 and IL-8 were assessed before and after a combination nutritional supplementation with low-intensity exercise.

RESULTS: Body weight and FFM increased significantly after 12 weeks of nutritional supplementation therapy in patients with COPD. The dietary intake energy increased and the REE:REEpred ratio decreased significantly in the nutrition with low-intensity exercise group. PI(max), Quadriceps muscle force and the 6-min walking distance (6MWD) increased significantly from baseline through week 12. Health status, as assessed by CRQ, improved in the domains of dyspnea and total sores significantly in the nutrition with low-intensity exercise group after intervention. In this group, hsCRP, IL-6, IL-8, and TNFalpha, decreased significantly after intervention compared with the control group.

CONCLUSIONS: The combination of nutritional supplementation with low-intensity exercise training was successful in increasing weight and energy intake as well as exercise capacity and health-related QOL in our patients. Moreover, REE and major inflammatory cytokines decreased significantly after nutritional supplementation with low-intensity exercise training. The present study results suggest a potential role for the combination of nutritional supplementation and low-intensity exercise in the management of malnourished patients with COPD.

2010年7月17日土曜日

ぼくらの頭脳の鍛え方:必読の教養書400冊

今日は、立花隆、佐藤優著、ぼくらの頭脳の鍛え方:必読の教養書400冊、文春新書を紹介します。

http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166607198

上記のHPで数ページですが、内容を立ち読みできます。私は持っていませんがiPad風に読めます。

アマゾンの同書のHPに著者・佐藤優さんからのコメントがありますので、少し長いですが、引用します。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BC%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%AE%E9%A0%AD%E8%84%B3%E3%81%AE%E9%8D%9B%E3%81%88%E6%96%B9-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%AB%8B%E8%8A%B1-%E9%9A%86%E3%83%BB%E4%BD%90%E8%97%A4-%E5%84%AA/dp/4166607197/ref=dp_return_1?ie=UTF8&n=465392&s=books

中世哲学に、「博識に対抗する総合知」という基本原則がある。いくら断片的知識をたくさん持っていても、それが総合され、縦横無尽につかいこなすことができなければ意味がない。立花隆さんが「知の巨人」と呼ばれるのは、まさにこのような総合知を体得しているからだ。
立花隆さんとの対談は、文字通り、真剣勝負なので緊張する。お互いに相手の発言には最後まで耳を傾け、何を考えているのかを理解する。その上で、賛成できることには賛成し、異論がある部分については、そのことを率直に述べる。実にすがすがしいやりとりができたと思う。
この対談で面白かったのは、私と立花さんとの間にあるいくつかのねじれが明らかになったことだ。立花さんは、相対性理論、量子力学を知っている現代人がカントの『純粋理性批判』の世界にとどまっていることは、知的に不誠実であると考える。これに対して私は、『純粋理性批判』がニュートン力学的な「古い物理学」に基づいているが故に重要と考える。現実の国際政治や市場が、ニュートン力学的な世界観を基礎に動いている。国際法や国際連合も基本的にカントの時間、空間概念によって組み立てられているからだ。
私は、地動説を知っている現代人も、日常的には太陽、月、星が地球を回っていると受け止めているので、天動説で世界について語ってもよいのではないかと思うのだ。ただし、ニュートン力学、カントの批判理論、天動説がそれぞれ偽りの理論であるという認識をもっておく必要がある。
われわれを取り巻く世界は、嘘と悪に包まれている。それを見抜くために教養が必要なのだ。嘘に騙されず、悪に極力関与しない生き方をするための実用性をこの本はもっている。ほんとうの実用性は、「ハウツー」式では身につかない。自分で考えることを繰り返すことによって体得する教養こそが、真の実用性をもつことを、私は立花さんとの共同作業を通じて読者に伝えたいのである。

以上、引用です。この書籍を読んで自分がいかに古典的な一般教養の本を読んでいないかを改めて認識しました。何冊かは読んだことがある本もありましたが、特に歴史、ビジネス以外の文系の書籍に関しては無知に等しいです。

「嘘に騙されず、悪に極力関与しない生き方をするための実用性」はとても大切だと感じています。レベルの高いエビデンスがないのに、1-2例の症例報告だけで「この治療法は有効だ」という話には騙されないようにしていますが、この書籍で出てくるような教養はとても身につけていないというのが現状です。

知の全体像をつかむことは困難でも、知の全体像がどんなものかをイメージするのに役立つ書籍です。われわれを取り巻く世界は、確かに嘘と悪に包まれていると感じます。嘘と悪を見抜くための教養をできる限り身につけておきたいです。

最後に、立花隆の実践読書術十四カ条を抜粋しておきます。「若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ」に尽きるかと思います。

(1)金を惜しまず本を買え
(2)1つのテーマについて、一冊の本で満足せず、必ず類書を
  何冊かもとめよ
(3)選択の失敗を恐れるな
(4)自分の水準に合わないものは、無理して読むな
(5)読みさしでやめることを決意した本についても、一応終わりまで
  1ページ、1ページ繰ってみよ
(6)速読術を身につけよ
(7)本を読みながらノートを取るな
(8)人の意見や、ブックガイドのたぐいに惑わされるな
(9)注釈を読み飛ばすな
(10)本を読むときには、懐疑心を忘れるな
(11)オヤと思う箇所(いい意味でも、悪い意味でも)に出会ったら、
  必ず、この著者はこの情報をいかにして得たか、あるいは、
  この著者のこの判断の根拠はどこにあるのかと考えてみよ
(12)何かに疑いを持ったら、いつでもオリジナル・データ、
  生のファクトにぶちあたるまで疑いをおしすすめよ
(13)翻訳書でよくわからない部分に出合ったら、自分の頭を疑うより、
  語訳ではないかとまず疑ってみよ
(14)若いときは、何をさしおいても本を読む時間をつくれ

目次
第1章 読書が人類の脳を発達させた―狂気の思想、神は存在するか、禅の講話
ブックリスト1 知的欲望に満ちた社会人へ―書斎の本棚から二百冊
第2章 二十世紀とは何だったのか―戦争論、アメリカの無知、スターリンの粛清
第3章 ニセものに騙されないために―小沢一郎、官僚は無能だ、ヒトゲノム
第4章 真の教養は解毒剤になる―マルクス、貧困とロスジェネ、勝間和代
第5章 知の全体像をつかむには―東大生・立花隆、神学生・佐藤優、実践読書術十四カ条
ブックリスト2 すぐ役に立つ、すぐ買える―文庫&新書二百冊

2010年7月16日金曜日

サルコペニアと心肺機能と身体障害

今日は、サルコペニアと心肺機能と身体障害に関するPhysical Therapyの論文を紹介します。Physical Therapyにもサルコペニアを主にした論文が出てきています。

結論としては、サルコペニア(四肢の筋肉量が若年者より少ない)患者では、心肺機能が低く、身体障害が多いという結果でした。握力は関連を認めませんでした。

ただ、横断研究なので、サルコペニアのために心肺機能が低く身体障害が多いのか、心肺機能が低く身体障害があるからサルコペニアになりやすいのかは、不明です。おそらく両者の要素があると思います。

慢性心不全で心臓悪液質になれば当然、広義のサルコペニアになります。また、身体障害を認める場合にも廃用、低栄養を認めやすいので、広義のサルコペニアになりやすいです。

サルコペニアの原因(加齢、活動、栄養、疾患:侵襲、悪液質、原疾患)をよく考えて対策を検討することの重要性を改めて感じました。

Chien MY, Kuo HK, Wu YT.: Sarcopenia, Cardiopulmonary Fitness, and Physical Disability in Community-Dwelling Elderly People. Phys Ther. 2010 Jul 8. [Epub ahead of print]

Abstract
Background Sarcopenia refers to the loss of skeletal muscle mass with aging. It is believed to be associated with functional impairment and physical disability. Objective The purposes of this study were: (1) to compare the physical activity, muscle strength (force-generating capacity), cardiopulmonary fitness, and physical disability in community-dwelling elderly people with sarcopenia, borderline sarcopenia, and normal skeletal muscle mass in Taiwan and (2) to test the hypothesis that sarcopenia is associated with physical disability and examine whether the association is mediated by decreased muscle strength or cardiopulmonary fitness. Design This was a cross-sectional investigation. METHODS:/b> Two hundred seventy-five community-dwelling elderly people (148 men, 127 women) aged >/=65 years participated in the study. The participants were recruited from communities in the district of Zhongzheng, Taipei. Predicted skeletal muscle mass was estimated using a bioelectrical impedance analysis equation. The skeletal muscle mass index (SMI) was calculated by dividing skeletal muscle mass by height squared. Physical disability was assessed using the Groningen Activity Restriction Scale. Physical activity was assessed using a 7-day recall physical activity questionnaire. Cardiopulmonary fitness was assessed using a 3-minute step test, and grip strength was measured to represent muscle strength. RESULTS: /b> Cardiopulmonary fitness was significantly lower in elderly people with sarcopenia than in those with normal SMIs. Grip strength and daily energy expenditure (kcal/kg/day) were not significantly different between the participants with sarcopenia and those with normal SMIs. The odds ratio for physical disability between the participants with sarcopenia and those with normal SMIs was 3.03 (95% confidence interval=1.21-7.61). The odds ratio decreased and the significant difference diminished after controlling for cardiopulmonary fitness. Limitations A causal relationship between sarcopenia and physical activity, cardiopulmonary fitness, and physical disability cannot be established because of the cross-sectional nature of study design. CONCLUSIONS:/b> Sarcopenia was associated with physical disability in elderly men. The association between sarcopenia and physical disability was mediated to a large extent by decreased cardiopulmonary fitness.

2010年7月15日木曜日

終末期がん患者の輸液ガイドライン

今日の講演に向けて緩和ケアの栄養管理の学習をしています。御存知の方も多いかもしれませんが、日本緩和医療学会の「終末期にがん患者に対する輸液治療のガイドライン」がかなり詳しくて輸液治療の参考になります。

http://www.jspm.ne.jp/guidelines/glhyd/glhyd01.pdf

ファイルが10MBと重いので、ダウンロードに時間がかかるかもしれません。

これは2006年承認の第1版なので、最新の悪液質の定義が掲載されていないなどの制約は多少ありますが、十分学習になります。HPで全文ダウンロードできますので、ご一読をお勧めします。

2010年末までに再検討されるとありますので、来年には第2版の発行が期待されます。

2010年7月14日水曜日

緩和ケアにおける栄養管理

明日、東京都栄養士会医療部会の病態栄養講習会で、「緩和ケアにおける栄養管理」というテーマで講義と症例検討を行います。

http://www.tokyo-eiyo.or.jp/information/section/medical.php

日 時:2010年07月15日(木) 午後6時30分~8時30分
会 場:東京医科歯科大学 5号館4階講堂(JR・丸の内線御茶の水駅下車)
内 容:緩和ケアにおける栄養管理
横浜市立大学附属市民総合医療センタ-リハビリテーション科 若林秀隆

認定:日本糖尿病療養指導士認定更新研修単位認定(1群・各回0.5単位) 日本栄養士会生涯学習単位認定(振替認定・各回1単位)※生涯学習記録票を当日販売いたします。
参加費 1,500円(1回)非会員及び学生は別途会費設定しています。
事前の申し込みは不要です、当日会場にて受付いたします。

私は緩和医療の専門家ではありませんが、NSTやリハで緩和ケアに関わることは少なからずあります。悪液質に関して新しい診断基準・概念が出てきていますので、緩和ケアにおける栄養管理もそれにあわせてより広い概念になってきています。飢餓と悪液質の鑑別、栄養アプローチの違いを主に伝えたいと考えています。

直前ですが当日参加も可能ですので、興味があって近隣の方はご参加をご検討ください。よろしくお願いいたします。

リハビリテーション栄養の過去・現在と将来展望

 過去のリハビリテーション(リハ)は、患者の栄養状態は良好で適切な栄養管理が行われているという思い込みのもとで行われていた。実際、高齢の障害者は現在より少なく、低栄養より過栄養のほうがリハの阻害因子と考えられていた。

 しかしリハを行っている患者の中には、重度栄養障害で餓死寸前の方もいた。餓死寸前の患者に必要なのは当然、訓練ではなく栄養である。一方、リハとNSTが協働して初めて、ADLやQOLが改善する患者もいた。これらの経験から「栄養ケアなくしてリハなし、リハなくして栄養ケアなし」と痛感し、リハ栄養ということばを作った。

 リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行ったうえで、適切な予後予測のもとでリハ栄養ケアプランを実践することである。栄養障害を認める患者では、リハと栄養管理を併用するリハ栄養ケアプランで、ADLやQOLの向上をより期待できる。ICFの心身機能・身体構造には栄養関連の項目が含まれているので、栄養も含めてICFで評価するのが本来のリハである。

 現在はリハプログラムを立案する際に栄養評価を行い、栄養状態と栄養管理にあわせた訓練内容を考慮するようになりつつある。栄養はバイタルサインの1つであり、栄養評価なしにリハプログラムは立案できない。中重度の栄養障害患者に1日2時間以上の積極的な機能訓練を行っても逆効果である。

 現在、NSTのメンバーに理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、歯科衛生士(DH)がいることは少ないが、これら4職種は2010年からNST専門療法士を取得できるようになった。多くのPT・OT・ST・DHにNST専門療法士を目指してほしい。

 将来はすべてのNSTにPT・OT・ST・DHが原則として参画し、リハと栄養を同時に管理するリハNSTへの発展が期待される。また、NSTが機能訓練室にも回診し、管理栄養士が機能訓練室に常駐して、個々の患者に適切な栄養・水分補給をいつでも機能訓練室でできることが期待される。

2010年7月12日月曜日

サラリーマン「再起動」マニュアル

大前研一著、サラリーマン「再起動」マニュアル、小学館を紹介します。

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093794541

アマゾンでは中古品を1円から購入できます。

日本が“フリーズ”している今こそ、自分を磨くチャンスだということで、サラリーマン向けに執筆された書籍ですが、医療人が読んでも学べることが多いです。実際、医療人にも再起動が必要な方もいますし。

「中年総合力」ということばで、10年以上仕事をしてきた人に対して、専門の知識や技能を有するだけでは足りなくて、広い意味での経営力が必要であることを強調しています。

「1つの分野で10年やれば、その道の専門家になる。では11年目から何をやるのかといえば、やはり「総合力」をつけてゼネラリストにならねばならない」とあります。

臨床にタッチしない大学教授であれば狭い領域の専門家でもよいと思いますが、臨床で仕事をしていくのであれば、FDの領域に関しても学習しないとあまり成長できないかもしれません。専門の知識・技能とFDの学習の両立が重要と考えます。FDの学習にこの書籍をお勧めします。

また、今の20代を「物欲・出世欲喪失世代」と定義しています。携帯電話さえあれば何でもできるので十分、自動車やパソコンを欲しがらない、社長になりたいと思わない(なりたいと思う人は10%前後だそうです)のが特徴で、1まわり上の世代とは異なるそうです。

このことを理解しておいたほうが、若い世代の方と一緒に仕事をやりやすいかもしれません。世代間での考え方の違いはやはりありますし、上からの押しつけでうまくいくわけがありませんので。

目次
イントロダクション 志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない―日本が“フリーズ”している今こそ、自分を向上させるチャンスだ
第1章 現状認識 なぜ今「再起動」が必要か?
第2章 基礎編 「再起動」のための準備運動
第3章 実践編 「中年総合力」を身につける
第4章 事業分析編 “新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章 メディア編 「ウェブ2・0」時代のシー・チェンジ
エピローグ 新大陸の“メシの種”はここにある―ゆっくりと21世紀の世相と世界地図を眺めよう

栄養塾:症例で学ぶクリニカルパール

大村健二先生編集「栄養塾:症例で学ぶクリニカルパール」医学書院の新しい書評が、医学界新聞に掲載されていました。下記のHPの下のほうに掲載されています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02887_07

東邦大医療センター大森病院の鷲澤尚宏先生が「NSTスタッフと“かみ合う”チーム医療リーダーとなるために」という内容で紹介しています。

個人的には、「栄養学の知見を臨床現場で応用することが目的であり,「食べるためのPEG」(153ページ),「栄養ケアなくしてリハなし,リハなくして栄養ケアなし」(159ページ)など,栄養療法を受ける生身の人間が主体となっている内容に感銘した。」と私が執筆したクリニカルパール(後者)を紹介してくださったのが嬉しかったです。

最後に「若手医師の育成,さらにはチーム医療の成熟をねらいとして本書は上梓されたのではないかと感じる。」とあります。リハ栄養のチーム医療を成熟させるためにも、とても学びの多い書籍です。まだ読まれていない方には、ぜひご一読をお勧めします。

2010年7月9日金曜日

栄養とCOPDの新知見

今日も、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、栄養とCOPDの新知見の抄録を紹介します。それだけこの資料にはネタが多いということです。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

この抄録にはnutritional rehabilitationという言葉が何度か出てきます。これは日本語にすると「栄養リハ」となり、栄養状態をどう改善・回復させるかという意味になります。このブログの「リハ栄養」とは意味が異なります。

COPDは単なる呼吸器疾患ではなく、多臓器に影響を及ぼす代謝疾患であると記載されています。実際、多彩な症状・障害を認めますので、全身炎症性疾患と捉える事が重要です。

COPDに対する栄養療法は悪液質による栄養障害が主な対象だったため、なかなか有効だというエビデンスを出せませんでした。最近、運動療法などを組み合わせた包括的呼吸リハとしてのアプローチであれば有効という報告が出ています。

脂肪乳剤の使用が推奨されていますが、個人的にはPFCバランスの中で脂肪の割合を増やすよりも、EPA・エイコサペンタエン酸を1日2g投与することのほうが重要ではないかと感じています。もちろん1日エネルギー必要量を投与した上での話ですが。

臨床現場でも栄養療法単独ではなく、包括的呼吸リハとしてアプローチすることが多いかと思います。COPD以外の悪液質を生じる疾患に対しても、やはり包括的アプローチが重要だと考えます。

New insights on nutrition and COPD
Annemie Schols
Maastricht University Medical Centre, The Netherlands

Research during the past two decades has consistently shown that COPD is not only a chronic inflammatory lung disease but also a metabolic disorder affecting multi-organ systems. Weight loss, skeletal muscle wasting and a decreased muscle oxidative phenotype are well documented in advanced COPD and have been a target for multimodal intervention strategies. Promising results have yet been obtained by nutritional supplementation, in particular when combined with physical exercise although a recent RCT by Weekes et al also showed long-term effects on body weight and quality of life by nutritional intervention alone whereas the control group lost weight during the 12 months follow-up. Furthermore experimental research rapidly advances in understanding the molecular mechanisms of altered muscle plasticity in COPD progression providing new leads for nutritional modulation that may even extend beyond skeletal muscle as nicely illustrated for poly-unsaturated fatty acids.

Scarce data is available in literature about the rationale and effectiveness of nutritional rehabilitation in less advanced COPD. Furthermore no data is available on the feasibility of multimodal intervention strategies in a community-based setting as well as on the long-term clinical outcome and cost-effectiveness. We recently completed a two-year randomized controlled trial evaluating the effect of an INTERdisciplinary COMmunitybased COPD management program (INTERCOM) compared to Usual Care. The INTERCOM program aimed to provide tailored care by physiotherapists, dieticians and COPD nurses working outside but in conjunction with the hospital. All patients in the intervention group received exercise training, education and smoking cessation when applicable while muscle wasted patients received additional standardized nutritional supplementation. Over the total two-year period, there were significantly better effects in the INTERCOM group compared to Usual Care in health status, exercise capacity and perceived effectiveness but no differences were found for exacerbations, muscle function and body composition. The trial was designed to enable a subgroup analysis in muscle wasted COPD patients on body composition and functional performance. After 4 months, the wasted intervention group significantly increased in fat free mass index, muscle strength and exercise performance compared to the wasted Usual Care group. Within group differences in body composition and muscle function sustained after 24 months in the intervention group while wasted patients receiving Usual Care showed a pronounced decline in walking distance and experienced significantly more severe exacerbations. Cost analysis revealed higher costs in the nutritional intervention group after 4 compared to Usual Care that disappeared after 24 months due to significantly higher costs related to hospital admissions in the wasted Usual Care group. In conclusion, new insights provide a strong rationale to broaden the scope of nutritional rehabilitation in COPD a) from modulation of muscle mass to muscle oxidative metabolism and b) from severe COPD to less advanced disease.

References:
1. Broekhuizen R, Wouters EFM, Creutzberg EC, Weling-Scheepers CAPM, Schols AMWJ. Polyunsaturated fatty acids improve exercise capacity in chronic obstructive pulmonary disease. Thorax 2005;60:376–382.
2. Calvert LD, Shelley R, Singh SJ, Greenhaff PL, Bankart J, Morgan MD, Steiner MC. Dichloroacetate enhances performance and reduces blood lactate during maximal cycle exercise in chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir Crit Care Med. 2008 May 15;177(10):1090-4.
3. Deacon SJ, Vincent EE, Greenhaff PL, Fox J, Steiner MC, Singh SJ, Morgan MD.
4. Randomized controlled trial of dietary creatine as an adjunct therapy to physical training in chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir Crit Care Med. 2008 Aug 1;178(3):233-9.
5. Mercken EM, Calvert LD, Singh SJ, Hageman GJ, Schols AM, Steiner MC. Dichloroacetate Modulates the Oxidative Stress and Inflammatory Response to Exercise in COPD. Chest 2009 Chest. 2009 Sep;136(3):744-51.
6. Schols AM. Nutritional rehabilitation: from pulmonary cachexia to sarcoPD. Eur Respir J. 2009;33:949-50.
7. Weekes CE, Emery PW, Elia M. Dietary counceling and food fortification in stable COPD. A randomized trial. Thorax. 2009;64:326-31
8. van Wetering CR, Hoogendoorn M, Mol SM, Rutten-van Mölken MP, Schols AM. Short- and long-term efficacy of a community-based COPD management program in less advanced COPD: a Randomized Controlled Trial. Thorax. 2009 Aug 23. [Epub ahead of print]

2010年7月8日木曜日

心不全の栄養管理の新知見

もう1つ、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、心不全の栄養管理の新知見の抄録を紹介します。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

慢性心不全における悪液質が、心不全の栄養ではもっとも大きな問題です。5-15%の慢性心不全患者に悪液質を認めます。悪液質でなくても筋肉量の低下・筋萎縮は、慢性心不全患者の68%に認めます。

慢性心不全における鉄欠乏に対して、静脈から鉄剤を投与すると心機能が有意に改善したというランダム化比較試験があります。

貧血の存在は心不全を確実に悪化させますので、鉄だけでなくビタミンB12、葉酸の欠乏も問題となります。また、ビタミンB1が不足している場合にも心不全が悪化し、ビタミンB1の投与とともに心機能が改善することがあります。これらのビタミン、微量元素は、慢性心不全の栄養管理では特に重要です。

慢性心不全における悪液質に対して、異化を抑える治療か同化を促す治療を併用しなければ、栄養サポートだけで有意な改善を得ることは難しいとあります。運動療法のアウトカムも、栄養サポートを併用することでより改善するかもしれません。

New insights on nutrition in heart failure
Stefan Anker
Center for Applied Cachexia Research and Therapy, Department of Cardiology, Charité Medical School, Campus Virchow-Klinikum, Berlin, Germany

The biggest nutritional problem of heart failure is the development of muscle wasting and cachexia in chronic heart failure (CHF). Depending on disease severity and co-morbidities, cachexia occurs in 5 to 15% of patients with CHF (review Ref: von Haehling et al. Pharmacol Ther 2009). Muscle wasting (with or without weight loss) is found in up to 68% of patients. Cardiac cachexia is a major cause of poor symptom status, increased hospitalization rate and higher mortality in CHF patients (see: Anker et al. Lancet 1997 & Lancet 2003).

It is well known that the heart of patients with CHF can be considered as an “engine out of fuel”. Micro- and macro-nutritional support may be a new way forward to improve outcome in CHF patients. Results of recent studies will be discussed in the presentation.

Peripheral tissue wasting is thought to be due to catabolic / anabolic imbalance. Nutritional deficiencies are important as contributing factor for exaggerated inflammation (see ref for lipoprotein-endotoxin hypothesis: Rauchhaus et al. Lancet 2000), for lack of anabolic protection (protein in general and essential amino acids are required for muscle growth), as well as factors that contribute to deterioration of co-morbidities (like anemia) and impaired intermediary metabolism and function of skeletal musculature leading to impaired symptoms, exercise intolerance and poor quality of life. Correcting such deficiencies like iron deficiencies can improve all these parameters in patients with heart failure (Anker et al. FAIR-HF trial. NEJM 2009).

Our research suggests that nutritional support alone cannot significantly improve the long-term situation of patients with frank cardiac cachexia, unless anti-catabolic and/or pro-anabolic therapies are actively used.
Also outcomes after exercise training may be improveable with the use of nutritional support.

Of note, some of the results of cardiac cachexia related research may also be very relevant for treatment development in cancer cachexia.

高齢者に対する栄養介入研究

今日は、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、高齢者に対する栄養介入研究の抄録を紹介します。このネタばかりですみません。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

Nutritional interventional studies in the elderly
Antoni Salvà
Institut de l’Envelliment (institute on Ageing), Universitat Autònoma de Barcelona, Spain

高齢者に対する栄養介入研究についてレビューすると、有効という論文と無効という論文があり、結論は出せる状況にはありません。ただ、大腿骨頚部骨折、肺炎、褥瘡に関しては栄養介入が有効というエビデンスが出てきています。

栄養介入研究でも栄養指標ではなく、身体機能や認知機能をアウトカムにした研究が出てきています。ただ、これらの多くは二次アウトカムですが。リハ栄養の立場で考えれば、栄養指標よりも身体機能、ADL、認知機能を一次アウトカムにすべきだと思います。

対象が健常高齢者ではなく、低栄養のハイリスク群、病院退院後、施設入所の患者であれば、栄養介入の身体機能に対する有効性が示されていますが、全般的には効果はないという報告が多いです。健常健常者で栄養状態が良好であれば、栄養介入は不要で運動療法のみで十分と言えます。

一方、身体機能低下、低栄養を認める患者には、栄養介入と運動・リハが重要です。リハ栄養はこのような患者が対象のため、より有効な可能性が高いと考えます。

認知機能に対する栄養介入(ビタミンB12、葉酸、抗酸化物質)は、無効という報告が多いようです。認知障害に対しては現状ではリハ栄養というよりも、認知リハと適応があれば薬物療法が中心になると思います。

Unintentional weight loss and undernutrition are major problems among older people. Under nutrition causes changes in body mass and composition which manifest particularly as weight loss and low BMI. Under nutrition, predict reduced physical performance and functional decline, and are associated with worse quality of life and increase of mortality. The relationships between under nutrition and health outcomes are well described specially for those patients in LTC facilities or in acute settings. In these situations there is evidence on the efficacy of a nutritional intervention including supplementation, in increasing nutritional markers and reducing mortality. There is also some evidence of the positive effect improving outcomes in hip fracture, pulmonary infections and pressure ulcers.

Beyond under nutrition, nutrition has a strong relationship with two important outcomes in the older people: physical function and cognition. The transition from independence to disability in older adults is characterized by detectable changes in body composition and physical function, including unexplained weight loss, reduced muscle strength, self-reported exhaustion, slow walking speed and low physical activity, which often cluster and have been grouped under the term “frailty”. Epidemiologic studies have shown that reduced caloric intake and weight loss and the reduced intake of specific nutrients (proteins, vitamins D, E, C, B6, B12, folate and selenium) are associated with these changes.

Intervention studies using nutritional supplementation have shown inconclusive results. The majority of studies aimed at assessing the effects of increased energy and proteins on nutritional status or intermediate outcomes (body composition measures, inflammation or other biological markers). Almost all the quoted studies included functional outcomes only as secondary outcomes. The results were, in general, negative for these kind of outcomes. Some positive results were observed in those studies enrolling more selected populations (for example participants with higher risk of under nutrition or after hospital discharge or institutionalized), or combining nutritional supplementation with exercise. Different studies also tested the effect of specific vitamins, mainly vitamin D. Besides the known effects on bone health and fractures, interventions with vitamin D showed positive results on muscle strength and falls. Few negative data are available on vitamin E and other antioxidant micronutrients (carotenoids etc), although observational studies showed a strong inverse correlation between their concentration and physical performance and frailty. Studies using supplementation with this kind of nutrients and also with omega-e, vitamin B12, folic acid and antioxidants have mostly evaluated their effect on cognitive function, in general with unsatisfying results.

2010年7月7日水曜日

脳卒中とアルツハイマー病における悪液質

今日は、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、脳卒中とアルツハイマー病における悪液質の抄録を紹介します。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

私は脳卒中とアルツハイマー病で悪液質が生じるという話は聞いたことがありませんでした。実際、この抄録を読んでみても脳卒中患者の栄養・体重管理の記載のほうが多く、悪液質に関する研究はほとんどないという記載です。

確かに重症認知症で末期に高度のるいそうを認める患者はいますが、これを悪液質と考えたことはありませんでした。脳卒中単独やアルツハイマー病単独では、通常炎症反応(CRP)も陰性のことが多い印象があります。もしCRPが持続的に陽性の脳卒中やアルツハイマー病の患者がいたら、要注意ですね。

現時点では脳卒中とアルツハイマー病で悪液質が生じるという考えは、未検証の仮説と解釈したほうがよいと思います。悪液質かどうかに関わらず、脳卒中とアルツハイマー病では体重減少を認めることがあるため、そのような患者では適切なリハ栄養管理を要するということです。

Cachexia in stroke and Alzheimer’s disease
Wolfram Döhner
Charité Medical School, Campus Virchow-Klinikum, Berlin, Germany

Patients with stroke suffer from an acute event that frequently results in severe bodily impairment as well as a reduction in quality of life. While acute therapy and early neurological rehabilitation have improved substantially in recent years, patients live after the event in a chronic diseased state for a prolonged period of time. Significant adaptations of global regulatory mechanisms such as metabolic and immunologic regulation and of peripheral organ and tissue functions such as muscle and fat tissue may occur. Systemic abnormalities develop secondary to maladaptive processes in the long-term course of the disease and feedback signals may fuel a vicious self-enhancing cycle. As shown in other chronic diseases, those changes and mal-adaptations may affect the whole body and significantly contribute to symptomatic status and disease progression independent of the site (organ) of the initial event. Tissue wasting particularly of muscle tissue is often observed in chronic diseases contributing to functional impairment and development of cachexia.

While research in stroke is predominantly focused on prevention and treatment of the neurological failure, peripheral and systemic metabolic and functional changes are less well investigated. Few data are available on the epidemiology of weight change in stroke or on its pathophysiology or possible therapeutic approaches. Current German guidelines on primary and secondary prevention of stroke admit a complete lack of controlled data to support evidence-based recommendations on weight management in patients after stroke. Regardless of the lack of evidence weight loss is recommended in current secondary prevention guidelines. Further research is needed to establish evidence based weight management recommendations in stroke.

2010年7月6日火曜日

がん患者に対するparallel pathway


今日は、M. Muscaritoli et al: The "parallel pathway": a novel nutritional and metabolic approach to cancer patients. Intern Emerg Med DOI 10.1007/s11739-010-0426-1を紹介します。

がんによる悪液質患者に対して、早期発見、早期治療、がんに対する治療(手術、化学療法、放射線療法など)と並行した代謝栄養療法の重要性が紹介されています。これをparallel pathwayという新しい概念としています(図参照)。

リハ栄養もリハと栄養のparallel pathwayと言えますね。

評価項目としては合併疾患、薬剤、食事摂取量、身体診察、身長・体重・BMI、検査値(アルブミン、CRP、インシュリン抵抗性など)、食思不振(食思不振はVAS:ビジュアルアナログスケールで評価するのが標準的なようです。もしくは質問票)、QOL、握力、間接熱量計、栄養ケアプラン、フォローアッププランが含まれています。

また、がんの終末期・ターミナルにおける人工栄養の使用に関しては、一部の限られた患者には適応があるとしています。例えば3カ月以上の生命予後を期待できて痛みや吐き気といった症状が適切にコントロールされているのであれば、適応はあるとしています。ただし、個々の状況にあわせて慎重に評価することが必要です。

Abstract
Cancer-associated malnutrition results from a deadly combination of anorexia, which leads to reduced food intake, and derangements of host metabolism inducing body weight loss, and hindering its reversal with nutrient supplementation. Cancer patients often experience both anorexia and weight loss, contributing to the onset of the clinical feature named as anorexia–cachexia syndrome. This condition has a negative impact upon patients’ nutritional status. The pathogenesis of the anorexia–cachexia syndrome is multifactorial, and is related to: tumourderived factors, host-derived factors inducing metabolic derangements, and side effects of anticancer therapies. In addition, the lack of awareness of cancer patients’ nutritional issues and status by many oncologists, frequently results in progressive weight loss going undiagnosed until it becomes severe. The critical involvement of host inflammatory response in the development of weight loss, and, in particular, lean body mass depletion, limits the response to the provision of standard nutrition support. A novel nutritional and metabolic approach, named ‘‘parallel pathway’’, has been devised that may help maintain or improve nutritional status, and prevent or delay the onset of cancer cachexia. Such an approach may improve tolerance to aggressive anticancer therapies, and ameliorate the functional capacity and quality of life even in advanced disease stages. The ‘‘parallel pathway’’ implies a multiprofessional and multimodal approach aimed at ensuring early, appropriate and continuous nutritional and metabolic support to cancer patients in any phase of their cancer journey.

2010年7月5日月曜日

がん患者における嚥下障害

引き続き、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、がん患者における嚥下障害の抄録を紹介します。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

頭頚部がんや化学療法に伴う口腔粘膜の口内炎では、7日以上必要エネルギー量を経口摂取できないようなら、経管栄養(経鼻経管か胃ろう)が推奨されています。

この時期に経口摂取と末梢静脈栄養のみで必要エネルギー量を満たせない状況が続くと、嚥下障害と栄養障害の悪循環に入ると記載されています。この悪循環を避けることはとても重要です。

抄録には記載はありませんが、飢餓や悪液質で嚥下筋の筋萎縮が進むことによる嚥下障害(広義のサルコペニアによる嚥下障害)の問題は大きいと私は考えています。その結果、さらに飢餓が進み嚥下障害も悪化する悪循環の場合、リハだけの対応では不十分です。当然、リハ栄養管理が必要です。

抄録の最後には粘膜炎、口内炎に対する治療として、グルタミンによる治療が選択肢の1つとなる、ただしランダム化比較試験での検証が必要と記載されています。グルタミンはGFOとして禁食時の腸管粘膜の維持目的にて使用されますが、粘膜炎の治療として使用する発想は全くありませんでした。粘膜つながりですね。

The problem of dysphagia in cancer patients
Alessandro Laviano
Department of Clinical Medicine, Sapienza University, Rome, Italy

In cancer patients, the progressive onset of cachexia is related to the combined negative effects of reduced food intake and changes in metabolism of peripheral tissues. In some type of cancers, the relative impact of
reduced food intake may outweigh the contribution of metabolic derangements. In patients with head and neck cancer, dysphagia is the major factor impeding the meeting of energy and protein requirements. In this clinical setting, it is imperative that appropriate actions are taken to prevent the progressive decline of energy intake (i.e., positioning of feeding tube, or PEG). Dysphagia may also occur because of the toxicity associated to the active anti-tumor treatment. During chemotherapy and/or radiotherapy, severe mucositis may occur, limiting energy intake. If persisting for more than 7 days, inability to meet the energy and protein requirements should be treated by enteral nutrition via feeding tube or PEG. If appropriate actions are not taken, then a vicious circle may occur: dysphagia leads to malnutrition which in turn increases susceptibility to treatment-associated toxicity and thus exacerbates dysphagia.

Limiting the toxicity of treatment-associated toxicity is a scientific and clinical challenge which is actively and intensively pursued. Although reports have been published suggesting that short-term fasting may reduce
chemotherapy-associated toxicity, at least in animal models, it appears that a number of nutraceuticals may modulate mucositis. In this light, the use of glutamine may represent a therapeutic option which should be
tested in randomized clinical trials.

References:
Cady J. Nutritional support during radiotherapy for head and neck cancer: the role of prophylactic feeding tube placement. Clin J Oncol Nurs 2007; 11:875-80
van den Berg MG, Rasmussen-Conrad EL, Gwasara GM, Krabbe PF, Naber AH, Merkx MA. A prospective study on weight loss and energy intake in patients with head and neck cancer, during diagnosis, treatment and revalidation. Clin Nutr 2006; 25:765-72
Arends J, Bodoky G, Bozzetti F, Fearon K, Muscaritoli M, Selga G, van Bokhorst-de van der Schueren MAE, von Meyenfeldt M, et al. ESPEN guidelines on enteral nutrition: non-surgical oncology. Clin Nutr 2006; 25:245-59
Bozzetti F, Arends J, Lundholm K, Micklewright A, Zurcher G, Muscaritoli M. ESPEN guidelines on parenteral nutrition: non-surgical oncology. Clin Nutr 2009; 28:445-54

サルコペニアに対する生涯的アプローチ

今日は、5th Cachexia Conferenceの資料の中から、サルコペニアに対する生涯的アプローチの抄録を紹介します。

http://www.lms-events.com/19/5th_Cachexia_Conference_2009_Abstracts.pdf

骨密度、骨粗鬆症と同じ考えですが、10代、20代のうちになるべく筋肉量、筋力を高めておくことで、老年期になって減少してきたとしても筋肉量、筋力をより多い状態で保っておくという考え方が徐々に広まっています。

30代以降からレジスタンストレーニングを行うことも、もちろん無駄ではありません。ただ、筋肉量、筋力がより増えやすいのは成長発育の時期や20代といえます。

私が10代から20代の頃は、ボディビルディングよりもブレインビルディングのほうが大事だと思い、あまり運動はしないで勉強と遊び中心の生活をしていました。今思うと、ボディビルディングとブレインビルディングの両方とも大事だったということです。

今もボディビルディングといえるようなことは全くしていませんが、可能な範囲でサルコペニアの予防の意味も兼ねてレジスタンストレーニングを行うように心がけています。皆さんにもできる範囲でレジスタンストレーニングを行うことをおすすめします。

A life course approach to sarcopenia
Avan Aihie Sayer
University of Southhampton, UK

Sarcopenia is defined as the loss of skeletal muscle mass and strength with age. It is a common condition and although there is considerable debate about how it should best be characterised, there is increasing recognition of the serious health consequences both in terms of disability, morbidity and mortality, and in terms of significant healthcare costs. Adult determinants of sarcopenia including physical activity, endocrine function, cytokine levels, nutritional intake and genetic influences have been well described. However there remains considerable unexplained variation in muscle mass and strength between older individuals which might be partly explained by the observation that muscle mass and strength in later life reflect not only the rate of loss but also the peak attained earlier in life1.

To date most observational and interventional epidemiological studies of sarcopenia have focused on factors modifying decline in later life but a life course approach to understanding sarcopenia additionally focuses attention on the determinants of peak muscle mass and strength attained in early adulthood and their long-term consequences2. This would be consistent with current understanding of the developmental origins of a number of age-related diseases including osteoporosis, type 2 diabetes and cardiovascular disease3. Birth cohorts such as the Hertfordshire Cohort Study are an invaluable resource for research in this area4.

References:
1. Sayer AA, Syddall HE, Martin H, Patel H, Baylis D, Cooper C. The developmental origins of sarcopenia.
J Nutr Health Ageing 2008;12:427-432.
2. Syddall HE, Gilbody HJ, Dennison EM, Cooper C. Does sarcopenia originate in early life ? Findings from the Hertfordshire Cohort Study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2004;59(9):M930-4.
3. Gluckman PD, Hanson MA, Cooper C, Thornburg KL. Effect of in utero and early-life conditions on adult health and disease. N Engl J Med 2008;359(1):61-73.
4. Syddall HE, Aihie Sayer A, Dennison EM, Martin HJ, Barker DJ, Cooper C. Cohort Profile : The Hertfordshire Cohort Study. Int J Epidemiology 2005; 34(6):1234-42.

神奈川県立保健福祉大学実践教育センター嚥下研修会

今年も神奈川県立保健福祉大学実践教育センターで高齢者の摂食・嚥下障害支援研修が開催されます。今年は私も初日に摂食・嚥下機能のメカニズムの話をすることになりました。詳細は下記のHPを参照してください。

多くの方に申し込んでいただければと思います(昨年は応募多数で調整があったようです)。よろしくお願いいたします。

http://www.kuhs.ac.jp/center-homepage/sessyokuennge/sessyokuennge.htm

1 目的
高齢者の食の問題の中で重要な課題である摂食・嚥下機能障害に焦点をあて、対象者の特性に合わせた的確な治療・ケア・リハビリ訓練を実施するために必要な知識・技術を習得するとともに関連スタッフとの連携について学ぶ。

2 受講資格
高齢者の介護に関わっている保健医療福祉分野の従事者で、摂食・嚥下の対応について課題をもっており、5日間すべて出席できる者。

3 開講期間
平成22年11月4日(木曜日)から12月9日(木曜日) 5日間

4 開催日・講座内容(上記HP参照してください)

5 会場
神奈川県立保健福祉大学実践教育センター)
〒241-0815 横浜市旭区中尾1-5-1

6 応募方法
受講申込書(HPから入手してください)を郵送により保健福祉大学実践教育センター実践教育部宛にご送付ください。

7 応募期間
平成22年8月14日(土曜日)から8月31日(火曜日)必着

8 定員
40名。
申込書の記載内容等を総合して選考し、10月中旬までに受講申込者に通知します。
(注)申込多数の場合、1施設1名で調整させていただく場合があります。

9 受講料
10,000円
受講決定者には、受講決定通知とともに納入通知書を送付する予定です。

10 修了証
全日程の5分の4以上出席した方には修了証書を交付します。

11 申し込み・問い合わせ先
神奈川県立保健福祉大学実践教育センター 実践教育部 千葉
〒241-0815 横浜市旭区中尾1-5-1
電話 045(366)5800(代)

2010年7月4日日曜日

神奈川摂食・嚥下リハ研究会HP

昨日、第7回神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会が相模原でありました。一般演題3つと菊谷武先生の特別講演でしたが、約260人の参加があり大盛況でした。次回第8回は、来年2月27日(日)に小田原で開催予定です。

このたび神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会のホームページができました。

http://kanagawaenge.web.fc2.com/

まだ出来たてで至らないところも多いですが(私のあいさつが一番至らないかもしれません…)、神奈川県内の嚥下相談窓口やNST・嚥下施設間連絡票は上記HPからダウンロードできるようにしています。研修会情報なども適宜掲載していきますので、ときどき見ていただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

人が育つ会社をつくる

今日は高橋俊介著、人が育つ会社をつくる―キャリア創造のマネジメント―、日本経済新聞社を紹介します。アマゾンなら中古品を100円から購入できるようです。

http://www.nikkeibook.com/book_detail/31282/

医療人の場合は、人が育つ病院・施設・研究会・組織をつくると読みかえるとよいと思います。医療人にとってもキャリア創造のマネジメントは極めて重要です。

「なぜいま組織で人が成長しにくいのか」は病院・施設にも当てはまることだと私は感じています。IT化、PC使用が進み、隣の人がどのように仕事をしているのかが見えにくくなったことも要因の1つだと考えます。

第2章64ページに、若手社員が育ちやすい条件として、
①チャレンジングな仕事が日常的に与えられる環境にあり、
②コーチング的マネジメントスタイルがとられていて、
③健全な成果プレッシャーがあれば
と紹介されています。3つの条件が揃っていることが重要だそうです。本人の主体性を尊重しつつもコーチングでフォローして成果はある程度求めていく。

過去の自分を振り返ってみても確かにこの3つが揃っているときに、学習と成長をしやすかった印象があります。ただ、あくまでこれは20代~30代前半の話であって、30代後半以降はチャレンジングな仕事や機会は、自ら探し作り得るものだと考えます。与えられたことだけやっていても足りないと感じます。

第3章の中の「多様な成長に向けて個人ができること」として、以下の7つが紹介されています。

・気づきをきっかけに仕事の仕方を変える
・テーマにこだわり新しい課題や課外活動に取り組む
・ネットワークへの投資でハプンスタンス(偶然)のチャンスを活用する
・仕事そのもののプロフェッショナル化
→「プロフェッショナルとは、顧客の半歩先をいき問題解決ができるような思考・行動特性の持ち主のことをいう」と定義しています。
 自分から積極的に仕掛けることの重要性も指摘しています。「時代の流れを読んで、これから仕事で必要になるであろう能力を獲得する。あるいは、主流ではないが、これから拡大すると思われる分野に、他者に先んじてキャリアを振っておく。」
・キャリアチェンジによる成長
・働き方や雇用形態を変えることで成長する
・ワークとライフの統合で成長する(バランスではなくインテグレーション)

やはり主体的ジョブデザイン行動やネットワーク行動がポイントのようです。ただ、ネットワーキングに関してはネットワークから自分が得ること、もらうことばかりを考えるような人脈作りは推奨しません。自分が貢献できることを考えてネットワークを作るのが適切で、貢献の結果として自分が得るものが多いのだと思います。

一方、同じ章の「多様な成長に向けて組織がすべきこと」として下記の4つが紹介されています。

・人材育成の仕組みの変革
・組織編成、職務設計の変革
・個人のキャリアコンピタンシーの強化
・健全なビジネスモデルと成果プレッシャー

私が多様な成長に向けて関われる組織は、NSTや嚥下に関わるものに限定されますが、自分の学習と成長はもちろんですが、こういったポイントを意識した組織作りができればと考えています。

目次

第1章 なぜいま組織で人が成長しにくいのか(暗黙の人材育成機能だったOJTの崩壊、若者たちの焦りと思い込み ほか)

第2章 何が若手社員を成長させるのか(成長は、仕事を通じてこそ得られる、組織は何をすべきか ほか)

第3章 多様な成長パターンを用意する(なぜ成長の多様性なのか、仕事のプロフェッショナル化による成長 ほか)

第4章 自らキャリアを切り開いていく力をつける(健全なキャリア自律概念とは何か、健全なキャリア自律概念の四つの特徴 ほか)

第5章 新たな人材育成のための仕組みをつくる(上下関係の育成に頼らない学習する組織の構築、管理志向のマネジメントスタイルからの脱却 ほか)

2010年7月1日木曜日

高齢者低テストステロン群ホルモン補充療法は副事象イベント増大させた

内科開業医のお勉強日記から、「TOMトライアル中断:高齢者低テストステロン群ホルモン補充療法は副事象イベント増大させた」の引用です。

http://intmed.exblog.jp/10902794/

65歳以上の血中テストステロン値低値で、運動能に限界のあるひとたちの下肢筋力(log-press strength)はプラセボよりテストステロン治療群で強くなる。しかし、このトライアルはテストステロン群の心臓副事象増加にて中断された。

Adverse Events Associated with Testosterone Administration
Published at www.nejm.org June 30, 2010 (10.1056/NEJMoa1000485)

平均74歳、209名の男性で、高血圧・糖尿病・高脂血症、肥満存在
テストステロン群が有意に心臓、呼吸器、皮膚疾患増加
特に、心臓関連副事象がテストステロン群 23例、プラセボ 5例であり、6ヶ月治療期間を通して心血管疾患関連副事象リスク増加傾向は不変。
leg-press strengthは改善

確かにサルコペニアの治療として男性ホルモンは筋力を増強させますが、この研究結果を見る限り、筋力増強目的でテストステロンを使用することはできませんね。

現状ではサルコペニアに対しては、レジスタンストレーニングがメインで、あとはBCAAを併用する程度でしょう。ビタミンDも副作用が怖いので、正常範囲の方に使用する気はしませんね。

ABSTRACT

Background Testosterone supplementation has been shown to increase muscle mass and strength in healthy older men. The safety and efficacy of testosterone treatment in older men who have limitations in mobility have not been studied.

Methods Community-dwelling men, 65 years of age or older, with limitations in mobility and a total serum testosterone level of 100 to 350 ng per deciliter (3.5 to 12.1 nmol per liter) or a free serum testosterone level of less than 50 pg per milliliter (173 pmol per liter) were randomly assigned to receive placebo gel or testosterone gel, to be applied daily for 6 months. Adverse events were categorized with the use of the Medical Dictionary for Regulatory Activities classification. The data and safety monitoring board recommended that the trial be discontinued early because there was a significantly higher rate of adverse cardiovascular events in the testosterone group than in the placebo group.

Results A total of 209 men (mean age, 74 years) were enrolled at the time the trial was terminated. At baseline, there was a high prevalence of hypertension, diabetes, hyperlipidemia, and obesity among the participants. During the course of the study, the testosterone group had higher rates of cardiac, respiratory, and dermatologic events than did the placebo group. A total of 23 subjects in the testosterone group, as compared with 5 in the placebo group, had cardiovascular-related adverse events. The relative risk of a cardiovascular-related adverse event remained constant throughout the 6-month treatment period. As compared with the placebo group, the testosterone group had significantly greater improvements in leg-press and chest-press strength and in stair climbing while carrying a load.

Conclusions In this population of older men with limitations in mobility and a high prevalence of chronic disease, the application of a testosterone gel was associated with an increased risk of cardiovascular adverse events. The small size of the trial and the unique population prevent broader inferences from being made about the safety of testosterone therapy.

悪液質に対する運動と薬物療法

今日は、5th Cachexia Conferenceの抄録集の中から、Exercise, anticatabolic strategies and the treatment of cachexiaの抄録を紹介します。

Exercise, anticatabolic strategies and the treatment of cachexia
Giovanni Mantovani, Clelia Madeddu, Antonio Macciò
Department of Medical Oncology, University of Cagliari, Italy

悪液質ではないがんのリハにおける運動療法(積極的な有酸素運動とレジスタンストレーニング)の有効性はかなり検証されてきています。がんのリハはリハ領域でもトピックといえます。

ただ、悪液質のがん患者に対して、どの程度の運動療法を行うのがよいのかのエビデンスはまだ不明です。この抄録では、廃用を予防し身体活動を推奨する程度の運動は、多領域からの悪液質に対する包括的治療として記載されています。今後の研究課題ですが、現時点では維持的なリハは行うべきと考えています。

CRPがいくつ以下なら積極的リハ可能、いくつ以上なら維持的リハのみ可能という単純な基準があれば一番わかりやすいのですが、そのような基準も今のところはありません。ただ、プレアルブミンに関しては16以上なら積極的リハ可能、5以下なら維持的リハのみ可能とはいえると思います。

あと薬物療法として、メドロキシプロゲステロン、EPA(エイコサペンタエン酸)、L-カルニチン、サリドマイド(日本では奇形児の問題が大きかったので、現在は多発性骨髄腫でしか使えませんね)およびこれら4種類すべての5群間でがん悪液質への効果があるかをみたランダム化比較試験では、4種類すべて投与した群で除脂肪体重が有意に増加し疲労が改善し、大きな副作用は認めなかったようです。

日本でそのまま臨床応用できる研究結果では全くありませんが、悪液質に対しては原疾患に対する治療とともに、食事療法、運動療法、薬物療法の併用が必要なことは確かだと思います。NSTでもここまで踏み込んだ提案をすることが望ましいと考えています。

Physical activity, and even more so, exercise tolerance are greatly reduced (by approximately 40%) in cancer cachexia due to wasting of lean body mass and fatigue. On the other hand, as physical activity is also an important component of the physical and social domains of quality of life (QL), any restoration of physical activity levels and exercise training may translate into an improvement in QL for cachectic cancer patients [1].
Physical activity and exercise should require a normal muscle mass, and an adequate level of QL and motivation, both lacking in cachectic patients. The cachectic status itself and the related lack of physical activity, in turn, may worsen cachexia thus triggering a vicious circle. Therefore, it is crucial to act on both components, i.e. lean body mass and patient motivation. As for the increase of lean body mass a central role is played by anticatabolic strategies which should have as a target:
- the reduction of the production/release of the proinflammatory cytokines
- the inhibition of the muscle protein catabolism by inhibiting the ubiquitin/proteasome pathway(bortezomib and EPA)
- an increase on muscle protein synthesis (steroid androgen receptor modulators – SARMs -, oxandrolone)
- the increase of energy intake, by ghrelin and ghrelin mimetics

As regards the patient motivation, physical activity itself and exercise, such as programs of resistance training and aerobic exercise, may have an important role and may contribute, in turn, to an increase of lean
body mass [2]. When devising a therapeutic program for cancer cachexia, the emphasis should be placed on multimodal therapies that tackle all issues simultaneously. These interventions should combine highprotein nutritional supplements, the downregulation of proinflammatory cytokines and chronic inflammation by anti-inflammatory agents and routine mobilisation programs to prevent deconditioning and encourage physical activity. In this context, we have carried out a phase III randomised clinical trial in cachectic cancer patients to establish which was the most effective and safest treatment to improve lean body mass and fatigue as primary end-point, and as secondary endpoint, among others, the increase of physical activity level measured by a portable electronic device. Three hundred and thirty-two assessable patients with cancer cachexia were randomly assigned to one of five arms of treatment: 1 - medroxyprogesterone 500 mg/d or megestrol acetate 320 mg/d; 2 - oral supplementation with EPA; 3 - L-carnitine 4 g/d; 4 - thalidomide 200 mg/d; 5 - a combination of the above agents. Treatment duration was 4 months. Analysis of changes from baseline showed that LBM significantly increased in the combination regimen (arm 5).
Fatigue improved significantly in arm 5. Total daily physical activity showed that total energy , and active energy, expenditure increased significantly in arm 5. Toxicity was substantially negligible and comparable
between treatment arms [3].

The results of our trial, showing the efficacy of a combined treatment approach, seem to confirm the basic assumption that the treatment of cancer cachexia, a multifactorial syndrome, is more likely to yield success
with a multitargeted approach which may have the potential to reverse the predominant features of cachexia, i.e. progressive loss of muscle mass and function and improve the associated symptoms that affect QL.

References:
1. K.C.H. Fearon. Cancer cachexia: Developing multimodal therapy for a multidimensional problem.
Eur J Cancer 2008; 44: 1124-1132
2. Lee W Jones, Neil D Eves, Mark Haykowsky, Stephen J Freedland, John R Mackey. Exercise intolerance in cancer and the role of exercise therapy to reverse dysfunction.
Lancet Oncol 2009; 10: 598–605
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