今日から第21回日本在宅医療学会の演題募集が開始となっています。
http://www.procomu.jp/jshm2010/index.html
メインテーマ 『シームレスな医療へ -病院そして在宅-』
【会長】 丸山道生先生(財団法人 東京都保健医療公社大久保病院 外科部長)
【日時】 2010年6月12日(土)~13日(日)
【会場】 東京ファッションタウンTFTホール(東京・有明)
【演題登録受付期間】 2010年3月10日(水)~3月31日(水)予定
私は土曜日午後のシンポジウム2『病院から在宅へのシームレスな栄養管理・地域栄養ケア』に参加します。
司会 望月弘彦 クローバーホスピタル 消化器科
シンポジスト 若林秀隆 横浜市立大学市民総合医療センターリハビリテーション科
シンポジスト 中村悦子 市立輪島病院
シンポジスト 荒木玲子 国立病院機構西群馬病院 薬剤科
シンポジスト 西山順博 西山医院
シンポジスト 工藤美香 南大和病院 栄養科
私は「摂食・嚥下障害患者のシームレスな栄養管理・地域栄養ケア」という演題名で、以下のような内容について発表する予定です。
栄養管理や経口摂取は1つの病院・施設内だけで完結する課題ではないため、地域連携が必要である。シームレスな栄養管理・地域栄養ケアを臨床現場で行うには、5W1H(Why、Who、When、Where、What、How)を明確にすることが有用である。その1例を示す。
Why:ビジョン・ミッションを明確にする
Who:誰とでも・超職種型(同じ職種同士は当然、その他の職種とも連携)
When:いつでも(患者の移動時はいつでも連携)
Where:どこでも(患者の移動時は病院・施設・在宅に関わらずどこでも連携)
What:何でも(栄養管理や嚥下食は当然、他にも必要な情報は何でも連携)
How:人、物、金、知識、時間、感情の経営資源を適切にマネジメント
神奈川摂食・嚥下リハビリテーション(以下、リハ)研究会では、NST嚥下連絡票(PDN:PEGドクターズネットワークのHPからダウンロード可能)
http://www.peg.or.jp/network/kanagawa/index.html
を作成して、県内での運用を進めている。多職種で共通の連絡票を活用することで、食事の形態や栄養管理だけでなく口腔ケア、増粘剤の粘度、食事の姿勢、リハテクニックなどもより適切に連携できる。神奈川県内の嚥下相談窓口も作成している(PDNのHPからダウンロード可能)。現在、県内で49か所ある。地区ごとに嚥下相談窓口を明確にすることで、摂食・嚥下障害患者の地域連携を進めやすくなる。
横浜南部地域一体型NSTは、横浜南部地域(金沢区、港南区、磯子区、南区、中区、西区)において急性期病院、リハ病院、診療所、歯科医師会、介護施設、在宅、行政などで栄養療法に関する学習、交流、連携を推進し、患者のQOL向上に貢献することを目的に立ち上げた。ここでも、NST嚥下連絡票の運用を推奨している。地域内の嚥下相談窓口以外にも、往診可能な医師・歯科医師、訪問看護師、訪問言語聴覚士、訪問管理栄養士、訪問薬剤師など在宅の情報把握と共有も行っている。第8回勉強会参加者を対象に行ったアンケート調査で、在宅を含めたNSTの連携・ネットワーク強化と、栄養や摂食・嚥下の学習機会の提供が、今後取り組むべき課題であることが明らかになった。
リハ栄養の考え方も有用である。リハ栄養とは、栄養状態も含めてICF(国際生活機能分類)で全人的な評価を行ったうえで、適切な予後予測のもとで、リハ栄養ケアプランを実践することである。摂食・嚥下障害の原因の1つである嚥下筋の筋萎縮には、飢餓・侵襲、廃用性筋萎縮、サルコペニア、悪液質、原疾患による筋萎縮のうち、複数の要因を認めることが少なくない。この場合、栄養管理だけの連携でもリハだけの連携でも、摂食・嚥下機能、ADL、QOLの向上のためには不十分なことが多い。そのため、シームレスなリハ栄養管理・地域リハ栄養ケアが必要である。
他には『病院から在宅へ、嚥下・食事摂取の各職種の関わり』というシンポジウムもあります。私の発表内容はこちらにもかぶっている感じです。
司会 中村育子 福岡クリニック在宅部栄養課
司会 前田佳予子 武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
シンポジスト 戸原玄 日本大学歯学部摂食機能療法学講座
シンポジスト 木下朋雄 コンフォガーデンクリニック在宅療養支援診療所
シンポジスト 関初穂 北里研究所病院リハビリテーション技術・メディカルトレーナー科
シンポジスト 弓狩幸生 医療法人財団福寿会在宅総合支援センターふくろう
シンポジスト 中村育子 福岡クリニック在宅部栄養課
関心のある方はぜひ参加、発表していただければと思います。よろしくお願いいたします。
0 件のコメント:
コメントを投稿