第25回日本静脈経腸栄養学会の海外招聘講演「未来の臨床栄養1」のレポートを以下のHPで確認できます。
http://www.nestlenutrition.jp/NR/rdonlyres/244D187B-8CC3-4CB0-8CED-5060EBD87839/0/vison_pdf_01.pdf
Friedrich-Alexander-UniversityのCornel C. Sieber先生の講演で、私はJSPENの時に聞きましたが、英語の講演だったためか参加者は多くなかったと記憶しています。
「SarcopeniaとFrailty」の項目のところは、特に読む価値があると感じています。「歩行速度が1秒1m当たり0.8まで低下すると、BMIとは関係なく死亡率が高くなる」という報告があり、そのためにサルコペニアの診断基準に歩行速度(0.8m/s以下)が入っているのだと思います。
「MNA―SFはSarcopeniaに対しても反応性を有し、治療効果の期待できる患者を抽出し、さらに栄養状態を明確に判定できる」そうです。その点でもMNA―SFの使用が推奨されるようです。
「栄養療法―蛋白とビタミンD摂取および運動の重要性」の項目には、「筋肉量と筋力を維持し、筋肉減少を回避するためにビタミンDが重要であるというデータがある」という記載があります。ただ、副作用の問題などがありますので、ビタミンDが不足していないサルコペニアの人にまでビタミンDの内服を進める必要はないかと私は感じています。不足していれば補給すべきですが。
MNA―SFの宣伝の要素も少なからずありますが、ヨーロッパでの◉高齢者における栄養管理の現状を知る上では、一読の価値はあると感じています。
2010年6月12日土曜日
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