嚥下障害と低栄養の統合管理(Integrated Management of Dysphagia and Malnutrition)に関する資料を紹介します。下記のHPで確認できます。
http://www.nestlenutrition-institute.org/resources/library/Free/conference-proceeding/eugms2011/Documents/CH-NES-037%20EUGMS%206pp%20SH_LR_single%20(2).pdf
これはSatellite Symposium Proceedings 7th EUGMS(European Union of Geriatric Medicine Society) Congressの資料です。以下の3つの項目が紹介されています。
Oropharyngeal dysphagia: A growing concern in healthcare
Pathophysiology, relevance, and natural history of oropharyngeal dysphagia among the elderly
Dysphagia and malnutrition: From screening to treatment
詳細は上記HPを参照していただき、ここでは3つの図を紹介します。
最初の図はpresbyphagia(老嚥、老人性嚥下機能低下)に関するものです。presbyphagiaに影響する要因の1つにサルコペニアが挙げられています。また、その他にも舌や嚥下の遅れはサルコペニアが関連している可能性があります。
2番目の図は嚥下障害患者の管理プロトコールです。ポイントは最初に嚥下スクリーニングとしてEAT-10が紹介されていることです。EAT-10は以下のブログを参照してください。
EAT-10による嚥下スクリーニング
EAT-10の特徴として、この資料では以下のように紹介されています。
the EAT-10 is:
• A useful self-administered test of 10 items
• Easy to understand for the majority (95.4%) of patients
• An analogical and direct-scored test, that is quick to perform
(mean administration time of <4 minutes)
• Useful for identifying patients at risk of dysphagia, with a clear
cut-off level (a score of ≥3 is abnormal)
脳卒中などで嚥下障害の存在が明らかな場合には、嚥下スクリーニングは不要で、最初からフードテストやVE、VFなどを行います。一方、presbyphagia(老嚥)の場合には、嚥下スクリーニングが必要です。適切な嚥下スクリーニングがなければ、presbyphagia(老嚥)を見落とす可能性があります。
低栄養の見落とし予防にはMNA-SFが有用だと考えていますが、presbyphagia(老嚥)の見落とし予防にはEAT-10が有用ではないかと私は感じています。presbyphagia(老嚥)、EAT-10とも今後、日本で広がってほしいと思います。
3番目の図は嚥下障害患者に対する栄養介入です。absolute dysphagiaは経口摂取不可能な重度の嚥下障害、relative dysphagiaは経口摂取可能な中等度~軽度の嚥下障害のようです。いずれにしても適切な栄養管理が必要です。
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