2011年10月6日木曜日

これからのリハNST~リハと栄養療法の質向上のために

【はじめに】私は院内での遊軍的なNSTにPT・OT・STが参加している大学病院と、回復期リハ病棟のリハカンファレンスに管理栄養士が参加している朝倉病院で、リハNSTを行っている。両者を比較して、リハと栄養療法の質をより向上させる方法を検討する。

【大学病院】NST回診・カンファレンスは週1回。病棟単位のNSTではなく、ほとんどのNSTスタッフは病棟担当ではない。主治医から依頼のあったごく一部の患者のみ介入する。NST依頼患者の過半数で機能訓練を行っている。栄養療法のゴールは設定しているが、リハのゴールは検討していない。STの参加で嚥下評価の質は向上したが、PT・OTの参加で栄養療法の質が向上したとは現時点ではいえない。ただ、PT・OT・STが栄養を考慮した機能訓練を行うようになり、リハの質は向上した。

【朝倉病院】カンファレンスは2週に1回。病棟単位のリハNSTである。ほとんどのスタッフが病棟担当であり、栄養面以外でも患者のことをよく理解している。回復期リハ病棟のため全患者に機能訓練を行っている。すべての患者で1回はカンファレンスを行う。管理栄養士の参加で、サルコペニアの原因検索やリハと栄養療法のゴール設定をより明確に行うようになった。機能訓練の内容と量にあわせた栄養管理や、栄養状態にあわせた機能訓練を行うようになり、リハと栄養療法の質が向上した。

【考察】リハと栄養療法を同時に考慮するリハNSTを実践することで、リハと栄養療法の質は向上する。リハNSTの作り方には、NSTにPT・OT・STなどが参加する方法と、リハチームに管理栄養士などが参加する方法がある。どちらの方法も有用であるが、病棟単位のリハNSTのほうが、リハと栄養療法の質はより向上する可能性がある。院内での遊軍的なNSTの場合、PT・OT・STが機能訓練をしている時間帯を選んで機能訓練室やベッドサイドを回診する方法もある。これからのNSTにリハは欠かせず、これからのリハに栄養療法は欠かせない。

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