2011年5月6日金曜日

Second international course on oropharyngeal dysphagia1日目報告

Second international course on oropharyngeal dysphagia1日目の様子をざっくりと紹介します。時差ぼけなので誤字脱字などはご容赦ください。

Course objective: Educate on science-based state-of-the-art practices in dysphagia patient care
サイエンスに基づいたとあるようにほとんどの講義が英語論文の紹介で、サイエンスへのこだわりを強く感じました。

Chairman: Dr. Pere Clave (Spain)
ヨーロッパ嚥下学会(ESSD)の会長です。

Location: マタロ病院、バルセロナ
3階建てのきれいな病院です。病院内の講堂(?)で開催されました。病室は基本的に2人部屋でした。

初日の主なコース内容
Definition, prevalence, and burden of oropharyngeal dysphagia: a serious problem among older adults worldwide

Consequence of dysphagia: Impact on prognosis and hospital resources

Physiology of deglutition and pathophysiology of oropharyngeal dysphagia
嚥下障害の解剖生理、病態生理、呼吸と嚥下の関連、呼吸ケアの講義

Screening and clinical assessment of oropharyngeal dysphagia
EAT-10、嚥下スクリーニングの系統的レビュー、V-VST (Volume-Viscosity swallowing test)の講義

Practical Session 1: Bedside clinical assessment using the V-VST
マタロ病院の中で実際に嚥下障害の患者に看護師がV-VSTを行っている様子を見学。これはスペイン語だったので、見た様子でしかわかりませんでした。

Instrumental diagnosis and respiratory care in the patient with oropharyngeal dysphagia
VF、VE、その他の嚥下障害診断方法の講義

Pathophysiology relevance and natural history of oropharyngeal dysphagia among patient groups
神経疾患(主に脳卒中)、高齢者、誤嚥性肺炎の講義

Practical Session 2: Measuring the swallow response by video fluoroscopic swallow study: Clinical examples
4例の患者のVFのビデオを供覧してディスカッション。脳卒中、精神的嚥下障害、嚥下反射の消失した患者(疾患は不明)など。

参加者は15カ国から約50人程度ですが、アジアからの参加は日本と中国のみで、他は全員白人でした。職種では医師、SLP、栄養士の参加が多い印象です。

内容的には中級レベルで知っていることも多かったですが、自分が知らなくて重要だと感じる論文もいくつかありました。それは後日、紹介したいと思います。日本摂食・嚥下リハ学会のE-learningをすべて見て理解していれば、8割程度はカバーできるという印象です。

英語の聞き取りはほぼ大丈夫でしたが、英語でのディスカッションはただ聞くだけで、典型的な日本人だなあと感じました(笑)。

病院内での昼食とGala Dinner (Casa Roura restaurant)は、どちらもスペインのコース料理で、とてもおいしかったです。昼食の時からワインが出ていて、私のテーブルでは全員ワインを飲んでいました。私もまわりにあわせて白ワインを3杯程度…(笑)。

ESPEN(ヨーロッパ静脈経腸栄養学会)のNutrition Dayのように、Dysphagia Dayというものを企画しています。今年はトライアルで今回のコースに参加した人たちだけを対象に行い、来年からは広く参加者を募集するそうです。嚥下障害患者の貴重なデータになる可能性があります。トライアルのデータは、9月にオランダで行われる第1回ヨーロッパ嚥下学会で紹介されます。

日本からもぜひヨーロッパ嚥下学会に参加してほしいとのことでした。私は9月の学会には参加できませんが、第2回は来年10月か11月にバルセロナで開催されるそうです。バルセロナは今回とても好印象でしたので、日程があえば参加したいと思います。

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