2010年6月28日月曜日

PT学会2010リハ栄養関連演題

今年のPT学会の中で、リハ栄養関連の発表抄録を2つ見つけましたので紹介します。詳細は下記のHPで抄録全文を参照してください。

①栄養摂取方法の違いは廃用症候群患者の移動能力の回復に影響する
http://cjpta.jp/45th/pdf/O1_145.pdf

②高齢者大腿骨近位部骨折患者の術後短期的日常生活動作改善要因の解析―栄養学的因子を含めた検討―
http://cjpta.jp/45th/pdf/P2_175.pdf

①は、経口摂取群と非経口摂取群の2群で廃用症候群患者を比較すると、前者のほうがNST介入終了時のアルブミン値が高く移動能力も高く死亡割合が少ないという結果です。

確かに経口摂取群のほうが予後は良好だろうと感じます。ただ、非経口摂取群が経口摂取できなかった理由として、重度の摂食・嚥下障害もしくは意識障害も含めた全身状態不良が背景にあるとすれば、これらが交絡因子になっている可能性があります。

②は、高齢者大腿骨近位部骨折患者で急性期病院退院までの短期間のADL改善には、術後3日間の食事摂取量、退院前3日間の食事摂取量とのみ相関関係が見られたという結果です。アルブミン値はデータ収集可能な範囲では有意な相関がなかったようです。

経口摂取単独であれば、少なくとも7割以上の経口摂取が筋力やADLには必要と思われます。ただ考察にもありますが後ろ向き研究で調査項目が不十分であり、今後、前向き研究で十分な調査項目で検討されることが期待されます。

来年のPT学会では、より多くのリハ栄養関連の発表があることを期待しています。

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