日本サルコペニア・フレイル研究会のホームページができました。会員募集中です。
http://jssf.umin.jp/index.html
10月19日に第1回研究発表会が東京で開催されます。私は参加するつもりでしたが、どうしてもお断りできない講演依頼があったため、欠席いたします。 すでにプログラムも研究発表会HPに掲載されています。多くの方にご参加いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
http://jssf1.umin.jp/
2014年5月16日金曜日
2014年5月15日木曜日
第1回神奈川心不全栄養研究会
7月3日(木)19時30分からTKPガーデンシティ横浜で第1回神奈川心不全栄養研究会が開催されます。詳細は上記の案内ビラと参加申込用紙をご参照ください。
主なプログラムは以下の通りです。
座長: 日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科教授 佐藤 直樹 先生
講演1 : 「今どきの」心不全診療を考える ~栄養管理 に何を求めるか~
講師 北里大学病院 循環器内科講師 猪又 孝元 先生
座長: 聖マリアンナ医科大学病院循環器内科講師 木田 圭亮 先生
演題2 : 栄養からみた心不全と心臓悪液質
講師 横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科助教 若林 秀隆
★ディスカッション 聖マリアンナ医科大学病院循環器内科講師 木田 圭亮 先生
心不全に特化した栄養研究会は日本初ではないかと思います。皆様のご参加の程よろしくお願い申し上げます。
2014年5月11日日曜日
入院リハ患者の低栄養に対する経口栄養介入:メタ解析
入院リハ患者の低栄養に対する経口摂取での栄養介入の予防と治療効果をみた系統的レビューとメタ解析の論文を紹介します。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24811842
10論文が系統的レビューの対象となっていますが、メタ解析は経口栄養剤によるエネルギーとたんぱく質の摂取量のみ行われました。エネルギーとたんぱく質の摂取量は、どちらも有意に増加しました。
でもエネルギーとたんぱく質の摂取量は、リハ栄養の一次アウトカムではないですよね。少なくとも低栄養改善、できればADLやQOL改善、入院期間短縮などがアウトカムでないと…。リハ栄養のエビデンスが少ないことがよくわかります。 何とかしないとですね。
Collins J1, Porter J. The effect of interventions to prevent and treat malnutrition in patients admitted for rehabilitation: a systematic review with meta-analysis. J Hum Nutr Diet. 2014 May 9. doi: 10.1111/jhn.12230. [Epub ahead of print]
Abstract
BACKGROUND: Malnutrition occurs frequently among patients in rehabilitation, leading to poorer outcomes. Evidence of the effects of interventions to prevent or treat malnutrition is required to guide clinical practice in this setting. This systematic review aimed to determine the effect of oral nutrition interventions implemented in rehabilitation on nutritional and functional outcomes.
METHODS: Five databases were searched to identify relevant publications; intervention trials of oral nutrition interventions (such as oral nutrition supplements, foodservice interventions, clinical care processes, enhanced eating environments) conducted with patients admitted for rehabilitation, reporting dietary intake, anthropometric, biochemical or functional outcomes. The reviewers determined study eligibility and assessed the included studies for risk of bias. Outcome data were combined narratively and by meta-analyses.
RESULTS: From 1765 publications, 10 studies trialling oral nutrition supplements, foodservice interventions and clinical care processes (of neutral or positive quality) were identified. Compared to meals alone, oral nutritional supplements significantly improved energy and protein intake, with some evidence for improvements in anthropometry and length of stay. There was little evidence that speciality supplements were beneficial compared to standard versions. Meta-analyses demonstrated significantly greater energy [weighted mean difference (WMD) = 324 kcal, 212-436 kcal 95% confidence interval (CI)] and protein (WMD = 9.1 g, 0.2-17.9 g 95% CI) intake with energy dense meals. Opposing results were reported in studies investigating enhanced clinical care processes.
CONCLUSIONS: The provision of oral nutrition supplements and energy dense meals improved energy and protein intake and therefore may comprise effective strategies for addressing malnutrition in rehabilitation. The effect of these strategies on other nutritional and functional outcomes should be explored further.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24811842
10論文が系統的レビューの対象となっていますが、メタ解析は経口栄養剤によるエネルギーとたんぱく質の摂取量のみ行われました。エネルギーとたんぱく質の摂取量は、どちらも有意に増加しました。
でもエネルギーとたんぱく質の摂取量は、リハ栄養の一次アウトカムではないですよね。少なくとも低栄養改善、できればADLやQOL改善、入院期間短縮などがアウトカムでないと…。リハ栄養のエビデンスが少ないことがよくわかります。 何とかしないとですね。
Collins J1, Porter J. The effect of interventions to prevent and treat malnutrition in patients admitted for rehabilitation: a systematic review with meta-analysis. J Hum Nutr Diet. 2014 May 9. doi: 10.1111/jhn.12230. [Epub ahead of print]
Abstract
BACKGROUND: Malnutrition occurs frequently among patients in rehabilitation, leading to poorer outcomes. Evidence of the effects of interventions to prevent or treat malnutrition is required to guide clinical practice in this setting. This systematic review aimed to determine the effect of oral nutrition interventions implemented in rehabilitation on nutritional and functional outcomes.
METHODS: Five databases were searched to identify relevant publications; intervention trials of oral nutrition interventions (such as oral nutrition supplements, foodservice interventions, clinical care processes, enhanced eating environments) conducted with patients admitted for rehabilitation, reporting dietary intake, anthropometric, biochemical or functional outcomes. The reviewers determined study eligibility and assessed the included studies for risk of bias. Outcome data were combined narratively and by meta-analyses.
RESULTS: From 1765 publications, 10 studies trialling oral nutrition supplements, foodservice interventions and clinical care processes (of neutral or positive quality) were identified. Compared to meals alone, oral nutritional supplements significantly improved energy and protein intake, with some evidence for improvements in anthropometry and length of stay. There was little evidence that speciality supplements were beneficial compared to standard versions. Meta-analyses demonstrated significantly greater energy [weighted mean difference (WMD) = 324 kcal, 212-436 kcal 95% confidence interval (CI)] and protein (WMD = 9.1 g, 0.2-17.9 g 95% CI) intake with energy dense meals. Opposing results were reported in studies investigating enhanced clinical care processes.
CONCLUSIONS: The provision of oral nutrition supplements and energy dense meals improved energy and protein intake and therefore may comprise effective strategies for addressing malnutrition in rehabilitation. The effect of these strategies on other nutritional and functional outcomes should be explored further.
2014年5月6日火曜日
リハ栄養フォーラム2014
リハ栄養フォーラム2014の案内です。
仙台はキャンセル待ちで参加は難しそうですが、熊本、岡山、京都、札幌は募集中です。8月2日開催の静岡は、5月13日から参加申し込み開始です。皆様のご参加の程よろしくお願い申し上げます。詳細と申し込みは以下のHPをご参照ください。
https://seminar.admin83.jp/forum2014/
仙台はキャンセル待ちで参加は難しそうですが、熊本、岡山、京都、札幌は募集中です。8月2日開催の静岡は、5月13日から参加申し込み開始です。皆様のご参加の程よろしくお願い申し上げます。詳細と申し込みは以下のHPをご参照ください。
https://seminar.admin83.jp/forum2014/
2014年5月1日木曜日
効果10倍の教える技術
少し古い(2006年)ですが、吉田新一郎著、効果10倍の教える技術、PHP新書を紹介します。
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-64846-0
これまでの教え方・学び方は「工場モデル」でしたが、これからの教え方・学び方は楽しくエキサイティングで、楽しむ部分と真面目な部分の両方だ大切です。
どのくらい身に付くか(忘れないか)を数字で表すと、以下のようになるそうです。科学的根拠はない数字かもしれませんが…。
聞いたことは10%
見たことは15%
聞いて見たときは20%
話し合ったときは40%
体験したときは80%
教えたときは90%
これは私が研修会に参加する側になったときの実感と大差ありません。一方的な講義でしかも面白くない講義だと0%と言っても過言ではありません。話し合いも有用ですが、体験や教えることには敵いませんね。
悪い研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。
眠い、だるい、退屈、おもしろくない、感動できない、講義のみ、座りっぱなし、講師が口ベタ、講師の自慢話、講師が威張っている、講師のひとりよがり、講師に魅力がない、欠席が許されない(強制的な参加)、受講者にやる気がない、魅力的な異性がいない、笑いがない、テーマがはっきりしない、発言者の論旨が不明、一般論ばかり、話が難しすぎる、ドキドキしない、新鮮味がなく内容がマンネリ化している、堅苦しい、役に立つことがない、早く家に帰りたいと思う、レポートを書かせる、時間が長い、時間を守らない、休憩がない、時間が遅くなる、宿題がたくさんある、発言に気をつかう、自分の発言で評価される、話し合う時間がない(少ない)、参加者同士が知り合えない、無駄な時間を過ごしたと感じる、疲れがどっと出る
自分で書いていても耳が痛い部分がいくつもあります(苦笑)。確かにこんな研修会には参加したくないですが、こんな研修会を企画したり講義したりしている自分がいることも認識させられます。一方、いい研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。
楽しい、ワクワクする、夢中になれる、興奮する、満足感を味わう、知らないことを知る、知識が広がる、発想が広がる、眼からウロコが落ちる、成果がみんなのもの、いい講師、明日から使える、時間が短く感じる、人と知り合える、互いを理解し合える、仲間ができる、興味ややる気がある人の集まり、意欲がわく、技術の習得、参加することにより成長する、もう一度やりたいと思う、終わった後のビールがうまい、家に帰り家族・友人に話したくなる、一生の財産になる、自由に発言できる、形式的でない、活動的なプログラム
これを全部満たすのはとても無理ですが、1つでも悪い研修会の要素を少なくして、いい研修会の要素を増やせるようにしないとなあと感じました。いい研修会の要素として、以下のよな紹介もあります(p50)。
①会の雰囲気がいい
②得るものがある
③発見や出会いがある
④参加者の主体的な参加
⑤講師ではなくコーディネーターの存在
⑥振り返りがある
⑦目的の共有と達成が図れる
⑧動きのある学び
⑨実践できる研修
⑩研修で終わらず、つながる・広がる
⑪参加しやすい条件
このうち、⑩に関してはFacebookやITを研修会前後に活用できれば、比較的実現可能ではと感じます。講義・講演スタイルの研修会でも、振り返りの時間を作ることは可能かと思います。体験までは容易ではありませんが、少なくとも話し合う機会の多い講義・講演をしたいですね。
学びの原則に従った教え方として9つ紹介されています(p60)。
①人は皆、常に学んでいる
②安心して学べる環境が大切である
③積極的に参加できるとよく学べる
④意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
⑤選択できるとよく学べる
⑥十分な時間があるとよく学べる
⑦協力できるとよく学べる
⑧振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
⑨互いに讃え合ったり、教え合える機会があるとよく学べる
これらは自分が学ぶときのことを考えると共感できます。個人的には常には学んでいないですが(苦笑)。幸か不幸か教える側にまわる機会が多いので、こういったことを意識して、研修会や講義・講演をしていくようにしたいと思います。
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-64846-0
これまでの教え方・学び方は「工場モデル」でしたが、これからの教え方・学び方は楽しくエキサイティングで、楽しむ部分と真面目な部分の両方だ大切です。
どのくらい身に付くか(忘れないか)を数字で表すと、以下のようになるそうです。科学的根拠はない数字かもしれませんが…。
聞いたことは10%
見たことは15%
聞いて見たときは20%
話し合ったときは40%
体験したときは80%
教えたときは90%
これは私が研修会に参加する側になったときの実感と大差ありません。一方的な講義でしかも面白くない講義だと0%と言っても過言ではありません。話し合いも有用ですが、体験や教えることには敵いませんね。
悪い研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。
眠い、だるい、退屈、おもしろくない、感動できない、講義のみ、座りっぱなし、講師が口ベタ、講師の自慢話、講師が威張っている、講師のひとりよがり、講師に魅力がない、欠席が許されない(強制的な参加)、受講者にやる気がない、魅力的な異性がいない、笑いがない、テーマがはっきりしない、発言者の論旨が不明、一般論ばかり、話が難しすぎる、ドキドキしない、新鮮味がなく内容がマンネリ化している、堅苦しい、役に立つことがない、早く家に帰りたいと思う、レポートを書かせる、時間が長い、時間を守らない、休憩がない、時間が遅くなる、宿題がたくさんある、発言に気をつかう、自分の発言で評価される、話し合う時間がない(少ない)、参加者同士が知り合えない、無駄な時間を過ごしたと感じる、疲れがどっと出る
自分で書いていても耳が痛い部分がいくつもあります(苦笑)。確かにこんな研修会には参加したくないですが、こんな研修会を企画したり講義したりしている自分がいることも認識させられます。一方、いい研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。
楽しい、ワクワクする、夢中になれる、興奮する、満足感を味わう、知らないことを知る、知識が広がる、発想が広がる、眼からウロコが落ちる、成果がみんなのもの、いい講師、明日から使える、時間が短く感じる、人と知り合える、互いを理解し合える、仲間ができる、興味ややる気がある人の集まり、意欲がわく、技術の習得、参加することにより成長する、もう一度やりたいと思う、終わった後のビールがうまい、家に帰り家族・友人に話したくなる、一生の財産になる、自由に発言できる、形式的でない、活動的なプログラム
これを全部満たすのはとても無理ですが、1つでも悪い研修会の要素を少なくして、いい研修会の要素を増やせるようにしないとなあと感じました。いい研修会の要素として、以下のよな紹介もあります(p50)。
①会の雰囲気がいい
②得るものがある
③発見や出会いがある
④参加者の主体的な参加
⑤講師ではなくコーディネーターの存在
⑥振り返りがある
⑦目的の共有と達成が図れる
⑧動きのある学び
⑨実践できる研修
⑩研修で終わらず、つながる・広がる
⑪参加しやすい条件
このうち、⑩に関してはFacebookやITを研修会前後に活用できれば、比較的実現可能ではと感じます。講義・講演スタイルの研修会でも、振り返りの時間を作ることは可能かと思います。体験までは容易ではありませんが、少なくとも話し合う機会の多い講義・講演をしたいですね。
学びの原則に従った教え方として9つ紹介されています(p60)。
①人は皆、常に学んでいる
②安心して学べる環境が大切である
③積極的に参加できるとよく学べる
④意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
⑤選択できるとよく学べる
⑥十分な時間があるとよく学べる
⑦協力できるとよく学べる
⑧振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
⑨互いに讃え合ったり、教え合える機会があるとよく学べる
これらは自分が学ぶときのことを考えると共感できます。個人的には常には学んでいないですが(苦笑)。幸か不幸か教える側にまわる機会が多いので、こういったことを意識して、研修会や講義・講演をしていくようにしたいと思います。
2014年4月27日日曜日
第1回日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会報告
第1回日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会が4月26日に学士会館で開催されました。第1回はクローズな会でしたし、まだ研究会HPなどありませんので、少し紹介させていただきます。プログラムは以下の通りでした。
開会の辞:城谷典保先生(日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会代表世話人)
昨年8月の発起人会から今日までの経緯を紹介が主でした。第2回は早ければ11~12月に東京で開催予定です。次回はオープン参加になります。
演題1:老年医学におけるサルコペニア研究の現状
鈴木隆雄先生(国立長寿医療研究センター研究所)
地域在宅高齢者のフレイルとサルコペニアに関する研究成果の紹介が主でした。歩行速度は死亡率、要介護などの強力な予後因子であるため、歩行速度をサルコペニアの診断基準に入れるのはよくないのではという考え方は参考になりました。
サルコペニアの定義にはまだ混乱があります。加齢による筋肉量減少のみをサルコペニアとすべきだという方と、EWGSOPのコンセンサス論文通り、歩行速度と握力が正常であれば筋肉量を測定しなくてもサルコペニアではないという方がいます。
AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)の会議は今度6月に台湾?で開催されるそうです。アジアにおけるサルコペニアは以下の日本語HPが参考になります。
http://www.wiley.co.jp/blog/health/?p=3596
演題2:高齢者の食力から考え る虚弱・サルコペニア予防
飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構)
柏プロジェクトの紹介が主でした。食力の5本柱は栄養、身体、口腔・嚥下、多病・薬剤、社会・生活・精神・心理・認知とのことです。オーラルフレイルという言葉も作り、口腔、医科歯科連携の重要性をとても強調していました。
筋肉量測定に検査機器を用いないでサルコペニアを判定する方法として、指輪っかテストの紹介がありました。両手で下腿の最も太いところを囲めるかどうかという簡単なテストで、囲めない、ちょうど、余るの3つに分類します。
指輪っかテスト:両手で下腿の最も太いところを囲めなければサルコペニアなし、ちょうど囲める場合には前サルコペニア、囲めて両手と下腿の間にスペースができる場合にはサルコペニアと判断します。これはとても簡単でよいと思いました。
もう1つ、年齢、握力、下腿周囲長の3項目でサルコペニアの可能性を評価する簡易スクリーニングの紹介がありました。こちらは下記ブログをご参照ください。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2014/01/blog-post_579.html
演題3:悪液質のトランスレーショナルリサーチ‐7th Cachexia Conferenceハイライトを中心に‐
乾明夫先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心身内科学分野)
前半は悪液質のメカニズムと対応の紹介、後半は昨年12月に乾先生が大会長で開催された7th Cachexia Conferenceのハイライトの紹介が主でした。
悪液質のメカニズムに関しては書籍「悪液質とサルコペニア」で網谷先生、乾先生が執筆して下さった項目「悪液質のメカニズム」が日本語でわかりやすいと思います。宣伝ですが(笑)読んでいただけると嬉しいです。
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details_1.aspx?cid=1&bookcode=214410
7th Cachexia Conferenceのハイライトは、Highlights from the 7th Cachexia Conferenceの論文を読んでいただければわかると思います。下記HPで全文読めます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3953317/
以下、感想です。日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会が立ち上がったことは素晴らしいと思います。欧米に比べ10年以上は遅れている領域だと感じますが、追いつく取り組みが始まりました。私も世話人ですので頑張らないとですね。
研究者の講演3つでしたが、臨床研究者もしくは臨床家の講演も次回はあるとよりディスカッションが深まるのではと感じました。研究のサルコペニアと臨床のサルコペニアにはまだまだ壁があります。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/01/blog-post.html
老年医学の先生の講演でしたのでフレイルの早期発見、予防、治療が主なテーマになるのは当然です。ただ障害になった後の対応がケアのみというのは、リハ医として残念に感じました。リハ栄養で臨床、研究をもっと進めないといけませんね。
飯島先生の講演で口腔、嚥下、歯科との連携をとても重視していたことが、最も印象的でした。医科からこれだけの熱いラブコールが歯科に送られていることを、多くの歯科関係者に知ってほしいと感じました。
最後に昨日時点での役員を紹介させていただきます。私以外すごいメンバーです。
代表世話人:城谷典保、世話人:蘆野吉和、石渡一夫、乾明夫、葛谷雅文、東口髙志、福田能啓、福山直人、丸山道生、若林秀隆
開会の辞:城谷典保先生(日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会代表世話人)
昨年8月の発起人会から今日までの経緯を紹介が主でした。第2回は早ければ11~12月に東京で開催予定です。次回はオープン参加になります。
演題1:老年医学におけるサルコペニア研究の現状
鈴木隆雄先生(国立長寿医療研究センター研究所)
地域在宅高齢者のフレイルとサルコペニアに関する研究成果の紹介が主でした。歩行速度は死亡率、要介護などの強力な予後因子であるため、歩行速度をサルコペニアの診断基準に入れるのはよくないのではという考え方は参考になりました。
サルコペニアの定義にはまだ混乱があります。加齢による筋肉量減少のみをサルコペニアとすべきだという方と、EWGSOPのコンセンサス論文通り、歩行速度と握力が正常であれば筋肉量を測定しなくてもサルコペニアではないという方がいます。
AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)の会議は今度6月に台湾?で開催されるそうです。アジアにおけるサルコペニアは以下の日本語HPが参考になります。
http://www.wiley.co.jp/blog/health/?p=3596
演題2:高齢者の食力から考え
飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構)
柏プロジェクトの紹介が主でした。食力の5本柱は栄養、身体、口腔・嚥下、多病・薬剤、社会・生活・精神・心理・認知とのことです。オーラルフレイルという言葉も作り、口腔、医科歯科連携の重要性をとても強調していました。
筋肉量測定に検査機器を用いないでサルコペニアを判定する方法として、指輪っかテストの紹介がありました。両手で下腿の最も太いところを囲めるかどうかという簡単なテストで、囲めない、ちょうど、余るの3つに分類します。
指輪っかテスト:両手で下腿の最も太いところを囲めなければサルコペニアなし、ちょうど囲める場合には前サルコペニア、囲めて両手と下腿の間にスペースができる場合にはサルコペニアと判断します。これはとても簡単でよいと思いました。
もう1つ、年齢、握力、下腿周囲長の3項目でサルコペニアの可能性を評価する簡易スクリーニングの紹介がありました。こちらは下記ブログをご参照ください。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2014/01/blog-post_579.html
演題3:悪液質のトランスレーショナルリサーチ‐7th Cachexia Conferenceハイライトを中心に‐
乾明夫先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心身内科学分野)
前半は悪液質のメカニズムと対応の紹介、後半は昨年12月に乾先生が大会長で開催された7th Cachexia Conferenceのハイライトの紹介が主でした。
悪液質のメカニズムに関しては書籍「悪液質とサルコペニア」で網谷先生、乾先生が執筆して下さった項目「悪液質のメカニズム」が日本語でわかりやすいと思います。宣伝ですが(笑)読んでいただけると嬉しいです。
http://www.ishiyaku.co.jp/search/details_1.aspx?cid=1&bookcode=214410
7th Cachexia Conferenceのハイライトは、Highlights from the 7th Cachexia Conferenceの論文を読んでいただければわかると思います。下記HPで全文読めます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3953317/
以下、感想です。日本サルコペニア・悪液質・消耗性疾患研究会が立ち上がったことは素晴らしいと思います。欧米に比べ10年以上は遅れている領域だと感じますが、追いつく取り組みが始まりました。私も世話人ですので頑張らないとですね。
研究者の講演3つでしたが、臨床研究者もしくは臨床家の講演も次回はあるとよりディスカッションが深まるのではと感じました。研究のサルコペニアと臨床のサルコペニアにはまだまだ壁があります。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/01/blog-post.html
老年医学の先生の講演でしたのでフレイルの早期発見、予防、治療が主なテーマになるのは当然です。ただ障害になった後の対応がケアのみというのは、リハ医として残念に感じました。リハ栄養で臨床、研究をもっと進めないといけませんね。
飯島先生の講演で口腔、嚥下、歯科との連携をとても重視していたことが、最も印象的でした。医科からこれだけの熱いラブコールが歯科に送られていることを、多くの歯科関係者に知ってほしいと感じました。
最後に昨日時点での役員を紹介させていただきます。私以外すごいメンバーです。
代表世話人:城谷典保、世話人:蘆野吉和、石渡一夫、乾明夫、葛谷雅文、東口髙志、福田能啓、福山直人、丸山道生、若林秀隆
2014年4月22日火曜日
講演依頼へのお詫び
ブログを更新できていない件もお詫びしなければいけませんが、他にもお詫びがあります。
講演依頼が1日1~3件という日が1カ月以上続いています。7~12月の講演予定はすでに53件あり、申し訳ありませんが大半の講演依頼はお断りせざるを得ません。ようやくリハ栄養やサルコペニアが各地・多職種で浸透しつつあるのかもしれませんが、嬉しい悲鳴です。
リハ栄養やサルコペニアの講演依頼に関しては、お断りする際に関係各位の先生方を紹介させていただきます。お役に立てず、また関係各位の先生方には無茶ぶりでご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。
講演依頼が1日1~3件という日が1カ月以上続いています。7~12月の講演予定はすでに53件あり、申し訳ありませんが大半の講演依頼はお断りせざるを得ません。ようやくリハ栄養やサルコペニアが各地・多職種で浸透しつつあるのかもしれませんが、嬉しい悲鳴です。
リハ栄養やサルコペニアの講演依頼に関しては、お断りする際に関係各位の先生方を紹介させていただきます。お役に立てず、また関係各位の先生方には無茶ぶりでご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。
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