2012年1月5日木曜日

myopeniaの概念確認


PEN(静脈経腸栄養ニューズ)の最新号(338、2012年1月1日号)に、myopeniaに関する記載がp3にありました。ちょっと気になりましたので、その部分を引用します。以下、引用です。

「骨格筋量減少は臨床上二つの病態によくみられる。一つは加齢に伴うもので、いま一つは癌である。サルコペニアはむしろ加齢に伴う骨格筋減少を表現するので、癌悪液質にみられるものに対しては新しい表現、すなわちmyopeniaと表現することを強く主張している」こと等を紹介している。

私はミオペニアについて「すべての原因による筋肉量と筋力の低下」と言ってきました。もちろん年齢は問いません。つまり、広義のサルコペニアと同義です。ミオペニアの論文では、以下のように提言されています。

We suggest the term “myopenia” to indicate the presence of clinically relevant muscle wasting due to any illness and at any age

しかし、上記引用ですと、加齢によるサルコペニアはミオペニアに含まれないような印象があります。そこでmyopeniaの概念を確認してみました。

上記の図は以下の論文、HPからの引用です。
Kenneth Fearon, William J. Evans, and Stefan D. Anker: myopenia—a new universal term for muscle wasting. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2011;2:1–3.
http://www.springerlink.com/content/772431672714v378/fulltext.html

私のブログでもミオペニアについて解説しています。
myopenia:筋肉消耗の新しい共通言語
http://rehabnutrition.blogspot.com/2011/03/myopenia.html

図を見ても明らかなように、ミオペニアには加齢によるサルコペニアも含まれます。つまり、引用の意図は、サルコペニアという用語は狭義(加齢が原因の場合のみ)で使用して、ミオペニアという用語を癌悪液質が原因の場合だけでなくすべての原因、すべての年齢で使用しようということだと考えます。

ちなみにPENの同号のp3には、昨年の日本外科代謝栄養学会で私が発表したPrehabilitationも紹介されていました。また、サルコペニアについて割と多く紹介されています。PENを入手できる方はよかったら見てください。よろしくお願いいたします。

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