今日は活動係数とリハビリテーションについて考える機会がいくつかありました。
①回復期リハ病棟に入院中の患者で、全粥食を全量経口摂取していても体重が減少している方やかなりやせている方がいました。エネルギーバランスは計算上プラスになっているのですが、活動係数が1.3で計算されていました。
ベッド外活動の活動係数は確かに1.3ですが、回復期リハ病棟で質・量ともに本格的なPT・OT・STを行っている場合、1.3では足りないと思われました。1.4もしくは1.5で計算すべきだと改めて感じました。ただ、これらの活動係数も仮説ですので、栄養モニタリングは必須です。
このことに気づけたのは、リハカンファレンスに管理栄養士が参加してくれたからです。やっぱりリハカンファレンスに管理栄養士は参加すべきだと強く感じました。回復期リハ病棟に専属の管理栄養士はもちろんリハカンファレンスに参加していると思いますが、専属でなくてもぜひ参加してほしいと思います。
②長期入院中の患者で、食事は1000kcal、経管栄養は800kcal摂取していますが、著明なるいそうで易疲労がとても目立つ方がいました。易疲労で積極的なPT・OT・STは全くできない状況でした。がんなどの疾患を合併している可能性も、もちろんあります。ただ少なくとも、侵襲の異化期ではないと判断できる状況でした。
しかし、車椅子座位の様子を診察してみると、両下肢はほぼ常に動かしていて(不随意の要素あり)、両上肢は常に緊張していました。臥位での様子をPT・OT・STに聞くと、臥位では座位のときよりもよく四肢を動かしているとのことでした。
要するに睡眠時以外は1日中運動していることになります。つまり、活動係数は1.3や1.5どころではなく、1.7~2.0ではないかと考えました。そうすると、1800kcal摂取していてもエネルギー消費量が多いために栄養改善が得られないという仮説になります。そこで経管栄養でさらに400Kcal追加することを提案しました。
この方の場合、廃用や疾患による易疲労も否定できませんが、低栄養と過活動による易疲労と判断しました。リハ栄養の視点で考えないと、このような仮説には到達しにくいと思います。仮説なので間違っているかもしれませんが、リハを行っている患者では活動係数を最大2.0にしたほうがよいと考えました。活動係数はあくまで仮説ですが、奥が深いかもしれません。
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