2014年のリハ栄養の課題を考えてみます。臨床、教育、研究、管理面とも課題が多いのですが、その原因の1つにリハ栄養の疾患別の各論が弱いことがあげられます。リハ栄養の総論として言葉と考え方はいくらか普及したと感じますが、疾患別の各論はまだまだこれからです。
海外でもリハ栄養の取り組みはあまり聞きませんが、がんに関してはマギル大学のThe McGill Cancer Nutrition and Rehabilitation (CNR) programがあります。下記文献に詳しいです。全文PDFで読めます。
Chasen MR, Dippenaar AP. Cancer nutrition and rehabilitation-its time has come! Curr Oncol. 2008 Jun;15(3):117-22.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2442766/pdf/co15_3p117.pdf
がんのリハ栄養はマギル大学の取り組みを参考にできます。しかし他の疾患に関しては、参考となる取り組みはほとんどありません。心臓領域でリハ栄養という言葉が出てきますが、急性心筋梗塞後の心リハの中に生活習慣病の栄養指導を含んでいるのが主のようです。
日本リハビリテーション栄養研究会の会員の方には、1つに疾患を絞ってリハ栄養を追及してほしいと思います。特にがん、脳卒中、大腿骨近位部骨折、廃用症候群、嚥下障害(誤嚥性肺炎)、COPD、慢性心不全、慢性腎不全(PEW)、慢性肝不全、関節リウマチが重要と考えます。
私もリハ栄養の研究を継続していきますが、個人では1-2疾患について行うのが限度です。多くの方のお力が、リハ栄養の充実に必要です。この疾患のリハ栄養に関しては詳しいという方が増えてくると、それだけリハ栄養の臨床、教育、研究が充実することになります。
2014年、リハ栄養で頑張ろうと考えている方は、ぜひ1つの疾患のリハ栄養を追及していただきたいと思います。日本リハビリテーション栄養研究会ではリハ栄養研究デザイン学習会の実施などで、臨床研究のサポートを行いますので、よろしくお願い申し上げます。
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