2010年9月13日月曜日

客観的身体能力測定値(握力、歩行速度、いすからの起立時間、立位バランス)と死亡率の関連

いつもお世話になっている内科開業医のお勉強日記ブログからの引用です。

客観的身体能力測定値(握力、歩行速度、いすからの起立時間、立位バランス)と死亡率の関連
http://intmed.exblog.jp/11273215/

身体能力の脆弱性と生命予後の関連

Objectively measured physical capability levels and mortality: systematic review and meta-analysis
BMJ 2010; 341:c4467 doi: 10.1136/bmj.c4467 (Published 9 September 2010)

報告のheterogeneityが指摘されたが、4つの測定項目において、身体能力と死亡率に関して一致した関連があった

握力、歩行速度、起立時間、立位バランスについて

握力の4分位比較、14研究、53476名対象で、年齢、性、身体サイズ補正(I2=84.0%, 95% confidence interval 74% to 90%; P from Q statistic <0.001)後、要約ハザード比は 1.67 (95% confidence interval 1.45 to 1.93)

歩行速度4分位比較、5研究、14?692 名で、同補正にて 2.87 (2.22 to 3.72) (I2=25.2%, 0% to 70%; P=0.25)

歩行速度、いすからの起立、立位バランスの死亡率との相関は、高齢者でのみ見られる(平均70歳超)
握力との相関は若年者でも見られる(5研究、平均60歳未満)

具体的身体能力指標測定は、運動介入による死亡率改善目指す上で、重要。
システミックレビューがなされておらず、また、高齢者、若年者における意義付けも不明であったため有用な報告である。

日本でも身体活動啓発しているようだが、このような簡易な指標を採用して、高齢者に対して運動啓発を行う方が、エクササイズ単位などというめんどくさい指標より高齢者にはいいのではないか?

以上、引用です。

握力と死亡率との相関が若年者でも高齢者でも見られるということは、サルコペニアと死亡率との関連も考えられます。握力はサルコペニアの評価指標の1つですので。運動療法の重要性を改めて実感します。

同時に運動療法を支える栄養療法、栄養サポートも重要だと感じます。低栄養では当然、握力、歩行速度、いすからの起立、立位バランスのいずれも低下しますので。

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