2010年1月22日金曜日

「リハ栄養」と「栄養リハ」

「リハ栄養」と「栄養リハ」は似ているようで別の概念です。

まず「栄養リハ」は栄養士ナビの栄養士・管理栄養士用語集に掲載されています。

http://www.eiyo-navi.jp/glossary/word/0188.shtml

以下、引用です。

【カテゴリ / 公衆栄養学】
病気で健康的な食生活を送れなくなった人に対して、食事療法や食生活指導を行い、もとの食生活に戻すはたらきかけ。あるいは、病気が完治できない場合、長期的な食事管理によって病状の悪化を防ぎ、普通の社会生活を送るサポートをすること。現在の医療環境では入院・治療期間は専門家の食事指導を受けることができるが、退院後は十分な指導が行われないという問題点がある。従って、今後は栄養リハビリテーションを地域レベルの活動として機能させることが重要である。

一言でいうと、栄養状態を回復させること(個人単位や地域単位など)が「栄養リハ」です。英語で検索すると、飢餓の子供が多い途上国の栄養プログラムとして、「栄養リハ」という用語が用いられています。

つまり「栄養リハ」ではリハという言葉を使っていますが、PT・OT・STやリハ医が関与することは少ないと考えます。

一方、「リハ栄養」は、栄養状態も含めてICFで評価を行ったうえで、適切な予後予測のもとで、リハ栄養ケアプランを実践することです。これはリハ効果を高めるために臨床栄養を活用するという発想ですので、PT・OT・STやリハ医の関与が必須です。

英語で「リハ栄養」を検索すると、心疾患の「リハ栄養」はあるようですが、他の疾患やリハ全般での「リハ栄養」という用語はほとんどないようでした。検索不測の可能性もありますが…。

当初、リハと栄養を一緒に考える用語として、「リハ栄養」と「栄養リハ」のどちらがよいか考えましたが、「リハ栄養」という言葉のほうが適切だと判断して、この言葉をつくることにしました。

スポーツ栄養や運動栄養という言葉や学問はあっても、栄養スポーツや栄養運動という言葉はあまり聞きなじみがありませんので、その意味でも「リハ栄養」のほうが適切だと考えています。

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