2009年12月24日木曜日

フィードバックの技術で、職場の「気まずさ」を解消する

ハーバード・ポケットブック・シリーズ8 フィードバックの技術で、職場の「気まずさ」を解消する
を読みました。

http://www.firstpress.co.jp/?p=245

フィードバックとは、
①組織の人々の間でやりとりされる情報の流れのこと。通常はプロジェクトや完成した仕事に対する評価を意味する
②業績や仕事に関連した行為に対する評価を共有すること
③ポジティブで建設的な変化への第一歩
と記載されています。

フィードバックという言葉自体は学生の時に生理学の時間に習いましたし、卒後にも指導医養成ワークショップなどで習いましたが、フィードの意味がFeeding(食べ物を与えるの意)であることは、この本で初めて知りました。

嚥下やNSTに取り組んでいるので日ごろからFeedingを考えていましたが、それがフィードバックにも繋がっているとは私には新鮮でした。つまり、その人の栄養状態(嚥下やNSTでは身体面、フィードバックでは心理面や知識面が主でしょうか)を改善させてQOLを向上させることが、フィードバックの目的になります。

そう考えると、栄養アセスメント、栄養ケアプラン、実施、モニタリングという栄養ケアマネジメントの一連の流れを、そのままフィードバックにも活用できるように感じます。

フィードバックには大きく分けて、
ポジティブフィードバック
ネガティブフィードバック
の2つがあります。

ポジティブなフィードバックは、好ましい行動や問題解決パターンを推奨し、強化することを目的としたもの、指導的なフィードバックは、望ましくない行動を修正・改善し、より生産的な業務パターンを示すことで、受け手に新しい行動パターンや変化への対処を学ばせることを目指します、と紹介されています。

聞き手のことを考えると、ポジティブフィードバックのほうが気が楽ですが、実際にはネガティブフィードバックのほうが必要なことが少なくありません。褒める→こうするとよりよいことを指摘する→褒めるといったサンドイッチ法がよいと言われていますので、これを心がけるようにはしています。実際にはあまりできていませんが…。

あとがきには、「組織が問題を抱えているときは、必ずといっていいほど、その原因の中にフィードバックの機能不全が見つかるのである」という記載があります。因果関係なのか関連なのかはわかりませんが、適切なフィードバックが豊富な組織は、職場の気まずさは確かに少ないと思います。実際、心当たりもあります。

フィードバックを改めて学習するには有用な本だと思います。ちなみにHarvardポケットシリーズは、コンパクトにビジネススキルを学習できるものが少なくないので、他の書籍もお勧めします。

http://www.firstpress.co.jp/?cat=11

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