対馬栄輝著、医療系研究論文の読み方・まとめ方―論文のPECOから正しい統計的判断まで、東京図書を紹介します。
http://www.tokyo-tosho.co.jp/kikan/01/index.html
タイトルの通り、この書籍は臨床研究を行うためではなく、原著論文をきちんと読めるようになるための知識がコンパクトに詰まっています。原著論文をあまり読む機会のない初心者から初級者向けの比較的わかりやすい書籍だと思います。抄読会で定期的に論文を読んで内容をディスカッションしている方であれば、新しい発見は少ないかもしれません。
著者がPTですので、特にPT、OTにはとっつきやすい書籍だと感じました。統計的判断をわかりやすく学べる書籍はなかなかありませんが、統計的判断の基本から学習したい方には、一読の価値があると思います。
目次
序 言
第1章 論文のPECOを読む
§1.1 研究論文とは
§1.2 論文の構成をどうするか
§1.3 論文を読める基準とは
§1.4 論文を読んでみる
§1.5 「論文を読んでも問題解決できない」ときには
§1.6 論文のPECOを把握する
1 P:Patient(患者[対象])とは
2 E:Exposure(暴露,介入)とは
3 C:Comparisonとは
4 O:Outcomeとは
5 注意点
§1.7 PECOによる要約を,くり返す
§1.8 PECOの実践例
1 論文の検索
2 論文が見つかったら
3 PECOの実践
§1.9 PECOの要約を練習してみる
§1.10 第1章のまとめ
第2章 研究デザインを読む
§2.1 研究デザインとは
§2.2 研究デザインの分類と解説
1 時間要因による分類
2 割り付けによる分類
3 介入による分類
4 エビデンスレベルによる分類
§2.3 各研究デザインの利点と欠点
1 前向き研究(主にコホート研究)
2 後ろ向き研究(主にケースコントロール研究)
3 横断研究
§2.4 研究デザインの分類を整理する
§2.5 第2章のまとめ
第3章 対象と選択バイアスを読む
§3.1 対象とは
§3.2 対象の何を読むか
§3.3 標本と母集団の関係(サンプリング)
§3.4 平均と標準偏差の意味
§3.5 バイアスとは
§3.6 選択バイアスの代表的な例
1 罹患率バイアス
2 入院バイアス
3 非協力者バイアス・積極協力者バイアス
4 会員バイアス
5 選択バイアスの扱い方
§3.7 選択バイアスを見つける
1 組み入れ手順のチェックポイント
2 調査対象集団と標本(対象)の把握とギャップの評価
3 割り付け方法の評価(実験的研究の場合)
§3.8 第3章のまとめ
第4章 データ測定にまつわるバイアス
§4.1 バイアスの3つの種類
§4.2 情報バイアスとは
§4.3 交絡とは
§4.4 割り付けのランダム化とブラインディング
1 割り付けのランダム化
2 ブラインディング
§4.5 論文の「方法」を読む
1 情報バイアスを見つける
2 情報バイアスに対処しているか
3 交絡を見つける
§4.6 第4章のまとめ
第5章 統計的解析を読むための基礎知識
§5.1 統計的解析を読むまえに
§5.2 投稿規定(統計的解析に関する事項)を読む
§5.3 データの指標:代表値
平均と中央値の使い分け / 正規分布とは / 平均とSDが使える場合
§5.4 データの尺度
§5.5 統計的検定の原理
統計的検定とは / 統計的検定の実際例
1 A群の平均とB群の平均に差はない(帰無仮説)とは?
2 帰無仮説と合致するか調べる(対立仮説の採択)
3 合致する確率(検定で求まる確率p)とは?
§5.6 第I種の誤りと第II種の誤り
§5.7 信頼区間
標本平均と母平均
§5.8 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定
1 パラメトリック検定
2 ノンパラメトリック検定
3 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の使い分け
§5.9 第5章のまとめ
第6章 統計的解析を読む 【差の検定編】
§6.1 差の検定とは
2標本の差 / 対応のある標本
§6.2 差の検定を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報 / p値の判断が重要
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
95%信頼区間の解釈 / 信頼区間とp値の関係 / 差の程度の判断のしかた
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
統計的検定の問題点 / 差の程度とp値の関係 / p値に影響する3つの要因
9 効果量
効果量の特徴 / 効果量の使い方
10 交絡
11 ソフトウェア
§6.3 第6章のまとめ
第7章 統計的解析を読む 【分散分析編】
§7.1 分散分析とは
3標本以上の差の検定
1 1元配置分散分析
3標本以上の差の検定
2 反復測定による(1要因の)分散分析
対応のある3変数以上の差の検定
3 2元配置分散分析
3標本以上の2要因の差の検定 / 要因と交互作用の4ケース
4 反復測定による(2要因の)分散分析
5 分割プロットデザインによる分散分析
6 多重比較法
3標本,3変数以上の差の検定
§7.2 分散分析を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
10 交絡
11 ソフトウェア
§7.3 第7章のまとめ
第8章 統計的解析を読む 【相関編】
§8.1 相関と回帰の違い
1 相関係数
2種類の相関係数
2 偏相関係数
3 回帰
4 重回帰分析
§8.2 相関を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
相関係数解釈の注意点
10 交絡
11 ソフトウェア
§8.3 第8章のまとめ
第9章 統計的解析を読む 【回帰分析編】
§9.1 回帰分析とは
1 単回帰分析
2 重回帰分析
単回帰式の場合 / 単回帰式の成分が共通する場合 / 重回帰分析の欠点 / 有効な変数を選択する
§9.2 回帰分析を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報 / 情報解読のポイント
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
10 交絡
11 ソフトウェア
§9.3 第9章のまとめ
第10章 統計的解析を読む 【分割表の検定(χ2検定)編】
§10.1 分割表の検定とは
χ2検定とは
1 χ2独立性の検定・適合度検定
2 フィッシャーの正確確率検定・イェーツの補正
3 連関係数
相関係数との類比
4 リスク比・オッズ比
リスク比・オッズ比の使い分け
5 感度・特異度
6 ROC曲線
ROC曲線の読み方
§10.2 分割表の検定を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報 / 情報解読のポイント / 調整済み標準化残差の読み方
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
10 交絡
11 ソフトウェア
§10.3 第10章のまとめ
第11章 統計的解析を読む 【多重ロジスティック回帰分析編】
§11.1 多重ロジスティック回帰分析とは
1 多重ロジスティック回帰分析の特徴
重回帰分析との違い / 多重ロジスティック回帰分析の利点
2 独立変数の選択法
3 解析上の注意点
§11.2 多重ロジスティック回帰分析を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報 / 情報解読のポイント / オッズ比の読み方(1) / オッズ比の読み方(2) / 予測判定スコアの求め方
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
10 交絡
11 ソフトウェア
§11.3 第11章のまとめ
第12章 統計的解析を読む 【主成分分析・因子分析編】
§12.1 主成分分析・因子分析とは
1 主成分分析
解析の目的(例)/ 主成分分析の手順 / 寄与率と累積寄与率
2 因子分析
因子分析の手順
§12.2 主成分分析・因子分析を読む
1 解析の目的
2 検定手法
3 記述統計値,情報
必要な情報 / 情報解読のポイント/ 因子負荷量の推定方法 / 因子の回転方法 /
回転方法の使い分け / 因子負荷量解釈のポイント
4 グラフ,表
5 欠損値,脱落例,外れ値の扱い
6 信頼区間の提示
7 β,検出力の問題
8 サンプルサイズ
9 効果量
10 交絡
11 ソフトウェア
§12.3 第12章のまとめ
第13章 研究論文を読む
§13.1 論文をPECOに要約
§13.2 研究デザインの判断
§13.3 バイアスの予想
§13.4 標本抽出・対象の評価
§13.5 割り付けの評価(実験的研究の場合)
§13.6 介入(実験的研究の場合)
§13.7 評価・測定の検討
5W1Hの確認
§13.8 データ解析
データ解析の確認事項 / 交絡のチェック
§13.9 考察:解釈と外挿
考察の記載事項 / 論文を正しく読むために
§13.10 第13章のまとめ
2011年1月31日月曜日
2011年1月30日日曜日
リフレクティブ・マネジャー
中原淳、金井壽宏著:リフレクティブ・マネジャー-一流はつねに内省する、光文社新書を紹介します。
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334035280
サブタイトルは「一流は、ここぞという大事な場面ではつねに内省したうえで、アクションをとれる」という意味合いとのことです。
プライマリ・ケア連合学会では、reflective practitioner(内省的実践家)や経験学習モデルの重要性を学会誌などで伝えていますので、これらを普段から意識して学習している方には、目新しいところは多くないかもしれません。一方、これらをきちんと学習したことがない場合には、学ぶところが多い書籍だと思いますのでおすすめです。
私はこの書籍を読んで、自分自身の内省を行い、次のアクションのきっかけを作ることができました。その気になればアクションはすぐに起こせるものだと感じました。でも内省のない行動や、行動のない内省にはならないように気をつけないといけません。経験学習モデルのサイクルをきちんと回すことが大切です。
自分の講演では最近、経験学習モデルについて話すことはしなくなりました。今後は参加者の内省のきっかけ作りをよりできるような講演にしようと思います。
ラーニングバーの取り組みは、今回初めて知りました。
Learning bar@Todai
http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html
詳細は上記HPを参照していただくとして、ラーニングバーは
①聞く
②考える
③対話する
④気づく
⑤バーの外で語る
場とのことです。これはなかなかいいなあと感じました。今後、何らかの形でリハ栄養を学習・研究する場・コミュニティを作らなければいけないと考えています。その際、従来の学会のようなかたい組織ではなく、ラーニングバーに近いような場にしてもよいかもと思いました。
目次
はじめに(金井)
第1章 「上司拒否。」と言う前に
第2章 内省するマネジャー――持論を持つ・持論を棄てる
第3章 働く大人の学び――導管から対話へ
第4章 企業は「学び」をどう支えるのか
第5章 企業「外」人材育成
あとがきという名のリフレクション(中原)
やや長めでおせっかいなあとがき(金井)
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334035280
サブタイトルは「一流は、ここぞという大事な場面ではつねに内省したうえで、アクションをとれる」という意味合いとのことです。
プライマリ・ケア連合学会では、reflective practitioner(内省的実践家)や経験学習モデルの重要性を学会誌などで伝えていますので、これらを普段から意識して学習している方には、目新しいところは多くないかもしれません。一方、これらをきちんと学習したことがない場合には、学ぶところが多い書籍だと思いますのでおすすめです。
私はこの書籍を読んで、自分自身の内省を行い、次のアクションのきっかけを作ることができました。その気になればアクションはすぐに起こせるものだと感じました。でも内省のない行動や、行動のない内省にはならないように気をつけないといけません。経験学習モデルのサイクルをきちんと回すことが大切です。
自分の講演では最近、経験学習モデルについて話すことはしなくなりました。今後は参加者の内省のきっかけ作りをよりできるような講演にしようと思います。
ラーニングバーの取り組みは、今回初めて知りました。
Learning bar@Todai
http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html
詳細は上記HPを参照していただくとして、ラーニングバーは
①聞く
②考える
③対話する
④気づく
⑤バーの外で語る
場とのことです。これはなかなかいいなあと感じました。今後、何らかの形でリハ栄養を学習・研究する場・コミュニティを作らなければいけないと考えています。その際、従来の学会のようなかたい組織ではなく、ラーニングバーに近いような場にしてもよいかもと思いました。
目次
はじめに(金井)
第1章 「上司拒否。」と言う前に
第2章 内省するマネジャー――持論を持つ・持論を棄てる
第3章 働く大人の学び――導管から対話へ
第4章 企業は「学び」をどう支えるのか
第5章 企業「外」人材育成
あとがきという名のリフレクション(中原)
やや長めでおせっかいなあとがき(金井)
雑誌Skeletal Muscle
Skeletal Muscleという雑誌が創刊されました。オンラインで無料で全文見ることができるのが嬉しいです。Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscleもそうですが、無料で最新の論文を読むことができるのはありがたいことです。その分、しっかり学習しなければいけない気もしますが…。
http://www.skeletalmusclejournal.com/
臨床医学の雑誌というよりも、骨格筋の分子生物学に関する雑誌です。リハ栄養・サルコペニアの臨床に直結する論文は少ないかもしれませんが、興味深いと私が思う論文があれば紹介していきたいと思います。
今回の中では、Treating cancer cachexia to treat cancerが最も興味深いです。下記HPで全文見れます。
http://www.skeletalmusclejournal.com/content/pdf/2044-5040-1-2.pdf
抄録だけ掲載しておきます。
Abstract
Skeletal muscle wasting is a major component of cachectic states found in a variety of disease settings, including cancer. As increasing caloric intake often provides little benefit in combating muscle loss in cachectic patients, a major research focus has been to develop strategies stimulating muscle anabolic pathways – in an attempt to fight the catabolic pathways induced during cachexia. Two recent papers have reported the beneficial effects of blocking the myostatin/activin signalling pathway in mouse models of cancer cachexia. We discuss the implications of their findings both with respect to the role that this signalling pathway may play in the aetiology of cachexia and with respect to the prospects for targeting this pathway as a therapeutic strategy in patients with cachexia.
第1号内容
Review
Regulation of skeletal muscle growth by the IGF1-Akt/PKB pathway: insights from genetic models
Stefano Schiaffino, Cristina Mammucari
Skeletal Muscle 2011, 1:4 (24 January 2011)
Research
Muscle atrophy induced by SOD1G93A expression does not involve the activation of caspase in the absence of denervation
Gabriella Dobrowolny, Michela Aucello, Antonio Musaro
Skeletal Muscle 2011, 1:3 (24 January 2011)
Commentary
Treating cancer cachexia to treat cancer
Se-Jin Lee, David J Glass
Skeletal Muscle 2011, 1:2 (24 January 2011)
Editorial
Welcome to Skeletal Muscle
David J Glass, Kevin P Campbell, Michael A Rudnicki
Skeletal Muscle 2011, 1:1 (24 January 2011)
http://www.skeletalmusclejournal.com/
臨床医学の雑誌というよりも、骨格筋の分子生物学に関する雑誌です。リハ栄養・サルコペニアの臨床に直結する論文は少ないかもしれませんが、興味深いと私が思う論文があれば紹介していきたいと思います。
今回の中では、Treating cancer cachexia to treat cancerが最も興味深いです。下記HPで全文見れます。
http://www.skeletalmusclejournal.com/content/pdf/2044-5040-1-2.pdf
抄録だけ掲載しておきます。
Abstract
Skeletal muscle wasting is a major component of cachectic states found in a variety of disease settings, including cancer. As increasing caloric intake often provides little benefit in combating muscle loss in cachectic patients, a major research focus has been to develop strategies stimulating muscle anabolic pathways – in an attempt to fight the catabolic pathways induced during cachexia. Two recent papers have reported the beneficial effects of blocking the myostatin/activin signalling pathway in mouse models of cancer cachexia. We discuss the implications of their findings both with respect to the role that this signalling pathway may play in the aetiology of cachexia and with respect to the prospects for targeting this pathway as a therapeutic strategy in patients with cachexia.
第1号内容
Review
Regulation of skeletal muscle growth by the IGF1-Akt/PKB pathway: insights from genetic models
Stefano Schiaffino, Cristina Mammucari
Skeletal Muscle 2011, 1:4 (24 January 2011)
Research
Muscle atrophy induced by SOD1G93A expression does not involve the activation of caspase in the absence of denervation
Gabriella Dobrowolny, Michela Aucello, Antonio Musaro
Skeletal Muscle 2011, 1:3 (24 January 2011)
Commentary
Treating cancer cachexia to treat cancer
Se-Jin Lee, David J Glass
Skeletal Muscle 2011, 1:2 (24 January 2011)
Editorial
Welcome to Skeletal Muscle
David J Glass, Kevin P Campbell, Michael A Rudnicki
Skeletal Muscle 2011, 1:1 (24 January 2011)
2011年1月27日木曜日
6th CACHEXIA CONFERENCE
6th CACHEXIA CONFERENCE(第6回悪液質学術集会)が12月5-7日に神戸で開催されます。月曜から水曜に開催されるところが国際学会らしい気がします。3日間の国内学会なら通常は木曜から土曜に開催されますよね。
http://www.lms-events.com/19/Flyer_Kobe.pdf
以下、上記HPのポスターからの引用です。
Abstract submissions are welcome
> Online submission open from May 1, 2011
> Deadline September 5, 2011
> Poster presentation
> Poster awards
> Young investigator awards
> Chairmen:
Akio Inui, Kagoshima, Japan
Stefan D. Anker, Berlin, Germany
William J. Evans, Research Triangle Park, NC, USA
John E. Morley, St. Louis, MO, USA
> Organization:
Society on Sarcopenia, Cachexia
and Wasting Disorders (SCWD)
TOPICS:
CACHEXIA IN MANY ILLNESSES
• Cancer
• Chronic heart failure
• Chronic kidney disease
• COPD
• Liver cirrhosis
• Infections: AIDS and Sepsis
CACHEXIA AND SARCOPENIA
• Pathophysiology and Biochemistry of Cachexia
• Regulation of food intake
• Proteolysis and muscle wasting
• Lipolytic pathways
• Apoptosis and antophagy
• Neurohormonal activation
• Symptom generation (anorexia, fatigue, shortness of breath)
THERAPIES
• SARMs and other anabolics
• Nutrition and essential aminoacids
• Proteasome inhibitors
• Appetite stimulants
• Anti-catabolic therapies
• Anti-infl ammatory therapies
• Exercise
• Myostatin-targeting therapies
• Late-breaking trial results
• Late-breaking science
CONSENSUS DEVELOPMENT AND DEBATES
• Cachexia defi nition consensus
• Designing clinical trials in cachexia: endpoints
• Nutrition versus drugs
私には興味深い内容だらけですので、フル参加して何らかの発表もできればと考えています。日本で開催されることはめったにないと思いますので、月曜から水曜ではありますが、興味のある方はぜひご参加ください。
http://www.lms-events.com/19/Flyer_Kobe.pdf
以下、上記HPのポスターからの引用です。
Abstract submissions are welcome
> Online submission open from May 1, 2011
> Deadline September 5, 2011
> Poster presentation
> Poster awards
> Young investigator awards
> Chairmen:
Akio Inui, Kagoshima, Japan
Stefan D. Anker, Berlin, Germany
William J. Evans, Research Triangle Park, NC, USA
John E. Morley, St. Louis, MO, USA
> Organization:
Society on Sarcopenia, Cachexia
and Wasting Disorders (SCWD)
TOPICS:
CACHEXIA IN MANY ILLNESSES
• Cancer
• Chronic heart failure
• Chronic kidney disease
• COPD
• Liver cirrhosis
• Infections: AIDS and Sepsis
CACHEXIA AND SARCOPENIA
• Pathophysiology and Biochemistry of Cachexia
• Regulation of food intake
• Proteolysis and muscle wasting
• Lipolytic pathways
• Apoptosis and antophagy
• Neurohormonal activation
• Symptom generation (anorexia, fatigue, shortness of breath)
THERAPIES
• SARMs and other anabolics
• Nutrition and essential aminoacids
• Proteasome inhibitors
• Appetite stimulants
• Anti-catabolic therapies
• Anti-infl ammatory therapies
• Exercise
• Myostatin-targeting therapies
• Late-breaking trial results
• Late-breaking science
CONSENSUS DEVELOPMENT AND DEBATES
• Cachexia defi nition consensus
• Designing clinical trials in cachexia: endpoints
• Nutrition versus drugs
私には興味深い内容だらけですので、フル参加して何らかの発表もできればと考えています。日本で開催されることはめったにないと思いますので、月曜から水曜ではありますが、興味のある方はぜひご参加ください。
リハ栄養の定義変更案
リハ栄養の定義の変更案を考えてみました。ブログのトップはすでに変更してしまいましたが…。
「リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行ったうえで、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことです。」
ご意見等ありましたらいただけるとありがたいです。よろしくお願い申し上げます。
「リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行ったうえで、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことです。」
ご意見等ありましたらいただけるとありがたいです。よろしくお願い申し上げます。
2011年1月26日水曜日
冠動脈バイパス術後患者における術前心臓悪液質は再入院と関係する
雑誌「心臓リハビリテーション」に、冠動脈バイパス術後患者における術前心臓悪液質は再入院と関係するという論文が掲載されています。
飯田有輝ほか:冠動脈バイパス術後患者における術前心臓悪液質は再入院と関係する.心臓リハビリテーション15(2)254-260, 2010.
心臓悪液質の患者の多くは栄養状態や心機能が悪いので、再入院と強く関連することは当然といえば当然かもしれません。ただ、心臓悪液質のエビデンスは現状では少ないので、エビデンスをきちんと作ることは素晴らしいと思います。
この研究では、心臓悪液質は「意図したものではない、あるいは浮腫の軽減によるものではない体重減少が、過去6ヵ月で6%以上生じたもの」とされています。心臓に限らず悪液質の定義としては、体重減少だけでは不十分かと思います。CRP陽性などの検査値異常や食思不振も含めた定義のほうがなおよいと感じました。
推測ですが、心臓以外が原因の悪液質を術前から認める場合、冠動脈バイパス術以外の手術でも再入院と関係するかもしれません。術前に悪液質・前悪液質の有無を診断して、悪液質の場合には栄養・運動・薬物など多方面から介入することが、再入院の予防に大切だと思います。
抄録
【目的】心臓悪液質は、心機能低下例に高率に合併し予後を悪化させる危険因子であるが、再入院との関係は明かされていない。本研究は冠動脈バイパス術(CABG)術前の心臓悪液質と退院後早期の再入院との関係を検討した。
【対象と方法】2006年1月~2008年6月に当院にて待機的にCABGを行った患者127例(平均年齢66.9±9.6歳、女性28例)を対象とし、6ヵ月以内の再入院群25例と対照群102例に分けた。2群間で性別、年齢、術前後のBMIならびに左室駆出率(LVEF)、NYHA、interleukin(IL)-6、総蛋白、アルブミン、コレステロール、ヘモグロビン、術後在院日数の比較、ならびに心不全、心房細動、高血圧、高脂血症、糖尿病、慢性腎不全、陳旧性心筋梗塞、心臓悪液質の有無を比較し、有意差を認めた項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った。さらに心臓悪液質の有無による患者背景の違いを検討した。心臓悪液質は、「意図したものではない、あるいは浮腫の軽減によるものではない体重減少が、過去6ヵ月で6%以上生じたもの」とした。
【結果】再入院群では、対照群と比較して術前BMI、術前LVEF、NYHAのクラス、総蛋白、アルブミンが低く、術直後IL-6が高値であり(p<0.05)、心臓悪液質、慢性心不全、心房細動、慢性腎不全を有する症例が多かった(p<0.05)。再入院に関連する因子として術前BMI(OR:0.819、95%CI:0.677~0.990、p=0.039)、慢性腎不全(OR:4.722、95%CI:1.046~21.33、p=0.044)、心臓悪液質(OR:5.173、95%CI:1.136~23.56、p=0.034)が抽出された。心臓悪液質合併例は全体の10.2%にみられ、非合併例と比較してBMI、LVEF、NYHAのクラス、ヘモグロビン、総蛋白、アルブミン、中性脂肪が低く、術直後IL-6が高値であり、慢性心不全、心房細動を有する症例が多かった。
【結語】心臓悪液質合併例では、術前の栄養状態が悪く術後炎症作用が強かったことより、心臓悪液質は術後も遷延すると考えられる。本結果は心臓悪液質が再入院に強く関連しており、術後再入院予防の観点からも心臓悪液質進行に対する予防的介入の必要性があると思われた。
飯田有輝ほか:冠動脈バイパス術後患者における術前心臓悪液質は再入院と関係する.心臓リハビリテーション15(2)254-260, 2010.
心臓悪液質の患者の多くは栄養状態や心機能が悪いので、再入院と強く関連することは当然といえば当然かもしれません。ただ、心臓悪液質のエビデンスは現状では少ないので、エビデンスをきちんと作ることは素晴らしいと思います。
この研究では、心臓悪液質は「意図したものではない、あるいは浮腫の軽減によるものではない体重減少が、過去6ヵ月で6%以上生じたもの」とされています。心臓に限らず悪液質の定義としては、体重減少だけでは不十分かと思います。CRP陽性などの検査値異常や食思不振も含めた定義のほうがなおよいと感じました。
推測ですが、心臓以外が原因の悪液質を術前から認める場合、冠動脈バイパス術以外の手術でも再入院と関係するかもしれません。術前に悪液質・前悪液質の有無を診断して、悪液質の場合には栄養・運動・薬物など多方面から介入することが、再入院の予防に大切だと思います。
抄録
【目的】心臓悪液質は、心機能低下例に高率に合併し予後を悪化させる危険因子であるが、再入院との関係は明かされていない。本研究は冠動脈バイパス術(CABG)術前の心臓悪液質と退院後早期の再入院との関係を検討した。
【対象と方法】2006年1月~2008年6月に当院にて待機的にCABGを行った患者127例(平均年齢66.9±9.6歳、女性28例)を対象とし、6ヵ月以内の再入院群25例と対照群102例に分けた。2群間で性別、年齢、術前後のBMIならびに左室駆出率(LVEF)、NYHA、interleukin(IL)-6、総蛋白、アルブミン、コレステロール、ヘモグロビン、術後在院日数の比較、ならびに心不全、心房細動、高血圧、高脂血症、糖尿病、慢性腎不全、陳旧性心筋梗塞、心臓悪液質の有無を比較し、有意差を認めた項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った。さらに心臓悪液質の有無による患者背景の違いを検討した。心臓悪液質は、「意図したものではない、あるいは浮腫の軽減によるものではない体重減少が、過去6ヵ月で6%以上生じたもの」とした。
【結果】再入院群では、対照群と比較して術前BMI、術前LVEF、NYHAのクラス、総蛋白、アルブミンが低く、術直後IL-6が高値であり(p<0.05)、心臓悪液質、慢性心不全、心房細動、慢性腎不全を有する症例が多かった(p<0.05)。再入院に関連する因子として術前BMI(OR:0.819、95%CI:0.677~0.990、p=0.039)、慢性腎不全(OR:4.722、95%CI:1.046~21.33、p=0.044)、心臓悪液質(OR:5.173、95%CI:1.136~23.56、p=0.034)が抽出された。心臓悪液質合併例は全体の10.2%にみられ、非合併例と比較してBMI、LVEF、NYHAのクラス、ヘモグロビン、総蛋白、アルブミン、中性脂肪が低く、術直後IL-6が高値であり、慢性心不全、心房細動を有する症例が多かった。
【結語】心臓悪液質合併例では、術前の栄養状態が悪く術後炎症作用が強かったことより、心臓悪液質は術後も遷延すると考えられる。本結果は心臓悪液質が再入院に強く関連しており、術後再入院予防の観点からも心臓悪液質進行に対する予防的介入の必要性があると思われた。
慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能,運動機能の検討
雑誌「脳卒中」に、慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能,運動機能の検討に関する論文が掲載されています。
横山絵里子、中野明子:血管性認知障害のリハビリテーション─慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能,運動機能の検討─.脳卒中32:634–640,2010
下記HPで全文PDFファイルで見ることができます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/32/6/634/_pdf/-char/ja/
筋力や持久力に関するリハ栄養の研究は増えつつあると思いますが、認知機能・障害と低栄養の関連を調べた研究はまだ少ないのが現状です。この研究では慢性期脳卒中患者で高度な低栄養ほど、ADLや認知機能、言語機能が低いという結果です。
慢性期脳卒中患者での検討ですが、脳卒中急性期の重症度や侵襲の程度は無視できないと思います。重症脳卒中患者では、重症なためにADL、運動機能、認知機能、栄養状態のすべて低くなりやすいです。ただ、回復期での栄養管理が不適切だったために、低栄養でADLや認知機能の改善が少なかったという仮説もあると考えます。
この研究は観察研究ですが、BCAAの投与で認知機能が改善したという報告もあります。エビデンスレベルが高いとはいえませんが、特に低栄養の場合には、適切な栄養管理と同時にBCAAの投与を検討してもよいかもしれません。
最後に考察を一部引用させていただきます。私はこの考察にまったく同感です。
「低栄養は機能障害の原因であり,結果でもある.栄養管理は特定の認知機能を改善させるわけではない.認知障害のリハにおける栄養管理の役割は,直接的な認知機能の改善(ビタミン欠乏による認知症など)や,間接的に体力低下や意欲低下などを改善させることで訓練効果を高め,認知・運動機能の帰結を向上させることである.認知・身体機能の土台固めと維持に栄養管理は不可欠であり,今後更に加速する高齢化に向けて,一層リハ栄養管理の重要性は高まると思われる.」
リハ栄養管理をリハの臨床現場に早く普及させて、さらなる機能改善やADL・QOLの向上に貢献したいですね。
要旨
【目的】脳卒中の栄養状態と認知・運動機能,ADL との関連を明らかにする.【方法】対象は慢性期脳卒中381 例(平均68±11 歳)で,下肢運動年齢(MA),Barthel index(BI),改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS),Functional Independence Measure(FIM),長谷川式簡易知的機能評価スケール(HDS),標準失語症検査(SLTA),行動性無視検査(BIT)の評価と同時期にbody mass index(BMI),血清アルブミン(Alb), 体重変化率を指標に栄養状態を評価した.【結果】栄養状態は全体の69%が低栄養であった.高度な低栄養ほどMA,BI,FIM,HDS,SLTA,BIT は低下していた. 順位相関係数の検討ではMA,BI,HDS,SLTA はBMI やAlb と有意な正の相関を認めた.【結論】低栄養が認知・運動機能やADL 低下に関与する可能性が示された.
横山絵里子、中野明子:血管性認知障害のリハビリテーション─慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能,運動機能の検討─.脳卒中32:634–640,2010
下記HPで全文PDFファイルで見ることができます。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/32/6/634/_pdf/-char/ja/
筋力や持久力に関するリハ栄養の研究は増えつつあると思いますが、認知機能・障害と低栄養の関連を調べた研究はまだ少ないのが現状です。この研究では慢性期脳卒中患者で高度な低栄養ほど、ADLや認知機能、言語機能が低いという結果です。
慢性期脳卒中患者での検討ですが、脳卒中急性期の重症度や侵襲の程度は無視できないと思います。重症脳卒中患者では、重症なためにADL、運動機能、認知機能、栄養状態のすべて低くなりやすいです。ただ、回復期での栄養管理が不適切だったために、低栄養でADLや認知機能の改善が少なかったという仮説もあると考えます。
この研究は観察研究ですが、BCAAの投与で認知機能が改善したという報告もあります。エビデンスレベルが高いとはいえませんが、特に低栄養の場合には、適切な栄養管理と同時にBCAAの投与を検討してもよいかもしれません。
最後に考察を一部引用させていただきます。私はこの考察にまったく同感です。
「低栄養は機能障害の原因であり,結果でもある.栄養管理は特定の認知機能を改善させるわけではない.認知障害のリハにおける栄養管理の役割は,直接的な認知機能の改善(ビタミン欠乏による認知症など)や,間接的に体力低下や意欲低下などを改善させることで訓練効果を高め,認知・運動機能の帰結を向上させることである.認知・身体機能の土台固めと維持に栄養管理は不可欠であり,今後更に加速する高齢化に向けて,一層リハ栄養管理の重要性は高まると思われる.」
リハ栄養管理をリハの臨床現場に早く普及させて、さらなる機能改善やADL・QOLの向上に貢献したいですね。
要旨
【目的】脳卒中の栄養状態と認知・運動機能,ADL との関連を明らかにする.【方法】対象は慢性期脳卒中381 例(平均68±11 歳)で,下肢運動年齢(MA),Barthel index(BI),改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS),Functional Independence Measure(FIM),長谷川式簡易知的機能評価スケール(HDS),標準失語症検査(SLTA),行動性無視検査(BIT)の評価と同時期にbody mass index(BMI),血清アルブミン(Alb), 体重変化率を指標に栄養状態を評価した.【結果】栄養状態は全体の69%が低栄養であった.高度な低栄養ほどMA,BI,FIM,HDS,SLTA,BIT は低下していた. 順位相関係数の検討ではMA,BI,HDS,SLTA はBMI やAlb と有意な正の相関を認めた.【結論】低栄養が認知・運動機能やADL 低下に関与する可能性が示された.
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