2010年1月28日木曜日

問題解決

今日はライトワークス監修、中川肇著の問題解決、ファーストプレスを紹介します。

http://www.firstpress.co.jp/?p=302

この本もライトワークス・ビジネスベーシックシリーズの1冊です。このシリーズの紹介は当面、この本で終わりにして、今度はリハ栄養のことを書きます。

問題発見・解決能力は、私が分類するFD(Faculty Development)の中でも、マネジメント能力、コミュニケーション能力、生涯学習能力とともに4本柱の1つであり、極めて重要な能力と考えています。

問題解決とは、「現状とあるべき姿のギャップ」を埋める作業のことです。つまり、あるべき姿と現状の両方を認識できなければ、問題意識を持つことができません。先が見えずに思い悩んでいる状況では、あるべき姿か現状かこれら両方が見えていないことがよくあります。

問題解決の一連のプロセスは、
①解決すべき問題の設定
②問題の根本的な原因の追及
③問題を解消する対策の立案と実施
の3つのステップに分類されます。

医療人が仕事をしているのは、何らかの問題(健康問題など)がそこにあるからです。つまり、医療人は毎日、問題発見、問題解決に取り組んでいるともいえます。

問題設定のプロセスでは、問題を認識しても、それが解決されるべき問題(=課題)であるとは限らないことを、ほとんどの人が理解していないそうです。

しばらく放置したほうがよい問題や、他の問題を解決することでその問題自体が問題でなくなることや、そもそも解決しようのない問題のことがあります。あくまで解決すべき課題のみ、対策立案・実施の段階に進めます。

日本人は学生時代、常に問題を与えられ、唯一絶対の正解をいかに早く見つけるかということばかりやっています。そのため、問題発見能力や、唯一絶対の正解がない問題の解決能力を鍛える機会が、学生時代にはほとんどありません。

また、唯一絶対の正解以外はすべて不正解、失敗という世界で育っているためか、失敗を恐れる人が多いように感じます。失敗を恐れて何も行動しないことで失敗経験を避ける人もいます。私は何も行動しないことが最大の失敗だと思うようにしていますが…。

原因追求と対策立案には、先日紹介した仮説思考が極めて有効です。

その他に、SIS(Situation:事実, Implication:解釈, Solution:解決策の頭文字をとったもの)は思考の3つのプロセスを示していて、問題の本質を見極める際に重要な役割を果たすそうです。「空雨傘(空が暗い、雨が降りそうだ、傘を持っていこう)」も同じ意味です。

コンプリートメッセージは、What:結論、Why:根拠、How:方法の3つのコンポーネントがそろったメッセージのことで、これらのいずれかがあいまいか不十分だと、コミュニケーション不全に陥りやすいそうです。

例えば「面会したいのでアポお願いします。この日に○○病院に伺いたいのですがいかがでしょうか。」というメールがあった場合、WhatとHowは明確ですが、Whyがないので、貴重な時間を割いて面会する理由が分からず、私は面会する気分になりません。

できる医療人の多くは、問題意識が高いです。つまり、現状とあるべき姿とそのギャップをよく認識しています。問題発見・解決能力を磨いて、自分のあるべき姿に近づきたいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿