NST(栄養サポートチーム)の好きな看護師日記、というブログに、2月10日に原土井病院で行った講演の記録が、「リハビリテーションと臨床栄養 栄養ケアなくしてリハなし①、②」と紹介されています。どうもありがとうございます。
リハビリテーションと臨床栄養 栄養ケアなくしてリハなし①
http://ameblo.jp/amakusakango/entry-11161216657.html
リハビリテーションと臨床栄養 栄養ケアなくしてリハなし②
http://ameblo.jp/amakusakango/entry-11161217805.html
一部上記ブログより引用します。以下、引用です。
サルコペニアによる嚥下障害例。
・神経筋疾患(ALS、筋炎など)
・廃用性の嚥下障害
・大腿骨頸部骨折後の嚥下障害
※もともと、嚥下能力の低下した患者さんが一時的な絶食により高度の嚥下機能を呈する。
・慢性閉塞性肺疾患による嚥下障害
・脳卒中の既往のない誤嚥性肺炎
・これらの一部はサルコペニアが原因
以上、引用です。大腿骨頸部骨折後になぜ嚥下障害になるのかは、会場でも質問がありましたので、少し補足します。
大腿骨頸部骨折および骨折に対する手術は、かなり大きい侵襲となります。侵襲時には筋肉を分解(異化)して内因性エネルギーを供給しますので、嚥下筋の筋肉も多少は分解すると考えます。
大腿骨頸部骨折は高齢者に多く、潜在的に嚥下筋の筋肉量・筋力が弱い可能性があります。また、周術期の一時的な禁食による廃用性筋萎縮、禁食の時の不適切な末梢静脈栄養で飢餓による筋萎縮を合併することもあります。つまり、嚥下筋のサルコペニアの4つの原因(加齢、活動、栄養、疾患)すべてを合併しやすく、この場合、術後に誤嚥性肺炎や窒息を合併しやすくなります。
そして誤嚥性肺炎になると、肺炎による侵襲(筋肉の分解)、禁食による廃用性筋萎縮、禁食の時の不適切な末梢静脈栄養で飢餓による筋萎縮で、さらに嚥下筋のサルコペニアが進行します。その結果、大腿骨頸部骨折の前は常食や介護食を経口摂取していたのに、骨折後は経口摂取困難となることがしばしばあります。
このように考えると、サルコペニアによる嚥下障害は決して稀ではありません。脳卒中による嚥下障害への対応は今後ももちろん重要ですが、今後特に問題となってくるのは、認知症による嚥下障害とサルコペニアによる嚥下障害の診断と対応だと私は考えています。
2012年2月13日月曜日
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