2010年10月7日木曜日

チーム医療の大切さを伝えようーIPEの今

最新号の医学界新聞で、チーム医療の大切さを伝えようーIPEの今という特集記事が掲載されています。一読の価値があります。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02898_01

IPEという言葉は聞きなれないと思いますので、医学界新聞での解説を以下に引用します。

IPE(Interprofessional education;専門職連携教育,関連職種連携教育)
 チーム医療の重要性を伝えることをめざした教育法。世界中で実施されており,中でも英国では,General Medical Councilが発行する医学部卒前教育改革の指針「Tomorrow's Doctors」2009年版で,医学生のIPE必修化が明記されたのをはじめ,多くの医療専門職養成課程でIPEが必修となっている。さらに,世界保健機関(WHO)も今年,各国のIPE実施事例をもとに,教員養成,カリキュラムづくり,職種間の情報共有法などのモデルケースを示した「Framework for Action on Interprofessional Education & Collaborative Practice」を公表。IPEを推奨する方向性を打ち出している。

臨床現場でチーム医療が重要なことは言うまでもありません。というか現代医療できちんとした成果を出そうと考えたら、チーム医療は必要条件です。昔、医師と看護師だけで医療をしていた時代であればチーム医療といっても2職種だけですから、今ほど重要ではなかったと思われます。

今は10職種以上でチームを組むこともあります。職種が増えたということはそれだけ専門知識が進化して細分化したということですので、1職種だけで大きな成果を出すことは難しくなっています。知識社会が進めば進むほど、組織社会(=チーム医療社会)にならざるをえないということです。

その点で紹介されている昭和大,筑波大,国際医療福祉大の取り組みは大したものだ感じる一方、当然のことだと感じます。臨床で成果を上げるためには、専門知識や技術を身につけるだけでは不十分で、組織社会であることやFDが必要でありその基本を、学生のときに教えることが必須です。

ただ実際には、多職種の学生がいる大学であっても縦割りで、学科を超えた付き合いがほとんどないところが少なくなありません。リハ栄養でいえば、少なくとも管理栄養士とリハ関連職種の両方を養成している大学なら、お互いに行き来して学生の時からリハ栄養の重要性を知る機会を作れるはずです。ところがリハ栄養を大学で学ぶ機会は今のところ皆無です。

チーム医療の重要性は早いうちに体験したほうがより身につきます。私は学生時代、チーム医療について学ぶ機会は全くありませんでしたが、より多くの大学でIPEが実践されることを期待しています。

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