2010年3月23日火曜日

適切に太るための食事

世の中には痩せるための食事・運動の本や、健常者がさらに筋力をつけるためのレジスタンストレーニングの本はたくさんあります。しかし、私が調べた範囲では、低栄養状態の患者さんが適切に太るための食事を紹介している本は、ほとんどなさそうです。

私がリハ科外来で診療するときは、肥満の方に体重を減らすような指導をすることも少なくありませんが、それと同じくらいるいそうの方に体重を増やすような指導をしています。

るいそうの患者さんは悪液質を生じうる慢性疾患を合併していることがしばしばあります。そうすると食思不振を併発することもよくあります。食事の嗜好を聞くと、カロリーの少ないヘルシーな食事がもともと大好きで、肉や魚はあまり食べないという人が少なくありません。

実際、このような患者さんに指導しても、1kgの体重増加さえなかなか得られないのが実情です。「とにかく痩せないように」と毎回伝えるだけになってしまっていることもあります。

るいそうが著明であればとりあえず脂肪での体重増加でもよいと思い、脂質や糖質ばかりの飲料や食事であっても摂取を勧めています。運動に関しては、廃用予防程度ならよいですが、1日1時間以上のウオーキングなどエネルギー消費量が明らかに増えるような運動は推奨しません。過活動の制限もリハ栄養では大事だと感じています。

るいそうがそこまで著明でなければ筋肉での体重増加を優先したいので、エネルギー摂取量の増加と同時に、たんぱく質の摂取量増加と軽いレジスタンストレーニングの指導を推奨しています。こちらがリハ栄養の王道ですね。

NSTに関心がある人が外来や在宅診療をしていれば、適切に太るための食事を指導したくなる低栄養状態の患者さんがいるはずです。その時にパンフレットや冊子があれば、指導をやりやすくなるのにと感じています。

もしそのようなパンフレットや書籍の存在を御存知の方がいましたら、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

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