2010年2月23日火曜日

科学者たちの奇妙な日常

今日は松下祥子著、日経プレミアシリーズ科学者たちの奇妙な日常を紹介します。

http://www.nikkeibook.com/book_detail/26030/

目次
第〇章 「どうして科学者なんかに?」
第一章 科学者の生態分析
第二章 研究で稼ぐには?
第三章 研究をオモテに出す
第四章 博士はどこにいる? 
第五章 これができなきゃ科学者じゃない!
第六章 あなたはどの科学者タイプ?
第七章 拝啓総理大臣様 科学立国にするおつもりあって?

a女性科学者のスペース2という人気ブログを執筆されていて、そのブログが一部書籍のベースになっているようです。

http://a-scientist.jugem.jp/

内容的に面白い(両方ですがどちらかというとFunny>Interesting)ので、ブログを見ていただき面白そうなら書籍も読んでいただくとよいと思います。

自分がInterestingと感じたのは第五章の科学者の条件です。学士、修士、博士と分けて紹介しています。理工系と医学系では多少、条件も異なるとは思いますが…。

学士に必要な能力:「自分で考えて行動できる人間」。大まかな問題解決方法は提示されている。具体的には、
・理解力
・説明能力
・文章力
・プレゼンテーション能力
・ディスカッション能力
・日常英語会話
・英語読解力
・問題解決のための調査能力
・問題解決方法‐実行力
・データの読解力

修士に必要な能力:問題解決「方法」を発見できる人間
・自己訓練(後輩に指示を出す立場として)
・データの解析力
・現場での問題解決法発見能力

博士に必要な能力:「研究開発分野において、なにが問題かを発見できる人間」
・問題発見能力
・英語での発表力
・英語作文能力
・専門に関連した知識の蓄積

自分を振り返ってみると、学士に必要な能力(多くはコミュニケーション能力ですが)を大学卒業時に身につけていたかというと全然です。今なら大丈夫かなと感じますが、30歳を過ぎてから身に付けたというのが実情です。

修士に必要な能力までなら何とかという気もしますが、博士に必要な能力は明らかに不足しています。実際、博士ではありませんし…。国際学会での発表経験はありますが、「専門の事柄について世界レベルでディスカッションできる人」ではありません。日本レベルならディスカッションできますが。

こういった研究開発分野におけるコミュニケーション能力や問題発見・解決能力を身につけることは、道は遠いしなかなか大変だなと感じます。日常生活や臨床現場でのコミュニケーション能力や問題発見・解決能力とのギャップは大きいです。

ただ、大学院博士課程に入学すれば
・問題発見能力
・英語での発表力
・英語作文能力
・専門に関連した知識の蓄積
を体系的に教えてもらえて身に付くかというと、そう単純でもありません。大学でさえ基本的には主体的に学ぶ場ですから、大学院はなおさら放置(主体的に学ぶのみ)されることもあるようです。昔よりは状況は改善されているようですが。

どちらにしても主体的な学習を生涯継続することが重要で、自分の目標(登る山)をどこにするかを決めることが大切です。ただ高く登るには、「研究開発分野において、なにが問題かを発見できる人間」になることが必要条件かもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿