2010年3月17日水曜日

ドラッカー:ポスト資本主義社会

今日は、P.F.ドラッカー名著集8 ポスト資本主義社会、ダイヤモンド社を紹介します。

http://book.diamond.co.jp/_itemcontents/0201_biz/00210-0.html

ちなみに今日のクローズアップ現代はドラッカーの特集です。

http://www.nhk.or.jp/gendai/

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という書籍がベストセラーとなり、ドラッカー人気が再び高まっているのは嬉しい限りです。

この本に比べると、ポスト資本主義社会は決して読みやすい本とは言えないと思いますが、知識社会兼組織社会である現代のことを詳細に書いている1つです。繰り返し読めば、現在はどんな社会なのか、日本の政治がさえないのはなぜか、学習と教育はどうあるべきか、これからの知識労働者(=すべての医療人)が身につけるべき一般教養は何かなどが見えてくると思います。

私は現在の一般教養とは、専門領域の知識・技術プラスFDのスキル(問題発見・解決能力、マネジメント能力、コミュニケーション能力、生涯学習能力)と考えていますが、ドラッカーは昔からこれらの能力の重要性を書いています。

「知識人の世界は、組織人による均衡がなければ好きなことをするだけとなり、意味あることは何もなされない世界となる。組織人の世界も、知識人による均衡がなければ形式に陥り、組織人間が支配する無気力な灰色の世界へと堕する。両者が両立して初めて、創造と秩序、自己実現と課題達成が可能となる。(中略)ポスト資本主義社会では、教養ある人間は二つの文化を理解できなければならない。」とあります。

病院という組織に関して言えば、わがままな医師や医療人が好き放題やっている病院も、院長や事務長が医療人を縛り付ける病院(特に金銭面のみでの管理至上主義)もどちらもダメということになります。幸か不幸か私は両者の病院を見たことがあります。このような病院は決して珍しくないかもしれません。

病院以外の組織でも、組織人間が支配する無気力な灰色の世界は、日本中にありふれているような気がしますが、いかがでしょうか。

医療人も当然、知識人の世界と組織人の世界と両方に生きなければいけませんが、どちらかというと専門の知識・技能を活かす方向に偏りがちだと感じます。ドラッカーの書籍でマネジメントをよく学習して、自分と自分の組織がより多くの成果を出せるように心がけることが改めて問われていると思います。

●目次
序章 歴史の転換期
われわれが経験しつつあるものは何か
ポスト資本主義社会の姿
知識社会への移行
国民国家を超えて
第三世界の行方
ポスト資本主義社会における社会、政治、知識

第1部 社会

第1章 資本主義社会から知識社会へ
何が産業革命をもたらしたか
技術革新と文明
知識の意味が変わった
産業革命
生産性革命
テイラーの悲劇
教育訓練が生産性を爆発的に向上させた
マネジメント革命
マネジメントとは何か
一般知識から専門知識へ

第2章 組織社会の到来
組織の機能
企業も病院も組織
組織の特性
変革機関としての組織
組織の論理
従業員社会

第3章 資本と労働の未来
資本と労働の役割の変化
資本家なき資本主義
コーポレート・ガバナンス
マネジメントの責任

第4章 生産性
知識労働とサービス労働の生産性
チーム
集中
仕事の改善
アウトソーシングの理由

第5章 組織の社会的責任
ポスト資本主義社会の原則
社会的責任とは何か
組織と権力
責任型組織

第2部 政治

第6章 国民国家からメガステイトへ
国民国家の誕生
福祉国家としてのメガステイト
経済国家としてのメガステイト
租税国家としてのメガステイト
冷戦国家の登場
メガステイトは機能したか
ばらまき国家という民主主義の否定
袋小路に入ったメガステイト

第7章 グローバリズム、リージョナリズム、トライバリズム
ゆるぐ国民国家の基盤
環境問題、テロ、軍備管理
新しい現実としてのリージョナリズム
トライバリズムへの回帰

第8章 政府の再建
政党の基盤の消失
反行政の流行
軍事援助の不毛
経済政策において廃棄すべきもの
行うべきこと

第9章 社会セクターによる市民性の回復
二つの社会的ニーズの高まり
NPOによる市民性の回復
コミュニティは欠かせない
市民としてのボランティア

第3部 知識

第10章 知識の経済学
知識が主役
知識の経済学
知識の生産性
中央計画と集中化の失敗
マネジメント上の処方
結合せよ

第11章 教育の経済学
一変する学び方と教え方
高度の基礎教育を与える
強みに焦点を合わせる
学校へ戻る
学校の責任

第12章 教養ある人間
知識社会の中心は何か
求心力となるべき存在
知識社会と組織社会
教養ある人間の条件
専門知識を一般知識とする

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