2011年1月13日木曜日
non exercise activity thermogenesis(NEAT)の総説
今日はnon exercise activity thermogenesis(NEAT、非運動性熱産生)の総説論文を紹介します。
Levine JA: Nonexercise activity thermogenesis – liberating the life-force. J Intern Med 2007; 262: 273–287
NEATとは、基礎代謝、食事誘発性熱産生、運動以外によるエネルギー消費です。運動以外の日中の生活スタイルによって、エネルギー消費量は少なからず異なってきます。NEATを増やせば特別な運動をしなくても肥満、糖尿病を予防できる可能性があるという仮説もあります。
図aでは活動による熱産生のうち、運動よりも非運動性のもののほうが多いことが示されています。図bでは、座位で生活している人と、農業のような力仕事をしている人とでは、NEATが最大1日2000kcal異なる可能性があることが示されています。
この総説論文では以下の5つの点について記載されています。
1 NEAT varies by 2000 kcal day)1.
2 NEAT is important in human fat gain and obesity.
3 NEAT is underpinned by a profound and subtle biology.
4 NEAT is central in the genesis of the obesity epidemic.
5 NEAT-enhanced living is achievable.
肥満、糖尿病、減量対策として、運動以外にNEATを増やすことが重要になります。リハ栄養的にも、リハや運動療法の時間を確保するのはもちろんですが、それ以外の時間の過ごし方が減量には重要といえます。入院患者で、訓練時間以外は1日中ベッドで横になっているようでは、減量は期待しにくいと考えます。
一方、低栄養患者の場合には、逆にNEATを少なくすることが適当な場合があります。NSTで1日エネルギー必要量を計算して十分投与しているはずなのに栄養状態が改善してこない場合、その原因の1つにNEATが多い可能性があります(侵襲、悪液質の考慮も必須です)。
この場合、日中の過ごし方を確認するとよいかもしれません。リハ以外にも1日中動き回っていてNEATで栄養改善を認めないと思われる場合には、さらにエネルギー投与量を増やすことが必要でしょう。動かないようにしてもらうのは好ましくないと思います。
日本語でNEATの参考になりそうなHPを少し紹介しておきます。
目指せ肥満解消!-日常の活動で積極的カロリー消費のススメ-
http://www.wellnesslink.jp/p/column/moritani_01_01.html
人はなぜ、太るのか?ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/takahashi_michio/2010-10-14.html
メタボ時代のための健康食生活 森谷敏夫先生スライド
http://morichan.jinkan.kyoto-u.ac.jp/general/08curry.pdf
Abstract
Obesity occurs when energy intake exceeds energy
expenditure over a protracted period of time. The
energy expenditure associated with everyday activity
is called NEAT (Nonexercise activity thermogenesis).
NEAT varies between two people of similar size by
2000 kcal day)1 because of people’s different occupations
and leisure-time activities. Data support the
central hypothesis that NEAT is pivotal in the regulation
of human energy expenditure and body weight
regulation and that NEAT is important for understanding
the cause and effective treatment for obesity.
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