2013年9月15日日曜日

第3回ヨーロッパ嚥下障害学会(ESSD)参加報告

9月13-14日とスウェーデンのマルメで開催された第3回ヨーロッパ嚥下障害学会(ESSD)に参加してきました。第1回、第2回とも参加できず、一度は参加したいと思っていた学会でした。

http://www.myessd.org/

日本からの参加者は10人強というところでした。全体の参加者はざっくり300~400人くらいです。全体的にいうと、嚥下はヨーロッパより日本のほうが進んでいるように感じました。アメリカからの講師が多かったのもあるかもしれません。

私が一番聞きたかったPresbyphagiaのセッションでは、PresbyphagiaはDysphagiaではないと言っていました。Presbyphagiaの時点で発見して筋トレなどでDysphagiaへの移行を予防することが重要です。

Presbyphagiaの話の中で、サルコペニアという言葉が数回出てきました。サルコペニアだけがPresbyphagiaの原因ではありませんが、重要な一因ではあると考えます。

しかし、嚥下筋のサルコペニア研究の紹介はありませんでした。Sarcopenic dysphagiaという言葉も出てきませんでした。他のセッションも含めて、論文で入手できないほどの新しい情報は、サルコペニア関連ではありませんでした。

一方、EAT-10を使用した研究は、私の発表も含めて150弱の演題中、5演題もありました。EAT-10に関する論文はまだ少ないですが今後、増えてくることが予測されます。ESSDとしてもEAT-10を推奨している雰囲気がありました。

増粘剤に関しては、2年前に比べれば今のほうが改善されていましたが、まだまだ日本のほうが断然進んでいます。物性に関するセッションもありましたが、液体に関する話のみで固形物に関する話はありませんでした。

嚥下の世界では日本のほうが全体的に進んでいるとはいえ、進んでいることを英語で十分発信していないので、ヨーロッパに伝わっていないというのは今回も感じました。毎回ですが英語での発信の重要性を再認識しました。

来年の第4回ESSD(ヨーロッパ嚥下障害学会)は10月23-25日にブリュッセルで開催されます。私は参加しない予定ですが(笑)、興味のある方は日程をチェックしておいてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿