2013年1月14日月曜日

嚥下食ピラミッドによるペースト・ムース食レシピ230

栢下淳編著、嚥下食ピラミッドによるペースト・ムース食レシピ230、医歯薬出版を紹介します。

http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=706040

嚥下食ピラミッドの書籍はこれで4冊目になりますが、今回はL3前後の嚥下食、ペースト食に重きを置いているのが特徴です。徳島赤十字病院で提供されている粗ペースト食(L4)、ペースト食(L3)、ムース食(L2)のレシピ集が力作です。

ペースト前の食事と粗ペースト食、ペースト食、ムース食すべてのエネルギー量、3大栄養素量が記載されています。これを見ると、食形態を調整することでエネルギーとたんぱく質の量が大きく低下することがよくわかります。栄養管理ではこの点を十分考慮することが必要です。

嚥下食ピラミッドでよくある誤解として、ゼリー食が経口摂取できないので禁食にするということがあります。この点に関しても、仙田先生がゼリー食とペースト食の選択についてわかりやすく解説しています。両者と水を評価することが経口摂取の可否判断に必要です。

ゼリー食に関しては先行書籍や市販品の存在などで、以前に比べ病院・施設間の差は少なくなっています。一方、粗ペースト食、ペースト食、ムース食に関しては、ゼリー食より病院・施設間の差はまだ大きいと感じます。嚥下食の連携強化のテキストとしてお勧めします。

目次
1 嚥下食ピラミッドにおけるゼリー食(L0)とペースト食(L3)の適応(仙田直之) 嚥下食ピラミッド
 地域連携の取り組み
 嚥下食ピラミッドの落とし穴
 ゼリー食とペースト食の適応
 ゼリー食とペースト食の選択
2 嚥下食ピラミッドの概念―栄養摂取の注意点―(金谷節子・栢下 淳)
 簡易的な摂食・嚥下スクリーニング
 摂食・嚥下機能の低下と低栄養の問題
 形態調整した食事とエネルギー・たんぱく質量との関係
 形態調整した食事の基準化に向けて
 嚥下食ピラミッドとは
 嚥下食ピラミッドの概念
 嚥下食の形態調整
3 嚥下食の物性(国重美樹・末丸彩香・山縣誉志江)
 物性の測定方法
 本書収載レシピの物性
4 嚥下食の調理方法―調理するときのコツ―(徳島赤十字病院栄養課)
 嚥下食調理に必要なもの
 食事形態別の調理方法
 まとめ
ペースト・ムース食レシピ
 レシピの見方・考え方
 ソース
 全粥
 巻き寿司
 ちらし寿司
 親子丼(具)
 牛丼(具)
 カレーライス
 ハヤシライス
 チキンライス
 チャーハン
 煮込みうどん
 焼きそば
 ラーメン
 お好み焼き
 たこ焼き
 厚焼き卵
 牛肉
 鶏肉
 豚肉
 ハンバーグ
 鶏のから揚げ
 焼き魚 さけ
 焼き魚 さわら
 焼き魚 たい
 ぶりの照焼き
 かれいの煮付け
 さばのみそ煮
 すき焼き
 肉じゃが
 けんちん煮
 筑前煮
 クリームシチュー
 酢豚
 麻婆豆腐
 えびしゅうまい
 魚フライ
 えびフライ
 肉コロッケ
 天ぷら さつまいも
 天ぷら なす
 おでん こんにゃく
 おでん だいこん
 おでん 卵
 おでん 竹輪
 おでん 焼き豆腐
 かぼちゃの含め煮
 切干しだいこんの煮付け
 さといもの含め煮
 ポテトサラダ
 きんぴられんこん
 ほうれんそうのお浸し
 なすのみそ和え
 ひじきの炒り煮
 きゅうりの酢の物
 もずくきゅうり
 なます
 金時豆
 黒豆
 たくあん漬
 キムチ
 しば漬
 野沢菜漬
 らっきょう
 けんちん汁
 豚汁
 みそ汁

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