今日は、金井壽宏編・著「人勢塾―ポジティブ心理学が人と組織を鍛える」小学館を紹介します。
http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093878630
人勢塾とはポジティブ心理学を応用・実践し、人と組織を元気にするための研究会のことで、主に企業の人事担当者を対象にした勉強会です。ただ、組織を元気づけるという意味で医療人にも参考になる内容だと思います。
医療界は構造的になかなか厳しいですし、NSTは稼動していてもうまくいっていない病院が少なくないですし、病院や医療スタッフに腹が立つ時もあるでしょうし、医療人はネガティブになりやすい環境で仕事をしていると感じています。本当は多くのありがとうのことばをいただける、得難い環境ではあるのですが…。
ポジティブ心理学と言ってもネガティブな面にも目を向けて、ポジティブ対ネガティブの比が3対1くらいが丁度よいそうです。あまりポジティブに偏りすぎても、それはそれでやや問題があるようです。
「感謝日誌法」という方法が紹介されています。毎日その日に生じた出来事のうち感謝すべきことを5つ書くと、次の日に前向きな気持ちになれるそうです。感謝の気持ちは内省してもよいし、人に伝えてもよいですが、自分だけでなくまわりも組織も明るくさせます。
あと、以下の質問に高い評価をする社員は生産性の高い職場に多く、低い評価をする社員は生産性の低い職場に多いそうです。これらは「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす」という書籍からの引用です。皆様はいかがでしょうか。
1.仕事上で自分が何をなすべきか、要求されていることがわかっているか。
2.自分の仕事を適切に遂行するために必要な材料や道具はそろっているか。
3.最高の仕事ができるような機会に毎日恵まれているか。
4.この一週間の間に仕事の成果を認められたり、褒められたりしたことはあるか。
5.上司や同僚は自分を一人の人間として認めて接してくれているか。
6.仕事上で自分の成長を後押ししてくれている人はいるか。
7.仕事上で自分の意見は尊重されているか。
8.企業のミッションと照らし合わせて自分自身の仕事は重要だと感じられるか。
9.同僚は質の高い仕事をしているか。
10.職場にだれよりも親しい友人はいるか。
11.この半年の間に、自分の進歩について誰かと話し合ったことがあるか。
12.この一年の間に、職場で学習し、成長する機会に恵まれたか。
いずれにしても仕事をするのであれば、辛くやるよりも楽しくやりたいものです。ただ、楽しさが3、辛さが1くらいのバランスがお勧めです。逆に辛さが3、楽しさが1ではなかなか大変ですが。
目次
序章 人勢塾への道―ポジティブ心理学を組織・人事に実践的に応用するために
第1章 ポジティブ心理学
第2章 「感謝」が社内を変えていく
第3章 「強み」を生かした組織づくり
第4章 「フロー経験」を知る
第5章 ピーク経験と自己実現
第6章 HRから組織を変える
第7章 逆境を乗り越える力
第8章 その後の人勢塾
巻末付録 「人勢塾」事前シラバス抜粋
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