週刊医学界新聞第2925号2011年04月18日に、看護師のキャリア発達支援:組織と個人,2つの未来をみつめて 【第1回】出発点という武村雪絵氏(東京大学医科学研究所附属病院看護部長)の原稿が掲載されています。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02925_05
「新しく組織に加わった看護師が組織の一員になる過程,組織の日常を越える過程に注目し,看護師のキャリア発達支援について考えます。」とありますが、これは看護師以外の医療人にも参考になる原稿だと思います。
一部上記原稿から転載します。
「患者と同じように,個々の看護職員には自分の人生があり目標があり,意図と期待を持ってこの施設を働く場に選んだ。施設では,施設の目標と融合できることを条件に,個々の看護職員の目標をチームで共有することが必要となる。明確な目標を持たない看護職員へは最初の目標を描く支援が必要となる。次のステップの目標を持つ看護職員とは,この施設で何を目標とするかをすり合わせる作業が必要となる。そして,その目標に向けて,本人が主体的に取り組むのはもちろんだが,周囲のスタッフが支援し,リソースを提供する。施設はそういう職場環境を提供しなければならない。」
そういう職場環境を提供できている施設が数多くあればよいのですが、実際には少数派のように思えます。例えば、1人前になるまでは施設内の研修で十分ですが、一流を目指した次のステップの目標を持つ医療人は一定期間、施設外で研修しなければいけないことが少なくありません(例:認定看護師なら6カ月)。
しかし、認定看護師の研修環境(その間の施設の対応)は決して充実しているとは言えません。まして他職種の医療人が一流を目指して6ヶ月間、施設外で研修したいとなった場合、医師以外の職種は退職しなければ研修できないことが多いように感じます。医師でも簡単ではないと思いますが。
医療人のキャリア発達支援は改善の余地が大きいので、この連載から学べることが多いのではと期待しています。
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