昨日は第35回腎臓セミナーで、「高齢者CKD/ESKD患者の低栄養・サルコペニアの病態と治療」という講演をさせていただきました。
http://www.congre.co.jp/jinsemi/program.html
高齢者CKD/ESKD患者の低栄養・サルコペニアの病態であれば当然、protein-energy wasting (PEW)に触れないわけには行きませんので、講演中にPEWの診断基準を日常的に使用している方は…と質問しました。
PEWの診断基準は、ISRNM(国際腎臓栄養代謝学会)によって、生化学的検査(アルブミン値など)、体格検査(BMI、体重減少など)、筋肉量、食事摂取量の4項目のうち、3項目以上に該当した場合と定義されています。
しかし、会場内ではPEWの診断基準を用いていると挙手された方は、誰もいませんでした…。実際、私も使っていませんので、他人のことは言えませんが、PEWが日常臨床にはほとんどとりこまれていないということですね。
ISRNMは今年になって、PEWの病因に関する論文や、PEWの予防と治療という論文を発表しています。
CKDのPEWコンセンサス論文
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2013/02/ckdpew.html
PEWの予防・治療:ISRNMコンセンサス
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2013/08/pewisrnm.html
国際的には関心が高まっているようですが、日本では医学中央雑誌でprotein-energy wastingで検索しても、25件しか引っ掛かりません。今年のJSPEN金沢のシンポジウムで取り上げられた程度です。
CKD/ESKD患者の栄養障害というと、過栄養、糖尿病、蛋白制限、カリウム・リン制限となりがちです。しかし、PEW・悪液質、低栄養、サルコペニア、エネルギー・蛋白強化といったところにも、より注目が集まれば嬉しいですね。
2013年9月1日日曜日
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