今日は大前研一著「知の衰退」からいかに脱出するか?光文社を紹介します。アマゾンでは中古品を100円で購入できます。
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日本人は個人レベルではIQが高い人も少なくないが、日本の国レベルでの集団IQは低く、集団知の活用が不十分であり、いかに思考停止となっているか、どうすれば考えて行動できるようになるかについて書かれています。Web2.0では集団知の活用が可能ですし重要ですから、私もこのようなブログを立ち上げました。もっと集団知を活用できるように心がけたいです。
254ページに「愚民政策=偏差値導入」が日本人を劇的に変えたとあります。日本政府は安保闘争のようなことが2度と起こらないように、若者たちがけっしてアメリカに刃向わないように、体制が転覆する事態が起こらないようにと、愚民政策を実施したそうです。今のテレビでもバカなほどチヤホヤされる番組がありますね。あれも愚民政策の1つかもしれません。
少なくとも私に関して言えば学生時代はものを考えることをしない人間でしたし、英会話は今でも苦手なので、国の愚民政策は成功したのかもしれません。今は考えることや英語の重要性を認識していますのでFDの学習を推奨していますが、本来は大学生や20代のうちに学んでおくべき内容だったと感じています。
今の20代が物欲・出世欲喪失世代(もちろん全員ではありませんが)と解釈しているのもなるほどと感じました。戦後の工業社会、物不足の時代と比べると、今は知識社会、物余りの時代ですし、物欲は昔の人より少ないかもしれません。出世欲に関しても、昔は出世して給料が増えることでより楽な生活をしたいという欲がありましたが、今は出世しなくても仕事さえあれば最低限の楽な暮らしはできる時代です。
もっとも日本は工業社会から知識社会への移行途中ですが、なかなかスムースに移行できていないので、ミスマッチなどで仕事が見つからなくて楽な暮らしをできない人もいますが…。
考える力に乏しく欲求も少ないとなると、高次脳的には前頭葉機能障害です。前頭葉が障害されると思考力、注意力、自発性・意欲、感情コントロール、言語・コミュニケーション、運動など様々な面で機能が低下します。今の世の中は前頭葉をあまり使わなくても生きていけてしまう世の中、教育体制なのでしょう。今後は健常者への認知リハが必要かもしれません。
大前研一氏の書籍を読むと、自分がいかに日頃考えないで生きているかを痛感して落ち込むことがよくあります。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、一読する価値はあると思います。
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