コンプリートメッセージとは、What:結論、Why:根拠、How:方法の3つのコンポーネントがそろったメッセージのことです。これらのいずれかがあいまいか不十分だと、コミュニケーション不全になりやすいと言われています。
リハ栄養のコンプリートメッセージを考えてみました。
What:リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で評価を行ったうえで、障害者や高齢者の機能、活動、参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことです。
「栄養ケアなくしてリハなし」「リハにとって栄養はバイタルサインである」
Why:MNAで高齢者の栄養状態を評価した2000年以降の論文を集計すると、リハ病棟で栄養状態良好なのはわずか8.5%で、低栄養のおそれあり(At risk)が41.2%、低栄養が50.5%です。リハを行っている高齢者の大半が低栄養もしくは低栄養のおそれありです。
http://rehabnutrition.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html
ここまでは比較的明確です。「PT・OT・STのためのリハ栄養」と「リハ栄養ハンドブック」でもリハ栄養のWhatとWhyはそれなりに伝えることができたと思います。
しかし、リハ栄養が臨床現場に普及したかといえば、リハ科医師、PT・OT・ST・DH、看護師、管理栄養士などでリハ栄養に関心がある人がそもそもごく少数ですし、普及には程遠い状況です。
この現状にはいくつか原因がありますが、その1つがリハ栄養のHowが不十分なことではないかと感じています。WhatとWhyだけではコンプリートメッセージになっていないため、リハ栄養がコミュニケーション不全になっている可能性があります。そのためにリハ栄養のHowを年内にまとめて伝えることができるように準備しています。
この準備が仕上がると、リハ栄養がコンプリートメッセージになるので、より多くの人に関心を持ってもらえるのではないかと思います。私自身はエビデンスをほとんど作っていませんが、海外の論文を読むとリハ栄養的な臨床研究は少なからずあります。これらをエビデンスとしてリハ栄養を臨床現場で実践する意味は大きいと考えています。そうなるように頑張ります。
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