2014年5月1日木曜日

効果10倍の教える技術

少し古い(2006年)ですが、吉田新一郎著、効果10倍の教える技術、PHP新書を紹介します。

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-64846-0

これまでの教え方・学び方は「工場モデル」でしたが、これからの教え方・学び方は楽しくエキサイティングで、楽しむ部分と真面目な部分の両方だ大切です。

どのくらい身に付くか(忘れないか)を数字で表すと、以下のようになるそうです。科学的根拠はない数字かもしれませんが…。

聞いたことは10%
見たことは15%
聞いて見たときは20%
話し合ったときは40%
体験したときは80%
教えたときは90%

これは私が研修会に参加する側になったときの実感と大差ありません。一方的な講義でしかも面白くない講義だと0%と言っても過言ではありません。話し合いも有用ですが、体験や教えることには敵いませんね。

悪い研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。

眠い、だるい、退屈、おもしろくない、感動できない、講義のみ、座りっぱなし、講師が口ベタ、講師の自慢話、講師が威張っている、講師のひとりよがり、講師に魅力がない、欠席が許されない(強制的な参加)、受講者にやる気がない、魅力的な異性がいない、笑いがない、テーマがはっきりしない、発言者の論旨が不明、一般論ばかり、話が難しすぎる、ドキドキしない、新鮮味がなく内容がマンネリ化している、堅苦しい、役に立つことがない、早く家に帰りたいと思う、レポートを書かせる、時間が長い、時間を守らない、休憩がない、時間が遅くなる、宿題がたくさんある、発言に気をつかう、自分の発言で評価される、話し合う時間がない(少ない)、参加者同士が知り合えない、無駄な時間を過ごしたと感じる、疲れがどっと出る

自分で書いていても耳が痛い部分がいくつもあります(苦笑)。確かにこんな研修会には参加したくないですが、こんな研修会を企画したり講義したりしている自分がいることも認識させられます。一方、いい研修会の例として以下のような紹介がされています(p47)。

楽しい、ワクワクする、夢中になれる、興奮する、満足感を味わう、知らないことを知る、知識が広がる、発想が広がる、眼からウロコが落ちる、成果がみんなのもの、いい講師、明日から使える、時間が短く感じる、人と知り合える、互いを理解し合える、仲間ができる、興味ややる気がある人の集まり、意欲がわく、技術の習得、参加することにより成長する、もう一度やりたいと思う、終わった後のビールがうまい、家に帰り家族・友人に話したくなる、一生の財産になる、自由に発言できる、形式的でない、活動的なプログラム

これを全部満たすのはとても無理ですが、1つでも悪い研修会の要素を少なくして、いい研修会の要素を増やせるようにしないとなあと感じました。いい研修会の要素として、以下のよな紹介もあります(p50)。

①会の雰囲気がいい
②得るものがある
③発見や出会いがある
④参加者の主体的な参加
⑤講師ではなくコーディネーターの存在
⑥振り返りがある
⑦目的の共有と達成が図れる
⑧動きのある学び
⑨実践できる研修
⑩研修で終わらず、つながる・広がる
⑪参加しやすい条件

このうち、⑩に関してはFacebookやITを研修会前後に活用できれば、比較的実現可能ではと感じます。講義・講演スタイルの研修会でも、振り返りの時間を作ることは可能かと思います。体験までは容易ではありませんが、少なくとも話し合う機会の多い講義・講演をしたいですね。

学びの原則に従った教え方として9つ紹介されています(p60)。

①人は皆、常に学んでいる
②安心して学べる環境が大切である
③積極的に参加できるとよく学べる
④意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
⑤選択できるとよく学べる
⑥十分な時間があるとよく学べる
⑦協力できるとよく学べる
⑧振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
⑨互いに讃え合ったり、教え合える機会があるとよく学べる

これらは自分が学ぶときのことを考えると共感できます。個人的には常には学んでいないですが(苦笑)。幸か不幸か教える側にまわる機会が多いので、こういったことを意識して、研修会や講義・講演をしていくようにしたいと思います。

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