2010年4月15日木曜日

ファシリテーターの心構え

ファシリテーションとは、会議、ワークショップ、組織などを促進する、円滑にする、スムーズに運ばせるという意味です。リハの世界では麻痺の改善やより適切な発達を促通するという意味で使われますが、世間的には前者の意味が主流です。

最近、私のまわりではファシリテーションに関心があるという人が増えています。それだけチームや組織での活動・仕事が徐々に多くなってきたということでもあり、それらの活動・仕事が必ずしもうまくいっていないということでもあるのでしょう。

ファシリテーションというと、アイスブレイク、場の盛り上げ、時間管理、ブレインストーミング、合意形成など、どちらかというとスキル的なことに重きがおかれていることが多いように感じます。しかし、私はその前に心構えがより大切だと考えています。

ファシリテーターの心構えとして、私は以下の7つが大切だと思っています。

グループには無限の可能性がある。
答えはグループの中にある。
グループの答えを見つけるパートナーになる。
唯一絶対の正答はない。
グループメンバーを信じる。
グループメンバーを受け入れる。
グループメンバーに共感する。

ただグループやチームのメンバーとファシリテーターの間に、知識や技能面で大差がある場合には、ファシリテーションよりティーチングのほうが適切なことがあります。ですので、状況に応じてファシリテーションとティーチングを使い分けることが必要です。

しかし私の経験では、ファシリテーションのほうが適切な場面でティーチングを使ってしまうことが少なくありません。そうなるとグループやチームの満足度や成果は少ないものになってしまいます。

私たちは学生時代から医療人になってもティーチングで育ってきている部分が大きいので、どうしてもティーチングになりがちです。しかし、社会人の学習では、ポイントのみ簡単にティーチングを使うことはあっても、ベースはファシリテーションのほうが学習効率も満足度も高いと考えます。

実際、学会や研修会でも、学習効率の悪い大人数での一方的な講義より、学習効率の高い小グループでの学習・実習が徐々に増えてきています。神奈川NST専門療法士連絡会のFD勉強会や神奈川NST合宿でも、なるべく小グループ学習を多くして、同時にファシリテーションも学べる機会としています。

コーチングとファシリテーションの違いのベースは、対象が個人かチーム・組織かの違いですので、心構えとしてはコーチングもファシリテーションも同じです。ティーチングとのバランスの重要性も同様です。

リハ栄養はチーム医療ですので、ファシリテーションが必須です。チーム医療がうまくいかない理由の1つに、ファシリテーター不在があります。ファシリテーションに興味のある方は、神奈川NST専門療法士連絡会のFD勉強会や神奈川NST合宿に参加してみてください。

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