2011年11月11日金曜日

キャリアデザイン入門③

キャリアデザイン入門シリーズで、今回は金井壽宏氏のキャリア理論を紹介します。

金井壽宏教授が提唱する「節目」のキャリア論
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/career11/career01.html

なお、上記の「エンジニアも知っておきたいキャリア理論入門」全15回は、医療人も知っておきたい内容ですので、時間のあるときに一通り目を通すことをお勧めします。

上記HPからの引用です。

「金井先生の「キャリア・デザイン」論の基本的なメッセージは、“(人生の)節目に絶対に意識してデザインすべきものが「キャリア」だ” というものです。(中略)節目では真剣にキャリア・デザインを行うけれど、それ以外はキャリア・ドリフト、偶然の出来事を自分の可能性を広げるチャンスとして生かすのです。」

キャリアについて毎日考えていると気が重くなります。かといってキャリアについて何も考えないようでは、自分の人生を生きているとは言いにくい気がします。節目(社会人となる時期、30歳前後、結婚・出産、疾患など)のときだけは、自分のキャリアについてじっくり考えるべきでしょう。

私はよく講演でドラッカーの「何によって憶えられたいか」を引用しますが、これを毎日考えていると何もできなくなります(笑)。行動して初めて理解できることも少なくありません。ですので、「何によって憶えられたいか」について、自分なりの仮説としての答えが見つかった後には、1年に1-2回熟慮すればよいと思っています。その後は仮説検証サイクルをまわし続けることです。

HPからの引用です。
「20年も30年も先のことはデザインできない。そんな先までの道程は分からないから。だからこそ、数年に1回くらい自分に訪れる節目のときくらいは、しっかりキャリア・デザインすべき。節目でさえデザインしなかったら、ずっと流されたままになってしまう。
節目だけでもデザインして、不確実な中にも大きな方向感覚や夢を持っていれば、あえて流されてみた方が、「思わぬ掘り出し物」に出合えるかもしれない。」

確かに20~30年後のことなどまったくわかりません。生きているかどうかもわかりませんし(笑)。せいぜい3~5年後になりたい自分をイメージするのが現実的だと思います。流されたままのキャリアは、他人や社会によって生かされたキャリアといっても過言ではないかもしれません。それでよいという方にはキャリアデザインは不要ですが。

上記HPからの最後の引用です。
「金井流キャリアトランジション・モデルは以下の4ステップで構成されています。1.キャリアに方向感覚を持つ。2.節目だけはキャリア・デザインする。3.アクションを起こす。4.ドリフトも偶然も楽しみながら取り込む。」

キャリアも考えるだけでもアクションするだけでもダメだということですね。経験学習モデルのサイクルをまわすのに似ています。

金井壽宏氏:魂の仕事人第32回
http://www.jinzai-bank.net/careerlab/info.cfm/tm/128/

上記HPからの引用です(其の二)。
「石の上にも3年」というのはほとんど深い意味はないんですが、新しい仕事に就いたら、最初に向いているかどうか悩む時期はあって、そのときに最低、必要な努力はするべきやと思うね。つまりとことんやってみる前に辞めちゃダメと思う。」

これは必ずしも三年でなくてもよいとは思いますが、安易に辞めないことはやはり重要だと感じます。ただし、職場が腐っている、ブラック企業ならぬブラック病院・施設の場合には話は別で、すぐに辞めるべきです。

これ面白いので引用します(其の二)。
「こんなこと言ったら医者の友達は怒ると思うけど、そいつのポテンシャリティー見てて、「もったいない。おまえみたいな優秀なやつがなんで医者をやるのよ」って思う。地頭が良くて、親父が医者で、周りも「おまえは医者になったらいい」って言うから医者になってしまって。結果的に立派な医者になってるからいいけど、もういっぺん視野を広げてみたら、いろんな可能性があるんじゃないかって思うね。」

医者をやるのがもったいないというのは、私には新鮮な発想です(笑)。でも医者をやらないのがもったいないという人も一方でいるとは思うのですが…。いろんな可能性を重視することは同感です。

其の三からの引用です。
「仕事を長く続けるためには他者から認められることが必要やと思うね。良いことさえやっていたら社会に認められなくてもいいじゃないかという高尚なことを言う人もいますが、社会とか他者が認めてくれなかったら絶対にさびしくなるから。」

「何によって憶えられたいか」の答え(仮説)を持つことが重要な理由の1つがこれです。誰か(それを決めるのも大事なことです)に憶えられることで、長く続けることができるができるのだと思います。

少し長いですが、最後の引用です(其の五)。
「特に若い人に言ってあげたいのは、どんな仕事の世界でもうれしいこととつらいことがあるから、落ち込むことがあっても大丈夫だってこと。
 キャリアは一生続くものだから、途中で失敗したり挫折しても、振り返るたびに後知恵でもいいから、これまで経験してきたことにはそれぞれどんな意味や教訓があったのかということを考えた方がいいと思う。うまくいかなかった経験も含め、これまでのキャリアを全否定しない方がいい。そうやって経験を蓄積していって35歳とか40歳になった頃に、ちょうど人生の真ん中ころだから、残りの人生で何をやりたいかというのを考えたらいいと思うね。」

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