2014年6月11日水曜日

EAT-10の日本語版作成と信頼性・妥当性の検証

EAT-10の日本語版作成と信頼性・妥当性の検証の論文が、雑誌「静脈経腸栄養」に掲載されました。 

若林秀隆、栢下淳:摂食嚥下障害スクリーニング質問紙票EAT-10の日本語版作成と信頼性・妥当性の検証.静脈経腸栄養29(3): 871-876, 2014

EAT-10日本語版は、以下のHPからダウンロード可能です。

www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/kaigo/pdf/eat-10.pdf

日本語訳がこなれていないのは順翻訳、逆翻訳などを繰り返した結果です…。信頼性・妥当性を検証しましたので、臨床だけでなく臨床研究でもEAT-10の使用が可能だと考えます。老嚥から軽度の嚥下障害のスクリーニングに活用していただければと思います。

抄録
【目的】摂食嚥下障害スクリーニング質問紙票であるEAT-10の日本語版を作成し、信頼性・妥当性を検証する。
【対象及び方法】EAT-10英語版の順翻訳、逆翻訳、英語原版と逆翻訳の整合性の検討を行い、EAT-10日本語版を作成した。次に摂食嚥下障害もしくは摂食嚥下障害疑いの要介護高齢者393人を対象にEAT-10日本語版を実施した。信頼性を内的整合性であるクロンバッハのα係数で、妥当性を臨床的重症度分類とスペアマンの順位相関係数でそれぞれ検討した。
【結果】EAT-10日本語版を実施できたのは237人(60%)であった。クロンバッハのα係数は0.946であった。EAT-10を実施できない場合、摂食嚥下障害と誤嚥を有意に多く認めた。EAT-10と臨床的重症度分類に有意な負の相関(r=-0.530、p=0.001)を認めた。EAT-10で3点以上の場合、誤嚥の感度0.758、特異度0.749であった。
【結論】EAT-10日本語版の信頼性・妥当性が検証された。EAT-10日本語版は、摂食嚥下障害スクリーニングに有用な質問紙票である。

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