2011年7月13日水曜日
サルコペニアの栄養マネジメント(Review)
私がいつも見ているアンチエイジングニューロリハドクターのブログに「サルコペニアの栄養マネジメント(Review)」という記事が掲載されていました。とても参考になりますので、引用紹介させていただきます。
http://neurorehai.blogspot.com/2011/07/review.html
このブログではNutritional recommendations for the management of sarcopenia.J Am Med Dir Assoc. 2010 ;11:391-6.という論文の紹介をしています。
推奨レベルA、Bのまとめに関しても、引用紹介させていただきました。基本的には異論はありませんが、ビタミンD関連に関しては、私は異論があります。
・ビタミンD摂取量は50,000IU/weekまでが安全(A)
・ビタミンD血中濃度はすべてのサルコペニアの患者で測定すべき(A)
・ビタミンDのサプリメントは補助療法として投与すべき(100nmol/l=40ng/ml以上まで)(A)
とあります。50,000IU/weekは安全かもしれませんが、1回に50万IU投与すると転倒が増えるという質の高いエビデンスがあります。
高容量経口ビタミンDで転倒と骨折が増加
http://rehabnutrition.blogspot.com/2011/03/d_09.html
ビタミンDは欠乏10~20ng/ml以下、充足20~30ng/ml以上という基準があります。欠乏状態は問題がありますが、40ng/ml以上まで高める必要性が私にはわかりません。
ビタミンD血中濃度は日本では保険診療で測定することができません。仮に測定できたとしても、すべてのサルコペニアの患者で測定すべきでしょうか。私はビタミンD欠乏が疑われるケースだけで十分だと考えています。
サルコペニアとビタミンDに関して、必ず○○すべきだというところまで質の高いエビデンスは今のところそろっていないと私は考えます。あくまで欠乏を疑ったときのみ評価、治療を行うというスタンスでよいのではないでしょうか。
Abstract
The Society for Sarcopenia, Cachexia, and Wasting
Disease convened an expert panel to develop nutritional
recommendations for prevention and management
of sarcopenia. Exercise (both resistance and
aerobic) in combination with adequate protein and
energy intake is the key component of the prevention
and management of sarcopenia. Adequate protein
supplementation alone only slows loss of muscle
mass. Adequate protein intake (leucine-enriched balanced
amino acids and possibly creatine) may enhance
muscle strength. Low 25(OH) vitamin D levels
require vitamin D replacement. (J Am Med Dir Assoc
2010; 11: 391–396)
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