Inflammatory Diseases - Immunopathology, Clinical and Pharmacological Basesというオープンブックが今月、IntechOpenから出版されました。
http://www.intechopen.com/books/show/title/inflammatory-diseases-immunopathology-clinical-and-pharmacological-bases
その第2章に悪液質:免疫系・脳・代謝の相互作用に関する記載があります。
Cachexia – The Interplay Between the Immune System, Brain Control and Metabolism
下記のHPで第2章のPDFを見れます。少しだけ中身を紹介します。
http://www.intechopen.com/source/pdfs/28055/InTech-Cachexia_the_interplay_between_the_immune_system_brain_control_and_metabolism.pdf
炎症性疾患という切り口ですので、内容的にはサイトカインに関する記載が多いです。悪液質の定義についてはEvansらの定義を用いています。しかし、Fearonらの定義は引用されていませんので、2010年までの文献をレビューした書籍だと思います。
TNF-α、IL-1、IL-6といった悪液質に関するサイトカインが上昇する疾患として、がん、COPD、エイズ、心不全、腎不全、関節リウマチ、敗血症が挙げられています。敗血症というと急性疾患をイメージしがちですが、慢性的に敗血症が持続する場合には悪液質と考えてよいようです。
結論として、薬物療法で単一のサイトカイン(例えばTNF-α)を抑制するだけでは、悪液質は予防できないとあります。今後は複数のサイトカインを抑制する薬物療法に関する研究が必要とのことです。
ちなみに栄養療法や運動療法に関する記載はありませんでした。これらによる抗炎症作用に関する記載が少しはあってもよいのに、と思うのは私だけでしょうか。
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