サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&Aの資料を、以下のHPでPDFで見ることができます。
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/pdf/sarcopenia_EWGSOP_jpn-j-geriat2012.pdf
日本語訳が出るくらい、サルコペニアの論文の中でも重要なものの1つと言えると考えます。論文の日本語訳も参考になります(一次性サルコペニア、二次性サルコペニア、プレ・サルコペニア、サルコペニア、重症サルコペニア、カヘキシア、虚弱など)。
論文紹介後に、本論文に対するQ&Aという資料が掲載されていて、これも学習になります。例えばサルコペニア肥満は「SMI が若年成人の-2SD以下かつ体脂肪率が男性で25%,女性で30% 以上である場合をサルコペニア肥満とすることが適切であると思われます」とあります。
サルコペニアの一次性、二次性に関しては「筋肉の量や機能に及ぼす影響や評価方法については一次性と二次性サルコペニアの間に差を設ける必要はないと考えられますが,診断にあたってはこれらの鑑別診断が必要です」とあります。実際には複数合併していることがリハ栄養では多いです。
サルコペニア診断のカットオフ値について、握力は「簡便に測定できる筋力の指標としては握力が
あり,生活活動に何らかの支援を必要とするような障害を引き起こすリスクが高くなる握力のカットオフ値は男性で25 kg,女性で20 kg であると推定されます」とあります。
歩行速度は「通常の歩行速度についてはADL の障害のない地域住民では0.8 m sec 以下の歩行速度である者はほとんど存在しません.日本人で要支援となるリスクを判定するためには,歩行速度1.0 m sec 以下を採用した方がよいかもしれません」とあります。
筋肉量は「筋量評価に関しては一般的に行われる検査のうち最も精度の高いのは,DXAによる評価指標です.その基準値は,その人種の若年成人の測定平均値(YAM)の-2SD とすべきであり,日本人では,男性6.87 kg m2,女性5.46 kg m2を用いるのがよいとされます」とあります。
日本語でサルコペニアを学習できるよい資料ですので、多くの方に読んでいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
2012年12月26日水曜日
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