今日は、五島朋幸著、愛は自転車に乗って―歯医者とスルメと情熱と、一橋出版を紹介します。一橋出版は2009年に自己破産されたとのことで、書籍はアマゾンから入手するのがよい気がします。他によい入手ルートがありましたら教えてください。
http://www.amazon.co.jp/%E6%84%9B%E3%81%AF%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%81%AB%E4%B9%97%E3%81%A3%E3%81%A6%E2%80%95%E6%AD%AF%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%A8%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%81%A8%E6%83%85%E7%86%B1%E3%81%A8-%E4%BA%94%E5%B3%B6-%E6%9C%8B%E5%B9%B8/dp/483480223X
五島先生が何冊も書籍を出していることは知っていましたが、この書籍は今回初めて拝読させていただきました。タイトルに愛や情熱が入っていること自体すごいですが、中身は感動的です。食べること、嚥下リハに関わって生きてきた人なら、共感できることが多いはずです。そうでなくても共感できると思います。
「なぜ食べるための努力をしないのか。食べることは生きることである。われわれ医療者の目的は人が生きることを支えることであって人を生かすことではない!」と絶叫して訴えている様子が目に浮かびます。まあ、3日前にラジオ収録と飲み会で五島先生とご一緒させていただいたので、目に浮かびやすい状況ですが…。
なぜ嚥下が専門でもない医療人が安易に「一生食べることは絶対にできません」などと断言できるのでしょうか。禁食安全妄想(禁食にすると誤嚥性肺炎になりにくい)が蔓延している医療界ですが、実際には少しでも経口摂取できる能力がある方の場合には、適切に経口摂取しているほうが肺炎になりにくいというエビデンスがあります。「経口摂取をしないと肺炎になるリスクが高くなりますよ」ということが、これからの常識です。
在宅医療の魅力、素晴らしさもよく伝わってきます。生活を切り離した病院での治療とは大違いです。もちろん急性期病院で生きるか死ぬかというときには、生活密着よりも生活を切り離して治療に専念することのほうが重要なこともありますが。私も在宅リハに関わらせていただいていて、これは必ず継続したいと考えています。
嚥下リハは大変なこともありますが、やりがいがとても大きな領域です。この本を読んで改めてやりがいの大きさを実感しました。多くの人に読んでいただき、多くの人に口から食べることに真剣に関わってほしいと思います。
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