以前、「栄養リハ」と「リハ栄養」の違いをブログに書きましたが、その第2回です。
リハ栄養を英語でどう表記するか悩ましく感じています。英語ではNutritional rehabilitationという言葉はそれなりに使われています。例えば、
Mehler PS, et al: Nutritional rehabilitation: practical guidelines for refeeding the anorectic patient. J Nutr Metab. 2010;2010. pii: 625782. Epub 2010 Feb 7.
という論文があります。抄録を見ると、下記のようになっています。
Abstract
Weight restoration is crucial for successful treatment of anorexia nervosa. Without it, patients may face serious or even fatal medical complications of severe starvation. However, the process of nutritional rehabilitation can also be risky to the patient. The refeeding syndrome, a problem of electrolyte and fluid shifts, can cause permanent disability or even death. It is essential to identify at-risk patients, to monitor them carefully, and to initiate a nutritional rehabilitation program that aims to avoid the refeeding syndrome. A judicious, slow initiation of caloric intake, requires daily management to respond to entities such as liver inflammation and hypoglycemia that can complicate the body's conversion from a catabolic to an anabolic state. In addition, nutritional rehabilitation should take into account clinical characteristics unique to these patients, such as gastroparesis and slowed colonic transit, so that measures can be taken to ameliorate the physical discomforts of weight restoration. Adjunct methods of refeeding such as the use of enteral or parenteral nutrition may play a small but important role in a select patient group who cannot tolerate oral nutritional rehabilitation alone.
この抄録を読む限り、栄養改善(この論文では摂食障害患者の)=nutritional rehabilitationで、refeeding syndromeを避けるよう注意しなければいけないとあります。いわゆるリハ的なことは記載されていません。
私がリハ栄養に込めているのは、むしろスポーツ栄養の患者・高齢者・障害者バージョンのイメージです。栄養サポートをすることで、スポーツ選手のパフォーマンスをより高めることがスポーツ栄養です。これと同様に、患者・高齢者・障害者の疾患予防・治療、機能、ADL、QOLをより高めるよう栄養サポートすることがリハ栄養です。
そうすると、リハ栄養の英語訳としてnutritional rehabilitationは不適切となります。スポーツ栄養がsports nutritionですので、リハ栄養はrehabilitation nutritionでよいかと今のところ考えていますが、英語圏でこのような使われ方は現在、心臓領域以外ではされていないようです。
英語圏でもリハ栄養のコンセプトがあまり存在していない可能性があります。このような悩みを早く克服できるよう、自らも何らかの行動をしなければいけないなと感じています。
2010年8月31日火曜日
2010年8月30日月曜日
リーダーになる人に知っておいてほしいこと II
今日は松下幸之助述、松下政経塾編、リーダーになる人に知っておいてほしいことⅡ、PHPを紹介します。
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-77711-5
松下幸之助氏を知らない方はいないと思いますが、パナソニック、松下政経塾、PHPの生みの親です。今の政治家には松下政経塾出身の方も少なくありませんし、現在ももちろん塾生がいます。
松下政経塾HP
http://www.mskj.or.jp/
この書籍は松下幸之助氏が自ら創設した松下政経塾において、若き塾生たちに直接語りかけた記録の中から、いまリーダーの任にある人そしてこれからリーダーになる人に資するところがあると思われる内容を厳選、要点整理をしたものです。実体験に基づいた経験から学んだ教訓、本質が紹介されています。
実際、第1章の最初に「どんなに面白い仕事をしても、それをすべて無意味なものとして捨て去ってしまう人がいる。一方、どんなにつまらない仕事でも、一所懸命に力の限り取り組んでその体験を生かす人がいる。その両者のあいだには、たいへんんあ違いがある。」とあります。特に医療人は他では得難い貴重な仕事や経験をたくさんしていますが、それを捨て去るか体験を生かすかで、成長を続けるか衰退するかが決まります。
個人的には第3章の最初の「苦労に苦労を重ねることによって磨かれ完成した人格は、その人の仕事にこもる。」という言葉が、特に心に響きました。「今日、成功を見るに至った企業には、坦々とした果てしない道のりがあり、人知れない、それこそ言うに言えない苦労がいっぱいあったと思う。」とあります。
本人がそれを苦労ととらえているかどうかは別として、沢山の努力、失敗、体験が見えないところにあり、その上に成功があることは、企業に限らず他の組織でも個人でも同様でしょう。成功を氷山の一角ととらえるか、氷山のすべてととらえるかで、成功するか、人格が磨かれるかが決まるような気がします。
「塾生諸君もみずからの人生をそういう考え方で歩まんといかんな。」とまとめています。医療人は臨床ではなかなか失敗することが許されない環境にあります。一方、臨床研究は最初から失敗することがわかっている研究は倫理的に問題がありますが、そうでなければ結果的に失敗することは許されると思います。
学会発表や論文執筆で多くの経験、失敗をすることは、貴重な学習と成長の機会であり、人格の研磨にも有用かもしれません。臨床で失敗できない分、研究で失敗を含めた経験を積むことをおすすめします。
目次
1章 学び方―みずからを鍛え、磨き、高める(体験を生かす人、捨て去る人
人を幸せにするリーダー
自分で自分を監督しているか
自修自得をしているか
実学の積み重ねが一瞬にして現われる
習うことも教えることもできないこと
素直な心で知恵を磨く
自分を叱り自分をほめているか
自我は一生つきまとう
先見性は必要か
肉眼と心眼)
2章 考え方―事の本質を知り、知恵を使いこなす(洞察力のある人になる
志を固めて、堅持する
世間から知恵を授かる
追いつめられて、いい知恵は出てくる
融通無碍になる
人間の性を認める
“清”を飲んでも“濁”は捨てる
人間を高め、知恵を高める
自分で辛酸をなめる
努力の総和が繁栄を産む
悲観と楽観
心に善意をもつ)
3章 働き方―人間の本質を知り、人間を大切にする(人格と仕事
ふわふわしていては何もできない
先立つものは信用
熱意と運命
一人一業
商品と広告宣伝
社会通念という義務
本業に専心する
それぞれにそれぞれの役割がある
“とどめ”を刺す
発展と衰退にある真理
会社という運命共同体
前進すべきか、撤退すべきか
ただ厳しいだけではいけない
“空気”でわかる)
4章 生き方―限りない希望、大いなる理想に燃える(青春とは心の若さである
天の要望に従う
時運に乗る人、乗れない人
困窮を知る尊さ
悩みに負けない
度胸のある生き方
私心を捨てる
運命を生かすのは自分
辛抱強く耐える力)
http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-77711-5
松下幸之助氏を知らない方はいないと思いますが、パナソニック、松下政経塾、PHPの生みの親です。今の政治家には松下政経塾出身の方も少なくありませんし、現在ももちろん塾生がいます。
松下政経塾HP
http://www.mskj.or.jp/
この書籍は松下幸之助氏が自ら創設した松下政経塾において、若き塾生たちに直接語りかけた記録の中から、いまリーダーの任にある人そしてこれからリーダーになる人に資するところがあると思われる内容を厳選、要点整理をしたものです。実体験に基づいた経験から学んだ教訓、本質が紹介されています。
実際、第1章の最初に「どんなに面白い仕事をしても、それをすべて無意味なものとして捨て去ってしまう人がいる。一方、どんなにつまらない仕事でも、一所懸命に力の限り取り組んでその体験を生かす人がいる。その両者のあいだには、たいへんんあ違いがある。」とあります。特に医療人は他では得難い貴重な仕事や経験をたくさんしていますが、それを捨て去るか体験を生かすかで、成長を続けるか衰退するかが決まります。
個人的には第3章の最初の「苦労に苦労を重ねることによって磨かれ完成した人格は、その人の仕事にこもる。」という言葉が、特に心に響きました。「今日、成功を見るに至った企業には、坦々とした果てしない道のりがあり、人知れない、それこそ言うに言えない苦労がいっぱいあったと思う。」とあります。
本人がそれを苦労ととらえているかどうかは別として、沢山の努力、失敗、体験が見えないところにあり、その上に成功があることは、企業に限らず他の組織でも個人でも同様でしょう。成功を氷山の一角ととらえるか、氷山のすべてととらえるかで、成功するか、人格が磨かれるかが決まるような気がします。
「塾生諸君もみずからの人生をそういう考え方で歩まんといかんな。」とまとめています。医療人は臨床ではなかなか失敗することが許されない環境にあります。一方、臨床研究は最初から失敗することがわかっている研究は倫理的に問題がありますが、そうでなければ結果的に失敗することは許されると思います。
学会発表や論文執筆で多くの経験、失敗をすることは、貴重な学習と成長の機会であり、人格の研磨にも有用かもしれません。臨床で失敗できない分、研究で失敗を含めた経験を積むことをおすすめします。
目次
1章 学び方―みずからを鍛え、磨き、高める(体験を生かす人、捨て去る人
人を幸せにするリーダー
自分で自分を監督しているか
自修自得をしているか
実学の積み重ねが一瞬にして現われる
習うことも教えることもできないこと
素直な心で知恵を磨く
自分を叱り自分をほめているか
自我は一生つきまとう
先見性は必要か
肉眼と心眼)
2章 考え方―事の本質を知り、知恵を使いこなす(洞察力のある人になる
志を固めて、堅持する
世間から知恵を授かる
追いつめられて、いい知恵は出てくる
融通無碍になる
人間の性を認める
“清”を飲んでも“濁”は捨てる
人間を高め、知恵を高める
自分で辛酸をなめる
努力の総和が繁栄を産む
悲観と楽観
心に善意をもつ)
3章 働き方―人間の本質を知り、人間を大切にする(人格と仕事
ふわふわしていては何もできない
先立つものは信用
熱意と運命
一人一業
商品と広告宣伝
社会通念という義務
本業に専心する
それぞれにそれぞれの役割がある
“とどめ”を刺す
発展と衰退にある真理
会社という運命共同体
前進すべきか、撤退すべきか
ただ厳しいだけではいけない
“空気”でわかる)
4章 生き方―限りない希望、大いなる理想に燃える(青春とは心の若さである
天の要望に従う
時運に乗る人、乗れない人
困窮を知る尊さ
悩みに負けない
度胸のある生き方
私心を捨てる
運命を生かすのは自分
辛抱強く耐える力)
酸化ストレス、分子の炎症とサルコペニア

今日は、酸化ストレス、分子の炎症とサルコペニアの論文を紹介します。
Meng SJ, Yu LJ: Oxidative stress, molecular inflammation and sarcopenia. Int J Mol Sci. 2010 Apr 12;11(4):1509-26.
下記のHPで全文見ることができます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2871128/pdf/ijms-11-01509.pdf
一昨日の日本臨床栄養学会のサルコペニアと栄養のシンポジウムで、発表に引用されていた論文です。今まで私は臨床研究の論文ばかり紹介してきましたが、シンポジウムに参加して基礎研究、動物実験の論文も重要なものは読んだほうがよいと考え直しました。
参加ストレスと分子の炎症がサルコペニアに重要な役割を果たしていて、ミトコンドリアの機能不全につながっているようです。治療としては運動(レジスタンストレーニングと有酸素運動)、カロリー制限、栄養療法(ロイシンなど)が紹介されています。
サルコペニアの臨床の論文で、カロリー制限のことはほとんど見ませんが、動物実験レベルではカロリー制限でサルコペニアの改善や長寿が得られています。酸化ストレスが少なくなることが要因のようです。
現時点で臨床現場でカロリー制限をすすめる気にはなりませんが、腹八分くらいならすすめてもよいかと感じています。ただ、その結果、タンパク質の摂取量が少なくなっては逆効果なので、なかなか難しいところです。
Abstract
Sarcopenia is the decline of muscle mass and strength with age. Evidence suggests that oxidative stress and molecular inflammation play important roles in age-related muscle atrophy. The two factors may interfere with the balance between protein synthesis and breakdown, cause mitochondrial dysfunction, and induce apoptosis. The purpose of this review is to discuss some of the major signaling pathways that are activated or inactivated during the oxidative stress and molecular inflammation seen in aged skeletal muscle. Combined interventions that may be required to reverse sarcopenia, such as exercise, caloric restriction, and nutrition, will also be discussed.
2010年8月29日日曜日
日本臨床栄養学会参加
昨日、今日と日本臨床栄養学会に参加してきました。今回は自分の発表が昨日の朝一だったので、あとは聞くだけで気楽でした。今日はシンポジウム7:栄養とサルコペニアを聞きました。これは期待していた通りに、自分にはとても興味深い内容でした。
座長
葛谷 雅文 名古屋大学大学院医学系研究科 老年科学 准教授
大荷 満生 杏林大学医学部 高齢医学 准教授
1 Astaxanthin 摂取と筋萎縮抑制
杉浦 崇夫 山口大学 教育学 スポーツ健康科学 教授
2 加齢におけるアナボリックペプチド グレリンの意義とトランスレーショナルリサーチ
中里 雅光 宮崎大学医学部内科学講座 神経呼吸内分泌代謝学分野 教授
3 アミノ酸によるサルコペニアの改善
小林 久峰 味の素株式会社アミノサイエンス研究所 機能製品研究部 アミノ酸機能研究室 室長
4 ポリフェノールと身体機能
原水 聡史 花王株式会社 生物科学研究所
私なりの解釈なので間違っている点もあるかもしれませんが、要旨をまとめると、
・Astaxanthinとポリフェノール(茶カテキンとレスベラトロール)は動物実験レベルで、筋萎縮抑制効果があることまでわかっている。人での効果は不明。また、筋合成促進効果はない(乏しい)ため、臨床では運動との併用が必須。
・グレリンとアミノ酸(特にロイシン)は人での臨床研究も行われており、筋萎縮抑制効果だけでなく、筋合成促進効果があることまでわかっている。COPD患者にもグレリンは有用。ただし、運動やリハと併用したほうが筋合成促進効果はより高まる。
だと感じました。グレリンは発表を聞く限りとても期待できますが、まだ臨床で使用することは難しいのが現状です。実際の臨床場面ではアミノ酸(特にロイシン)と運動(レジスタンストレーニング)の併用が現実的と思いました。
一般演題でも「サルコペニア(骨格筋減少症)に対するリハビリテイション・栄養治療により自立度の改善をみた1症例」というリハ栄養的な発表がありました。BCAA1000mg含有ゼリーと蛋白質同化ホルモン(エナルモン25mgを最初は連日、徐々に減らして週1回)を使用していました。
サルコペニアに関しては自分なりにいろいろ学習しているつもりですが、今回初めて聞いたことも少なからずありました。このような素晴らしいシンポジウムを企画してくださった葛谷先生に深謝いたします。
一般演題の発表も少し聞きました。他の栄養関連学会より比較的しっかりした研究発表が多かったので、学会に好感を持ちました。聞くに堪えないレベルの発表も中にはありましたが、他の学会よりは割合が低いと感じました。来年は東京で開催されるそうなので、日程が合えば来年も参加したいと思います。
座長
葛谷 雅文 名古屋大学大学院医学系研究科 老年科学 准教授
大荷 満生 杏林大学医学部 高齢医学 准教授
1 Astaxanthin 摂取と筋萎縮抑制
杉浦 崇夫 山口大学 教育学 スポーツ健康科学 教授
2 加齢におけるアナボリックペプチド グレリンの意義とトランスレーショナルリサーチ
中里 雅光 宮崎大学医学部内科学講座 神経呼吸内分泌代謝学分野 教授
3 アミノ酸によるサルコペニアの改善
小林 久峰 味の素株式会社アミノサイエンス研究所 機能製品研究部 アミノ酸機能研究室 室長
4 ポリフェノールと身体機能
原水 聡史 花王株式会社 生物科学研究所
私なりの解釈なので間違っている点もあるかもしれませんが、要旨をまとめると、
・Astaxanthinとポリフェノール(茶カテキンとレスベラトロール)は動物実験レベルで、筋萎縮抑制効果があることまでわかっている。人での効果は不明。また、筋合成促進効果はない(乏しい)ため、臨床では運動との併用が必須。
・グレリンとアミノ酸(特にロイシン)は人での臨床研究も行われており、筋萎縮抑制効果だけでなく、筋合成促進効果があることまでわかっている。COPD患者にもグレリンは有用。ただし、運動やリハと併用したほうが筋合成促進効果はより高まる。
だと感じました。グレリンは発表を聞く限りとても期待できますが、まだ臨床で使用することは難しいのが現状です。実際の臨床場面ではアミノ酸(特にロイシン)と運動(レジスタンストレーニング)の併用が現実的と思いました。
一般演題でも「サルコペニア(骨格筋減少症)に対するリハビリテイション・栄養治療により自立度の改善をみた1症例」というリハ栄養的な発表がありました。BCAA1000mg含有ゼリーと蛋白質同化ホルモン(エナルモン25mgを最初は連日、徐々に減らして週1回)を使用していました。
サルコペニアに関しては自分なりにいろいろ学習しているつもりですが、今回初めて聞いたことも少なからずありました。このような素晴らしいシンポジウムを企画してくださった葛谷先生に深謝いたします。
一般演題の発表も少し聞きました。他の栄養関連学会より比較的しっかりした研究発表が多かったので、学会に好感を持ちました。聞くに堪えないレベルの発表も中にはありましたが、他の学会よりは割合が低いと感じました。来年は東京で開催されるそうなので、日程が合えば来年も参加したいと思います。
2010年8月28日土曜日
臨床リハ9月号
臨床リハ9月号を紹介します。来週の日本摂食・嚥下リハ学会に合わせて、9月号に嚥下の特集を組む雑誌が多いのかもしれませんね。
実践例に学ぶ摂食・嚥下リハのチームアプローチというテーマで特集が組まれています。 下記のHPで内容の一部を見ることができます。
http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/cr/CRBookDetail.aspx?BC=081909
オーバービュー 植田耕一郎
摂食・嚥下リハのチームアプローチ 私たちの工夫①
病院内の症例の病態と環境に応じたチームアプローチ 藤谷順子
私たちの工夫②
回復期リハビリテーション病棟における摂食・嚥下リハビリテーション 椎名英貴
私たちの工夫③
早期経口摂取実現とQOL向上への多職種協働によるチームアプローチ 小山珠美
私たちの工夫④
摂食・嚥下障害に対するアプローチ 吉野真理子
地域医療における摂食・嚥下のチームアプローチ
金沢・在宅NST研究会「経口摂取相談会」の取り組み 小川滋彦,綿谷修一,河崎寛孝
どれも参考になる内容ですが、特に小山さんの論文は読む価値が高いです。リハ医向けの雑誌ですが、興味のある方はご一読ください。
実践例に学ぶ摂食・嚥下リハのチームアプローチというテーマで特集が組まれています。 下記のHPで内容の一部を見ることができます。
http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/cr/CRBookDetail.aspx?BC=081909
オーバービュー 植田耕一郎
摂食・嚥下リハのチームアプローチ 私たちの工夫①
病院内の症例の病態と環境に応じたチームアプローチ 藤谷順子
私たちの工夫②
回復期リハビリテーション病棟における摂食・嚥下リハビリテーション 椎名英貴
私たちの工夫③
早期経口摂取実現とQOL向上への多職種協働によるチームアプローチ 小山珠美
私たちの工夫④
摂食・嚥下障害に対するアプローチ 吉野真理子
地域医療における摂食・嚥下のチームアプローチ
金沢・在宅NST研究会「経口摂取相談会」の取り組み 小川滋彦,綿谷修一,河崎寛孝
どれも参考になる内容ですが、特に小山さんの論文は読む価値が高いです。リハ医向けの雑誌ですが、興味のある方はご一読ください。
2010年8月27日金曜日
医療MBA育成
医療MBA育成の記事がじほうに出ていましたので、引用します。
http://www.jiho.co.jp/
兵庫県立大大学院が医療MBA育成始動
兵庫県立大は今年度から経営研究科(経営専門職大学院)を開設したが、そ
こに医療マネジメントコースを設置した。将来の病院運営管理者を育成し、MB
A的な資格を付与する。対象は主に医療職を経験した社会人だ。
4月の入学者は12人。昨年7月から募集を開始、10月と今年3月に選抜試験を
行ったが、応募者は全体で29人に上った。合格したのは、医師3人、看護師4人、
薬剤師1人、臨床工学技士2人、事務職2人。応募は臨床工学技士が目立った。
同コースの専属教員は、医療福祉学の第一人者の小山秀夫氏をリーダーに16人。
医師は心臓血管外科専門医で兵庫県の健康福祉部長や県立病院事業管理者を務
めてきた後藤武氏と、前姫路循環器病センター院長の志田力氏が特任教授とし
て参加している。後藤氏は同コース設置のプランナーでもある。
兵庫県立大は2004年に、兵庫県立の3大学、姫路工業大、兵庫県立看護大、
神戸商科大が統合されて誕生した。単科の商科大として知名度の高かった神戸
商科大が実質的な前身。商科学の経験を踏まえながら、実学重視で公的・民間
の垣根なしで病院経営のプロを育てる。また、この医療マネジメントコースは、
病院実務経験者が実務経験のある人材を対象にしていくことから、欧米型をテ
キストにしたものではなく「日本型の医療経営MBA」育成のカリキュラム開発
の同時進行にも期待が集まる。
MBAコースの年限は2年。取得必要単位数は36単位で、土曜日のみの開講で実
質的には1年半で終えるスケジュールだが、単位取得期間は3年間と社会人に配
慮した。単位取得者は「ヘルスケア・マネジメント修士(専門職)」の学位が
与えられる。
以上、引用です。「日本型の医療経営MBA」の成果を期待したいですね。ちなみに英国国立ウエールズ大学でも医師向けのMBAコースがあります。日本語です。
http://www.athuman.com/mba/
親しいところでは、東葛クリニック病院の秋山和宏先生は多摩大学のMBAです。
http://tgs.tama.ac.jp/modules/mba/index.php?content_id=1
私はもちろんMBAではありませんが、マネジメント能力が職種に関わらずすべての医療人に重要であることは認識しています。体系的に学習したい場合には、大学院で学ぶのも選択肢の1つかと思います。私は今のところ独学ですが…。
http://www.jiho.co.jp/
兵庫県立大大学院が医療MBA育成始動
兵庫県立大は今年度から経営研究科(経営専門職大学院)を開設したが、そ
こに医療マネジメントコースを設置した。将来の病院運営管理者を育成し、MB
A的な資格を付与する。対象は主に医療職を経験した社会人だ。
4月の入学者は12人。昨年7月から募集を開始、10月と今年3月に選抜試験を
行ったが、応募者は全体で29人に上った。合格したのは、医師3人、看護師4人、
薬剤師1人、臨床工学技士2人、事務職2人。応募は臨床工学技士が目立った。
同コースの専属教員は、医療福祉学の第一人者の小山秀夫氏をリーダーに16人。
医師は心臓血管外科専門医で兵庫県の健康福祉部長や県立病院事業管理者を務
めてきた後藤武氏と、前姫路循環器病センター院長の志田力氏が特任教授とし
て参加している。後藤氏は同コース設置のプランナーでもある。
兵庫県立大は2004年に、兵庫県立の3大学、姫路工業大、兵庫県立看護大、
神戸商科大が統合されて誕生した。単科の商科大として知名度の高かった神戸
商科大が実質的な前身。商科学の経験を踏まえながら、実学重視で公的・民間
の垣根なしで病院経営のプロを育てる。また、この医療マネジメントコースは、
病院実務経験者が実務経験のある人材を対象にしていくことから、欧米型をテ
キストにしたものではなく「日本型の医療経営MBA」育成のカリキュラム開発
の同時進行にも期待が集まる。
MBAコースの年限は2年。取得必要単位数は36単位で、土曜日のみの開講で実
質的には1年半で終えるスケジュールだが、単位取得期間は3年間と社会人に配
慮した。単位取得者は「ヘルスケア・マネジメント修士(専門職)」の学位が
与えられる。
以上、引用です。「日本型の医療経営MBA」の成果を期待したいですね。ちなみに英国国立ウエールズ大学でも医師向けのMBAコースがあります。日本語です。
http://www.athuman.com/mba/
親しいところでは、東葛クリニック病院の秋山和宏先生は多摩大学のMBAです。
http://tgs.tama.ac.jp/modules/mba/index.php?content_id=1
私はもちろんMBAではありませんが、マネジメント能力が職種に関わらずすべての医療人に重要であることは認識しています。体系的に学習したい場合には、大学院で学ぶのも選択肢の1つかと思います。私は今のところ独学ですが…。
2010年8月26日木曜日
利益相反とは
今日は、利益相反(Conflict of Interest:COI)について紹介します。厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針(平成20年3月31日科発第0331001号厚生科学課長決定)からの引用が主です。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/rieki/txt/sisin.txt
この指針では以下のように定義されています。「COIとは、具体的には、外部との経済的な利益関係等によって、公的研究で必要とされる公正かつ適正な判断が損なわれる、又は損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態をいう。公正かつ適正な判断が妨げられた状態としては、データの改ざん、特定企業の優遇、研究を中止すべきであるのに継続する等の状態が考えられる。」
データの改ざんは問題外ですが、特定企業の優遇に関しては特に製薬企業とのつながりが問題となりやすいと感じています。企業との共同研究や技術移転といった産学連携活動は適正に推進されるべきですが、製薬企業に飲み込まれるような連携は適切とは言い難いです。
「米国における検討においても、特定のCOIそのものが問題であることはまれであり、問題はむしろCOIへの対応であって、ほとんどの場合、COIが明らかにされないか、評価又は管理されない場合に問題が発生しているとされている。米国の有力大学においてもCOIへの対応は様々であり、比較的厳しい対応を取っている大学においても、関係する企業等から年間1万ドルを超える収入等がある場合には、関係する臨床研究への参加を原則禁止している(以下、省略)」とあります。
そのため、当院では臨床研究を開始する前の倫理審査委員会にかける段階で、「臨床研究に係る利益相反自己申告書」を提出することになっています。どこの施設も同様だと思いますが。下記の項目に関して、有無を申請し、ある場合にはその詳細を記載して申請することになっています。
・同一の企業・団体からの機関収入(※1)が過去3年間でひとつの企業から単年度で200万円以上ありますか?
(※1)奨学寄附金の受入れ、共同研究、受託研究、権利譲渡、技術研修、委員等の委嘱、客員研究員やポストドクトラルフェローの受入れ、機器の提供 等
・同一の企業・団体からの個人収入(※2)が過去3年間でひとつの企業から単年度で100万円以上ありますか?
(※2)診療報酬は除く。兼業または役員兼業(ただし、兼業先が国、地方行政法人、学校及び病院等を除く)、謝金等
・産学連携活動の相手先のエクイティ(※3)保有の有無
(※3)申告時に保有している上記研究課題に関連する企業の株式、新株予約権等をいいます。
・企業・団体からの無償の役務提供及び機材提供の有無
・上記1.2.3の関係が、申請者と生計を一にする配偶者及び一親等の者(両親及び子ども)に生じているかどうか
自分の臨床研究ではこれらはすべてなしとなりますが、いずれかがありとなる方も少なくないと思います。この場合、倫理審査委員会を通すときだけ明らかにするのではなく、必要な時にはいつでも明らかできるようにしておくほうが望ましいと私は考えています。明らかにしたくないような疾しい関係は、持つべきではありません。
指針には、原則として下記の項目が記載されています。
「・研究をバイアスから保護すること。
・ヒトを対象とした研究においては被験者が不当な不利益を被らないようにすること。
・外部委員をCOI委員会等に参加させる等、外部の意見を取り入れるシステムを取り入れること。
・法律問題ではなく、社会的規範による問題提起となることに留意し、個人情報の保護を図りつつ、透明性の確保を管理の基本とすること。
・研究者はCOIの管理に協力する責任があり、所属機関はCOIの管理責任と説明責任があることを認識し、管理を行うこと。
・客観性、公平性を損なうという印象を社会に与えることがないように管理を行うこと。」
研究倫理は年々厳しくなっている印象がしますが、よい臨床研究を行うためには、当然と言えば当然です。こういったことも十分理解したうえで、臨床研究に取り組みたいものです。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/rieki/txt/sisin.txt
この指針では以下のように定義されています。「COIとは、具体的には、外部との経済的な利益関係等によって、公的研究で必要とされる公正かつ適正な判断が損なわれる、又は損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態をいう。公正かつ適正な判断が妨げられた状態としては、データの改ざん、特定企業の優遇、研究を中止すべきであるのに継続する等の状態が考えられる。」
データの改ざんは問題外ですが、特定企業の優遇に関しては特に製薬企業とのつながりが問題となりやすいと感じています。企業との共同研究や技術移転といった産学連携活動は適正に推進されるべきですが、製薬企業に飲み込まれるような連携は適切とは言い難いです。
「米国における検討においても、特定のCOIそのものが問題であることはまれであり、問題はむしろCOIへの対応であって、ほとんどの場合、COIが明らかにされないか、評価又は管理されない場合に問題が発生しているとされている。米国の有力大学においてもCOIへの対応は様々であり、比較的厳しい対応を取っている大学においても、関係する企業等から年間1万ドルを超える収入等がある場合には、関係する臨床研究への参加を原則禁止している(以下、省略)」とあります。
そのため、当院では臨床研究を開始する前の倫理審査委員会にかける段階で、「臨床研究に係る利益相反自己申告書」を提出することになっています。どこの施設も同様だと思いますが。下記の項目に関して、有無を申請し、ある場合にはその詳細を記載して申請することになっています。
・同一の企業・団体からの機関収入(※1)が過去3年間でひとつの企業から単年度で200万円以上ありますか?
(※1)奨学寄附金の受入れ、共同研究、受託研究、権利譲渡、技術研修、委員等の委嘱、客員研究員やポストドクトラルフェローの受入れ、機器の提供 等
・同一の企業・団体からの個人収入(※2)が過去3年間でひとつの企業から単年度で100万円以上ありますか?
(※2)診療報酬は除く。兼業または役員兼業(ただし、兼業先が国、地方行政法人、学校及び病院等を除く)、謝金等
・産学連携活動の相手先のエクイティ(※3)保有の有無
(※3)申告時に保有している上記研究課題に関連する企業の株式、新株予約権等をいいます。
・企業・団体からの無償の役務提供及び機材提供の有無
・上記1.2.3の関係が、申請者と生計を一にする配偶者及び一親等の者(両親及び子ども)に生じているかどうか
自分の臨床研究ではこれらはすべてなしとなりますが、いずれかがありとなる方も少なくないと思います。この場合、倫理審査委員会を通すときだけ明らかにするのではなく、必要な時にはいつでも明らかできるようにしておくほうが望ましいと私は考えています。明らかにしたくないような疾しい関係は、持つべきではありません。
指針には、原則として下記の項目が記載されています。
「・研究をバイアスから保護すること。
・ヒトを対象とした研究においては被験者が不当な不利益を被らないようにすること。
・外部委員をCOI委員会等に参加させる等、外部の意見を取り入れるシステムを取り入れること。
・法律問題ではなく、社会的規範による問題提起となることに留意し、個人情報の保護を図りつつ、透明性の確保を管理の基本とすること。
・研究者はCOIの管理に協力する責任があり、所属機関はCOIの管理責任と説明責任があることを認識し、管理を行うこと。
・客観性、公平性を損なうという印象を社会に与えることがないように管理を行うこと。」
研究倫理は年々厳しくなっている印象がしますが、よい臨床研究を行うためには、当然と言えば当然です。こういったことも十分理解したうえで、臨床研究に取り組みたいものです。
登録:
投稿 (Atom)