2011年12月19日月曜日

今日から使える医療統計学講座:交互作用

週刊医学界新聞第2958号、2011年12月19日に「今日から使える医療統計学講座【Lesson8】交互作用」が紹介されています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02958_03

最初に「交互作用(または相互作用)は,臨床疫学において交絡と並ぶ重要なコンセプトですが,その交絡と交互作用の違いをきちんと理解している人は少ないようです。」とありますが、私もその1人です…。
以下、引用です。
「交互作用は英語ではInteractionと呼ばれ,「2つ以上のファクターが互いに影響を及ぼし合うこと」と定義されています。よく知られている例ですが,ワルファリンの服用中に納豆などのビタミンKを多く含む食事を制限するのは,ワルファリンとビタミンKが交互作用するからです。」

ちなみに交絡因子の定義は下記の通りです。

・その因子がアウトカムに対する既知のリスク要因である。
・その因子が要因とアウトカムの両方に関連する。
・原因と結果の中間因子ではない。

例えば「ライターを持っている人に肺癌が多い」場合、確かにそうかもしれませんが、交絡因子としてのたばこ・喫煙の影響が極めて大きいですよね。たばこ・喫煙は、交互作用とは確かに違います。

交絡因子は測定さえしておけば、多変量解析で比較的容易に調整が可能ですが、交互作用の解析は非常に難しいそうです。統計の専門家に相談しなければ太刀打ちできない気がします。最後にまとめとしてのReviewを引用します。以下、引用です。

「Review
*臨床研究では,交互作用をEffect Modificationとしてとらえると理解しやすいです。
*サブグループごとの解析の有意差のみでは,交互作用は判断できません。
*効果がサブグループ間で変わるかどうかは,統計的なエビデンスが必要です。
*交互作用の解析はパワーが落ちます。サンプル数の計算時に注意が必要です。
*交互作用を調べる項目は,プロトコールに記載しておきます。」

0 件のコメント:

コメントを投稿