2009年12月16日水曜日

キャリアデザイン入門


FDにはキャリアを考えることも含まれます。キャリアにはいろんな考え方があり、一人ひとりが自論・持論を持つことが大切です。その中で私が好んでいる本を紹介します。

キャリアデザイン入門―専門力編― 大久保幸夫著 日経文庫
http://www.nikkeibook.com/book_detail/11097/

基礎力編と2冊シリーズになっており、両方とも読む価値はありますが、私の年代では専門力編のほうがより有益でした。2点紹介します。

①キャリアの時期を大きく筏下りと山登りに分類しています。筏下りは30代半ば頃までが1つの目安で、目の前の仕事が何であれ、ひたすら打ち込むことでいろんなことを経験して学習する時期、山登りは30代半ば以降で、1つの打ち込むべきこと(登るべき山、何によって憶えられたいか)を決めて、他の山に登ることは捨てて、1つの山を登り続ける時期です。

私はなかなか登る山を選べませんでしたし、何によって憶えられたいかも答えられませんでした。それでもこれらを考え続けることで、リハ栄養という山を登ってみることに決めました。

山登りには仮決め、見習い、本決め、開花、無心の5段階があるそうです。本格的な山登りは3段階目の本決めからになります。ここの壁は実に高く厚いので、乗り越えられないで筏下りを続けて漂流してしまう医療人が少なくないと思います。

職種を決めることや、その職種で一人前になることは決して山登りではなく筏下りです。一人前をキャリアのゴールと考えて山登りをしなければ、30代半ば以降の学習と成長は少ないでしょうし、むしろ時代遅れの医療人になっていくと考えます。自分に見合った山を探して登っていくことが、キャリアの充実につながると私は考えています。

②キャリアを主観(個人ブランドと人的ネットワーク)と客観(プロフィールに記載できる量)の2つに分類しています。

客観では、以下の6項目でプロフィールを作成してみるとよいそうです。

最終学歴および取得学位
職歴および主要な役割の履歴
所有資格および受賞歴
公的役職の履歴
教歴
著作もしくは論文

このうち学歴、学位、職歴、所有資格しか記載できることがなければ、まだ筏下りをしているか山登りを始めて途中かだと思われます。記載できないところを埋めていくとよいキャリアになりやすいそうです。

しかし、より大切なのは客観ではなく主観と私は考えます。個人ブランドと人的ネットワークは、登る山を決めてからできるものです。登る山を決めて主観が決まれば、その結果としてプロフィールが徐々に充実してくるのだと思います。

ただ、人によってはこのようなキャリアの考え方は肌に合わないようです。その場合には、他のキャリアの考え方を自論・持論にすればよいと考えます。

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