Skeletal Muscle - From Myogenesis to Clinical Relationsという書籍の全文を、以下のHPで見ることができます。オープン書籍は素晴らしいですね。
http://www.intechopen.com/books/skeletal-muscle-from-myogenesis-to-clinical-relations
特に佐久間先生が執筆された第1章のMolecular and Cellular Mechanism of Muscle Regenerationはおすすめです。
http://cdn.intechopen.com/pdfs/38430.pdf
また、第8章のPrevention of Skeletal Muscle Wasting: Disuse Atrophy and Sarcopeniaも、廃用性筋萎縮とサルコペニアに関心のある方は必読ですね。飛行機の中でゆっくり読みたいと思います。
http://cdn.intechopen.com/pdfs/38435.pdf
2012年10月30日火曜日
2012年10月29日月曜日
エンドトキシン・自然免疫研究
日本エンドトキシン・自然免疫研究会編集、エンドトキシン・自然免疫研究 〈15〉飛躍する自然免疫研究、医学図書出版を紹介します。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4871514528.html
この書籍は年1回開催される日本エンドトキシン・自然免疫研究会の開催記録として出版されているようです。
日本エンドトキシン・自然免疫研究会
http://www.shiga-med.ac.jp/~jesmail/
先週、東京で国際学会と合同開催で研究会が開催されていたようです。私は参加できませんでしたが。
http://www.aeplan.co.jp/ieiis2012/
この書籍の中に近森正昭先生の「急性期における慢性炎症状態」という論文が掲載されていますので、長くなりますが一部引用紹介させていただきます。
侵襲性が高い手術や体外循環、敗血症では高サイトカイン血症が生じ、循環動態、凝固線溶系、代謝、免疫系の異常が生じ2日目以降に回復するが、感染が持続する患者や術後腎不全、透析患者では回復が遅れ、理学療法や蛋白、カロリーの投与によってもADLレベルや栄養状態、アルブミン値は低いままで、合併症頻度が高く死亡率も高い。
サイトカイン上昇で抑制されたTSHが正常化しても、持続感染や腎不全で回復過程が遅れる患者ではFT3が抑制され代謝が低下した状態が続くため、FT3が正常化するまでの期間を指標として高サイトカイン血症からの回復過程を評価した。
回復期にFT3低下が継続するのはサイトカイン血症や回復遅延を示す指標であり回復期の重症度や治療法の評価として利用できる。
心大血管手術例で、腎機能正常群、AKINStage3群、透析患者群でTSH、FT3、アルブミン値の経時的推移を比較した。術後7日目にFT3が正常値以下だったのは、腎機能正常群で20例中2例、AKINStage3群で10例中7例、透析患者群で10例中9例と差があった。
体外循環である血液透析のFT3への影響を知るために、安定した外来維持透析患者41例で透析前後のFT3を測定したが、信頼区間0.5%でP0.001未満と透析後除水によりFT3は上昇した。
1ヶ月以上の運動療法を必要とした歩行回復群のFT3は透析離脱後と歩行開始後に上昇した。FT3の上昇と平行してアルブミンは回復しており、運動量増加により蛋白同化が促進したと考えられる。
敗血症や侵襲性の高い手術で高サイトカイン血症となり、回復過程で腎不全や感染持続によって慢性炎症状態となり回復が遅れる病態をFT3が低下した状態として捉えることができた。高サイトカイン血症からの回復過程がFT3で容易に検証できることで臓器不全治療の改善を望みたい。
以上、引用です。日本の病院内低栄養で大きな問題となるのは、飢餓よりも炎症です。もちろん飢餓も問題ですが、こちらはNSTが普及したことで改善傾向にあると考えます。急性、慢性による低栄養(侵襲、悪液質)の評価と対応がより重要です。
炎症の評価としては白血球数、CRP、アルブミンが参考になりますが、FT3は感度が高いようで、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症など内分泌疾患を合併していない場合には、炎症指標として有用だと考えます。
炎症が改善したから栄養状態、運動機能、ADLが改善するのか、適切な栄養管理と運動療法を行ったから炎症が改善するのか、これは両者の要素があると思います。安静臥床で炎症が亢進する一方、運動には抗炎症作用があります。
高サイトカイン血症に対して不適切な栄養管理と安静臥床を行えば、炎症がより悪化して機能予後や生命予後が悪化する可能性があります。エビデンスは不十分ですが、急性期早期からの適切な栄養管理とリハビリテーションの併用が、急性期における慢性炎症状態の対策に必要だと考えています。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4871514528.html
この書籍は年1回開催される日本エンドトキシン・自然免疫研究会の開催記録として出版されているようです。
日本エンドトキシン・自然免疫研究会
http://www.shiga-med.ac.jp/~jesmail/
先週、東京で国際学会と合同開催で研究会が開催されていたようです。私は参加できませんでしたが。
http://www.aeplan.co.jp/ieiis2012/
この書籍の中に近森正昭先生の「急性期における慢性炎症状態」という論文が掲載されていますので、長くなりますが一部引用紹介させていただきます。
侵襲性が高い手術や体外循環、敗血症では高サイトカイン血症が生じ、循環動態、凝固線溶系、代謝、免疫系の異常が生じ2日目以降に回復するが、感染が持続する患者や術後腎不全、透析患者では回復が遅れ、理学療法や蛋白、カロリーの投与によってもADLレベルや栄養状態、アルブミン値は低いままで、合併症頻度が高く死亡率も高い。
サイトカイン上昇で抑制されたTSHが正常化しても、持続感染や腎不全で回復過程が遅れる患者ではFT3が抑制され代謝が低下した状態が続くため、FT3が正常化するまでの期間を指標として高サイトカイン血症からの回復過程を評価した。
回復期にFT3低下が継続するのはサイトカイン血症や回復遅延を示す指標であり回復期の重症度や治療法の評価として利用できる。
心大血管手術例で、腎機能正常群、AKINStage3群、透析患者群でTSH、FT3、アルブミン値の経時的推移を比較した。術後7日目にFT3が正常値以下だったのは、腎機能正常群で20例中2例、AKINStage3群で10例中7例、透析患者群で10例中9例と差があった。
体外循環である血液透析のFT3への影響を知るために、安定した外来維持透析患者41例で透析前後のFT3を測定したが、信頼区間0.5%でP0.001未満と透析後除水によりFT3は上昇した。
1ヶ月以上の運動療法を必要とした歩行回復群のFT3は透析離脱後と歩行開始後に上昇した。FT3の上昇と平行してアルブミンは回復しており、運動量増加により蛋白同化が促進したと考えられる。
敗血症や侵襲性の高い手術で高サイトカイン血症となり、回復過程で腎不全や感染持続によって慢性炎症状態となり回復が遅れる病態をFT3が低下した状態として捉えることができた。高サイトカイン血症からの回復過程がFT3で容易に検証できることで臓器不全治療の改善を望みたい。
以上、引用です。日本の病院内低栄養で大きな問題となるのは、飢餓よりも炎症です。もちろん飢餓も問題ですが、こちらはNSTが普及したことで改善傾向にあると考えます。急性、慢性による低栄養(侵襲、悪液質)の評価と対応がより重要です。
炎症の評価としては白血球数、CRP、アルブミンが参考になりますが、FT3は感度が高いようで、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症など内分泌疾患を合併していない場合には、炎症指標として有用だと考えます。
炎症が改善したから栄養状態、運動機能、ADLが改善するのか、適切な栄養管理と運動療法を行ったから炎症が改善するのか、これは両者の要素があると思います。安静臥床で炎症が亢進する一方、運動には抗炎症作用があります。
高サイトカイン血症に対して不適切な栄養管理と安静臥床を行えば、炎症がより悪化して機能予後や生命予後が悪化する可能性があります。エビデンスは不十分ですが、急性期早期からの適切な栄養管理とリハビリテーションの併用が、急性期における慢性炎症状態の対策に必要だと考えています。
2012年10月28日日曜日
在宅生活の認知症の低栄養
地域在宅生活をしている認知症患者の低栄養の有病割合をみた論文を紹介します。
Marta Roqué, A. Salva, B. Vellas. Malnutrition in community-dwelling adults with dementia (Nutrialz trial). The journal of nutrition, health & aging, doi: 10.1007/s12603-012-0401-9
対象は地域在宅生活をしている認知症患者940人です。栄養状態はMNAで評価しています。結果ですが、低栄養5.2%、低栄養の恐れあり42.6%、栄養状態良好52.2%でした。認知症のタイプ別ではレビー小体型が低栄養18.2%で、他のタイプより低栄養が多かったです。
低栄養は高齢、認知機能低下、機能行動障害、介護負担と有意に関連していました。ADLもしくはIADLのいずれかに介助が必要な場合、低栄養が有意に多かったです。食事に介助を要する場合が最もリスクが高く、調理に介助を要する場合は中等度のリスクでした。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、思ったより低栄養の割合が少ない印象です。地域在宅で生活できている場合には、この程度なのかもしれません。入院や施設というセッティングになるともっと低栄養の方が多いと思います。レビー小体型認知症で低栄養が多いのは納得できます。
Marta Roqué, A. Salva, B. Vellas. Malnutrition in community-dwelling adults with dementia (Nutrialz trial). The journal of nutrition, health & aging, doi: 10.1007/s12603-012-0401-9
対象は地域在宅生活をしている認知症患者940人です。栄養状態はMNAで評価しています。結果ですが、低栄養5.2%、低栄養の恐れあり42.6%、栄養状態良好52.2%でした。認知症のタイプ別ではレビー小体型が低栄養18.2%で、他のタイプより低栄養が多かったです。
低栄養は高齢、認知機能低下、機能行動障害、介護負担と有意に関連していました。ADLもしくはIADLのいずれかに介助が必要な場合、低栄養が有意に多かったです。食事に介助を要する場合が最もリスクが高く、調理に介助を要する場合は中等度のリスクでした。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、思ったより低栄養の割合が少ない印象です。地域在宅で生活できている場合には、この程度なのかもしれません。入院や施設というセッティングになるともっと低栄養の方が多いと思います。レビー小体型認知症で低栄養が多いのは納得できます。
Abstract
Objectives
The objective of this study is to assess the nutritional status, measured by the MNA, in community-dwelling elderly individuals with dementia and to identify clinical risk factors for nutritional risk or malnutrition.
Design
Cross-sectional analysis of a cluster randomized clinical trial (Nutrialz).
Setting
Community-dwelling individuals attending dementia clinics.
Participants
940 individuals.
Measurements
The clinical scales assessed were Mini Nutritional Assessment (MNA), Eating Behaviour Scale (EBS), Charlson comorbidity index, Clinical Dementia Rating (CDR), Mini-Mental State Examination (MMSE), Basic Activities of Daily Living (BADL) score, Instrumental Activities of Daily Living (IADL) score, Neuropsychiatric Inventory Questionnaire (NPI-Q), Cornell depression scale and Zarit Caregiver Burden Interview.
Results
5.2% of participants were classified as being malnourished, 42.6% as being at risk of malnutrition and 52.2% as well nourished. Malnutrition by type of dementia was more frequent in Lewy bodies dementia (18.2%) than in the other types. Worse nutritional status is significantly related to more advanced age and worse cognitive, functional and behavioural profile, as well as increased burden for caregivers. Presence of behavioural symptoms is significantly related to worse nutritional level for all NPI-Q symptoms but depression, exaltation, lack of inhibition and irritability. The items more strongly related to malnutrition are appetite/feeding and hallucinations. Dependence in any basic or instrumental ADL is significantly related to higher risk of malnutrition. Dependence on feeding is a strongly related risk factor, while food preparation is only a moderate one. A logistic regression model to predict at risk/malnutrition kept as significant risk factors EBS (Odds Ratio (OR) 0.84, 95%CI 0.78 to 0.91), Cornell (OR 1.12, 95%CI 1.09 to 1.16), the number of dependent BADL (OR 1.29, 95%CI 1.17 to 1.42), age (OR 1.04, 95%CI 1.02–1.06), MMSE (OR 0.95, 95%CI 0.92 to 0.98) and Charlson (OR 1.18, 95%CI 1.05 to 1.34). A similar model built for prediction of malnutrition retained as significant covariables only EBS, Cornell and the number of dependent BADL.
Conclusion
These results will allow a better understanding of the clinical stage previous to malnutrition. An adequate diagnosis and treatment of identified modifiable factors like functional impairment, eating behaviours and depression could delay or avoid malnutrition.
2012年10月24日水曜日
リハビリの心と力
稲川利光著、リハビリの心と力、学研メディカル秀潤社を紹介します。
管理栄養士がリハを学ぶのに最適な書籍です。
http://gakken-mesh.jp/book/detail/9784780910544.html
稲川先生には先週の第14回Met3・NST研究会で大変お世話になりました。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/09/14met3nst.html
医師やPT・OT・STが栄養の重要性を学ぶには、参考になる書籍やHPがたくさんあると感じています。一方、管理栄養士がリハの重要性を学ぶには、参考となる書籍やHPが比較的少ないと感じていました。
この書籍は、リハビリの力をナラティブ中心に強く訴えてきます。リハは単なる機能回復だけでなく、障害は残っていても最後までその人らしく生きるためのさまざまな働きかけであることが、よくわかります。
そして、栄養管理の重要性に関してもしっかり紹介されています。リハの書籍で栄養の重要性をこれだけページ数を割いて記載しているのは、他にはないと思います。この点で管理栄養士がリハを学ぶのに最適な書籍だと思います。急性期での栄養評価の要点を引用します(p96)。
①入院早期より低栄養を疑うこと。
②低栄養があればその原因と対策を考えること。
③基礎疾患および合併症に関しては、その病態や治療の方針など主治医や看護師からの情報を得ること。
④現在の栄養状態でリハビリが可能かどうかを判断すること。
⑤栄養状態やその改善にあわせてリハビリの内容を検討すること。
⑥食事の環境に配慮すること。
⑦栄養管理の目標を患者のADLやQOLの改善におくこと。
以上、引用です。これらはまさに「リハ栄養」の取り組みといえます。そして、生活再建の環は疾病の治療(合併症の予防)、リハビリ、栄養の3つで構成されることを主張しています。さらに体の栄養も重要ですが、心の栄養も大切だと訴えています。生活を見据えた栄養とリハのあり方を考えさせられます。
医師、看護師、PT・OT・STが読んでももちろん学びは多いのでおすすめです。しかし、リハに関わる機会がありリハ栄養に関心のある管理栄養士に一番おすすめです。栄養からみたリハだけでなく、リハからみた栄養を学ぶことができますので、多くの管理栄養士に読んでほしいと思います。
目次
【第1章 希望に向かって寄り添うリハビリ】
互いを大切にする心を学ぶ
希望を実現する—リハビリの心と力
そのひと言に、みんなの心が救われた
生への意欲を支えるまわりとのかかわり
ほか
【第2章 リハビリの力】
人間らしく生きる権利の回復をめざす
ICFに基づく考え方
リハビリの基本的なアプローチ
1 四肢を動かすこと
2 座ること
3 口腔ケア
4 噛むこと
5 生活環境を調整する
6 手を添える
7 栄養管理
脳卒中から緩和ケアまでのリハビリ
脳卒中のリハビリ
廃用症候群のリハビリ
がんのリハビリ
がんのリハビリ〜緩和的リハビリ
緩和的リハビリ
【第3章 やさしさに支えられ、いまここにいる】
チームで、地域で支えるリハビリ
父のこと。まわりまわって—やさしさはお互いさま
シベリア帰り
心のお膳立て
栗ごはんで知った被災地のやさしさ
死ぬ間際に思うこと
布団の中は
ほか
http://gakken-mesh.jp/book/detail/9784780910544.html
稲川先生には先週の第14回Met3・NST研究会で大変お世話になりました。
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/09/14met3nst.html
医師やPT・OT・STが栄養の重要性を学ぶには、参考になる書籍やHPがたくさんあると感じています。一方、管理栄養士がリハの重要性を学ぶには、参考となる書籍やHPが比較的少ないと感じていました。
この書籍は、リハビリの力をナラティブ中心に強く訴えてきます。リハは単なる機能回復だけでなく、障害は残っていても最後までその人らしく生きるためのさまざまな働きかけであることが、よくわかります。
そして、栄養管理の重要性に関してもしっかり紹介されています。リハの書籍で栄養の重要性をこれだけページ数を割いて記載しているのは、他にはないと思います。この点で管理栄養士がリハを学ぶのに最適な書籍だと思います。急性期での栄養評価の要点を引用します(p96)。
①入院早期より低栄養を疑うこと。
②低栄養があればその原因と対策を考えること。
③基礎疾患および合併症に関しては、その病態や治療の方針など主治医や看護師からの情報を得ること。
④現在の栄養状態でリハビリが可能かどうかを判断すること。
⑤栄養状態やその改善にあわせてリハビリの内容を検討すること。
⑥食事の環境に配慮すること。
⑦栄養管理の目標を患者のADLやQOLの改善におくこと。
以上、引用です。これらはまさに「リハ栄養」の取り組みといえます。そして、生活再建の環は疾病の治療(合併症の予防)、リハビリ、栄養の3つで構成されることを主張しています。さらに体の栄養も重要ですが、心の栄養も大切だと訴えています。生活を見据えた栄養とリハのあり方を考えさせられます。
医師、看護師、PT・OT・STが読んでももちろん学びは多いのでおすすめです。しかし、リハに関わる機会がありリハ栄養に関心のある管理栄養士に一番おすすめです。栄養からみたリハだけでなく、リハからみた栄養を学ぶことができますので、多くの管理栄養士に読んでほしいと思います。
目次
【第1章 希望に向かって寄り添うリハビリ】
互いを大切にする心を学ぶ
希望を実現する—リハビリの心と力
そのひと言に、みんなの心が救われた
生への意欲を支えるまわりとのかかわり
ほか
【第2章 リハビリの力】
人間らしく生きる権利の回復をめざす
ICFに基づく考え方
リハビリの基本的なアプローチ
1 四肢を動かすこと
2 座ること
3 口腔ケア
4 噛むこと
5 生活環境を調整する
6 手を添える
7 栄養管理
脳卒中から緩和ケアまでのリハビリ
脳卒中のリハビリ
廃用症候群のリハビリ
がんのリハビリ
がんのリハビリ〜緩和的リハビリ
緩和的リハビリ
【第3章 やさしさに支えられ、いまここにいる】
チームで、地域で支えるリハビリ
父のこと。まわりまわって—やさしさはお互いさま
シベリア帰り
心のお膳立て
栗ごはんで知った被災地のやさしさ
死ぬ間際に思うこと
布団の中は
ほか
看護研究発表の「キホン」と「コツ」
週刊医学界新聞 第2999号2012年10月22日から、 なかなか教えてもらえない看護研究発表の「キホン」と「コツ」!
の連載が始まりました。【第1回】は
少しの工夫であなたの研究は見違える!
研究結果を十分に伝えられていますか?です。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02999_06
看護師に限りませんが、一般演題の発表を聞いていて惜しいと思うことは確かにあります。惜しいどころではないと思うこともありますが…。一般演題の発表に不安があるという方にお勧めの連載になるのではと思っています。
上記記事より、研究発表で陥りやすい点を引用させていただきます。以下の項目にチェックがついた場合には、対処法を上記HPで確認してくださいね。ちなみに私は2、8は該当します(苦笑)。
研究発表で陥りやすい点
(1) □ 「抄録のデータと異なりますが,ご了承ください」と言ったことがある。
(2) □ 高音,早口,間合い(息継ぎ)がない,と言われたことがある。または,自分でそう思うことがある。
(3) □ 演台に置いた発表原稿を読んでいる。聴衆の顔を見ることができない。スライドと発表のズレ,時間のオーバーに気付かなかったことがある。聴衆の雰囲気にハッとしたことがある。
(4) □ 「方法(結果)はスライドのとおりです」と言ったことがある。
(5) □ 「考察」「結語」が小説的,情緒的となってしまう。
(6) □ 情報量たっぷりのスライド(いわゆる「お役所スライド」)である。
(7) □ 必ずしもスライドに書かれた順番通りには話していない(話す順序が異なる)。順番に話さないときでもポインタは使わない。実際,ポインタの使い方がよくわからない。
(8) □ 会場からの質問がないとホッとする,またはうれしい。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02999_06
看護師に限りませんが、一般演題の発表を聞いていて惜しいと思うことは確かにあります。惜しいどころではないと思うこともありますが…。一般演題の発表に不安があるという方にお勧めの連載になるのではと思っています。
上記記事より、研究発表で陥りやすい点を引用させていただきます。以下の項目にチェックがついた場合には、対処法を上記HPで確認してくださいね。ちなみに私は2、8は該当します(苦笑)。
研究発表で陥りやすい点
(1) □ 「抄録のデータと異なりますが,ご了承ください」と言ったことがある。
(2) □ 高音,早口,間合い(息継ぎ)がない,と言われたことがある。または,自分でそう思うことがある。
(3) □ 演台に置いた発表原稿を読んでいる。聴衆の顔を見ることができない。スライドと発表のズレ,時間のオーバーに気付かなかったことがある。聴衆の雰囲気にハッとしたことがある。
(4) □ 「方法(結果)はスライドのとおりです」と言ったことがある。
(5) □ 「考察」「結語」が小説的,情緒的となってしまう。
(6) □ 情報量たっぷりのスライド(いわゆる「お役所スライド」)である。
(7) □ 必ずしもスライドに書かれた順番通りには話していない(話す順序が異なる)。順番に話さないときでもポインタは使わない。実際,ポインタの使い方がよくわからない。
(8) □ 会場からの質問がないとホッとする,またはうれしい。
2012年10月23日火曜日
脳卒中の嚥下と栄養介入:コクラン
急性期、回復期の脳卒中に対する嚥下と栄養サポート介入のコクランレビューを紹介します。
Chamila Geeganage, Jessica Beavan, Sharon Ellender, Philip MW Bath. Interventions for dysphagia and nutritional support in acute and subacute stroke. The Cochrane Library DOI: 10.1002/14651858.CD000323.pub2
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:急性期、回復期(発症6か月以内)の脳卒中患者に
I:嚥下障害に対する介入や栄養サポートを行うと
C:行わない場合と比較して
O:生命予後や機能予後が改善する
D:系統的レビュー
結果ですが、全般的にエビデンスは不十分です。行動介入(嚥下リハ)と鍼治療は、嚥下障害を少なくしました。咽頭電気刺激は、咽頭通過時間を短縮しました。経鼻経管よりPEGのほうが治療の失敗や消化管出血が少なく、十分な栄養投与が可能でアルブミン値が高値でした。栄養療法で褥瘡が減少し、エネルギー・蛋白摂取量が増えました。
以上より、経口摂取が可能な急性期脳卒中患者に、エネルギー・蛋白を追加投与する必要はなさそうです。ただし、低栄養の場合には、褥瘡減少に有効かもしれません。長期間の経管栄養を要する場合には、経鼻経管よりPEGが適当です。
脳卒中の嚥下リハと栄養管理が重要なことは間違いありませんが、コクランレビューとなるとエビデンスが乏しいのが現状でした。それでも低栄養患者の場合に栄養介入したほうが褥瘡減少に有効というのは意味があります。回復期脳卒中患者に対するリハ栄養の介入試験で、生命予後や機能予後が改善することを検証したいですね。
Dysphagia (swallowing problems) are common after stroke and can cause chest infection and malnutrition. Dysphagic, and malnourished, stroke patients have a poorer outcome.
To assess the effectiveness of interventions for the treatment of dysphagia (swallowing therapy), and nutritional and fluid supplementation, in patients with acute and subacute (within six months from onset) stroke.
We searched the Cochrane Stroke Group Trials Register (February 2012), MEDLINE (1966 to July 2011), EMBASE (1980 to July 2011), CINAHL (1982 to July 2011) and Conference Proceedings Citation Index- Science (CPCI-S) (1990 to July 2011). We also searched the reference lists of relevant trials and review articles, searched Current Controlled Trials and contacted researchers (July 2011). For the previous version of this review we contacted the Royal College of Speech and Language Therapists and equipment manufacturers.
Randomised controlled trials (RCTs) in dysphagic stroke patients, and nutritional supplementation in all stroke patients, where the stroke occurred within six months of enrolment.
Two review authors independently applied the inclusion criteria, assessed trial quality, and extracted data, and resolved any disagreements through discussion with a third review author. We used random-effects models to calculate odds ratios (OR), 95% confidence intervals (95% CI), and mean differences (MD). The primary outcome was functional outcome (death or dependency, or death or disability) at the end of the trial.
We included 33 studies involving 6779 participants.
Swallowing therapy: acupuncture, drug therapy, neuromuscular electrical stimulation, pharyngeal electrical stimulation, physical stimulation (thermal, tactile), transcranial direct current stimulation, and transcranial magnetic stimulation each had no significant effect on case fatality or combined death or dependency. Dysphagia at end-of-trial was reduced by acupuncture (number of studies (t) = 4, numbers of participants (n) = 256; OR 0.24; 95% CI 0.13 to 0.46; P < 0.0001; I2 = 0%) and behavioural interventions (t = 5; n = 423; OR 0.52; 95% CI 0.30 to 0.88; P = 0.01; I2 = 22%). Route of feeding: percutaneous endoscopic gastrostomy (PEG) and nasogastric tube (NGT) feeding did not differ for case fatality or the composite outcome of death or dependency, but PEG was associated with fewer treatment failures (t = 3; n = 72; OR 0.09; 95% CI 0.01 to 0.51; P = 0.007; I2 = 0%) and gastrointestinal bleeding (t = 1; n = 321; OR 0.25; 95% CI 0.09 to 0.69; P = 0.007), and higher feed delivery (t = 1; n = 30; MD 22.00; 95% CI 16.15 to 27.85; P < 0.00001) and albumin concentration (t = 3; n = 63; MD 4.92 g/L; 95% CI 0.19 to 9.65; P = 0.04; I2 = 58%). Although looped NGT versus conventional NGT feeding did not differ for end-of-trial case fatality or death or dependency, feed delivery was higher with looped NGT (t = 1; n = 104; MD 18.00%; 95% CI 6.66 to 29.34; P = 0.002). Timing of feeding: there was no difference for case fatality, or death or dependency, with early feeding as compared to late feeding. Fluid supplementation: there was no difference for case fatality, or death or dependency, with fluid supplementation. Nutritional supplementation: there was no difference for case fatality, or death or dependency, with nutritional supplementation. However, nutritional supplementation was associated with reduced pressure sores (t = 2; n = 4125; OR 0.56; 95% CI 0.32 to 0.96; P = 0.03; I2 = 0%), and, by definition, increased energy intake (t = 3; n = 174; MD 430.18 kcal/day; 95% CI 141.61 to 718.75; P = 0.003; I2 = 91%) and protein intake (t = 3; n = 174; MD 17.28 g/day; 95% CI 1.99 to 32.56; P = 0.03; I2 = 92%).
There remains insufficient data on the effect of swallowing therapy, feeding, and nutritional and fluid supplementation on functional outcome and death in dysphagic patients with acute or subacute stroke. Behavioural interventions and acupuncture reduced dysphagia, and pharyngeal electrical stimulation reduced pharyngeal transit time. Compared with NGT feeding, PEG reduced treatment failures and gastrointestinal bleeding, and had higher feed delivery and albumin concentration. Nutritional supplementation was associated with reduced pressure sores, and increased energy and protein intake.
Chamila Geeganage, Jessica Beavan, Sharon Ellender, Philip MW Bath. Interventions for dysphagia and nutritional support in acute and subacute stroke. The Cochrane Library DOI: 10.1002/14651858.CD000323.pub2
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:急性期、回復期(発症6か月以内)の脳卒中患者に
I:嚥下障害に対する介入や栄養サポートを行うと
C:行わない場合と比較して
O:生命予後や機能予後が改善する
D:系統的レビュー
結果ですが、全般的にエビデンスは不十分です。行動介入(嚥下リハ)と鍼治療は、嚥下障害を少なくしました。咽頭電気刺激は、咽頭通過時間を短縮しました。経鼻経管よりPEGのほうが治療の失敗や消化管出血が少なく、十分な栄養投与が可能でアルブミン値が高値でした。栄養療法で褥瘡が減少し、エネルギー・蛋白摂取量が増えました。
以上より、経口摂取が可能な急性期脳卒中患者に、エネルギー・蛋白を追加投与する必要はなさそうです。ただし、低栄養の場合には、褥瘡減少に有効かもしれません。長期間の経管栄養を要する場合には、経鼻経管よりPEGが適当です。
脳卒中の嚥下リハと栄養管理が重要なことは間違いありませんが、コクランレビューとなるとエビデンスが乏しいのが現状でした。それでも低栄養患者の場合に栄養介入したほうが褥瘡減少に有効というのは意味があります。回復期脳卒中患者に対するリハ栄養の介入試験で、生命予後や機能予後が改善することを検証したいですね。
Abstract
Background
Dysphagia (swallowing problems) are common after stroke and can cause chest infection and malnutrition. Dysphagic, and malnourished, stroke patients have a poorer outcome.
Objectives
To assess the effectiveness of interventions for the treatment of dysphagia (swallowing therapy), and nutritional and fluid supplementation, in patients with acute and subacute (within six months from onset) stroke.
Search methods
We searched the Cochrane Stroke Group Trials Register (February 2012), MEDLINE (1966 to July 2011), EMBASE (1980 to July 2011), CINAHL (1982 to July 2011) and Conference Proceedings Citation Index- Science (CPCI-S) (1990 to July 2011). We also searched the reference lists of relevant trials and review articles, searched Current Controlled Trials and contacted researchers (July 2011). For the previous version of this review we contacted the Royal College of Speech and Language Therapists and equipment manufacturers.
Selection criteria
Randomised controlled trials (RCTs) in dysphagic stroke patients, and nutritional supplementation in all stroke patients, where the stroke occurred within six months of enrolment.
Data collection and analysis
Two review authors independently applied the inclusion criteria, assessed trial quality, and extracted data, and resolved any disagreements through discussion with a third review author. We used random-effects models to calculate odds ratios (OR), 95% confidence intervals (95% CI), and mean differences (MD). The primary outcome was functional outcome (death or dependency, or death or disability) at the end of the trial.
Main results
We included 33 studies involving 6779 participants.
Swallowing therapy: acupuncture, drug therapy, neuromuscular electrical stimulation, pharyngeal electrical stimulation, physical stimulation (thermal, tactile), transcranial direct current stimulation, and transcranial magnetic stimulation each had no significant effect on case fatality or combined death or dependency. Dysphagia at end-of-trial was reduced by acupuncture (number of studies (t) = 4, numbers of participants (n) = 256; OR 0.24; 95% CI 0.13 to 0.46; P < 0.0001; I
Authors' conclusions
There remains insufficient data on the effect of swallowing therapy, feeding, and nutritional and fluid supplementation on functional outcome and death in dysphagic patients with acute or subacute stroke. Behavioural interventions and acupuncture reduced dysphagia, and pharyngeal electrical stimulation reduced pharyngeal transit time. Compared with NGT feeding, PEG reduced treatment failures and gastrointestinal bleeding, and had higher feed delivery and albumin concentration. Nutritional supplementation was associated with reduced pressure sores, and increased energy and protein intake.
2012年10月21日日曜日
脳卒中とTIA後のObesity Paradox
脳卒中とTIA後の生命予後は過栄養と肥満のほうがよいという肥満パラドックスをみた観察研究を紹介します。
Wolfram Doehner, et al. Overweight and obesity are associated with improved survival, functional outcome, and stroke recurrence after acute stroke or transient ischaemic attack: observations from the TEMPiS trial. Eur Heart J (2012) doi: 10.1093/eurheartj/ehs340
対象はTEMPiS trialに登録された脳卒中もしくはTIA患者のうち、BMIの情報があった1521人です。BMIは低栄養18.5未満、正常BMI18.5~25、過栄養BMI25~30、肥満BMI30~35、高度肥満BMI35以上の5群に分類しています。
一次アウトカムは発症30カ月後の死亡率と非致死性アウトカム(脳卒中再発、要施設入所、機能障害Barthel Index60未満)です。結果ですが、BMIが高いほどこれらのアウトカムがよく、低いほど予後が悪いという結果でした。これより肥満パラドックスを認めるという結論です。
TEMPiS trial参加者4428人中、BMIのデータがあるのが1521人しかないため、選択バイアスが存在する可能性があります。またヨーロッパでの研究結果ですので、日本の脳卒中患者ではObesity Paradoxは当てはまらないかもしれません。
), and no body weight assessed. Outcome measures after 30 months were all-cause mortality and non-fatal outcomes: recurrent stroke, need for institutional care, and functional impairment (Barthel index <60 modified="modified" rankin="rankin" score="score">3). Mortality risk was lower in overweight patients [hazard ratio (HR): 0.69, 95% confidence interval (CI): 0.56–0.86) and lowest in obese (HR: 0.50, 95% CI: 0.35–0.71) and very obese patients (HR: 0.36, 95% CI: 0.20–0.66] compared with normal BMI. Functional, non-fatal outcomes, and recurrent stroke followed the same inverse pattern: underweight patients had the worst outcomes but obese patients had better outcomes than patients with normal BMI (all P < 0.01). After adjustment for multiple confounding factors, obese patients had a lower risk of the combined endpoints of death or institutional care (OR: 0.60, 95% CI: 0.38–0.92), death or high dependency (OR: 0.60, 95% CI: 0.39–0.91) and death or recurrent stroke (OR: 0.56, 95% CI: 0.37–0.86). Mortality was significantly lower in obese patients (all BMI >30 kg/m2) than patients with normal weight (HR: 0.70; 95% CI: 0.50–0.98). Underweight patients had consistently the highest risks for all endpoints. 60>
.
Wolfram Doehner, et al. Overweight and obesity are associated with improved survival, functional outcome, and stroke recurrence after acute stroke or transient ischaemic attack: observations from the TEMPiS trial. Eur Heart J (2012) doi: 10.1093/eurheartj/ehs340
対象はTEMPiS trialに登録された脳卒中もしくはTIA患者のうち、BMIの情報があった1521人です。BMIは低栄養18.5未満、正常BMI18.5~25、過栄養BMI25~30、肥満BMI30~35、高度肥満BMI35以上の5群に分類しています。
一次アウトカムは発症30カ月後の死亡率と非致死性アウトカム(脳卒中再発、要施設入所、機能障害Barthel Index60未満)です。結果ですが、BMIが高いほどこれらのアウトカムがよく、低いほど予後が悪いという結果でした。これより肥満パラドックスを認めるという結論です。
TEMPiS trial参加者4428人中、BMIのデータがあるのが1521人しかないため、選択バイアスが存在する可能性があります。またヨーロッパでの研究結果ですので、日本の脳卒中患者ではObesity Paradoxは当てはまらないかもしれません。
Abstract
Aims The aim of the study was to evaluate the association of the body mass index (BMI) with mortality and with non-fatal functional outcome in patients with acute stroke or transient ischaemic attack (TIA). Obesity is an established risk factors in primary cardiovascular disease prevention including stroke. The impact of overweight in patients with stroke or TIA on secondary fatal and non-fatal functional outcomes is less well established.
Methods and results Data from 4428 patients with acute stroke or transient ischaemic attack (TIA) from the Telemedical Project for Integrative Stroke Care (TEMPiS) were studied in this post hoc analysis. The body mass index was available in 1521 patients. Patients were categorized as underweight (BMI <18 .5=".5" 18.5="18.5" 25="25" 30="30" advanced="advanced" all="all" kg="kg" m="m" normal="normal" obesity="obesity" overweight="overweight" sup="sup" to="to">218>
Conclusion Overweight and obese patients with stroke or TIA have better survival and better combined outcomes of survival and non-fatal functional status than patients with the BMI <25 kg="kg" m="m" sup="sup">225>
肺がんのPrehabilitaion
学会抄録ですが、日本からの肺がんのPrehabilitaionの発表ですので紹介させていただきます。
Keizo Misumi, et al. Comprehensive Preoperative Pulmonary Rehabilitation Including Intensive Nutrition Support for Lung Cancer Patients. CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):37A-37A. doi:10.1378/chest.1389716
抄録ですのでもちろん詳細は不明ですが、肺がん術前に理学療法だけでなく集中的な栄養サポート(BCAAと漢方を使用)を行っています。前後研究ですが、理学療法と集中的な栄養サポートによって、チャ―ルソンインデックス2以上の場合の死亡率が有意に低下しています。
前後研究ですし学会発表ですので、エビデンスとはあまり言えませんが、肺がん術前の運動+栄養のプレハビリテーションが有効な可能性はあるといえます。周術期から術後のERASが中心に研究が進んできましたが、最近はPrehabilitaionの研究も増えてきましたね。
Abstract
Keizo Misumi, et al. Comprehensive Preoperative Pulmonary Rehabilitation Including Intensive Nutrition Support for Lung Cancer Patients. CHEST.2012;142(4_MeetingAbstracts):37A-37A. doi:10.1378/chest.1389716
抄録ですのでもちろん詳細は不明ですが、肺がん術前に理学療法だけでなく集中的な栄養サポート(BCAAと漢方を使用)を行っています。前後研究ですが、理学療法と集中的な栄養サポートによって、チャ―ルソンインデックス2以上の場合の死亡率が有意に低下しています。
前後研究ですし学会発表ですので、エビデンスとはあまり言えませんが、肺がん術前の運動+栄養のプレハビリテーションが有効な可能性はあるといえます。周術期から術後のERASが中心に研究が進んできましたが、最近はPrehabilitaionの研究も増えてきましたね。
Abstract
SESSION TYPE: Thoracic Surgery I
PRESENTED ON: Monday, October 22, 2012 at 11:15 AM - 12:30 PM
PURPOSE: Although surgical resection is the standard treatment of choice for early stage lung cancer, a significant fraction of patients develops postoperative complications due to poor preoperative conditions. To decrease the risk of morbidity, improving pulmonary function and general conditioning preoperatively should be considered essential for patients scheduled to undergo lung surgery. To date, there is no established protocol for preoperative pulmonary rehabilitation, primarily because short-term program is mandatory for patients with malignant disease to undergo surgery without delay.
METHODS: We began conventional preoperative pulmonary rehabilitation (CVPR) in 2006. From June 2009, comprehensive pulmonary rehabilitation (CHPR) was conducted prospectively using a multidisciplinary team approach. CHPR protocol consisted of multiple appointments with the physical therapist and registered dietician, and included intensive nutrition support with branched-chain amino acids (BCAAs) and herbal medicine supplementation. The transitions of pulmonary function and postoperative outcomes in CVPR (n = 29) and CHPR (n = 21) were assessed.
RESULTS: The pre- and post-vital capacity (VC) in the CHPR group were 2.63 ± 0.65 L and 2.75 ± 0.63 L (p = 0.0043), respectively; however, transition of those in the CVPR group was not statistically significant (p = 0.6815). The pre- and post-forced expiratory volume in one second (FEV1) in the CHPR group were 1.73 ± 0.46 L and 1.87 ± 0.46 L (p = 0.0012), respectively; however, transition of those in the CVPR group was not statistically significant (p = 0.6424). Morbidities in the CVPR and CHPR groups among patients with Charlson Comorbidity Index scores ≥2 were 68.8% and 27.3%, respectively (p = 0.0341), and those among patients with preoperative risk score in Estimation of Physiologic Ability and Surgical Stress scores >0.3 were 57.9% and 21.4%, respectively (p = 0.0362).
CONCLUSIONS: This study demonstrated that CHPR appeared to substantially improve pulmonary function and decrease morbidity, especially among patients with poor preoperative conditions.
CLINICAL IMPLICATIONS: We demonstrated the clinical benefit of CHPR protocol with short-term preoperative pulmonary rehabilitation in this study; however, prospective randomized studies should be conducted before such treatment can be recommended in routine clinical practice.
2012年10月20日土曜日
COPDの運動効果を高める栄養療法
COPDの運動効果を高める栄養療法に関するレビュー論文を紹介します。
van de Bool C, Steiner MC, Schols AM. Nutritional targets to enhance exercise performance in chronic obstructive pulmonary disease. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2012 Nov;15(6):553-60. doi: 10.1097/MCO.0b013e328358bdeb.
COPDでの筋肉量減少には、ビタミンD欠乏やBCAA濃度低下が関連している可能性があります。COPDに対する運動療法の有用性は確立していますが、栄養介入による身体機能の改善に関する明らかなエビデンスは不十分です。
1つのRCTでは、運動に不飽和脂肪酸を併用することで運動能力が改善しました。呼吸リハとクレアチンのサプリメントの併用は賛否両論です。グルタミン酸やグルタミンの長期使用に関する有用性は不明です。最近、筋肉量だけでなく内臓脂肪も栄養+運動療法のターゲットとすべきだと言われています。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、COPDの運動療法の効果を高める栄養療法のエビデンス構築が重要であることは確かです。ここはまさにリハ栄養の領域であり、日本からのさらなるエビデンス発信を期待したいところです。
van de Bool C, Steiner MC, Schols AM. Nutritional targets to enhance exercise performance in chronic obstructive pulmonary disease. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2012 Nov;15(6):553-60. doi: 10.1097/MCO.0b013e328358bdeb.
COPDでの筋肉量減少には、ビタミンD欠乏やBCAA濃度低下が関連している可能性があります。COPDに対する運動療法の有用性は確立していますが、栄養介入による身体機能の改善に関する明らかなエビデンスは不十分です。
1つのRCTでは、運動に不飽和脂肪酸を併用することで運動能力が改善しました。呼吸リハとクレアチンのサプリメントの併用は賛否両論です。グルタミン酸やグルタミンの長期使用に関する有用性は不明です。最近、筋肉量だけでなく内臓脂肪も栄養+運動療法のターゲットとすべきだと言われています。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、COPDの運動療法の効果を高める栄養療法のエビデンス構築が重要であることは確かです。ここはまさにリハ栄養の領域であり、日本からのさらなるエビデンス発信を期待したいところです。
Abstract
PURPOSE OF REVIEW:
This review presents current knowledge regarding the rationale and efficacy of nutrition as an ergogenic aid to enhance the effects of exercise and training in chronic obstructive pulmonary disease (COPD).RECENT FINDINGS:
Altered body composition and skeletal muscle dysfunction in COPD suggest that exercise capacity can be targeted via several metabolic routes. Muscle metabolic alterations in COPD include a reduced oxidative metabolism and enhanced susceptibility for oxidative stress. Muscle wasting may be associated with deficiencies of vitamin D and low branched-chain amino acid levels. Exercise training is of established benefit in COPD but clear-cut clinical trial evidence to support the performance enhancing effect of nutritional intervention is lacking. One randomized controlled trial suggested that augmentation of training with polyunsaturated fatty acids may improve exercise capacity. Conflicting results are reported on dietary creatine supplementation in patients with COPD receiving pulmonary rehabilitation and results from acute intervention studies do not directly imply long-term effects of glutamate or glutamine supplementation as an ergogenic aid in COPD. Recent data indicate that not only muscle but also visceral fat may be an important additional target for combined nutrition and exercise intervention in COPD to improve physical performance and decrease cardiometabolic risk.SUMMARY:
There is a clear need for adequately powered and controlled intervention and maintenance trials to establish the role of nutritional supplementation in the enhancement of exercise performance and training and the wider management of the systemic features of the disease.2012年10月19日金曜日
第2回日本リハ栄養研究会イブニングセミナー
11月23日に第2回日本リハ栄養研究会イブニングセミナーが京都で開催されます。
来年3月の日本嚥下医学会で大会長をされる山脇先生が、「サルコペニアと嚥下障害」の講演をされます。このイブニングセミナーは、日本リハビリテーション栄養研究会の会員でなくても参加可能ですので、ぜひ多くの方にご参加いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
案内ビラのPDFは下記HPから入手できます。申し込みはFAXになりますので、よろしくお願い申し上げます。
https://www.sugarsync.com/pf/D6162998_9620294_30181
また、イブニングセミナーと翌日の第2回日本リハビリテーション栄養研究会(こちらは研究会の会員限定です)にあわせて、「サルコペニアの摂食・嚥下障害‐リハビリテーション栄養の可能性と実践」という書籍を医歯薬出版から発売予定です。こちらも力作ですので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
来年3月の日本嚥下医学会で大会長をされる山脇先生が、「サルコペニアと嚥下障害」の講演をされます。このイブニングセミナーは、日本リハビリテーション栄養研究会の会員でなくても参加可能ですので、ぜひ多くの方にご参加いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
案内ビラのPDFは下記HPから入手できます。申し込みはFAXになりますので、よろしくお願い申し上げます。
https://www.sugarsync.com/pf/D6162998_9620294_30181
また、イブニングセミナーと翌日の第2回日本リハビリテーション栄養研究会(こちらは研究会の会員限定です)にあわせて、「サルコペニアの摂食・嚥下障害‐リハビリテーション栄養の可能性と実践」という書籍を医歯薬出版から発売予定です。こちらも力作ですので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
2012年10月18日木曜日
慢性心不全の微量栄養素
慢性心不全の微量栄養素に関するレビュー論文を紹介します。
Krim SR, Campbell P, Lavie CJ, Ventura H. Micronutrients in Chronic Heart Failure. Curr Heart Fail Rep. 2012 Oct 16. [Epub ahead of print]
慢性心不全では、低栄養や心臓悪液質を認める場合に生命予後が悪いことが明らかになっています。3大栄養素は当然重要ですが、微量栄養素(ビタミン、微量元素)欠乏が心不全を悪化させている可能性があります。この論文ではビタミンD、ビタミンB群、コエンザイムQ10、Lカルニチンを主に取り上げています。
慢性心不全患者では、ビタミンD不足や欠乏を認めやすく、ビタミンD欠乏が独立した生命予後因子という報告もあります。ただし、ビタミンD投与の有効性に関しては、賛否両論の状態です。
ビタミンB1欠乏は慢性心不全患者の13~33%に認めます。ビタミンB1欠乏のリスク因子は高齢、低栄養、入院患者、ループ利尿剤の使用です。小規模なRCTですが、慢性心不全患者へのビタミンB1投与で心機能が改善したという研究結果があります。
Schoenenberger AW, Schoenenberger-Berzins R, de Maur CA,
et al. Thiamine supplementation in symptomatic chronic heart
failure: a randomized, double-blinded, placebo-controlled, crossover
pilot study. Clin Res Cardiol. 2012;101:159–64.
慢性心不全患者に対するコエンザイムQ10投与の系統的レビューが2つあります。最近のは下記のものになります。EFが3.7%改善したという結果ですが、古い研究が多く最近の薬物療法が行われていないため、現在でも有効かどうかは不明確です。
Sander S, Coleman CI, Patel AA, et al. The impact of coenzyme
Q10 on systolic function in patients with chronic heart failure. J
Card Fail. 2006;12:464–72.
慢性心不全患者ではLカルニチンが低値を認めやすいですが、投与の有効性は不明です。
現状ではビタミンD欠乏の場合には補充する、ビタミンB1に関しては欠乏の可能性があれば補充するというくらいでよいかと思っています。
Krim SR, Campbell P, Lavie CJ, Ventura H. Micronutrients in Chronic Heart Failure. Curr Heart Fail Rep. 2012 Oct 16. [Epub ahead of print]
慢性心不全では、低栄養や心臓悪液質を認める場合に生命予後が悪いことが明らかになっています。3大栄養素は当然重要ですが、微量栄養素(ビタミン、微量元素)欠乏が心不全を悪化させている可能性があります。この論文ではビタミンD、ビタミンB群、コエンザイムQ10、Lカルニチンを主に取り上げています。
慢性心不全患者では、ビタミンD不足や欠乏を認めやすく、ビタミンD欠乏が独立した生命予後因子という報告もあります。ただし、ビタミンD投与の有効性に関しては、賛否両論の状態です。
ビタミンB1欠乏は慢性心不全患者の13~33%に認めます。ビタミンB1欠乏のリスク因子は高齢、低栄養、入院患者、ループ利尿剤の使用です。小規模なRCTですが、慢性心不全患者へのビタミンB1投与で心機能が改善したという研究結果があります。
Schoenenberger AW, Schoenenberger-Berzins R, de Maur CA,
et al. Thiamine supplementation in symptomatic chronic heart
failure: a randomized, double-blinded, placebo-controlled, crossover
pilot study. Clin Res Cardiol. 2012;101:159–64.
慢性心不全患者に対するコエンザイムQ10投与の系統的レビューが2つあります。最近のは下記のものになります。EFが3.7%改善したという結果ですが、古い研究が多く最近の薬物療法が行われていないため、現在でも有効かどうかは不明確です。
Sander S, Coleman CI, Patel AA, et al. The impact of coenzyme
Q10 on systolic function in patients with chronic heart failure. J
Card Fail. 2006;12:464–72.
慢性心不全患者ではLカルニチンが低値を認めやすいですが、投与の有効性は不明です。
現状ではビタミンD欠乏の場合には補充する、ビタミンB1に関しては欠乏の可能性があれば補充するというくらいでよいかと思っています。
Abstract
Heart failure (HF)-associated mortality remains high, despite guideline-recommended medical therapies. Poor nutritional status and unintentional cachexia have been shown to have a strong association with worse survival in HF patients. Importantly, micronutrient deficiencies are potential contributing factors to the progression of HF. This review aims to summarize contemporary evidence on the role of micronutrients in the pathophysiology and outcome of HF patients. Emphasis will be given to the most well-studied micronutrients, specifically, vitamin D, vitamin B complex, coenzyme Q10 and L-carnitine.2012年10月15日月曜日
運動・栄養・不安軽減のPrehabilitation
大腸がん手術患者に対する、運動・栄養・不安軽減を組み合わせたPrehabilitationの機能回復の効果をみたパイロット研究(前後研究)を紹介します。
Chao Li • Francesco Carli • Lawrence Lee • Patrick Charlebois • Barry Stein • Alexander S. Liberman • Pepa Kaneva • Berson Augustin • Mingkwan Wongyingsinn • Ann Gamsa • Do Jun Kim • Melina C. Vassiliou • Liane S. Feldman: Impact of a trimodal prehabilitation program on functional recovery after colorectal cancer surgery: a pilot study. Surgical Endoscopy, DOI 10.1007/s00464-012-2560-5
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:大腸がん手術患者に
I:術前に運動療法、栄養指導、不安軽減を行うと(Prehabilitation)
C:これらを行わない場合と比較して
O:術後の身体機能回復が改善する
D:前後研究(介入)
Prehabilitationの内容は、運動療法として週3回30分の有酸素運動と週3回のレジスタンストレーニング、栄養療法として栄養指導とホエイ蛋白の投与(蛋白摂取が1.2g/kg/日)、不安軽減としてリラクゼーションや呼吸運動などを臨床心理士が指導しています。
なお周術期の管理はERASに近いような管理が介入前後で同じように行われています。
結果ですが、図に示すようにPrehabilitation群で6分間歩行距離が術前に有意に改善しています。術後4週間、8週間の時点でも対照群と比較して、有意に6分間歩行距離が長くなっています。以上より運動・栄養・不安軽減を組み合わせたPrehabilitationは有用という結論です。
この研究だけではエビデンスとして不十分ですが、現在RCTも進行中とのことです。RCTでも運動・栄養・不安軽減を組み合わせたPrehabilitationが有用という結論が出ましたら、インパクトは大きいと考えます。術前のリハ栄養のエビデンスと言えますね。
Abstract
Chao Li • Francesco Carli • Lawrence Lee • Patrick Charlebois • Barry Stein • Alexander S. Liberman • Pepa Kaneva • Berson Augustin • Mingkwan Wongyingsinn • Ann Gamsa • Do Jun Kim • Melina C. Vassiliou • Liane S. Feldman: Impact of a trimodal prehabilitation program on functional recovery after colorectal cancer surgery: a pilot study. Surgical Endoscopy, DOI 10.1007/s00464-012-2560-5
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:大腸がん手術患者に
I:術前に運動療法、栄養指導、不安軽減を行うと(Prehabilitation)
C:これらを行わない場合と比較して
O:術後の身体機能回復が改善する
D:前後研究(介入)
Prehabilitationの内容は、運動療法として週3回30分の有酸素運動と週3回のレジスタンストレーニング、栄養療法として栄養指導とホエイ蛋白の投与(蛋白摂取が1.2g/kg/日)、不安軽減としてリラクゼーションや呼吸運動などを臨床心理士が指導しています。
なお周術期の管理はERASに近いような管理が介入前後で同じように行われています。
結果ですが、図に示すようにPrehabilitation群で6分間歩行距離が術前に有意に改善しています。術後4週間、8週間の時点でも対照群と比較して、有意に6分間歩行距離が長くなっています。以上より運動・栄養・不安軽減を組み合わせたPrehabilitationは有用という結論です。
この研究だけではエビデンスとして不十分ですが、現在RCTも進行中とのことです。RCTでも運動・栄養・不安軽減を組み合わせたPrehabilitationが有用という結論が出ましたら、インパクトは大きいと考えます。術前のリハ栄養のエビデンスと言えますね。
Abstract
Background
Patients undergoing colorectal cancer resections are at risk
for delayed recovery. Prehabilitation aims to enhance functional capacity
preoperatively for better toleration of surgery and to facilitate recovery. The
authors previously demonstrated the limited impact of a prehabilitation program
using exercise alone. They propose an expanded trimodal prehabilitation program
that adds nutritional counseling, protein supplementation, and anxiety reduction
to a moderate exercise program. This study aimed to estimate the impact of this
trimodal program on the recovery of functional capacity compared with standard
surgical care.
Methods
Consecutive patients were enrolled in this pre- and
postintervention study over a 23-month period. The postoperative recovery for 42
consecutive patients enrolled in the prehabilitation program was compared with
that of 45 patients assessed before the intervention began. The primary outcome
was functional walking capacity (6-min walk test [6MWT]). The secondary outcomes
included self-reported physical activity (CHAMPS questionnaire) and
health-related quality of life (SF-36). Data are expressed as mean ± standard
deviation or median (interquartile range [IQR]) and were analyzed using
Chi-square and Student’s t test. All p values lower than 0.05 were
considered significant.
Results
The prehabilitation and control groups were comparable in
terms of age, gender, body mass index (BMI) and American Society of
Anesthesiology (ASA) class. There was no difference in walking capacity at the
first assessment (6MWT distance, 422 ± 87 vs 402 ± 57 m; p = 0.21).
During the prehabilitation period lasting a median of 33 days (range,
21–46 days), functional walking capacity improved by 40 ± 40 m
(p < 0.01). The postoperative complication rates and the hospital
length of stay were similar. The patients in the prehabilitation program had
better postoperative walking capacity at both 4 weeks (mean difference,
51.5 ± 93 m; p = 0.01) and 8 weeks (mean difference, 84.5 ± 83 m;
p < 0.01). At 8 weeks, 81 % of the prehabilitated patients were
recovered compared with 40 % of the control group (p < 0.01). The
prehabilitation group also reported higher levels of physical activity before
and after surgery.
2012年10月10日水曜日
Post-Intensive Care Syndromeと理学療法
Post-Intensive Care Syndrome (PICS)と理学療法に関するレビュー論文を紹介します。
Bemis-Dougherty AR, Smith JM. What Follows Survival of Critical Illness? Physical Therapists' Management of Patients With Post-Intensive Care Syndrome. Phys Ther. 2012 Jul 26. [Epub ahead of print]
抄録しか読めていないので詳細不明ですが、先程紹介したPICSという概念・言葉を提言した論文の理学療法版というところだと思います。この会議には、PTだけでなくOT、ST、リハ医の団体からも参加者がいますので、この点ではよいと思います。欲を言えば栄養士の参加もあればなおよかったですが。
Bemis-Dougherty AR, Smith JM. What Follows Survival of Critical Illness? Physical Therapists' Management of Patients With Post-Intensive Care Syndrome. Phys Ther. 2012 Jul 26. [Epub ahead of print]
抄録しか読めていないので詳細不明ですが、先程紹介したPICSという概念・言葉を提言した論文の理学療法版というところだと思います。この会議には、PTだけでなくOT、ST、リハ医の団体からも参加者がいますので、この点ではよいと思います。欲を言えば栄養士の参加もあればなおよかったですが。
Abstract
Historically the management of patients in the intensive care unit (ICU) involved immobilization and sedation, with the care focused on physiological impairments and survival. Because ICU patients are now surviving their hospital stay, it is imperative that their ICU care be managed with the goal of long-term health, wellness and functioning. The evidence confirms that mobilization and exercise is feasible in the ICU(1, 2) and demonstrates that the benefits of early mobilization include reduced length of stay in the ICU and hospital.(3,4) In 2010 the Society of Critical Care Medicine (SCCM) invited key stakeholder groups, including American Physical Therapy Association (APTA), to identify strategies to improve long-term consequences following ICU discharge including the importance of early mobilization within the ICU and integration of the physical therapist (PT) as a member of the ICU team. This model appears to be successful in some institutions(3,4) but there is variation among institutions.(5) The SCCM Task Force developed major areas of focus that require multidisciplinary action in order to improve long term outcomes after discharge from an intensive care unit. This paper will describe physical therapists' practice in the management of intensive care unit survivors, the importance of long term follow-up after ICU discharge, and how the APTA is taking steps to address the major areas of focus identified by the SCCM Task Force to improve long term outcomes after ICU discharge.(6).Post Intensive Care Syndrome (PICS)
Post Intensive Care Syndrome (PICS、集中治療後症候群、ICU後症候群)という言葉の使用を提案した会議録の論文を紹介します。
Needham DM, Davidson J, Cohen H, Hopkins RO, Weinert C, Wunsch H, Zawistowski C, Bemis-Dougherty A, Berney SC, Bienvenu OJ, Brady SL, Brodsky MB, Denehy L, Elliott D, Flatley C, Harabin AL, Jones C, Louis D, Meltzer W, Muldoon SR, Palmer JB, Perme C, Robinson M, Schmidt DM, Scruth E, Spill GR, Storey CP, Render M, Votto J, Harvey MA. Improving long-term outcomes after discharge from intensive care unit: report from a stakeholders' conference. Crit Care Med. 2012 Feb;40(2):502-9.
ICU-acquired weaknessに関しては、すでに診断基準も含めてフレームワークの論文があります。下記のブログで紹介しています。
ICUAW(ICU無力症)の診断基準
http://rehabnutrition.blogspot.jp/2012/07/icuawicu.html
ただし、ICUAWには身体面(四肢筋力)の機能低下しか含まれていません。ICU後には認知障害や精神障害を認める方もいますが、そのような障害を含む概念・言葉は今までありませんでした。そこで、Post Intensive Care Syndromeという言葉を提唱しています。
The term “postintensive care syndrome” (PICS) was agreed on as the recommended term to describe new or worsening impairments in physical, cognitive, or mental health status arising after critical illness and persisting beyond acute care hospitalization. The term could be applied to a survivor (PICS) or family member (PICS-F).
PICSは、重症疾患後に発症もしくは悪化した身体面、認知面、精神面の機能障害で、急性期病院での入院加療後も持続する障害と定義されています。本人と家族の両者にPICSを認めることがあります。
PICSは廃用症候群と診断されることが大半です。何でもかんでも廃用症候群とラベルをつけてひたすら機能訓練を行うのではなく、その原因をよく考えて、ICUAW、PICS、低栄養、サルコペニアなどと判断して、適切なリハ栄養を行うほうが予後がよくなる可能性があると感じています。
Abstract
BACKGROUND:
Millions of patients are discharged from intensive care units annually. These intensive care survivors and their families frequently report a wide range of impairments in their health status which may last for months and years after hospital discharge.OBJECTIVES:
To report on a 2-day Society of Critical Care Medicine conference aimed at improving the long-term outcomes after critical illness for patients and their families.PARTICIPANTS:
Thirty-one invited stakeholders participated in the conference. Stakeholders represented key professional organizations and groups, predominantly from North America, which are involved in the care of intensive care survivors after hospital discharge.DESIGN:
Invited experts and Society of Critical Care Medicine members presented a summary of existing data regarding the potential long-term physical, cognitive and mental health problems after intensive care and the results from studies of postintensive care unit interventions to address these problems. Stakeholders provided reactions, perspectives, concerns and strategies aimed at improving care and mitigating these long-term health problems.MEASUREMENTS AND MAIN RESULTS:
Three major themes emerged from the conference regarding: (1) raising awareness and education, (2) understanding and addressing barriers to practice, and (3) identifying research gaps and resources. Postintensive care syndrome was agreed upon as the recommended term to describe new or worsening problems in physical, cognitive, or mental health status arising after a critical illness and persisting beyond acute care hospitalization. The term could be applied to either a survivor or family member.CONCLUSIONS:
Improving care for intensive care survivors and their families requires collaboration between practitioners and researchers in both the inpatient and outpatient settings. Strategies were developed to address the major themes arising from the conference to improve outcomes for survivors and families.ICUAWのリハの妨げ
ICUAWのリハの妨げとなっているのは何か、というレビュー論文を紹介します。
Lee CM, Fan E. ICU-acquired weakness: what is preventing its rehabilitation in critically ill patients? BMC Med. 2012 Oct 3;10(1):115. [Epub ahead of print]
下記HPから全文入手できます。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1741-7015-10-115.pdf
ICUAWに対する早期リハの有用性は、徐々に検証されつつあります。しかし実際にICUで早期リハを行っているところは少数です。実践にはICUの知識と文化のシフトが必要かもしれません。この論文では、ICUAWの診断、リスク因子、管理と、早期リハ実践のバリア、新しい治療の取り組みを紹介しています。
新しい治療として電気刺激療法とエルゴメーターが紹介されています。ICUAWの早期リハは、一職種ではかなり限度があり、やはり多職種で取り組むことが重要と結論にあります。エビデンスがあるだけではすぐに臨床が変わらないというのは、ERASと似ているかなという感じもします。
ICUに限らず、リハ栄養の実践の妨げとなっているバリアを見つけて、その対応を考えて実践することが、リハ栄養でも重要だと考えています。まだまだこれからですね。
Lee CM, Fan E. ICU-acquired weakness: what is preventing its rehabilitation in critically ill patients? BMC Med. 2012 Oct 3;10(1):115. [Epub ahead of print]
下記HPから全文入手できます。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1741-7015-10-115.pdf
ICUAWに対する早期リハの有用性は、徐々に検証されつつあります。しかし実際にICUで早期リハを行っているところは少数です。実践にはICUの知識と文化のシフトが必要かもしれません。この論文では、ICUAWの診断、リスク因子、管理と、早期リハ実践のバリア、新しい治療の取り組みを紹介しています。
新しい治療として電気刺激療法とエルゴメーターが紹介されています。ICUAWの早期リハは、一職種ではかなり限度があり、やはり多職種で取り組むことが重要と結論にあります。エビデンスがあるだけではすぐに臨床が変わらないというのは、ERASと似ているかなという感じもします。
ICUに限らず、リハ栄養の実践の妨げとなっているバリアを見つけて、その対応を考えて実践することが、リハ栄養でも重要だと考えています。まだまだこれからですね。
Abstract
ABSTRACT: Intensive care unit-acquired weakness (ICUAW) has been recognized as an important and persistent complication in survivors of critical illness. The absence of a consistent nomenclature and diagnostic criteria for ICUAW has made research in this area challenging. Although many risk factors have been identified, the data supporting their direct association have been controversial. Presently, there is a growing body of literature supporting the utility and benefit of early mobility in reducing the morbidity from ICUAW, but few centers have adopted this into their ICU procedures. Ultimately, the implementation of such a strategy would require a shift in the knowledge and culture within the ICU, and may be facilitated by novel technology and patient care strategies. The purpose of this article is to briefly review the diagnosis, risk factors, and management of ICUAW, and to discuss some of the barriers and novel treatments to improve outcomes for our ICU survivors.2012年10月9日火曜日
頭頚部がんの食事指導と栄養サポート
頭頚部がん患者における食事指導と栄養サポートの役割に関するレビュー論文を紹介します。
Platek ME. The role of dietary counseling and nutrition support in head and neck cancer patients. Curr Opin Support Palliat Care. 2012 Oct 4. [Epub ahead of print]
頭頚部がんにおける食事指導と栄養サポートのエビデンスは少ないです。しかし、診断時からリハ時まで、食事指導と栄養サポートの役割があることが示されています。革新的な栄養に基づいたケアも有効という報告があります。今後は栄養ケアの多施設での縦断研究とRCTが求められます。
抄録しか読んでいませんが、リハの時に食事指導と栄養サポートの役割があるというのは、リハ栄養的に嬉しいことです。特に悪液質を認める場合に、栄養サポートとリハが重要だと考えます。
Platek ME. The role of dietary counseling and nutrition support in head and neck cancer patients. Curr Opin Support Palliat Care. 2012 Oct 4. [Epub ahead of print]
頭頚部がんにおける食事指導と栄養サポートのエビデンスは少ないです。しかし、診断時からリハ時まで、食事指導と栄養サポートの役割があることが示されています。革新的な栄養に基づいたケアも有効という報告があります。今後は栄養ケアの多施設での縦断研究とRCTが求められます。
抄録しか読んでいませんが、リハの時に食事指導と栄養サポートの役割があるというのは、リハ栄養的に嬉しいことです。特に悪液質を認める場合に、栄養サポートとリハが重要だと考えます。
Abstract
PURPOSE OF REVIEW:
Head and neck cancer patients frequently present with malnutrition. Treatment options put the patient at further nutritional risk. Inadequate nutritional status is associated with poor prognosis. Dietary counseling and nutrition support can positively impact prognosis; however, the evidence is sparse and of poor quality. The aim of this review is to summarize the current evidence concerning the role of dietary counseling and nutrition support in head and neck cancer patients undergoing curative treatment.RECENT FINDINGS:
There remains a lack of evidence both in quantity and quality. Current findings support a role for dietary counseling and nutrition support from diagnosis through rehabilitation. Prognostic indicators for nutrition support include tumor location, tumor stage, and multimodal treatment. Results of an innovative nutrition-based care delivery model were positive.SUMMARY:
Dietary counseling is appropriate for all head and neck cancer patients to enable adequate oral intake from diagnosis through rehabilitation; however, some patients require nutrition support. Prognostic indicators and predictive models have been developed to identify patients who require early nutrition support. Next steps include development of evidence-based nutrition care paths that are tested at multiple sites using well designed longitudinal studies and randomized clinical trials.乳がんのサルコペニアの有病割合と予後予測
乳がん患者におけるサルコペニアと有病割合と予後予測に関する論文を紹介します。
Adriana Villaseñor, et al: Prevalence and prognostic effect of sarcopenia in breast cancer survivors: the HEAL Study. Journal of Cancer Survivorship Research and Practice, doi: 10.1007/s11764-012-0234-x
対象は乳がんの女性患者471人(ステージI–IIIA)です。サルコペニアはDEXAで四肢筋肉量で評価しています。平均9.2年間のフォローしています。75名がサルコペニアと分類され、フォロー中に92人が死亡しています。うち46人が乳がんによる死亡と判断されました。
多変量解析でサルコペニアは全死亡の独立した予測因子でした(ハザード比2.86、95%信頼区間1.67–4.89)。一方、乳がんによる死亡に関しては統計学的には有意ではありませんでした(ハザード比1.95、95%信頼区間0.87–4.35)。
以上より、サルコペニアに介入して筋肉量を維持・改善することで生命予後が改善するかどうかの研究が望まれるという結論です。
この論文ではサルコペニアとしていますが、その原因は加齢だけでなく悪液質が背景にあることが推測されます。今回の研究では悪液質の診断や多変量解析での調整がありませんので、何ともいえませんが、悪液質の評価と介入のほうがより重要な可能性があります。
Abstract
). Total and
breast-cancer-specific mortality data were obtained from Surveillance
Epidemiology and End Results registries. Multivariable Cox proportional hazard
models assessed the associations between sarcopenia and mortality.
Adriana Villaseñor, et al: Prevalence and prognostic effect of sarcopenia in breast cancer survivors: the HEAL Study. Journal of Cancer Survivorship Research and Practice, doi: 10.1007/s11764-012-0234-x
対象は乳がんの女性患者471人(ステージI–IIIA)です。サルコペニアはDEXAで四肢筋肉量で評価しています。平均9.2年間のフォローしています。75名がサルコペニアと分類され、フォロー中に92人が死亡しています。うち46人が乳がんによる死亡と判断されました。
多変量解析でサルコペニアは全死亡の独立した予測因子でした(ハザード比2.86、95%信頼区間1.67–4.89)。一方、乳がんによる死亡に関しては統計学的には有意ではありませんでした(ハザード比1.95、95%信頼区間0.87–4.35)。
以上より、サルコペニアに介入して筋肉量を維持・改善することで生命予後が改善するかどうかの研究が望まれるという結論です。
この論文ではサルコペニアとしていますが、その原因は加齢だけでなく悪液質が背景にあることが推測されます。今回の研究では悪液質の診断や多変量解析での調整がありませんので、何ともいえませんが、悪液質の評価と介入のほうがより重要な可能性があります。
Abstract
Methods
A total of 471 breast cancer patients from western Washington
State and New Mexico who participated in the prospective Health, Eating,
Activity, and Lifestyle Study were included in this study. Appendicular lean
mass was measured using dual X-ray absorptiometry scans at study inception, on
average, 12 months after diagnosis. Sarcopenia was defined as two standard
deviations below the young healthy adult female mean of appendicular lean mass
divided by height squared (<5 .45=".45" kg="kg" m="m" sup="sup">25>
Results
Median follow-up was 9.2 years; 75 women were classified as
sarcopenic, and among 92 deaths, 46 were attributed to breast cancer. In
multivariable models that included age, race-ethnicity/study site, treatment
type, comorbidities, waist circumference, and total body fat percentage,
sarcopenia was independently associated with overall mortality (hazard ratio
(HR) = 2.86; 95 % CI, 1.67–4.89). Sarcopenic women had increased risk of
breast-cancer-specific mortality, although the association was not statistically
significant (HR = 1.95, 95 % CI, 0.87–4.35).
Conclusion
Sarcopenia is associated with an increased risk of overall
mortality in breast cancer survivors and may be associated with
breast-cancer-specific mortality. The development of effective interventions to
maintain and/or increase skeletal muscle mass to improve prognosis in breast
cancer survivors warrants further study.
2012年10月4日木曜日
脳卒中後嚥下障害の脱胃瘻の予測因子
脳卒中後嚥下障害の脱胃瘻の予測因子を検討した論文を紹介します。
Yi Y, Yang EJ, Kim J, Kim WJ, Min Y, Paik NJ. Predictive factors for removal of percutaneous endoscopic gastrostomy tube in post-stroke dysphagia. J Rehabil Med. 2012 Oct 2. doi: 10.2340/16501977-1050. [Epub ahead of print]
対象は脳卒中後嚥下障害で胃瘻造設した49人で、このうち8人が胃瘻を離脱しています。後ろ向きコホート研究で脱胃瘻できた群とできなかった群のデモグラフィック、栄養状態、チャールソンインデックス、PEG時のVF所見を比較しました。
結果ですが、脱胃瘻では、PEG時のVF所見で誤嚥や咽頭反射遅延(pharyngeal trigger delay)が有意に少なかったです。これより誤嚥や咽頭反射遅延は脱胃瘻の予測因子となる可能性があり、PEGの判断の補助になるという結論です。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、VFで誤嚥や咽頭反射遅延がなくてもPEGを行うという基準というものがよくわかりません。そもそもPEGが不要だった可能性が低くない気がします。この程度の後ろ向きコホート研究でJ Rehabil Medに掲載されるということも驚きです。
Yi Y, Yang EJ, Kim J, Kim WJ, Min Y, Paik NJ. Predictive factors for removal of percutaneous endoscopic gastrostomy tube in post-stroke dysphagia. J Rehabil Med. 2012 Oct 2. doi: 10.2340/16501977-1050. [Epub ahead of print]
対象は脳卒中後嚥下障害で胃瘻造設した49人で、このうち8人が胃瘻を離脱しています。後ろ向きコホート研究で脱胃瘻できた群とできなかった群のデモグラフィック、栄養状態、チャールソンインデックス、PEG時のVF所見を比較しました。
結果ですが、脱胃瘻では、PEG時のVF所見で誤嚥や咽頭反射遅延(pharyngeal trigger delay)が有意に少なかったです。これより誤嚥や咽頭反射遅延は脱胃瘻の予測因子となる可能性があり、PEGの判断の補助になるという結論です。
抄録しか読んでいないので詳細不明ですが、VFで誤嚥や咽頭反射遅延がなくてもPEGを行うという基準というものがよくわかりません。そもそもPEGが不要だった可能性が低くない気がします。この程度の後ろ向きコホート研究でJ Rehabil Medに掲載されるということも驚きです。
Abstract
Objective: To investigate predictive factors for percutaneous endoscopic gastrostomy (PEG) removal, thereby minimizing unnecessary PEG insertion in post-stroke dysphagia. Design: Retrospective cohort study. Patients: A total of 49 patients who undertook PEG tube insertion for post-stroke dysphagia Methods: Patients were divided into a removal group (n = 8) and a sustaining group (n = 41) depending on the presence of a PEG tube. Patients' demographic data, nutritional status, Charlson's Comorbidity Index (CCI), and video-fluoroscopic swallowing study findings at the time of PEG insertion were compared between the 2 groups. Results: Eight out of 49 patients (16.3%) removed the PEG tube at a mean of 4.8 months after the insertion. Demographic data, nutritional status, and CCI were comparable between the 2 groups before tube insertion. Video-fluoroscopic swallowing study findings in the removal group showed a lower prevalence of premature bolus loss (50.0% vs 73.2%; p = 0.032), aspiration (37.5% vs 80.6%; p = 0.012) and pharyngeal trigger delay (12.5% vs 74.2%; p = 0.010) than those in the sustaining group. Conclusion: The absence of aspiration or pharyngeal trigger delay in video-fluoroscopic swallowing study findings at the time of PEG insertion may be a predictive factor for eventual removal of PEG tubes. Identification of removal factors will assist in determining PEG insertion.2012年10月2日火曜日
がん悪液質のNSAID:系統的レビュー
がん悪液質に対するNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)の系統的レビュー論文を紹介します。
Solheim TS, Fearon KC, Blum D, Kaasa S. Non-steroidal anti-inflammatory treatment in cancer cachexia: A systematic literature review. Acta Oncol. 2012 Oct 1. [Epub ahead of print]
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:がん悪液質患者に
I:NSAIDを使用すると
C:NSAIDを使用しない場合と比較して
O:体重と筋肉量が改善する
D:系統的レビュー
結果ですが、13論文中2論文のみ、体重もしくは除脂肪体重の改善・維持を認めました。7論文は比較対照群がありませんでした。サンプルサイズが小さく、方法論的に欠点のある研究が多かったです。そのため、がん悪液質に対するNSAID使用のエビデンスは脆弱という結論です。
がん(以外も含めて)悪液質で治療に難渋する場合には、NSAIDの使用を考慮してもよいかと思います。ただ現時点では、副作用の問題もありますし、悪液質に対してルーチンでNSAIDを使用することは推奨できません。
Solheim TS, Fearon KC, Blum D, Kaasa S. Non-steroidal anti-inflammatory treatment in cancer cachexia: A systematic literature review. Acta Oncol. 2012 Oct 1. [Epub ahead of print]
リサーチクエスチョンは以下の通りです。
P:がん悪液質患者に
I:NSAIDを使用すると
C:NSAIDを使用しない場合と比較して
O:体重と筋肉量が改善する
D:系統的レビュー
結果ですが、13論文中2論文のみ、体重もしくは除脂肪体重の改善・維持を認めました。7論文は比較対照群がありませんでした。サンプルサイズが小さく、方法論的に欠点のある研究が多かったです。そのため、がん悪液質に対するNSAID使用のエビデンスは脆弱という結論です。
がん(以外も含めて)悪液質で治療に難渋する場合には、NSAIDの使用を考慮してもよいかと思います。ただ現時点では、副作用の問題もありますし、悪液質に対してルーチンでNSAIDを使用することは推奨できません。
Abstract
Background. There are no established treatments for cachexia. Recently it has been suggested that the evidence for non-steroidal anti-inflammatory (NSAID) treatment is sufficient to support its regular clinical use. Primary objective in this systematic review was to assess efficacy and safety of NSAID treatment in improving body weight and muscle mass in patients with cancer cachexia. Secondary objectives were to assess whether this treatment could improve other cachexia domains such as anorexia and food intake, catabolic drive and function. Material and methods. A systematic literature review of PubMed, EMBASE and Cochrane Central register of controlled trials database was carried out using both text words and MeSH/EMTREE terms. Results. Thirteen studies were included; all but two trials showed either improvement or stabilization in weight or lean body mass. Seven studies were without a comparator. Studies are generally small and a few are methodologically flawed, often due to multiple outcomes with excess risk of false positives. Conclusion. NSAIDs may improve weight in cancer patients with cachexia, and there is some evidence on effect on physical performance, self-reported quality of life and inflammatory parameters. Evidence is too frail to recommend NSAID for cachexia outside clinical trials. This is supported by the known side effects of NSAIDs, even though the reviewed literature report almost negligible toxicity.低栄養・サルコペニア症候群
低栄養・サルコペニア症候群のレビュー論文を紹介します。
Vandewoude MF, Alish CJ, Sauer AC, Hegazi RA. Malnutrition-sarcopenia syndrome: is this the future of nutrition screening and assessment for older adults? J Aging Res. 2012;2012:651570. Epub 2012 Sep 13.
低栄養とサルコペニアは多くの患者で両方とも認めるため、この場合、低栄養・サルコペニア症候群(Malnutrition-sarcopenia syndrome)ということができます。医療人はこれらを適切にスクリーニング、アセスメントすることで、個別の治療を行いアウトカムを改善できます。
低栄養とサルコペニアには関連を認め、これらが複合することでアウトカムに影響を与えます。このレビュー論文では、栄養評価と筋肉量、身体機能を日常診療で同時に評価するための、低栄養・サルコペニア症候群に必要な情報を紹介しています。
ここでは加齢による狭義のサルコペニアと低栄養の合併の話をしています。広義のサルコペニアで考えると、サルコペニアの原因に飢餓、侵襲、悪液質といった低栄養の原因がすべて含まれるため、低栄養・サルコペニア症候群は広義のサルコペニアに近い概念といえます。
低栄養・サルコペニア症候群を適切に評価して個別の治療を行うというのは、まさにリハ栄養です。リハ栄養という言葉はもちろん使用されていませんが、栄養とリハと両方を評価して、最適な栄養プランとリハプランを考えることの重要性を伝えているともいえる論文です。
Vandewoude MF, Alish CJ, Sauer AC, Hegazi RA. Malnutrition-sarcopenia syndrome: is this the future of nutrition screening and assessment for older adults? J Aging Res. 2012;2012:651570. Epub 2012 Sep 13.
低栄養とサルコペニアは多くの患者で両方とも認めるため、この場合、低栄養・サルコペニア症候群(Malnutrition-sarcopenia syndrome)ということができます。医療人はこれらを適切にスクリーニング、アセスメントすることで、個別の治療を行いアウトカムを改善できます。
低栄養とサルコペニアには関連を認め、これらが複合することでアウトカムに影響を与えます。このレビュー論文では、栄養評価と筋肉量、身体機能を日常診療で同時に評価するための、低栄養・サルコペニア症候群に必要な情報を紹介しています。
ここでは加齢による狭義のサルコペニアと低栄養の合併の話をしています。広義のサルコペニアで考えると、サルコペニアの原因に飢餓、侵襲、悪液質といった低栄養の原因がすべて含まれるため、低栄養・サルコペニア症候群は広義のサルコペニアに近い概念といえます。
低栄養・サルコペニア症候群を適切に評価して個別の治療を行うというのは、まさにリハ栄養です。リハ栄養という言葉はもちろん使用されていませんが、栄養とリハと両方を評価して、最適な栄養プランとリハプランを考えることの重要性を伝えているともいえる論文です。
Abstract
Malnutrition is common across varying patient populations, particularly older adults, and sarcopenia prevalence increases with advancing age. Both malnutrition and sarcopenia are associated with substantial adverse outcomes affecting both the patient and the healthcare system, including increased morbidity, mortality, rehospitalization rates, and healthcare costs. Healthcare practitioners may assess patients for either malnutrition or sarcopenia; however, many patients clinically present with both conditions, resulting in the syndrome, Malnutrition-Sarcopenia Syndrome, which is the clinical presentation of both malnutrition and accelerated age-associated loss of lean body mass, strength, and/or functionality. Clinicians are urged to screen, assess, and treat these conditions currently so as to adequately address the full spectrum of patients' nutritional issues. By examining aspects of both conditions, clinicians can more fully assess their patients' clinical and nutritional status and can tailor targeted therapies to meet their needs and improve outcomes. This proposed syndrome embodies the inherent association of malnutrition and sarcopenia, highlighting their combined impact on clinical outcomes. The objective of this review paper is to characterize Malnutrition-Sarcopenia Syndrome to advance clinical practice, by providing clinicians with the necessary background information to integrate nutritional assessment along with loss of muscle mass and functionality in their everyday clinical practice.認知症の重症度とBMIのカットオフ値
認知症の高齢者における認知障害の重症度の栄養予測因子を調べた横断研究を紹介します。
Coin A, Veronese N, De Rui M, Mosele M, Bolzetta F, Girardi A, Manzato E, Sergi G. Nutritional predictors of cognitive impairment severity in demented elderly patients: the key role of BMI. J Nutr Health Aging. 2012;16(6):553-6.
対象は82人の認知症高齢者です。認知機能はMMSEで、栄養状態はBMIやMNAなどで調査しています。平均MMSEは18.68点、平均BMIは26.08です。
結果ですが、BMI25未満の場合、MMSEの得点とMNAの得点が有意に低く、ビタミンB12の血中濃度が有意に高かったです。MMSEはMNA、BMI、ADL、IADLと有意な関連を認めました(いずれも弱い相関ですが)。
多変量解析では、BMI25未満は中等度から高度認知症と独立した関連を認めました。また女性は独立して認知症の重症度と関連していました。以上より、BMI25が認知機能のカットオフ値になる可能性があるという結論です。
イタリアの研究ですので、BMI25というカットオフ値がそのまま日本で当てはまるとはいえません。ただ、低栄養の場合により認知機能が悪いという関連はありそうです。より多い対象者でコホート研究で、低栄養が認知機能悪化の独立した予測因子であることが検証されるといいですね。
.5±5.53 vs 20.38±4.64; p 0.001), fat-free mass (FFM; 27.76±8.99 vs 37.38±10.58 kg; p<0 .001=".001" 11.52="11.52" 14.67="14.67" 24.90="24.90" and="and" class="highlight" fat-free="fat-free" fat="fat" index="index" kg="kg" m="m" mass="mass" p="p" span="span" vs="vs">60>.89 vs 36.86±6.77 kg; p<0 .001=".001" 1.="1." 25.00="25.00" 332.43="332.43" 95="95" a="a" activities="activities" adl="adl" and="and" as="as" assessment="assessment" associated="associated" b12="b12" bmi="bmi" ci="ci" class="highlight" cognitive="cognitive" correlated="correlated" daily="daily" ffm="ffm" for="for" higher="higher" impairment="impairment" in="in" independently="independently" instrumental="instrumental" kg="kg" levels="levels" living="living" logistic="logistic" lower="lower" m="m" mini="mini" ml="ml" mmse="mmse" mna="mna" moderate-severe="moderate-severe" multiple="multiple" nutritional="nutritional" of="of" on="on" p="0.002)." pg="pg" r="0.34," regression="regression" risk="risk" sample="sample" scores="scores" significantly="significantly" span="span" the="the" vitamin="vitamin" vs="vs" was="was" well="well" whole="whole" with="with">160>-7.55) and female gender was independently associated with severity of dementia (OR=3.14; 95% CI; 1.09-9.03).
Coin A, Veronese N, De Rui M, Mosele M, Bolzetta F, Girardi A, Manzato E, Sergi G. Nutritional predictors of cognitive impairment severity in demented elderly patients: the key role of BMI. J Nutr Health Aging. 2012;16(6):553-6.
対象は82人の認知症高齢者です。認知機能はMMSEで、栄養状態はBMIやMNAなどで調査しています。平均MMSEは18.68点、平均BMIは26.08です。
結果ですが、BMI25未満の場合、MMSEの得点とMNAの得点が有意に低く、ビタミンB12の血中濃度が有意に高かったです。MMSEはMNA、BMI、ADL、IADLと有意な関連を認めました(いずれも弱い相関ですが)。
多変量解析では、BMI25未満は中等度から高度認知症と独立した関連を認めました。また女性は独立して認知症の重症度と関連していました。以上より、BMI25が認知機能のカットオフ値になる可能性があるという結論です。
イタリアの研究ですので、BMI25というカットオフ値がそのまま日本で当てはまるとはいえません。ただ、低栄養の場合により認知機能が悪いという関連はありそうです。より多い対象者でコホート研究で、低栄養が認知機能悪化の独立した予測因子であることが検証されるといいですね。
Abstract
INTRODUCTION:
The body mass index (BMI) is commonly used to assess nutritional status and the Mini Mental State Examination (MMSE) is a validated tool for assessing cognitive status in elderly people. Nutritional and cognitive aspects are closely related in dementia.OBJECTIVES:
To establish whether BMI predicts cognitive decline in demented patients and whether an "alarm" BMI cut-off exists for declining MMSE scores.SUBJECTS AND METHODS:
82 elderly demented patients underwent clinical, bio-chemical and functional assessment.DESIGN:
Transversal study.RESULTS:
The mean BMI was 26.08±4.48 kg/m² and the mean MMSE 18.68±5.38. Patients with BMI<25 class="highlight" had="had" kg="kg" lower="lower" m="m" mmse="mmse" scores="scores" significantly="significantly" span="span">1625>.5±5.53 vs 20.38±4.64; p 0.001), fat-free mass (FFM; 27.76±8.99 vs 37.38±10.58 kg; p<0 .001=".001" 11.52="11.52" 14.67="14.67" 24.90="24.90" and="and" class="highlight" fat-free="fat-free" fat="fat" index="index" kg="kg" m="m" mass="mass" p="p" span="span" vs="vs">60>.89 vs 36.86±6.77 kg; p<0 .001=".001" 1.="1." 25.00="25.00" 332.43="332.43" 95="95" a="a" activities="activities" adl="adl" and="and" as="as" assessment="assessment" associated="associated" b12="b12" bmi="bmi" ci="ci" class="highlight" cognitive="cognitive" correlated="correlated" daily="daily" ffm="ffm" for="for" higher="higher" impairment="impairment" in="in" independently="independently" instrumental="instrumental" kg="kg" levels="levels" living="living" logistic="logistic" lower="lower" m="m" mini="mini" ml="ml" mmse="mmse" mna="mna" moderate-severe="moderate-severe" multiple="multiple" nutritional="nutritional" of="of" on="on" p="0.002)." pg="pg" r="0.34," regression="regression" risk="risk" sample="sample" scores="scores" significantly="significantly" span="span" the="the" vitamin="vitamin" vs="vs" was="was" well="well" whole="whole" with="with">160>-7.55) and female gender was independently associated with severity of dementia (OR=3.14; 95% CI; 1.09-9.03).
CONCLUSION:
BMI seems to indicate global health status in elderly demented people and a BMI of 25 kg/m² can be considered an "alarm" cut-off, lower values coinciding with a worse cognitive status based on MMSE scores.心筋梗塞後の筋トレと栄養素補給
心筋梗塞後のリハにおけるウェイト・トレーニングと適切な栄養素の補給に関するレビュー論文を紹介します。
Gąsiorowski A, Dutkiewicz J. Weight training and appropriate nutrient supplementation as an alternative method to pharmacological treatment in rehabilitation of post-myocardial infarction patients. Ann Agric Environ Med. 2012 Sep 20;19(3):333-8.
特に微量元素やビタミンの心筋梗塞後リハへの効果に関するレビューをしています。アミノ酸、ビタミン類、コエンザイムQ10、ピクノジェノール(フランス海岸松樹皮エキス)、イノシトール、オメガ3系脂肪酸、電解質、微量元素に関しては、全般および心血管の健康に有益という報告があります。
ビタミンや電解質、微量元素が不足(もしくは過剰)の場合に、リハの効果を妨げる可能性があることはわかります。アミノ酸やオメガ3系脂肪酸もわかります。抄録しか読んでいませんが、コエンザイムQ10、ピクノジェノール、イノシトールの効果は個人的にはよくわかりません。
Gąsiorowski A, Dutkiewicz J. Weight training and appropriate nutrient supplementation as an alternative method to pharmacological treatment in rehabilitation of post-myocardial infarction patients. Ann Agric Environ Med. 2012 Sep 20;19(3):333-8.
特に微量元素やビタミンの心筋梗塞後リハへの効果に関するレビューをしています。アミノ酸、ビタミン類、コエンザイムQ10、ピクノジェノール(フランス海岸松樹皮エキス)、イノシトール、オメガ3系脂肪酸、電解質、微量元素に関しては、全般および心血管の健康に有益という報告があります。
ビタミンや電解質、微量元素が不足(もしくは過剰)の場合に、リハの効果を妨げる可能性があることはわかります。アミノ酸やオメガ3系脂肪酸もわかります。抄録しか読んでいませんが、コエンザイムQ10、ピクノジェノール、イノシトールの効果は個人的にはよくわかりません。
Abstract
The article describes the impact of weight training, micro-elements and vitamins on rehabilitation in post-myocardial infarction patients. Cardiac rehabilitation is a multi-disciplinary and multi-faceted intervention aimed at restoring well-being and retarding disease progression in patients with heart disease. It has been shown that exercise-based cardiac rehabilitation is effective in reducing total and cardiovascular mortality. Intake of vitamins and other diet supplements was reported to exert beneficial effects. Pharmacological medication is associated with an increased risk of severe arrhythmia, and many adverse outcomes. Therefore, since conventional medicine only relieves the symptoms, cellular nutrition should be used in order to improve the quality of life in post-myocardial infarction patients. These elements prevent another infarction. The following nutrients are reported to have beneficial effects on general and cardiovascular health: amino acidacids, macromineral elements, and trace mineral elements. In conclusion, the review s, vitamins, coenzyme Q10, pycnogenol, inositol, omega-3 fatty indicates that appropriate weight training and diet supplementation ensure full recovery and elimination of risk factors for cardiovascular diseases.直腸・骨盤手術のERASガイドライン
直腸・骨盤手術に対するERASのガイドライン論文を紹介します。
J. Nygren, et al. Guidelines for perioperative care in elective rectal/pelvic surgery: Enhanced Recovery After Surgery (ERAS®) Society recommendations. Clinical Nutrition, http://dx.doi.org/10.1016/j.clnu.2012.08.012
ERASを構成している各項目について、そのエビデンスと推奨度を示しています。ERASに関しては、「キーワードでわかる臨床栄養」で寺島先生が詳しく解説しています。
http://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch8-2/
結果ですが、ほとんどの項目でエビデンスのレベルは高いから中等度となっています。ただし、早期離床に関してはエビデンスレベルは低いという結果です。上記の寺島先生の執筆にもあるように、早期離床のエビデンスは意外と乏しいです。早期離床のエビデンスを作ることも重要だと改めて感じます。
J. Nygren, et al. Guidelines for perioperative care in elective rectal/pelvic surgery: Enhanced Recovery After Surgery (ERAS®) Society recommendations. Clinical Nutrition, http://dx.doi.org/10.1016/j.clnu.2012.08.012
ERASを構成している各項目について、そのエビデンスと推奨度を示しています。ERASに関しては、「キーワードでわかる臨床栄養」で寺島先生が詳しく解説しています。
http://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch8-2/
結果ですが、ほとんどの項目でエビデンスのレベルは高いから中等度となっています。ただし、早期離床に関してはエビデンスレベルは低いという結果です。上記の寺島先生の執筆にもあるように、早期離床のエビデンスは意外と乏しいです。早期離床のエビデンスを作ることも重要だと改めて感じます。
Summary
Background
This review aims to present a consensus for optimal perioperative care in rectal/pelvic surgery, and to provide graded recommendations for items for an evidenced-based enhanced recovery protocol.
Methods
Studies were selected with particular attention paid to meta-analyses, randomized controlled trials and large prospective cohorts. For each item of the perioperative treatment pathway, available English-language literature was examined, reviewed and graded. A consensus recommendation was reached after critical appraisal of the literature by the group.
Results
For most of the protocol items, recommendations are based on good-quality trials or meta-analyses of good-quality trials (evidence grade: high or moderate).
Conclusions
Based on the evidence available for each item of the multimodal perioperative care pathway, the Enhanced Recovery After Surgery (ERAS) Society, European Society for Clinical Nutrition and Metabolism (ESPEN) and International Association for Surgical Metabolism and Nutrition (IASMEN) present a comprehensive evidence-based consensus review of perioperative care for rectal surgery.
2012年10月1日月曜日
月刊薬事2012年10月号
月刊薬事2012年10月号で「経管栄養管理に強くなる!」という特集が組まれています。
http://www.jiho.co.jp/tabid/313/Default.aspx
私は栄養障害の基本というところを執筆させていただきました。薬剤師以外が目にすることは少ない雑誌だと思いますので、多くの薬剤師に読んでほしいですね。よろしくお願い申し上げます。
特集の目次
■特集にあたって
倉田なおみ
■栄養障害の基本
若林 秀隆
■栄養アセスメントの方法
高村 晴美,足立香代子
■栄養プランの立て方
佐々木雅也,栗原 美香
■経管栄養デバイスの種類と特徴
鷲澤 尚宏
■経腸栄養材の種類と選択のポイント
合田 文則,瀬尾 洋介
■歯科と経管栄養について
石井 良昌,鳥羽瀬 歩
■経管栄養に関する倫理――歴史,国際情勢,用語の理解をふまえて
今里 真
■経管栄養患者に対する地域連携
西山 順博
■疾患別にみた経管栄養のメリットと注意点
●脳卒中患者 三原 千惠
●悪性腫瘍患者 鈴木 裕
●褥瘡患者 丸山 道生
●小児患者 土岐 彰
●ICU患者 福田賢一郎,有賀 徹
http://www.jiho.co.jp/tabid/313/Default.aspx
私は栄養障害の基本というところを執筆させていただきました。薬剤師以外が目にすることは少ない雑誌だと思いますので、多くの薬剤師に読んでほしいですね。よろしくお願い申し上げます。
特集の目次
■特集にあたって
倉田なおみ
■栄養障害の基本
若林 秀隆
■栄養アセスメントの方法
高村 晴美,足立香代子
■栄養プランの立て方
佐々木雅也,栗原 美香
■経管栄養デバイスの種類と特徴
鷲澤 尚宏
■経腸栄養材の種類と選択のポイント
合田 文則,瀬尾 洋介
■歯科と経管栄養について
石井 良昌,鳥羽瀬 歩
■経管栄養に関する倫理――歴史,国際情勢,用語の理解をふまえて
今里 真
■経管栄養患者に対する地域連携
西山 順博
■疾患別にみた経管栄養のメリットと注意点
●脳卒中患者 三原 千惠
●悪性腫瘍患者 鈴木 裕
●褥瘡患者 丸山 道生
●小児患者 土岐 彰
●ICU患者 福田賢一郎,有賀 徹
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