週刊医学界新聞の最新号に、第12回日本褥瘡学会開催の記事が掲載されています。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02897_01
この中にシンポジウム「QOL向上を目指した栄養管理」の内容が紹介されています。特に以下の飯田氏の記事紹介は、リハ栄養的だと考えますので引用します。以下、引用です。
「褥瘡の発生防止には,寝たきりの回避が有効な対策の一つになる。理学療法士の飯田有輝氏(厚生連海南病院)は,病態と体内の蛋白質量の関係から,リハビリテーションの開始時期を考察。急性期に大きな侵襲を受けると,体内では異化反応が進み,筋肉は減少するが,急性期を抜けると異化反応は和らぎ,筋肉の再合成が始まる。このことから氏は,急性期のリハビリは効果が小さく,異化の継続を助けてしまうと指摘。リハビリ開始には,筋肉の再合成を待つべきだとした。」
従来の褥瘡患者に対するリハは、褥瘡や栄養の状態を考慮せずに安易に行っていました。今後は積極的なリハ(レジスタンストレーニングなど)に関しては、褥瘡や栄養の状態を評価したうえで行うかどうかを判断すべきでしょう。容易ではないのですが、異化期か同化期かの判断も重要です。
また、井上善文先生は「PEGを造設しても,適切な経腸栄養を実施しなければ患者は軽快しないとして,栄養管理に習熟することなどを喚起した。最後に,ガイドラインについて,学会員をリードしていくためには,エビデンスが不十分であっても,普及が求められる治療法には高い推奨度を付けるべき」と述べています。リハ関連職種が栄養管理に習熟できるよう、貢献したいと考えています。
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