日本栄養士会の管理栄養士・栄養士倫理綱領について紹介します。
臨床栄養の最新号(118巻1号 2011年1月号)で、「管理栄養士・栄養士の未来を考える 臨床と教育の現場からのメッセージ」という特集が組まれています。その中に小松龍史先生の「倫理」に基づいたプロフェッショナルへ―管理栄養士の卒後教育がめざすものとはという記事があります。「倫理」に基づいたプロフェッショナルという考え方は興味深いです。
http://www.ishiyaku.co.jp/magazines/eiyo/EiyoArticleDetail.aspx?BC=061181&AC=1637
ついでですが、臨床栄養の最新号では私も「横浜南部地域一体型NSTによる地域栄養連携の推進(1)」というスポットの記事を書いています。
小松先生の記事の中に「日本栄養士会の管理栄養士・栄養士倫理綱領」が紹介されていましたので、日本栄養士会HPから引用して下記に紹介します。
管理栄養士・ 栄養士倫理綱領制定 平成14 年4 月27 日
1. 日本栄養士会は、本会会員が、管理栄養士・栄養士としての使命と職責を自
覚し、常に自らを修め、律する基準として、ここに倫理規定を設ける。
2. 管理栄養士・栄養士は国籍、人種、宗教、思想、信条、門地、社会的な地位、
年齢、性別等によって差別を行わない。
3. 管理栄養士・栄養士は、国民の保健・医療・福祉のため、自己の知識、技術、
経験をもてる限り提供する。
4. 管理栄養士・栄養士は、社会の期待と信頼にこたえるため、常に人格の陶冶及
び関係法の遵守に努める。
5. 管理栄養士・栄養士は、業務の遂行にあたり、知識及び技術の向上及び最新
情報の収集を行い、適切な情報提供と個人情報の管理、秘密の保持に努め
る。
6. 日本栄養士会は、会員が上記規定に違反する行為があった時は、審査委員会
を開催し定款8 条の規定により、会員名簿から除名を行う。
倫理綱領は他職種でも医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、PT、OT、ST、視能訓練士のものがあります。この中で日本医師会が平成20年に改訂した医師の職業倫理指針は66ページとかなり詳細なものになっています。下記のHPでPDFをみることができますので、興味のある方はご覧ください。
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20080910_1.pdf
日本栄養士会の管理栄養士・栄養士倫理綱領は、かなり厳しい(でも正しい)と思います。5と6を素直に解釈すれば、「知識及び技術の向上及び最新情報の収集を行」っていなければ、日本栄養士会の会員名簿から除名されることになります。これってすごいことですよね。実際にこれで除名された方はいるのでしょうか?
私はFDの中に生涯学習能力を含めていて、「生涯学習能力のない時代遅れの医療人は仕事を辞めるべきだ」と講演でよく言っています。でも日本栄養士会はすでに平成14年から同じことを言っていたのですね。私より日本栄養士会のほうが辛口だと思います(笑)。
小松先生は「これはあまり省みられることがなく、それが残念なのであるが、これが、発想の原点なのである。」と言っています。もしそうだとすれば本当に残念です。日本栄養士会に所属している管理栄養士・栄養士は、仕事を辞めるか死ぬまで学習を継続しなければいけません。私も負けないように生涯学習とブログの更新を頑張りたいと思います。
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