2014年12月29日月曜日

リハ関連雑誌のガイドライン使用義務化

ご存知の方も多いと思いますが、2015年1月1日からリハ関連28雑誌では、研究デザイン別のガイドライン(CONSORT、STROBE、CAREなど)使用が投稿論文に義務化されます。下記HPで全文読めます。必ずガイドラインを使用して研究計画立案と執筆をしましょう。

http://ptjournal.apta.org/content/94/4/446.long

2014年12月26日金曜日

2014年の振り返り

若干早いですが、2014年の振り返りをしたいと思います。 

学会発表・講演筆頭演者 2011年8回 → 2012年18回 → 2013年26回 → 2014年11回

講演(大学講義なども含め) 2011年69回 → 2012年95回 → 2013年77回 → 2014年86回

原著論文 2011年2本 → 2012年1本(筆頭ではありませんが) → 2013年1本 → 2014年3本(他にレター論文とレターの返事1本ずつ)

書籍(編著) 2011年 1冊 → 2012年 2冊 → 2013年3冊  → 2014年3冊

総説・書籍など依頼原稿 2011年19本 → 2012年27本 → 2013年38本 → 2014年36本(筆頭のみ)

日本リハビリテーション栄養研究会会員数 2011年末574人 → 2012年12月28日1917人 → 2013年12月27日現在3077人 → 2014年12月26日現在4116人

ブログ執筆本数 2011年415本 → 2012年367本 → 2013年144本 → 2014年50本

テレビ・ラジオ・雑誌など 2012年0回 →2013年4回 →2014年6回

2014年こそ講演を減らそうと考えていましたが、学会発表と合わせると97回でした。現在は全国規模の学会と国際学会でない限り、原則として講演はお断りさせていただいていますので、来年こそ少なくなると信じています。その分、リハ栄養の研究の土台を作ることに集中します。

原著論文は今年もImpact Factorのある雑誌に、リハ栄養の内容で掲載することができました。またリハ栄養的な内容の論文に対するレター論文が掲載されたのも、今年の収穫の1つです。来年は論文の種類に関わらず、リハ栄養の英語論文を4本掲載させたいと考えています。

書籍は来年も2冊出版予定ですし、さらに増えることが見込まれています。ですので、来年はこれ以上はいいかなと思います。医療者向けではなく一般の方向けの書籍を執筆できればと思うことはありますが、英語論文の執筆が先ですね。

総説ではリハ栄養のレビュー論文がJ Cachexia Sarcopenia Muscleに掲載されたことが最大の成果です。佐久間先生のおかげで、ようやく海外にリハ栄養の考え方を発信できました。来年以降も引き続き海外にリハ栄養の考え方を広められるよう、英語論文執筆に力を入れたいと考えています。

日本語の依頼原稿は減りませんね。他の方に執筆依頼できるものはなるべくしようと思いますが、それでもある程度は執筆していくことが必要だと再認識しました。英語論文を執筆しても日本の方はあまり読まないので、英語と日本語の両方で執筆していこうと考えます。

日本リハビリテーション栄養研究会の会員数は順調に増えています。12月13日の第4回日本リハビリテーション栄養研究会学術集会も626人の参加があり盛会でした。今後は、海外にリハ栄養を広める、リハ栄養を広める人を全国で育成する、リハ栄養のガイドラインを作ることが5年以内の目標です。

ブログに関しては週1回程度が今後も限度だと思います。TwitterとFacebookでは今でも簡単に論文紹介していますので、興味のある方は私のTwilogを見ていただければ参考になるかと思います。
http://twilog.org/HideWakabayashi

今年もテレビやラジオに出演させていただくことが数回ありました。来年の出演予定はまったくありませんが、ためしてガッテンの影響力が大きいことは実感できました。来年の目標に関しては、別の機会に書きたいと思います。まずは振り返りまで。以下、2014年の私の業績です。

(原著論文:レター含む)
Wakabayashi H, Matsushima M: Dysphagia assessed by the 10-item Eating Assessment Tool is associated with nutritional status and activities of daily living in elderly individuals requiring long-term care. J Nutr Health Aging, in press
Wakabayashi H: Comment on “Early nutritional support and physiotherapy improved long-term self-sufficiency in acutely ill older patients”. Nutrition, doi: 10.1016/j.nut.2014.09.014
Wakabayashi H, Sashika H: Response to the “Letter to the Editor: Re: Malnutrition is associated with poor rehabilitation outcome in elderly inpatients with hospital-associated deconditioning: A prospective cohort study”. J Rehabil Med 46(9)p942-943, 20149
Wakabayashi H, Matsushima M, Sashika H: Head lifting strength is associated with dysphagia and malnutrition in frail elderly. Geriatr Gerontol Int, doi: 10.1007/s13539-014-0162-x
若林秀隆、栢下淳:摂食嚥下障害スクリーニング質問紙票EAT-10の日本語版作成と信頼性・妥当性の検証.静脈経腸栄養29(3)p871-876, 20145

(総説)
Wakabayashi H, Sakuma K. Rehabilitation nutrition for sarcopenia with disability: a combination of both rehabilitation and nutrition care management. J Cachexia Sarcopenia Muscle, 5(4)p269-277, 201412
若林秀隆:ちょっと待った! その患者さん、リハ必要ですよ-脳卒中.レジデントノート16(15)p2899-2904, 201412
若林秀隆:リハビリテーション栄養.medicina 51(13)p2260-2263, 201412
白石愛、若林秀隆:回復期リハ病棟で気づけること・できること.デンタルハイジーン34(12)p1344-1347, 201411
若林秀隆:ちょっと待った! その患者さん、リハ必要ですよ-嚥下障害(誤嚥性肺炎).レジデントノート16(13)p2498-2504, 201411
若林秀隆:サルコペニアに対する運動・栄養介入-コンビネーション介入で重要なのはサルコペニアの原因の追及.Clinic magazine 545p15-17, 201411
若林秀隆:老嚥とサルコペニアの嚥下障害.脊椎脊髄ジャーナル27(11) p991-997, 201411
吉田志麻、若林秀隆:歯科診療所で気づけること・できること.デンタルハイジーン34(11)p1236-1240, 201410
若林秀隆:在宅医療でのリハビリテーション栄養実践.日本医事新報 4721p60-61, 201410
上野理美子、若林秀隆:嚥下障害.救急・集中治療26(910)p1379-1387, 201410
若林秀隆:サルコペニアとは何ですか?ニュートリションケア7(10)p940-941, 201410
若林秀隆:サルコペニア肥満とは何ですか?ニュートリションケア7(10)p942-943, 201410
若林秀隆:サルコペニアの診断基準はありますか?ニュートリションケア7(10)p944-945, 201410
若林秀隆:嚥下障害とサルコペニア.CLINICAL CALSIUM 24(10)p1509-1517, 201410
東澤雪子、若林秀隆:リハビリテーションと栄養.デンタルハイジーン34(10)p1114-1117, 20149
若林秀隆、他:嚥下スクリーニングツール「EAT-10」と有用性.臨床栄養125(3)p334-341, 20149
若林秀隆:摂食・嚥下障害者のリハビリテーション栄養管理と地域連携.臨床リハ23(9)p862-867, 20148
高柳久与、若林秀隆:サルコペニアとは?デンタルハイジーン34(9)p998-1001, 20148
高坂陽子、若林秀隆:低栄養とはどのような状態か?~飢餓、侵襲、悪液質・低栄養による問題点~.デンタルハイジーン34(8)p879-882, 20147
若林秀隆:脳卒中リハビリテーション‐新たなる治療戦略:急性期からの栄養管理とリハビリテーション.モダンフィジシャン34(7)p764-767, 20147
若林秀隆:運動とアンチエイジング.Medical Practice31(7)p1086-1090, 20146
原徳美、若林秀隆:歯科と低栄養・サルコペニアの関係.デンタルハイジーン34(7)p766-769, 20146
若林秀隆:サルコペニア.腎と透析76増刊号p415-417, 20146
若林秀隆:サルコペニアと栄養療法‐高齢者の栄養状態とQOL.静脈経腸栄養29(3)p837-842, 20145
若林秀隆:フレイル高齢者のためのリハビリテーション栄養.Medical Rehabilitation170p60-67, 20145
若林秀隆、他:回復期リハビリテーションにおけるリハと栄養を考える~効果的なリハビリテーションを推進するために.回復期リハビリテーション13(1)p19-22, 20145
若林秀隆:不要な「禁食」「安静」が一因に‐複合的サルコペニアを背景とする繰り返される肺炎.訪問看護と介護19(5)p393-398, 20145
若林秀隆:リハビリテーション栄養ってなに?ニュートリションケア2014年春季増刊 p80-81, 20144
若林秀隆:サルコペニアによる嚥下障害ってなに?ニュートリションケア2014年春季増刊 p31-33, 20144
若林秀隆、他:EAT-10と嚥下調整食.ヒューマンニュートリション6(3)p72-77, 20144
若林秀隆:サルコペニア・ロコモティブシンドローム改善のための栄養介入.臨床栄養124(3)p298-304, 20143
若林秀隆:高齢者CKD/ESKD患者の低栄養・サルコペニアの病態と治療.腎と透析76(2)p267-272, 20142
若林秀隆:ヨーロッパの摂食・嚥下分野における栄養管理の現況と課題.難病と在宅ケア19(10)p46-49, 20141
若林秀隆:老嚥(presbyphagia)とは.臨床栄養124(1)p12-13, 20141
若林秀隆:アウトプット型学習のすすめ.ニュートリションケア 7(1)p8, 20141

(著書)
【単著・編著】
日本リハビリテーション栄養研究会、若林秀隆:実践リハビリテーション栄養‐病院・施設・在宅でのチーム医療のあり方.医歯薬出版,20149
谷口英喜,若林秀隆:老年薬学‐体液・栄養管理.慶應義塾大学薬学部,20148
荒金英樹,若林秀隆:悪液質とサルコペニア‐リハビリテーション栄養アプローチ.医歯薬出版,20142
【分担執筆】
若林秀隆:リハビリテーション栄養の基礎知識と実際.日本リハビリテーション病院・施設協会・口腔リハビリテーション推進委員会編:地域包括ケアを支える医科歯科連携実践マニュアル,三輪書店,p70-73201411
若林秀隆:整形外科術後の回復期リハビリテーション時.大村健二編:栄養管理をマスターする-代謝の理解はなぜ大事?文光堂,pp242-25020147
若林秀隆:ブログを設けたい.上月正博編著:こんなときどうする?リハビリテーション臨床現場のモヤモヤ解決!医歯薬出版,pp142-14620146
若林秀隆:ロコモティブシンドローム:病態の特徴.雨海照祥他編:高齢者の糖尿病と栄養,フジメディカル出版,pp116-11720145
若林秀隆:栄養に関連する廃用症候群.奈良勲他編:理学療法から診る廃用症候群-基礎・予防・介入,文光堂,pp86-9620145
若林秀隆:周術期リハビリテーション,早期離床の効果.日本外科代謝栄養学会 周術期管理ワーキンググループ:ESSENSEpp100-11120142
若林秀隆:リハビリテーション栄養.川越正平編:家庭医療学・老年医学・緩和医療学の3領域からアプローチする在宅医療バイブル,日本医事新報社,pp203-20920142
若林秀隆:サルコペニアとリハビリテーション栄養.平原佐斗司編:在宅医療のすべて (スーパー総合医) ,中山書店,pp44-5220142

(学会発表・講演)
Hidetaka Wakabayashi: Association between dysphagia assessed by the 10-item eating assessment tool (EAT-10) and malnutrition in frail elderly. 36th Congress of the European Society of Clinical Nutrition and Metabolism, Geneva, September 2014
Hidetaka Wakabayashi: Presbyphagia, Sarcopenic Dysphagia and Swallowing Rehabilitation. 5th Nestle Nutrition Institute Workshop on Multidisciplinary Approach to Dysphagia Patient Care, Hamamatsu, June 2014
Hidetaka Wakabayashi, Hironobu Sashika: Dysphagia assessed by the 10-item Eating Assessment Tool is associated with malnutrition in frail elderly. 8th World Congress of the International Society of Physical and Rehabilitation Medicine, Cancun, June 2014
Hidetaka Wakabayashi: Nutrition and rehabilitation. 91回日本生理学会大会,鹿児島,20143
若林秀隆:サルコペニアと日本リハ栄養研究会の展望.第4回日本リハビリテーション栄養研究会学術集会,名古屋,201412
若林秀隆:リハビリテーション栄養からみたオーラルマネジメント.第28回日本口腔リハビリテーション学会学術大会,大阪,201411
若林秀隆:サルコペニアの摂食嚥下障害とリハビリテーション栄養.リハビリテーション・ケア合同研究大会長崎2014,長崎,201411
若林秀隆:サルコペニアとリハビリテーション効果.第53回全国自治体病院学会in宮崎,宮崎,201410
伊藤淳子,若林秀隆,鴻井建三,山岸誠:MP人工関節置換術を施行したリウマチ患者の栄養状態について.第29回日本静脈経腸栄養学会,横浜,20142
若林秀隆:高齢者の頭部挙上筋力と摂食嚥下障害・栄養障害の関連.第29回日本静脈経腸栄養学会,横浜,20142
若林秀隆:効果的なリハビリテーションを実践するために必要な知識と視点.回復期リハビリテーション病棟協会第23回研究大会,名古屋,20142
若林秀隆:回復期リハ栄養病棟の考え方.回復期リハビリテーション病棟協会第23回研究大会,名古屋,20142

(研究助成金)
若林秀隆:CTによるサルコペニア指標の開発およびサルコペニアによる摂食・嚥下障害の解析.学術研究助成基金助成金 基盤研究(C) 195万円(内、間接経費45万円)、研究代表者
若林秀隆:地域・在宅高齢者における摂食嚥下・栄養障害に関する研究―特にそれが及ぼす在宅療養の非継続性と地域における介入システムの構築に向けて―.厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合事業)30万円、研究分担者

(その他:テレビ、ラジオ、雑誌)
若林秀隆:肺炎糖尿病に勝つ!筋トレで免疫力UP技.ためしてガッテン,NHKテレビ,2014917
若林秀隆:認知症のリハビリと栄養.ラジオあさいちばん,NHKラジオ,201469日~13
若林秀隆:警告!筋力低下は“死”につながる.NHKためしてガッテンVol25冬号,主婦と生活社,p59201412
若林秀隆:サルコペニアってどんな病気?栄養と料理80(9)p86-92, 20148
若林秀隆:サルコペニア予防の筋トレ3種.NHKあさイチ:めざせ-3kg簡単ダイエット,宝島社,p3520145

若林秀隆:筋肉の減少「サルコペニア」が命を脅かす.NHKためしてガッテン:「骨筋力」で若返る,主婦と生活社,p4120145

2014年12月24日水曜日

ためしてガッテン「肺炎糖尿病に勝つ!筋トレで免疫力UP技」

9月17日に放送された、ためしてガッテン「肺炎糖尿病に勝つ!筋トレで免疫力UP技」ですが、1月5日(月)10時5分から再放送されます。前回見逃した方は録画などで見ていただけると嬉しいです。サルコペニアについて私が紹介しています。よろしくお願い申し上げます。

http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20140917.html

2014年12月3日水曜日

Dysphagia assessed by the 10-item Eating Assessment Tool is associated with nutritional status and activities of daily living in elderly individuals requiring long-term care

Dysphagia assessed by the 10-item Eating Assessment Tool is associated with nutritional status and activities of daily living in elderly individuals requiring long-term careという論文が、The
Journal of Nutrition, Health and Agingという雑誌にアクセプトされました。


リハ栄養の原著論文をアクセプトさせることができてよかったです。抄録だけ掲載しておきます。

Objectives: The 10-item Eating Assessment Tool (EAT-10) is a self-administered questionnaire for dysphagia screening, with each item scored from 0 to 4. We assessed the associations among the EAT-10 score, nutritional status and activities of daily living (ADL) in elderly individuals requiring long-term care.
Design: Cross-sectional study.
Setting: Geriatric health services facilities, acute hospitals, and the community.
Participants: Elderly individuals ≥65 years of age with dysphagia or possible dysphagia (N=237).
Measurements: The EAT-10, the Mini Nutritional Assessment Short Form (MNA-SF) and the Barthel Index.
Results: There were 90 males and 147 females. Mean age was 82 ± 8 years. Eighty-nine were in geriatric health services facilities, 28 were in acute hospitals, and 120 were community-dwelling. The median Barthel Index score was 55 (interquartile range: 25, 80). The median EAT-10 score was 1 (interquartile range: 0, 9), and 101 respondents a score more than 3, indicating the presence of dysphagia. The MNA-SF revealed that 81 were malnourished, 117 were at risk of malnutrition, and 39
had a normal nutritional status. The Barthel Index score and MNA-SF score were significantly lower in those with an EAT-10 score between 3 and 40, compared to those with an EAT-10 score between 0 and 2. The EAT-10 has an independent effect on the Barthel Index and the MNA-SF by adjusting for covariates such as age, gender, and setting in multiple regression analysis.
Conclusions: Dysphagia assessed by the EAT-10 is associated with nutritional status and ADL in elderly individuals requiring long-term care.