2011年11月28日月曜日

週刊医学界新聞:RCTにおけるデータ解析

週刊医学界新聞の最新号(第2955号 2011年11月28日)に、今日から使える医療統計学講座【Lesson7】RCTにおけるデータ解析が掲載されています。この連載は本当におすすめです。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02955_03

上記HPよりポイントを引用させていただきます。以下、引用です。

*ベースラインの特性比較にはP値は記載しません。
*アウトカムの解析は補正しない場合が多いですが,補正によりパワーが増すことがあります。
*補正を行う場合は,プロトコル作成時に補正する変数を決めておくことが重要です。
*アウトカムのベースライン値は通常補正するので,必ず測定します。

RCTでベースラインの両群の特性の違いをP値を見て、ランダム割り付けがうまく行っていないのではと解釈していたのですが、それは統計的に正しい意味を持たないそうです。まったく知りませんでした。

RCTでは補正なしの単変量解析を行うべきだと思っていたのですが、以下引用です。

(4)ベースラインの群間比較の結果は用いず,研究前に作られたプロトコルで表記された変数のみを補正する。これらの変数は,アウトカムに対して影響力を持つリスク因子(例:がんによる死亡がアウトカムの場合,腫瘍ステージなど)の中から選ばれる。
(5)アウトカムのベースラインの値(薬剤投与後の血圧をアウトカムとすると,投与前の血圧の値)を補正する。
(6)特性を確実にそろえるためにランダムな割り付けが層別に行われた場合(例:多施設RCTの場合の施設),層別に使われた変数を補正する。

これらに関しては統計的に正しいと認識されているとのことです。特にアウトカムのベースライン値での補正はあり(むしろ行ったほうがよい)なので、必ず測定することが大切だとあります。RCTは統計学的にはシンプルに解析すればよいと思っていたのですが、今回も自分の認識の誤りを実感できました。

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