2010年7月29日木曜日

チームリーダーの教科書

今日は藤巻幸夫著、大改訂:図解:チームリーダーの教科書、ダイヤモンド社を紹介します。

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=978-4-478-01335-9

目次を見るだけでも参考になりますが、リーダーに関してわかりやすく紹介されています。そしてリーダーを激励してくれる書籍です。この書籍ではリーダーを以下のように定義しています。

「リーダーとは、あるものごとを自分から「やろう」と切り出して、人々をその方向へと全力で導いていく存在だ。」

私は、Managers do things right. Leaders do right things.でマネージャーとリーダーを区別しています。違い、わかりますよね。

他の書籍で私が見たことがなかったのは、CHAPTER 09/規模別リーダーの役割です。確かに30人未満と1000人以上では、同じリーダーシップのスタイルでやれるわけがありません。30人と100人とでも違うと思います。

ただ、それを使い分けて実践できているかというと…さっぱりですね…。でも、このことに気付いただけでもよかったと感じています。

CHAPTER 10/モチベーションを保つためには?は優しい言葉が多いですが、全体的にはなかなか手厳しい内容が多いです。リーダーをやっている人、リーダーに興味のある人に読んでいただきたい書籍です。

目次

はじめに

CHAPTER 01 /事前準備が大事だ!

1 リーダーとは?
2 リーダーvs管理者
3 ゴールまでのイメージを描け
4 革新こそがリーダーの使命
5 想いを届けよ
COLUMN 1 バルス 代表取締役社長 島郁夫

CHAPTER 02 /チーム編成が成否を分ける

1 チームをつくる
2 人選のポイント1
3 人選のポイント2
4 人選のポイント3
5 オファーをかける
6 シミュレーションをする
7 新メンバーを決める
8 新メンバーを迎える
COLUMN 2 岡野工業 代表社員 岡野雅行

CHAPTER 03 /ビジョンを掲げよう

1 ビジョンとは?
2 現場に即したビジョンにする
3 夢のあるビジョンにする
4 社会性のあるビジョンにする
5 ビジョンへの不安を拭い去る
6 ビジョンのプレゼンテーション
7 ビジョンを広める
COLUMN 3 品川女子学院 校長 漆 紫穂子

CHAPTER 04 /戦略を固める

1 戦略を練る
2 余白のある戦略を提示する
3 メンバーのアイデアを引き出す 1
4 メンバーのアイデアを引き出す 2
5 メンバーのアイデアを引き出す 3
6 チームの戦略の決定
7 戦略の検証
COLUMN 4 ユーハイム 関西支社長 河本英雄

CHAPTER 05 /チームの士気を高める

1 士気を上げる!
2 メッセージを更新する
3 プロセスを評価する
4 評価の軸を定める
5 コミットメントを与える
6 褒める・感謝する
7 メンバーへの賞賛を集める
8 怒る・活を入れる
9 怒ったあとにフォローする
10 メンバー同士を結びつける
11 スピード感を演出する
12 チームの一体感を強める
13 リーダーとしてふるまう
COLUMN 5 サッポロドラッグストアー 代表取締役社長 富山睦浩

CHAPTER 06 /トラブルを防ぐには?

1 深刻なトラブルとは何か
2 誤解や聞き漏らしを防ぐ
3 問題にすぐ対応できる体制にする
4 問題を繰り返さないチームにする
5 個々のメンバーの失速を抑える
6 不穏な噂に対処する
7 下の世代との溝を埋める
8 上の世代との溝を埋める
9 距離を置く人との関係を改善する
10 混乱の要因をチームから取り除く
11 メンバーを外の風当たりから護る
12 上からの横ヤリに対処する
13 自分のミスにケジメをつける
COLUMN 6 東京グラフィックデザイナーズ 代表取締役社長 尾形次雄

CHAPTER 07 /リーダーが陥りやすいワナ

1 自分の成功体験におぼれる
2 緊張感が薄れていく
3 お金の使い方を誤る
4 権力に固執し始める
5 下の人材が育たない
COLUMN 7 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(1)

CHAPTER 08 /次のリーダーを育てる

1 次期リーダーを育成しよう
2 リーダー候補を見きわめる
3 リーダーの視点に触れさせる
4 リーダーの役割を教える
5 これまでの仕事を手放させる
6 プロジェクトの進行をフォローする
7 課題を自分で見つけさせる
8 次期リーダーを支援する
9 哲学や信念を引き渡す
COLUMN 8 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(2)

CHAPTER 09 /規模別リーダーの役割

1 30人未満のチームのリーダー
2 100人前後のチームのリーダー
3 数百人規模のチームのリーダー
4 1000人以上のチームのリーダー
5 チームの拡大や縮小に備える
COLUMN 9 藤巻幸夫が語る 武藤信一のリーダーシップ(3)

CHAPTER 10 /モチベーションを保つためには?

1 リーダーとして孤独を感じたとき
2 プレッシャーに負けそうなとき
3 チームがまとまらないとき
4 リーダーであることがつらくなったら
5 結果が伴わなかったとき

臨床栄養2010年8月号

臨床栄養2010年8月号で「適切な栄養管理はリハビリテーションの第一歩」という特集記事を執筆させていただき、発行になりました。

http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/eiyo/EiyoBookDetail.aspx?BC=061172

リハ栄養を特集した雑誌は今回が初めてのはずです。上記のHPでも一部中身を見れますし、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

目次(敬称略)
「リハビリテーション栄養」の考え方 若林秀隆
リハビリテーションで問題となる栄養不良
筋力低下 倉田由季
持久力低下 石田直子
嚥下障害 園田明子
病棟でのADL低下 浅田友紀
口腔・咀嚼機能障害 藤本篤士
管理栄養士とリハビリテーション 熊谷直子
NSTにおけるリハビリテーション関連職種の役割 湧上聖
トピックス
サルコペニアと悪液質 鈴村里佳
病棟・訓練室での臨床栄養評価 嶋津さゆり

2010年7月28日水曜日

若手リハ科医師座談会

日本リハ医学会で発行しているリハニュースNo46に、若手リハ科医師座談会:目指せ”enjoyリハ科医”!という記事が掲載されています。下記のHPで見ることができますので、リハ科医がどんな医師なのか謎の方は、一度見ていただけるとリハ科医のイメージがつきやすいと思います。

http://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_RN46.pdf

この記事の中でも提案されていますが、学会の中に若手医師だけが集まる場があることは賛成です。私は医学部卒業と同時に日本リハ医学会の会員となりましたが、参加型企画がほとんどないことや、学会の人口重心が50代にあることなどのために、自分の医局以外のリハ科医と知り合う機会はほとんどありませんでした。もっぱら別の学会でリハ科以外の医師や他職種と交流していました。今でもそうですが…。

もっと若いうちから全国のリハ科医で交流する場が学会内にあれば、リハ科医としてのアイデンティティの危機に悩む若手リハ科医が少なくなると思います。この座談会の若手リハ科医師たちが本気になれば、若手医師だけが集まる場を作ることはすぐにできるはずですし、勝手に期待しています。私はもう若手ではありませんが…。

食事パターンと転倒による骨折の関連

今日は、日本人高齢者で食事パターンが転倒による骨折と関連するという論文を紹介します。

Monma et al: Dietary patterns associated with fall-related fracture in elderly Japanese: a population based prospective study. BMC Geriatrics 2010, 10:31

下記のHPで全文を見ることができます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2895588/pdf/1471-2318-10-31.pdf

食事内容から、食事パターンをThe Vegetable pattern(野菜が多い食事)、The Meat pattern(肉が多い食事)、The Traditional Japanese pattern(伝統的な和食に近い食事)の3つに分類しています。

この3群で転倒による骨折が多いか少ないかを前向きに調査した結果、肉が多い食事群で転倒による骨折が少なく、野菜が多い食事で転倒による骨折が多いという結果でした。ただ、統計学的有意差はありますが95%信頼区間は1に近いので、実際にはあまり差はない偶然の可能性もあります。

転倒による骨折はinsurance claim records(レセプトですよね)で評価して、例えば交通外傷による骨折は、転倒による骨折には含めないようにしています。ただ、厳密には区別できない場合もあるかもしれません。

なお単変量解析では、転倒による骨折は高齢者に多く、BMIやエネルギー摂取量には有意差はありませんでした。

この論文だけで転倒による骨折を防ぐために肉をたくさん食べましょう、と指導する気には私はなりません。ただ、野菜ばかりを好んで食べる高齢者には肉や魚も食べるように話したほうがよいのかもしれません。

転倒予防と栄養(特にビタミンD)の関連は無視できませんが、やはり運動療法、補装具、環境整備、薬剤調整などと組み合わせて行うべきだろうと思います。

Abstract
Background: Diet is considered an important factor for bone health, but is composed of a wide variety of foods containing complex combinations of nutrients. Therefore we investigated the relationship between dietary patterns and fall-related fractures in the elderly.

Methods: We designed a population-based prospective survey of 1178 elderly people in Japan in 2002. Dietary intake was assessed with a 75-item food frequency questionnaire (FFQ), from which dietary patterns were created by factor analysis from 27 food groups. The frequency of fall-related fracture was investigated based on insurance claim records from 2002 until 2006. The relationship between the incidence of fall-related fracture and modifiable factors, including dietary patterns, were examined. The Cox proportional hazards regression model was used to examine the relationships between dietary patterns and incidence of fall-related fracture with adjustment for age, gender, Body Mass Index (BMI) and energy intake.

Results: Among 877 participants who agreed to a 4 year follow-up, 28 suffered from a fall-related fracture. Three dietary patterns were identified: mainly vegetable, mainly meat and mainly traditional Japanese. The moderately confirmed (see statistical methods) groups with a Meat pattern showed a reduced risk of fall-related fracture (Hazard ratio = 0.36, 95% CI = 0.13 - 0.94) after adjustment for age, gender, BMI and energy intake. The Vegetable pattern showed a significant risk increase (Hazard ratio = 2.67, 95% CI = 1.03 - 6.90) after adjustment for age, gender and BMI. The Traditional Japanese pattern had no relationship to the risk of fall-related fracture.

Conclusions: The results of this study have the potential to reduce fall-related fracture risk in elderly Japanese. The results should be interpreted in light of the overall low meat intake of the Japanese population.

ヨーロッパにおける高齢者栄養ケア


シーバー先生の第25回日本静脈経腸栄養学会ランチョンセミナー「ヨーロッパにおける高齢者栄養ケア」の記事が、月刊ナーシングVol.30 No.7、2010.6に掲載されていて、HPでみることができます。

http://www.nursing-gakken.com/pdf/seminar_kiji/1006_1.pdf

「悪液質とサルコペニアの区別」の項目が特に私には興味深いです。ここでは、以下のようにサルコペニアは紹介されています。サルコペニアには原発性と二次性がありますが、原発性(狭義)となっています。

「ESPEN内の組織SIG(special interest group)は,「サルコペニアは筋肉量が加齢により減少する病気で,身体的なパフォーマンスが低いこと」と定義し,「同時に機能性や自立性も失われ,最終的に生活の質も損なわれる」としている。」

「サルコペニアの診断は,①筋肉力計測(DXA法を推奨),②機能障害の判断(4m歩いたうち,1m/秒未満の歩行速度が該当)によって行うと合意した。」

一方、悪液質に関しては以下のように記載されています。診断のフローの図も引用します。

「悪液質は年齢関連の筋肉減少と異なり,「筋肉の減少は,脂肪の減少が伴う場合と伴わない場合がある」という米国の研究グループによる報告を紹介した.体重の減少,疲労,食欲減少,そのほか異常検査値から診断可能で,機能性は無関係であるという.」

最後に同じ筋肉減少症でも、サルコペニアと悪液質を区別し治療を行うことが大切だということで、下記のようにまとめています。ここでは原発性サルコペニアと悪液質(二次性サルコペニアの一部)を区別することの重要性が紹介されています。

「サルコペニアは高蛋白食とビタミンDの補給による治療が可能です.必ずしも
体重は減少しないので,栄養の介入より身体活動が重要なのです.一方,悪液質は,がんやCOPDなどの慢性疾患や中等度・高度の炎症がみられますが,体重の減少と筋量の喪失をみて栄養介入することが必要で,機能性は診断不要です.しかし,サルコペニアも悪液質も,栄養と身体活動による治療を組み合わせて,栄養状態の介入を行うことが重要です。」

リハ栄養的にとても重要なことが紹介されていますので、ぜひHPで記事を呼んでいただければと思います。

2010年7月27日火曜日

転倒予防とリハ栄養

以前バランス障害(中枢性の運動失調、進行性疾患ではありません)に対するリハを行っていた患者さんが、最近週1回は転ぶようになったということで、外来リハの再開を希望して外来を受診されました。

運動失調自体の治癒は困難でレジスタンストレーニングやバランス訓練で代償していたのですが、何らかの原因で代償が難しくなってきたということです。

一目見てかなりやせていることがわかりました。1年前は167cm、77kg(一時は80kg以上)で少しやせたほうがよいと指導していたのですが、なんと54kgになっていました…。これだけやせれば体幹や下肢の筋力低下が生じて、転びやすくなります。実際、筋力も低下していました。

3食しっかり食べているといっていましたがよく聞くと、やせる目的で1日1食は低カロリーの配食サービスを使用したいました。そこで、早速それは中止するように伝えました。あとは体重減少を生じる原疾患がないかどうかを精査することにしました。もちろん運動療法の指導は行いませんでした。

転倒予防というとレジスタンストレーニングやバランス訓練も含めた運動療法、装具、環境整備が中心で、栄養面ではビタミンDだけが注目されています。実際、Minds医療情報サービスの骨粗鬆症の予防と治療GL作成委員会/編(06年)/ガイドライン転倒予防には、以下のような記述があります。

http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_0021.html

上記HPからの引用です。

①地域在宅高齢者に対して,転倒予防のために運動介入あるいは薬物指導や家屋内の物的環境チェックなどの多角的介入は,確実に転倒発生を抑制することから推奨される(グレードA)。

②高齢期の筋力低下に基づく転倒発生に対して,血中ビタミンD(25(OH)D)の低下している場合にはビタミンD(活性型ビタミンD)の投与を考慮してもよい(グレードB)。

③ヒッププロテクターの装着による大腿骨頸部骨折予防については,特に施設高齢者で十分なコンプライアンスの管理が可能な場合は推奨してもよい(グレードB)。

多角的介入が必要なことは転倒予防で強調されています。その中にはリハ栄養の視点が必要だと私は考えます。

2010年7月26日月曜日

日本摂食・嚥下リハ学会e-ラーニング

日本摂食・嚥下リハ学会e-ラーニングの申し込みが今日から可能となりました。

http://www.jsdr.or.jp/e-learning/

以下、HPから一部引用します。

全78項目からなるこのeラーニングのコンテンツは、嚥下リハ学会認定士76名によって作られ、作成者がコンテンツ管理者となりました。1コンテンツあたりの学習時間を30分から60分に想定して作成されています。

スライドとその横に表記される解説文を読み進め、最後の確認問題を行って1コンテンツが終了します。78コンテンツのすべてを受講すると修了証が発行されます。この修了証は認定試験受験資格に必要なものです。

e-ラーニングの受講資格は日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員であることです。

e-ラーニングの修了は認定士資格の取得、更新に必要となります。

e-ラーニングには受講者数に定員(500名)があり、先着順に対応させていただきます。定員を超える申請があった場合には、受講をお待ちいただくことになります。

当面の学会認定士試験受験、もしくは更新の予定が無い方等でコンテンツの閲覧を希望される方は、履修履歴の残らないeラーニング(試用版)のご利用をお願いいたします。eラーニング(試用版)には会員用共用IDおよびパスワードの入力が必要です。

受講方法(PDF)に従って受講申請が認められると、e-ラーニングのログインID とパスワードが発行されますので、ログインID
とパスワードの有効期限内(申し込み月の翌月1日より1年間)に受講を終了してください。有効期限内に修了できない場合は再度受講申請が必要となりますので、ご注意ください。

受講方法http://www.jsdr.or.jp/wp-content/uploads/file/e_learning/manual.pdf

500人限定で期間が1年ですので、最初の500人に入れないと1年待ちになる可能性が高いと思います。興味のある方は早めの申し込みをお勧めします。