笛吹 亘、他:脳卒中回復期リハビリテーションへの栄養サポートチーム介入 : Functional Independence Measureを用いた効果検証.リハビリテーション医学45(3), 184-192, 2008を紹介します。
下記のHPからCiNii 論文PDF - オープンアクセスをクリックすれば、全文PDFで見ることができます。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006633373
また、この論文は2008年度優秀論文賞を受賞されています。素晴らしいです。下記のリハニュース42号8ページに論文賞受賞者紹介が掲載されています。ちなみに、よく見ると隣にアンチエイジングニューロリハドクターのブログの百崎先生も奨励賞受賞で掲載されています。
http://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_RN42.pdf
昨日のいしかわ地域リハ研究会の講演会で笛吹先生とお話させていただく機会があり、この論文の別刷をいただきました。どうもありがとうございます。
回復期リハ病棟におけるNSTの有用性を検証した論文で、私はもちろん存在は以前から知っていました。回復期リハ病棟では急性期病院以上に適切なリハ栄養管理が重要ですし、このような素晴らしい臨床研究がもっと増えて、臨床現場でのリハ栄養管理の質がさらに向上するとよいと感じています。
ただこれから同じような臨床研究を行うのであれば、BMIよりもMNA-SFなどを栄養指標としたほうがよいとは思います。廃用症候群のリハ栄養の研究を行っている経験では、BMIではなかなか差や関連が出にくいというのが個人的印象です。
抄録
回復期リハビリテーション病棟での栄養サポートチーム(NST)介入効果をFIMを用いて後方視的に検討した.脳卒中患者304名を対象にNST介入対象者を栄養強化群と減量群に分類し,各々をNST介入非対象者(非NST群)と比較した.FIM利得は栄養強化群17.3±15.9,非NST群16.7±12.5と両群に有意差はなかったが,FIM効率は栄養強化群0.20±0.19,非NST群0.27±0.19と有意差を認めた.入院時FIM得点が54点以下の患者ではFIM利得,FIM効率ともに両群に有意差を認めなかった.入退院時BMI変化とFIM変化の間で一定の傾向を認めなかった.栄養介入を要した栄養強化群は一般的には予後不良の群と判断されるにもかかわらず,非NST群と差がなかった今回の結果は,NSTという栄養介入が有用であった可能性を示唆している.
2011年7月10日日曜日
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