今日は、大前研一、斎藤顯一著、実践!問題解決法、小学館文庫を紹介します。
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094081619
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問題発見・解決の書籍は以前も紹介したことがあります。ただ、問題発見・解決能力は、Faculty Developmentの4つの能力の1つですし、とても重要な能力なので紹介します。
この書籍は基礎的な内容を紹介していますので、すでに問題発見・解決に関してある程度学習している方にとっては、物足りないと思います。一方、基礎的でわかりやすく記載されていますので、体系的に問題発見・解決を学んだことがない方には、かなり参考になると考えます。
流れとしては「データの収集と分析、本当の問題を抽出していく方法、論理展開の仕方、表現の仕方、そしてそれらをまとめて人に説明するプレゼンテーションのやり方が中心」となります。
問題解決法の3つの原則と3つのステップとして、以下のものが紹介されています。
原則①:すべての問題は解決できる、という強い信念を持て
原則②:常に「What if……?」を考えよ
原則③:原因と現象を混同するな
ステップ①:足して100になる質問で問題の原因をあぶり出す(MECE:モレなくダブリなくということ)
ステップ②:問題の本質が見えてきたら仮説を立てる
ステップ③:仮説を実証するためデータを収集し証明する
私たちは学会発表や論文執筆といった研究だけでなく、臨床の中でも毎日問題発見・解決をしているはずですが、そのことに対する意識は薄いことが多いです。日々の臨床でいつも問題発見・解決していることを意識(特に目的を意識)して、体系的な流れに沿って行うだけで、ある程度臨床の質を高めることが可能です。
この書籍では適切な問題を発見できれば6割方解決したようなものだと記載されています。言い方を変えると、それだけ問題の本質を考えず、発見せずに、安易に表面的な問題のみとらえて、その解決方法を考えていることが多いということです。
間違った問題を解決するために一生懸命時間をかけることは、不毛な努力となることが多いです。解決に取り掛かる前にじっくり問題の本質を考えること、これは研究でデータ収集に走る前にリサーチ・クエスチョンを十分吟味することと同じですね。
目次
第1部
数学やコンピュータ、語学を○×式で教えても何の意味もない―答えのない時代を乗り切るためにはロジカル・シンキングを身につけよ
形骸化した「改善運動」が、いかに企業をだめにしているかを知れば、やるべきことは見えてくる―PSAを会得すればあなたは企業を立て直すヒーローだ
現象に惑わされずに真の解決法を見つけるには?―PSAがすぐ理解できる「3つの原則」と「3つのステップ」
第2部
問題解決とは何か
取り巻く環境の理解
効果的情報収集法
データからチャートへ
フレームワークで考える
演習問題
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