2010年4月27日火曜日

理系のための研究生活ガイド第2版

今日は坪田一男著、理系のための研究生活ガイド第2版―テーマの選び方から留学の手続きまで、ブルーバックスB-1671、講談社を紹介します。

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2576716

ブルーバックスですので、高校生~一般社会人向けに執筆された書籍になりますが、医療人が読んでも参考になることが多いと感じました。医学書と異なり値段も安いですし(940円+消費税)、医療人で研究生活に関心のある方は一読の価値があると考えます。

まず英語に関しては何としても身につけなければいけないことが強調されています。誰でも最初から不自由なく英語を読んだり書いたりできるわけはありませんので、一定(相当ですが)の努力の必要性を再認識しました。避けて通るわけにはいかないのですが、避ける気持ちも個人的にはよく理解できます…。

学会などで「必ず1回以上質問をする」というのもよいことだと考えます。質問する気で聞くと発表をより真剣に聞くことができますし、「自分が研究している分野の学会で認められるいちばん良い方法でもある」そうです。「かわいい子の発表では必ず質問する」というのは賛否両論かもしれませんが…。

時間管理の方法も参考になりました。研究時間を以下の6つに分類して、1週間でそれぞれ2単位(1単位2時間なので計4時間)確保しているそうです。

・文献を読む時間
・臨床の論文を書く時間
・基礎の研究を考える時間
・一般的な読書時間
・一般の本を執筆する時間
・研究費取得、ビジネス時間

教授となると臨床以外にも管理業務やら何やらでとても忙しいようにみえますが、その中で毎週これだけの時間を捻出して実践しているのは実に素晴らしいことです。

自分で当てはめて考えてみると、基礎研究や一般の本の執筆は行っていませんが、

・文献や医学書を検索して読む時間
・臨床の論文や書籍を書く時間
・臨床研究のデータ収集・分析時間
・一般的な読書時間
・ブログを執筆する時間

は必須です。ただどれだけこれらの時間に使っているかとなると、前半3つの時間は明らかに少ないと感じます。そのため、「1週間ごとに達成率をチェックする」ことが必要だそうです。

すべての医療人は知識労働者ですので、時間の使い方を記録して、無駄な時間を整理してまとめて、自分の学習のインプットとアウトプットに多くの時間を費やすようにしたいものです。

目次
ガイド1 「研究」とは何かを理解する
ガイド2 研究者になるための8つのチェックポイント
ガイド3 大学と研究室を選ぶ11のポイント
ガイド4 研究テーマを決める14の原則
ガイド5 コミュニケーションのABC
ガイド6 研究者のためのIT活用術
ガイド7 研究者のための「超」読書術
ガイド8 研究者のための英語習得6つの必勝法
ガイド9 英語論文を書く21のコツ
ガイド10 学会発表13の技術
ガイド11 研究のための知的時間管理法
ガイド12 絶対留学するためのテクニック
ガイド13 研究費を集める14のノウハウ

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